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現役看護師

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( 看護師 )

採血が苦手な看護師へ!患者が持つ採血8つの疑問と不安

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看護師 患者 採血 疑問

採血をするときに患者さんから何かしら質問されたことがある看護師は多いと思います。しかし、すぐに答えられずに曖昧にしたまま、結局忘れてしまったという経験はありませんか?看護師であっても、意外と知らないことはたくさんあります。

しかし、患者さんは看護師なら誰でも知っているものだと思っているため、不安にさせてしまうこともあります。そのため、患者さんを安心させられるよう、疑問に対応できる看護師を目指しましょう。

1. 採血に腕前の良し悪しはあるのか

腕前の良し悪しはあるのか

患者さんは、採血が上手いか下手かを、痛みがあったかなかったかで判断しています。また、血管が細くていつも何回も針を刺されるのに1回で終わったという場合も上手いと言われることがあるでしょう。

確かに、痛みが少なかったり細い血管に一発で穿刺するためにはそれなりの経験と技術が必要です。しかし、それだけではないのです。

 

注射時の痛みは痛点が大きく関係している

皮膚には痛みを感じる痛点が点在しています。採血のときに血管を固定する目的で皮膚を伸展させますが、そのときに皮膚が伸ばされることによって痛点と痛点の感覚が広くなるのです。しかし、痛点は見えるわけではないので、運悪く痛点に針が当たってしまえば痛みを感じさせてしまいます。

採血の際、肘の内側の静脈を最優先にしますが、その部位は痛点が少ないという特徴があるのです。手の甲や手首の静脈が痛い理由は、末梢に向かうほど痛点が増えるためです。

また、皮膚の痛点に当たっている時間が長いと痛みを強く感じてしまいます。そのため素早く穿刺すると痛みを軽減させることができます。しかし、細い血管であったり、難しい血管で慎重に穿刺したい場合もあると思います。

 

ポイント!

ポイント

そんな理由があったとしても痛みを感じた患者さんから下手と思われてしまうこともあるでしょう。もし、患者さんが“上手い”とか“下手”に関して疑問を持っていたら、痛みに関しては、痛点が大きく影響していること、それを避けるために看護師は工夫して採血をしているということをやんわりと伝えてあげると良いかもしれません。

 

 

2. 採血後に青い痣が出来てしまう訳

青い痣が出来てしまう訳

何度か採血をしている患者さんの多くは同じような疑問を持っています。しかし、これは採血というよりもその後の止血に問題があります。
 

止血をしっかりと行っていなかったことが原因

採血のあと、「5分くらい押さえて血が止まったらガーゼを捨てて良いですよ」というような説明をしますが、たいていの患者さんは5分以内に血が止まり押さえるのをやめています。しかし、患者さんが血が止まったと判断しているのは皮膚の出血です。
 

皮膚の出血は止まっていても皮膚の中で出血している

皮膚の出血が止まったとしても、まだ血管に針を刺した穴が塞がっていないことがあり、皮膚の中で出血し青い内出血ができてしまうのです。これは、押さえる時間が短かっただけでなく、すぐに重いものを持ってせっかく塞がった穴が開いてしまったり、押さえる位置がズレていた場合もあります。

また、患者さんが抗凝固剤を使用している場合はさらに出血が止まりにくくなります。そのため、一概に下手だったとは言えないのです。

 

ポイント!

ポイント

もし、患者さんがこのような疑問を持っていたら、皮膚の下で血管から出血するとあざになってしまうため、血管の穴までしっかりと塞がるように5分ほど押さえる必要があることを説明すると良いでしょう。

万が一内出血ができてしまった場合は、冷やすことで血管を収縮させて出血や腫れを抑えた後、2日後くらいからは温めて細胞の回復を促すと治りが良くなることを伝えると安心してもらえるでしょう。

 

 

3. 何故採血時の注射針は細くできないのか

注射針は細くできないのか

採血の注射針はほとんど22Gを使用すると思いますが、血管の状態によって21~23Gから選択します。しかし、注射で痛くなかった経験のある患者さんに「注射の時の細い針でやって」と言われることがあります。このとき、「採血は21~23Gじゃないとダメなんです」という説明では、患者さんにも納得してもらえません。
 

23Gよりも細い針を使用すると赤血球を壊してしまう恐れがある

採血の目的は、血液を採取してその成分を検査することです。そのため、採血時にその数値に変化があらわれるようでは正しい結果を知ることができません。もし、23Gよりも細い針を使用してしまうと、針を通るときに赤血球が壊れ、溶血をおこしてしまいます。それにより、ヘモグロビンが血清中に流出し、検査結果にさまざまな異常が出てしまうのです。

 

ポイント!

