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ラビウサ

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ラビウサ

( 看護師 専門看護師)

腹部外科で働く看護師の仕事内容について

ラビウサ
専門看護師ラビウサ
腹部外科 仕事内容

消化管の手術を担当する部署を腹部外科と言い、主に消化器疾患患者の手術を行います。腹部外科の特徴は以下の通りです。

  • 様々な疾患を持った患者と関わる
  • スムーズな看護をするためには多くの知識を必要とする
  • 勤務中は忙しく緊張することが多い
  • 看護必要度が高いので看護師の数が多い
  • 残業は比較的少ない
  • サバサバした看護師が多い

このような特徴から、消化器疾患のケアを解剖からしっかりと覚えたい向上心の強い看護師・仕事とプライベートの時間をきっちり分けたい看護師にも腹部外科病棟はお勧めの職場と言えます。

今回は、食事や排泄と密接に関係する腹部外科で働きたいと考えている看護師に、腹部外科での仕事内容・求められるスキル・1日のスケジュール・メリットデメリットなどをご紹介します。

1. 腹部外科で働く看護師の仕事内容

腹部外科 消化器

腹部外科で働く看護師の主な仕事内容は以下のとおりです。

  • 消化器疾患の周術期看護
  • ストーマケア
  • がん患者のケア
  • 緊急入院・手術対応
  • 抗がん剤の投与管理

これらの仕事内容を詳しくご説明いたします。

 

消化器疾患の周術期看護

腹部外科で働く看護師は、消化器疾患の周術期看護を行うことが仕事になります。その患者の手術前から手術を乗り越え退院するまでのケアを行うことが、腹部外科の看護師の仕事になります。

 

ポイント!

ポイント

消化器疾患には、食道・胃・小腸・大腸・肛門・肝臓・膵臓・胆嚢・胆管などの良性・悪性疾患が多くあります。

 

ストーマなどのケア

ストーマ造設を行う前から関わり、患者や家族が自分でストーマケアをマスターするまでを支援するのも腹部外科で働く看護師の仕事になります。

ストーマ造設は一時的・永久的なものがありますが、患者はストーマができた自分の体を受け入れることが難しいことも多くあります。その患者を精神的にサポートし、セルフケアを確立していくことはとても大切な看護ケアです。

 

がん患者のケア

腹部外科病棟には、がん患者が多く入院してきます。術前抗がん剤を行うために入院する場合もありますし、告知・入院・手術までが短期間過ぎて不安を抱えている方も多くいます。

不安が強い患者に適切なケアと心理的サポート、そして入院中のケアにとどまらず退院後の生活についても患者指導を行うことも、腹部外科病棟で働く看護師の仕事になります。

 

緊急入院・緊急手術対応

外科病棟の特徴は、緊急入院したその日に緊急手術が行われる可能性があることです。特に腹部外科では、イレウスや急性腹症などにより緊急手術が必要になることもあります。そのため、看護師は午前中に処置やケアを行い、午後は緊急対応ができるように自然に時間配分を行います

 

抗がん剤の管理

手術前後に抗がん剤を使用するがん患者に場は、抗がん剤の投与管理も看護師の仕事の1つになります。

抗がん剤は時間で滴下する必要があるため、手術患者への対応が必要な場合にはチームメンバーに声をかけて抗がん剤投与管理を依頼することも必要になります。

 

2. 腹部外科で働く看護師に求められるスキル

発見する女性 虫眼鏡

腹部外科で働く看護師に求められるスキルは以下の通りです。

  • 患者の変化をすぐに察知する観察力
  • 患者に対し心理的なサポートができるスキル
  • 患者のため離床を促すスキル

全てに当てはまることは、患者1人1人をよく観察して個々に合ったケアや対応をするということです。詳しく説明していきます。

 

緊急性を見抜く観察スキル

腹部外科で働く看護師に求められる1番のスキルは、緊急性を見抜く観察力です。患者の一番近くにいるのは看護師のため、患者のバイタルサインや意識レベルなどの変化、手術後のお腹の状態やドレーンからの排液などから、異常を早期に発見することが求められます

観察力がないと緊急性を見抜くことができず、最悪の結果となってしまう可能性があるため観察力が必要になります。

 

食べる、排泄することのケアスキル

腹部外科の患者は手術をすることで絶食を求められ、排泄もうまくいかなくなります。その食べる・排泄することがうまくできなくなった患者に対する心理的サポートと具体的な支援を行うことができるケア力が、腹部外科で働く看護師に求められるスキルです。

