著作者

くくる

執筆:看護師

くくる

( 看護師 保健師 男性)

特定機能病院とは?看護師転職のメリット・デメリット

公開:、更新:2018年04月23日
特定機能病院とは 看護師転職

特定機能病院は、平成5年から制度化が始まり平成29年4月時点で85の病院が承認され、そのほとんどが国公私立大学の医学部付属病院で、高度な医療を提供する病院です。

多くの患者が来院や入院をしているため、様々な症例を間近で見ることができることやチームの一員となって治療にあたることができるため、非常に大きなやりがいを得ることができるでしょう。

今回は、特定機能病院についてとそこで働く看護師について述べていきます。

1.特定機能病院とは

特定機能病院を説明する看護師

特定機能病院とは、高度な医療を提供する病院などに患者が集中してしまうのを防ぐために、特定機能病院などが誕生し「病院が施設を有効に活用する」「適切な医療を提供する」等ができるような環境づくりを目的としています。

 

特定機能病院の認定条件

特定機能病院は、

  • 高度な医療を提供する能力がある
  • 高度な医療技術の開発及び評価を行う能力がある
  • 内科や神経科、小児科、外科など10以上の診療科を有している
  • 400人以上の患者を受け入れられる施設である
  • 厚生労働大臣が認証している

等、非常に高いハードルを全てクリアしていれば、特定機能病院として認定されます。

 

補足説明!

ポイント

特定機能病院は、高度先進医療などを含んだ高度な専門医療を必要とする患者や急性期の患者を看るのが望ましいとされています。

 

特定機能病院の現状

特定機能病院として承認されると、その地域における最も高度な医療が受けられる病院であり、最も医療技術に優れたスタッフがいるとも言えます。

患者にとっては「高度な医療が受けられる」というメリットがありますが、医療費はやや割高になってしまいます。

 

注意点!

ポイント

特定機能病院は、風邪や腹痛などといった症状では受診できず、原則として地域の病院やクリニックなどからの紹介状が必要です。

 

2. 特定機能病院における看護師の役割・スキル

看護師にしかできない仕事を受け持つ特定機能病院の看護師

特定機能病院は、高度な医療を提供している医療機関で患者も重篤であることも多いため、ここで働く看護師は非常に重要な役割を担うことになります。

それでは、特定機能病院の看護師の役割とスキルについて見ていきましょう。

 

看護師にしかできない仕事を受け持つ

基本的に特定機能病院は、一般の病院と看護師の働きが異なることはありませんが特定機能病院は、1つの使命として「病院が特定機能病院として承認継続されるように努力し続けていく」ということがあるため、どの部署でも職員数が十分に配置されて働きはより細分化されます

そのため、特別機能病院では看護師だけにしかできない仕事を受け持つということになります。

 

ポイント!

ポイント

特定機能病院では業務が細分化され、役割分担がより明確化されているため、看護師本来の業務を行えるという点においては、看護師の満足度も高いでしょう。

 

正確かつ的確で迅速な対応が求められる

特定機能病院の看護師は、医師をはじめ治療に携わる医療従事者と連携を取りながら、正確かつ的確で迅速な対応が求められます。

 

補足説明!

ポイント

特定機能病院の看護師は、瞬時な判断力さらには治療や診察がスムーズにいくように、適切な報告や連絡や必要であれば相談をしながら、看護の仕事を行っていきます。

 

3.特定機能病院に看護師転職するメリット

最先端の医療技術を学ぶことができる特定機能病院の看護師

特定機能病院のほとんどが大学病院やそれに準ずる規模の施設であり、看護師の待遇は公務員としての扱いとなるため、福利厚生が非常に充実しており、給与については満足度も高いと言えるでしょう。

特定機能病院に看護師転職するメリットについては、以下の通りです。

 

最先端の医療技術を学ぶことができる

特定機能病院で働く看護師は、全国でも医療技術においてトップの病院に勤めるため、そこで行われる治療や検査や研究に関しても全国レベルの技術を見ることができます。

「最先端の医療技術に触れて知識を身につけることができる」ということは、特定機能病院で働く上での大きなメリットになることでしょう。

 

研修制度が充実している

特定機能病院は、高度医療技術の教育も目的としているため、看護師への研修制度も非常に充実しています。

病院内での各種勉強会やセミナー、大学内での研修、全国規模の学会への参加奨励、看護研究の推進などが積極的に行われています。

 

補足説明!

ポイント

認定看護師・専門看護師の資格取得に関しては、病院側が勤務時間など様々な配慮をしてくれるため取りやすいでしょう。

 

スペシャリストとしての看護師の働きができる

特定機能病院では、高いレベルの現場環境で業務を遂行し、より専門性・特殊性に特化した看護技術の提供ができるため、看護師という有資格者として本来あるべき仕事ができます。

 

ポイント!

