著作者

りょう

看護師ライター

りょう

( 看護師 准看護師 )

被災地で看護師転職するメリット・デメリットを実体験からご紹介

りょう
看護師ライターりょう
看護師 被災地 転職 メリット・デメリット

東日本大震災をはじめ、我が国で生じた災害のニュースは、全世界で話題になりました。現在でも、被災地では、震災の影響で多くの方々の生活に変化が生じているばかりか、心や身体に不調を抱える方も後を絶たない事態です。この中、被災地の病院、介護施設、訪問看護ステーションでは今も看護師を募集しています。

※こちらのページの写真にはイメージ写真を利用しており、実際の震災の写真ではございません。ご気分を悪くされる方は閲覧しないようにお願いします。

震災時、被災地に支援に行きたいと願った看護師は大変多いです。その時は勤務が忙しくて希望が叶わなかった方、何かしたいと思いつつも時間が経過してしまい、転職のタイミングを逃してしまった方、被災者を支えるのはこれからが最も大切です。

被災地で看護師として就職したいけれど、都会と異なる地域で生活できるのか、被災者にどのように接したたらいいのかと、悩まれる方も多いと思われますが、それは悩まれて当然の事です。

被災地域(主に東北)で看護師として就職する場合のメリットやデメリット、その対策、被災者にかかわる際の注意点などを、東北地方が大好きで、震災後にプライベートを合わせ、ほぼ全ての被災地をまわった経験を持つ私が、実際に現地で勤務する看護師の話も交えてお伝えします。

1.震災直後に被災地の介護施設で体験した看護支援と2018年の現状

震災直後に被災地の介護施設で体験

東日本大震災から10日経った当時、私は自治体の要請により東北のある介護老人保健施設に、看護師のボランティアとして派遣されました。この時はまだ、水道・ガスは使えない状態で、電気だけは使用できており、高齢者100名ほどが大きな体育館のような場所に避難していました。

 

雑魚寝の状態で高齢者100名が横たわっている状態

電気は使えるので暖はとれるのですが、もちろんベットがない状況なので、床に体育用のマットレスを敷き、雑魚寝の状態で高齢者100名が横たわっているのを目の当たりにして、大変驚きました。スタッフは、看護師や介護士総勢5、6名で交代しながらも、ほぼ不眠不休でケアにあたっていたと、当初に伺いました。

寝たままの高齢者のオムツ交換や体位変換は、体制が悪く介護者の大変な負担となります。しかしながら職員は痛そうに腰をさすりながらも笑顔で入居者に接し、明るく気丈に振る舞っていました。

 

ポイント!

ポイント

スタッフの中には自分や身内が被害に遭った方もおり、大切な家族を避難所に残しての勤務はとても大変で不安で気苦労が絶えなかった事と思います。そのような彼らの一生懸命さには本当に頭の下がる思いでした。

 

2018年の被災地の現状

震災後、数か月が経過してやっと施設に戻る事ができたと施設の看護師より手紙が届きました。そして、施設では次々に職員が退職し、少ない人数で何とか1日の業務をやりくりしているという事、職員の退職はこのような状況では仕方がないと思うと、ご自身の考えや、お気持ちも手紙に書かれていました。

彼女とは今でも連絡をとっており、度々被災地の状況や震災後の看護師事情を直接伺っているのですが、東日本大震災から5年が経過し、来年で6年に入る今でも、看護師不足に悩まされていると、以前にも増して人材不足が深刻化している状況にあるようです。
少しでも被災地の状況をイメージしてもらいたく、彼女の意見も元に下記にまとめました。是非、参考にしてみてください。

 

2.被災地に看護師転職するメリット5つ

被災地に看護師転職するメリット

被災地に看護師転職するメリットとしては、地元の自然や人の温かさに触れることができるという点が大きいです。やりがいを感じることもでき、自分も成長させてもらえる環境になっています。

(1)海や山など大自然の中で楽しめる

被災地域の多くは、都心から離れたところにあり、海や山、川や高原が広がる大自然の中が多いです。そのためか、都会でせわしなく働いていた時と比べ、精神的にも安定した状態で働く事ができます。また、プライベートでお金がかからずに自然が楽しめたり、旅費がかからずスキーやスノーボード、マリンスポーツも行えるのでいいです。

 

(2)家賃が安い

地域にもよりますが、看護師の年収は地方なので約300万円~多くて400万円、管理者になるとこれより少しいい程度です。1か月の手取りも少なくなるのですが、田舎では手取りが月20万ほどで余裕で暮らせます。

家賃は職場が補助、あるいは寮の家賃を全額負担しているところも多くあります。寮だとプライベートが守れないと言う方、田舎で暮らすと都会で7,8万するような賃貸の家賃は、月2,3万ですみます。しかもこの家賃に、駐車場も無料でかりれたりするので、給料が安くてもあまり不満を感じません

 