食べる・排泄することは、患者の自尊心にもかかわる部分でもあります。そのケアができるかどうかは、患者が隠しがちな排泄の悩みをできるだけ早くキャッチすることができるかどうかです。観察する目とケア力が求められる部分です。

 

早期離床を促せるスキル

腹部外科で働く看護師に求められるスキルは、傷に痛みがある場合でも患者に離床を促し、動いたことを一緒に喜べる強さと優しさです。

痛そうだから動くことを促さない看護師は一見優しい看護師に見えますが、早く元通りの生活を送れるよう、患者のために動くことを促したほうが良いです。

 

3. 腹部外科で働く看護師の1日のスケジュール

1日のスケジュール

腹部外科で働く看護師の日勤での1日のスケジュールを日勤を例にしてご紹介します。

基本的な流れは以下の通りとなりますが、1つの業務に時間をとられて他の業務が後回しになる場合や、逆に空いた時間に新規業務をする場合もあります。

午前8時半~9時前後は、食事・服薬確認・申し送り・医師との合同ミーティング・オペ出しなどが重なり、バタバタすることが多いです。

 

朝イチでオペ出しと申し送り業務

腹部外科病棟のメインの仕事は手術なので、朝出勤したらオペ出しと申し送り業務をします。朝イチのオペ出しは時間によって夜勤の看護師が送ることもありますし、日勤帯の看護師が申し送り前後に患者を手術室に連れていくこともあります。

 

ポイント!

ポイント

腹部外科病棟では、多い日には午前・午後でオペ出し業務があります。予定の手術と緊急手術があるため、1日中オペ出しをする日もあります。

 

10時:検温と手術後患者のケア

10時の検温とともに手術後の患者の清拭を済ませます。特に手術後1・2日目の患者はドレーンが入っており、患者だけでは体を自由に動かすことができません。そのため、創部の状態を観察しつつケアを行います。

また、医師の回診の際には介助につき、患者のドレーンの管理や安静度の確認を行います。

 

11時:入院患者オリエンテーション

11時前後に、予定入院が数名病棟に入院してきます。そのため、担当になった場合には入院患者の情報収集やオリエンテーションを行います。

 

ポイント!

ポイント

患者の入院・手術の不安を解消してくれるのは看護師との関わりが深く関係するため、時間はとられてしまいますがその後の関係性を築くためには大切な仕事です。

 

13時:オペ患者のお迎え

朝に手術室に入った患者さが午後に戻ってくるため、お昼を回ると手術後患者への対応を行います。看護師は手術患者のバイタルサイン測定をしなくてはなりません。

 

14時:手術前患者、退院患者オリエンテーション

午後は手術前の患者へのオリエンテーションや、退院前の患者指導などの業務を行います。

 

ポイント!

ポイント

患者にとっては初めての経験のため、オリエンテーションの時間は患者やご家族の不安・理解度によって変化します。

 

4. 看護師が腹部外科で働くメリット

説明する女性看護師

看護師が腹部内科で働くことは、以下のようなメリットがあります。

  • 解剖が得意になるため看護師としてスキルアップできる
  • 患者とともに回復の喜びを分かち合える
  • 離床を促すスキルをプライベートでも活用できる
  • ストーマ管理ができるようになるため将来に役立つ

腹部外科で働くと多くの知識や技術が身につくため、仕事のみならずプライベートでも活かすことができるということがメリットです。

 

自然と消化管の解剖に強くなる

腹部外科では、術式の申し送りと患者に挿入されたドレーンを自分の頭でマッチングさせるスキルが必要であるため、自然と解剖に強くなります。

無理して時間をつくり勉強をしなくても、回数を重ねることで自然と知識が頭に入ってくるので得した気持ちになります。

 

食べることの楽しみを患者と共に実感できる

他の科で外科手術を受けた患者は、トラブルがなければ手術の翌日には食事がとれます。しかし、腹部外科の患者は食べないことが創部の回復につながるため、数日間絶食の場合が多いです。

そのため、食べること・食べられることの楽しさや嬉しさを、患者の回復とともに実感できることが腹部外科で働く看護師のメリットです。

 

離床を促す方法がうまくなる

腹部外科の手術後は腹部の傷の痛みのため離床が滞りがちになりますが、患者の痛みに対応しながら離床すること・歩くことの大切さを説くことで患者の離床を促す方法がうまくなります。