ポイント

特定機能病院の特徴として多種多様な診療科があるため、数年ごとに異動することにより更なる看護技術の向上につながるでしょう。

 

4.特定機能病院に看護師転職するデメリット

委員会活動に参加する看護師

特定機能病院は、国の医療政策に基づき主にトップダウン式で組織が運営されているため、看護師としての個性より先に、組織の一員としての役割を果たすことに比重が置かれることを受け止めて、業務に当たっていくことが必要です。

それでは、看護師転職デメリットについて見ていきましょう。

 

看護業務以外の仕事も多い

看護師しかできない業務を優先に行うのが特定機能病院での働きが特徴ですが、

  • 委員会活動
  • 各種会議
  • 看護学生への指導
  • 研修会への参加
  • 機能評価に向けた準備

等、看護業務以外の仕事も多いです。

看護管理者となれば、上記の仕事の他にも看護管理業務が加わり、看護師本来の仕事内容のイメージからますます離れていくでしょう。

 

継続承認のために行われる機能評価は慣れるまでが大変

特定機能病院としての継続承認のために行われる機能評価では、

  • 各種マニュアルの作成や見直し
  • 基本的な整理整頓
  • 避難経路の熟知や災害時の対応
  • 病院や看護部の理念の暗記

等が毎日の業務の中に組み入れられ、日々その準備に追われることになります。

 

手技的な技術力の低下

大学付属病院であれば研修医が働いていますが、彼らは指導医の指示の元で受け持ち患者に対して、時には看護師以上に深く接することがあるため、看護師の手技的な技術の低下する可能性があります。

採血業務にしても研修医が施行することが多く、看護師は介助する側という場合もある等、仕事の多くは定時の検温や、検査・処置の介助、輸液管理、緊急時の対応等、本当に基本的なものが多くなります。

私が大学病院で研修していた時、循環器外来では血圧測定でさえも、全て研修医が手動で行っているのを見たことがあります。

 

患者と接する時間の減少

特定機能病院で働く看護師の仕事が細分化され、役割分担が明確化されていると患者やその家族と触れ合う時間が減っていくことにつながるため、デメリットと言えるでしょう。

ベッドサイドで多くの時間を過ごすことがよい看護をしている基準にはなりませんが、患者との触れ合いは非常に大切であり、普段の何気ないやり取りから看護アセスメントが広がる場合もあります。

 

患者と接する事で看護アセスメントが広がる例

入浴介助中に背中に傷があることに気がついたり、検査室に移動するときの会話の中で手術に対する本当の気持ちが聞けたり、家族とシーツ交換をしているときに治療に対する不安や不満などが聞けたりすることがあります。

上記の場合から看護計画や患者指導、心のケアにもつながり、そして患者やその家族が病気と戦うときの良き後方支援につながることもあります。

 

注意点!

ポイント

病院での業務の過度な専門化や細分化は、時として本来得られるはずの情報を見落としてしまう弊害を併せ持つこともあると覚えておきましょう。

 

5.特定機能病院で働く際に注意すること

役割を明確にする特定機能病院で働く看護師

看護師が特定機能病院で働く際に注意することは、どのようなことがあるのでしょうか。

以下で確認していきましょう。

 

自分と他職種者の役割を明確にする

特定機能病院では、1人の患者に多くの職種の人が関わっているため、看護師と多職種者の役割を明確にすることが必要です。

特定機能病院の看護師は、患者の病態の把握や治療や検査の介助、記録といった看護師本来の仕事に集中することが必要で、さらに他職種者に対して本来の仕事を行うように指示することもあります。

 

医師にも業務の線引きをする場合がある

時には医師に対して「それは先生の仕事です!」と、きちんと業務の線引きをすることもあります。

看護師が本来行うべき仕事を最優先に行い、それ以外の業務については必要な人に割り当てるといった徹底さが必要です。

 

求人が少なく競争率が高い

一般病院と比較して特定機能病院での看護師の求人は非常に少なく、特に正職員の採用となるとかなりの競争率になることがあります。

多くは新卒採用か4月の年度初めの採用であり、中途採用は少ない傾向があります。

 

補足説明!

ポイント

募集要項には、年齢制限が設けられていることも多く、もし特定機能病院への転職を希望するなら、早いうちから病院のホームページなどをこまめにチェックするようにしておきましょう。

 

まとめ

特定機能病院についてや看護師が働く場合のメリット・デメリット等を説明してきましたが、いかがでしたか?

自分が働く上で何に重きを置くのかを明確にした上で行動に移すことが大切であるため、特定機能病院に転職を考えている看護師は、是非参考にしてみて下さい。


(編集・構成・管理者:亀岡さくみ

アラフォーの男性看護師です。国立大学の看護学科を卒業し、看護師と保健師を取得しました。卒後は脳外科病棟で急性期看護を学び、数回の転職を経て、現在は民間の総合病院で保健師として働いております。
看護師としてのキャリアアップと、ワークライフバランスとの両立に関心があり記事で皆様にお伝えしていきます。

看護師としての経歴

保有資格 ・正看護師・保健師・第一種衛生管理者・人間ドックアドバイザー
出身/年齢 ・沖縄県/男性/40代前半
職務経験 ・総合病院・訪問看護師・治験コーディネーター
診療科経験 ・脳神経外科・ICU・呼吸器内科・睡眠時無呼吸症候群専門外来
・健診センター・ペインクリニック・糖尿病専門外来・内視鏡センター

【看護師による】転職求人サイト口コミ評価おすすめランキング

口コミランキング

【Pick up!注目の記事】

関連記事

応援メッセージまたは記事へのコメント

メールアドレスが公開されることはありません。