(3)車で楽に通勤できる

家賃も格安ならば、車で通勤した場合や、近くのパーキングエリアでも無料のところが多いです。しかも、職場では職員用駐車場を持ち合わせているところがほとんどで、敷地が広い分スペースにも余裕があります。自宅からバスに乗り、満員電車に乗って職場に行くなど都会の過酷な通勤ラッシュからもおさらばできます。お買い物やお子様の登園・登校にも車があると便利ですよね。

 

(4)優しい地元の人にもてなされる

田舎のひとは、都会から来たひとに気遣い、もてなしてくれる事が多くあります。病院では、言葉が違う看護師が入ると、必ずどこから来たのか聞いてくる患者も多いです。仲良くなると、自分の畑で採れた野菜や果物をもってきてくれたりと、面倒見のいいひと達が多いです。

 

(5)移住者するだけで支援となり感謝される

被災地域では、多くの看護学生が都会の病院へ就職するケース、地元に残り就職するケース、さまざまだとですが、被災地で最も必要としている看護師は、経験があり、即戦力になるプロの看護師です。

震災があり、自分も被災し身を削って働き続けた看護師の中には、仲間の多くが退職して行くのに、増え続ける患者たちの対応で心も体もそろそろ限界にきている方も多いそうです。

1人でも多くの看護師が被災地で、衣・食・住をスタートする事は、看護師として働く事だけではなく、地域にとっての活性化にもつながり、それだけで支援になると言えます。

 

3.被災地に看護師転職するデメリット3つと対策

被災地に看護師転職するデメリット

ここまで、熱い気持ちで被災地に看護師転職するメリットをお伝えしてきましたが、もちろんの事、デメリットもお伝えしなければなりません。しかしながら、このデメリットは対策によりメリットになり得る可能性を秘めています。明るい気持ちで読んでください。

(1)言葉が通じない事が多い

これは、東北の複数の地域の方言なのですが、帯状疱疹の事を「つづらご」、臀部の事を「どんず」、食べなさいと言う事を「け」などと、まったく異なる言葉で言い表す事があります。特に病院や介護施設など、高齢者が集中しているところではよく使われており、最初は何を言っているのかさっぱりわからなくて苦戦する事も多いと思われます。

 

対策:ゆっくりしゃべってもらうようにお願いする

地域の方々は、その地域の言葉に興味をもってくれる方を、とても信頼する傾向があります。それは、地元を愛し、方言を大切にしているからです。わからない場合は「すみませんが、もう一度ゆっくり話してくれますか」と、丁寧に言うと、大抵の方は笑ってわかる言葉で言い直してくれます。

 

積極的に方言を使ってみよう

そのうち方言に聞き慣れてきたら、あえて方言を積極的に使う事をお勧めします。地域の方々の多くは、外部から移住してきた方が方言を学ぼうとしたり、わざと田舎の集まりに参加したりする事を大変喜びます。

 

地域のイベントに参加しよう

積極的に方言を使い、地域のイベントや、町内会の行事にも参加される事をお勧めします。これにより、デメリットだった「言葉の不便さ」を逆手にとり、地元の方との信頼関係を結ぶ事ができれば、より早く地元に溶け込む事ができます

もし、生活上で困った事があっても、地元の方が家族のように相談に応じてくれたり、面倒を見てくれる、そこが地域住民のいいところでもあり、メリットになり得るところです。方言により、口調は厳しく聞こえるかもしれませんが、たいていは方言のせいで早口なだけなので、落ち着いて話を繰り返し聞いてあげる事が大切です。

 

(2)地形が変わっており車がないと不便

雪国である東北地方を中心に、車がないとかなり不便です。町全体が津波が襲った地域は地形事態が変わっており、迂回ルートを通らないと、目的地まで行けない場合もあります。

地震や津波で被害に遭った電車は、復旧していても本数が少なく、行きは電車で行けるけれど、帰りの電車がない場合も多くあります。そのような時は、路線バスに頼らざるを得ませんが、路線バスも、もともと本数が少ないのでかなり不便です。

 

対策:公共機関を活用、または地域の人に直接聞こう

このようなケースでは、病院側も働く職員のことを考え、病院の近くや、アクセスのいい場所に寮を完備している事、駅と病院間を経由する病院の巡回バスに、職員も同乗できるようにして、何とか交通の不便さを解消すべく努力しているところも多くみられます

通勤や、子どもの登園・登校などは、自分で地図で検索するよりも、勤務地の職員(地元の方)に聞くことが何より一番です。病院の寮から、通勤先までのアクセスの仕方はもちろんの事、通勤に便利な賃貸物件や、買い物できるような店の情報まで、親切に教えてくれたりします

ポイント!