離床を促すスキルは手術を受けた知人や友人に対し、どうすれば楽に起きられるのか・食べ方の注意点など日常生活でできる工夫・傷の回復のメカニズムを説明することで、不安の軽減に役立たせることができます

 

ストーマ管理が得意になる

腹部外科はストーマ管理も看護師の仕事の1つです。皮膚・排泄ケア認定看護師がいない場合、自分で勉強してストーマ管理を覚える必要があります。

自分で知識を覚えたことはいくつになっても記憶が薄れることがないため、看護師としてストーマ管理ができることは自信につながります

 

5.看護師が腹部外科で働くデメリット

リスクを切るハサミ

看護師が腹部内科で働くことは、以下のようなデメリットがあります。

  • 清潔を保つのに限度があり、清潔・不潔の意識が低くなりがち
  • 汚い言葉を口に出すことや、排泄物に対して抵抗がなくなる

腹部内科の看護師として勤めている分にはさほど問題ありませんが、転職などで他の科で働く時に清潔・不潔の感覚が低くなっていることや汚い言葉を平気で口に出すことはデメリットとなります。

 

清潔・不潔の感覚が低くなる

腹部外科でも他科と同じように創部は清潔操作で対応しますが、排泄物が便や消化液のために厳密に清潔を保てない面もあります。そのため、他科の看護師よりも清潔・不潔の感覚が低くなりがちです。

 

排泄物に慣れすぎる

腹部外科の看護師は、順調に排泄が出ることの喜び、胃液・腸液・便などについての会話を毎日口にしているため、普段の生活でも当たり前のように口から出てしまい、ドン引きされることがあります。

また、便の匂いなどが残っていても食事をすることができるようになるため、友人などから「気にならない?」と聞かれたときに我に返りショックを受けます。排泄物に慣れすぎて一般的な感覚を失ってしまうことがデメリットといえます。

 

6. 看護師が腹部外科で働いて楽しかったこと・辛かったこと

両手を広げる女性看護師

腹部外科で働く看護師が、働く上で楽しかったことと辛かったことをご紹介します。

 

看護師が腹部外科で働いて楽しかったこと

腹部外科で働く看護師が楽しかったと感じたことは、多くの患者が元気になって退院すること・仕事にメリハリがあることです。

腹部外科は患者が回復していくのを間近で看ることができるので、患者の回復力に自分自身もパワーをもらうことができます。

また、腹部外科病棟は緊急入院・手術が入らなければ業務の予定が立てやすいため、メリハリをつけて仕事ができます。心に余裕を持って仕事をすることができ、働いていて楽しいと感じます。

 

看護師が腹部外科で働いて辛かったこと

腹部外科で働く看護師が辛かったと感じたことは、他科の看護師と比べて腹部外科病棟の看護師はきつい性格であることが多かったことです。

腹部外科の看護師は、患者の離床を促す必要性や緊急手術などに対応するスキルが高められていくためか、すぐに対応できない看護師に対してはきつく当たる看護師が多い傾向があります。

 

まとめ

今回ご紹介したことを踏まえ、腹部外科に向いている看護師を以下にまとめました。

  • 排泄物など汚い仕事をすることに抵抗がない看護師
  • 解剖などが得意・興味がある看護師
  • あまり残業をしたくない看護師
  • 患者の気持ちを汲み取り精神的なケアができる看護師
  • 患者の変化をいち早く見つけることができる看護師
  • 患者が元気になっていくことにやりがいを感じる看護師

これらに当てはまる看護師は腹部外科に向いている看護師といえます。基本的に腹部外科の患者は元気になって退院していくため、職場の雰囲気は明るいです。

腹部外科に興味をもった看護師がいれば幸いです。

最後までご確認いただきましてありがとうございました。


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看護師をして20年以上になります。外来・病棟・検査室・クリニックなど、いろいろな場所での業務を経験しました。
ですが、一時は看護師をやめようと思ったほど、心身共に追い詰められた時期もあります。現在は、看護師も続けつつ、ライターやカウンセラーとしても活動しています。
今までの経験を生かして、いろいろな体験談も書いていこうと思っています。よろしくお願いします。


カテゴリー:看護師業務内容の特徴


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この記事を書いた人:ラビウサ
(公開日:)(編集日::2017年07月27日)

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