ポイント

地域の方は、シャイな方が多いので、自分から話しかけることはあまりしないかもしれません。自分から積極的に話しかけ、多くの情報をもらうほうが早く地域に溶け込むことができ、楽に生活をスタートできるので心得ておくといいでしょう。

 

(3)患者の中には被災者が多い

私の経験上の事ですが、東日本大震災直後は、被災者の多くが震災の事をあえて口に出さずに、無表情で放心状態にある方が多かったのですが、6年目に入ろうとしている現在では、多くの被災者が自分の恐怖体験を積極的に話してくるケースがあります。

あまりの壮絶な体験話など、メディアに出ていない実際にあった生々しい話を聞きこみすぎる事で、話す患者自身も恐怖を繰り返し、思い出し、更に辛くなるケースや、詳細を聞いた自分自身も、どうしてあげる事もできない無念さが残り、双方にとってよくない場合があります。

 

対策:震災時の体験話は広げず落ち着く方向へ持っていく

看護師の立場上、「自分の経験や専門性を活かし、現地の役に立ちたい」と、熱い思いで被災地での勤務を決断される事も多いですが、無理に震災時の事を聞き出す事は、大変危険な事だと言われています。ただ、勤務中などに患者が自分に話してきた場合には、ただ傍にいて傾聴し、「あなたの命が無事で何よりだった」というような言葉で応じ、無理に話をひろげずに落ち着く方向へと話を持って行く傾聴の技術が必要になります。

詳しく説明すると「看護師ができる事」「看護師がやりたい事」を行うのではなく、先ずは傾聴し、常識的で当たり前の気づかいをしながら、落ち着くのを待つことが基本のようです。落ち着くための簡単な介入を行う事もありますが、無理になだめようとはぜずに様子を見守る事、その人が何に困っているのか、何を必要としているのかが見えてくれば、具体的に手助けし、できないことであれば専門家にリファする必要があります。

 

被災地で看護師て働く前にきちんと心構えをする

震災直後、多くの医療関係者が現地を訪れました。現場にいた私自身も、ある医療関係者が被災者へ「辛くないですか」「津波は怖かったですか」と質問する場面を複数回目にしました。

被災者は、何と答えていいのかわからずに無表情でかたまっていました。質問した方も、自分なりの気づかいや、被災地で実際の被災者を目の前にする焦燥感から、このような発言に至ったのではないかと思われますが、被災者からしてみれば、津波と地震でこわくない、辛くないわけがありません。落ち着いて考えてみると、誰もがそうですが、「何かしなければ」「何か被災者に言わなければ」こうした焦る気持ちがこのような取りあえずの発言につながります。

取りあえず口にした自分の言葉が、後に相手にどう伝わったのかを振り返って考えてみる必要がある事、このような発言をしない為にも被災地に入る前の知識として、又は自分の心の準備として、兵庫県こころのケアセンターがわかりやすく日本語版を掲載している『サイコロジカル・ファーストエイド 実施の手引き 第2版』を参考にされる事をぜひ、お勧めします。

サイコロジカル・ファーストエイド 実施の手引き 第2版」は、災害、大事故などの直後に提供できる、心理的支援のマニュアルです。

 

まとめ:被災地で働くことは看護師人生のプラスになる

まとめ 被災地 働く

転職など移住する事で、今の生活から心機一転、職場や住まいまで変わってしまうのは大変な事です。しかしながら、被災地のでは多くの病院・介護施設・訪問看護ステーションなどでは看護師の人材不足に悩まされています。

都会生活が長く、田舎の生活に憧れるけれど、生活のイメージが湧かないと感じる方、被災地で患者に震災時の状況を語られたらどのように患者に接したらいいのかわからないと感じる方、それは悩んで当たり前の事ではありますが、上記のような対策をとる事でデメリットにあげられた問題は、いずれメリットに自分自身で変える事ができるのではないでしょうか。

被災地の方々はとてもあたたかく、いい方ばかりです。仲良くなれれば家族が傍にいなくても家族のように接してくれます。テレビではよく見ていたけれど、現地の状態がよくわからないと言う方は、観光がてら勤務したいと思う地域に先ずは足を運んでみてはいかがでしょうか。現地の食材を食べ、泊り、お土産を買う、それが支援になります。

津波被害にあった地域で、今を生き延びている多くの方が、先祖から津波の恐怖をしっかりと受け継いでいるという話を、たびたび現地で耳にしました。被災地で現地の状況を肌で感じ、被災者の生の声を聞く事は、これから先、我々の子孫の為にも必ず役に立ちます。

被災者にとっても、自分や子孫のためにも、被災地で勤務したいと考える方の後押しができればと願っております。


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この記事を書いた人

趣味は歴史好きなので城めぐりと最近サボりがちなヨガです。田舎生まれで母子家庭で育ち、親が病気のため金銭面でかなり困窮した事から病院、介護保険施設、老人ホーム、デイサービスなどをかけもちして働く事15年になりました。
現在は看護師として企業に10年ほど勤務しながらデイサービスでも働いています。副業する場合のお役立ち情報や節税、社会保障まで私が実際に経験した全てを記事にし「ナースが働く上で役立つ情報」として発信して行きたいと思います。


カテゴリー:看護師の実情

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この記事を書いた人:りょう
(公開日:)(編集日::2017年07月27日)

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