ポイント

ルート確保と同時に採血をする際にも、使用している留置針のゲージによっては別の部位で採血をおこなう必要があります。もし、患者さんが細い針を希望していたら、「細い針を使うと検査結果に異常が出てしまう可能性があるため、せっかく採血をしても採り直しになってしまっては2度痛い思いをさせてしまうことになるので頑張りましょう」というように、納得できるような説明をすると良いでしょう。

 

 

4. 見えている血管があるのに他の血管を探す理由

他の血管を探す理由

皮膚近くにはっきりと血管が見えると、患者さんからは血管が見えているから採血しやすいと言われることがありますが、看護師にとっては見えている血管が採血に適した血管ではないこともよくあります。
 

採血は一番適した血管と部位を探し慎重に行う必要がある

一番適している血管と部位を探すことは何よりも大切で、自信を持って採血することができるため、結果的に患者さんへの負担を少なくできます。

しかし、患者さんは血管が見えているのに腕を動かして血管を探している看護師を前にしたら、この看護師は大丈夫なのかと不安になってしまいます。患者さんは、採血は何度も経験があるし血液が採れればいいと単純に考えてしまいがちですが、体に針を刺す以上、神経損傷や誤って動脈に穿刺してしまう危険もあるため、慎重におこなわなければならないことをうまく伝えられると良いでしょう。

 

5. 採血で貧血になることはないのか

貧血になることはないのか

これは、採血が得意ではない患者さんによく聞かれます。スピッツが2本程度であれば、嫌そうな表情を見せるだけですが、4本、5本ともなると本数だけで大量の血液を採取すると思ってしまいます。

 

1度の採血で貧血になることはない

しかし、実際には1本5~10ml程度なので、スピッツ5本分でも50ml程です。体重にもよりますが、だいたい1日に400mlまでの採血は安全であり、体重40kgの方であれば1日で25mlの血液が回復すると言われています。したがって1度の採血で貧血になるようなことはないのです。
 

迷走神経反射を誘発させないために患者の不安を取り除くことが大切

しかし、そのような不安や緊張は迷走神経反射を誘発する原因にもなります。そのため、不安を取り除きリラックスしてもらうことが大切です。

たとえば、血液は失った量を体の中の水分で補おうとするので、採血の後にコップ1杯程度の水分補給をするだけでも十分であることや、採血量が多い分、時間もかかるので「順調に採血できていますよ」と適度に声かけをすると患者さんも安心することができます。

また、採血では貧血になることはないけれど、一時的に気分が悪くなってしまうこともあるので、心配であれば横になって採血することもできると提案することも患者さんの安心につながるかもしれません。

 

6. 血の色に健康状態は現れるのか

健康状態は現れるのか

採血した血液を見て、それだけでどこか悪いのではないかという患者さんがいます。正直、これだけではわかるはずがないので笑ってしまうのですが、採血をすると言われたときから患者さんは何か病気だったらどうしようかと不安を抱えています。

曖昧にすればするほど、結果が出るまでの間とはいえ患者さんはどんどん自分を追い込んでしまうことがあります。そのため、しっかりと対応して患者さんの不安を軽減させることが必要です。
 

血液の見た目だけでは健康状態は分からない

たくさんの方の採血をしていると、動脈血のように赤みの強い血液のときと、どす黒い血液のときがあります。しかし、見た目だけでは汚い、ドロドロしているなどの判断はできません。

スピッツに入っている血液は酸素を供給した後の静脈血で色が黒っぽく見えるものであり、その方がしっかり酸素化ができているということなのです。むしろ、赤みが強かったり、さらさらしていたり、色が薄く見える方が貧血や大量出血後などの血液の色に近いため異常がある可能性が高いのです。

 

ポイント!

ポイント

患者さんが、自分の血液を見て不安そうにしているときには、「見た目では何も分からないけど、色が濃いことは悪くないのですよ」と伝えてあげるとホッとして結果が出るのを待てると思います。

 

7. 何故短い間隔で採血をする必要があるのか

採血をする必要があるのか

他科受診をした場合や、経過をみたい場合などは短い間隔で採血をすることもあり、患者さんから「この前も採血したよ?」と言われる場合があります。

 

血液の検査項目によっては一日で変化するものもある

血液の検査項目によっては、1日の中でも変化するものもあれば、数週間かけて少しずつ変化するものもあります。そのため、短い間隔で経過をみる必要があるものもあります。

また、他科受診した場合は、前に採血をしている項目とは違う項目の検査が必要なこともあります。そのため、患者さんへは前回の結果と比較したり、今回は受診した目的が違うので、前とは違う項目の結果をみる必要があることを伝えるとよいでしょう。

 

8. 定期的に採血してるのにガンが見つけられない理由

ガンが見つけられない理由

ガンの経過観察のために、定期的に採血をしている患者さんでも、別の部位にガンが発生することがあります。それは一体なぜなのでしょう。

 

腫瘍マーカーの異なる部位に発生した新たなガンは発見しにくい

ガンによって血液検査で数値の上がる腫瘍マーカーが異なります。そのため、既に治療しているガンの再発や転移はいつもの採血で発見することができても、腫瘍マーカーの異なる部位に発生した新たなガンを発見するためには、ガン検診などのように1回で複数の腫瘍マーカーを検査したり、画像診断などの他の検査も同時におこなわないと簡単に発見することができないのです。

しかし、検査をし続けているのにガンが発生したことに関して、患者さんは医師への不信感を抱くことがあります。自覚症状がある場合は、医師もガンの疑いを考慮して、腫瘍マーカーの検査を追加する場合がありますが、専門ではない部位であったり、他の項目にも疑う結果がみられない場合は、判断材料が少ないため発見することが難しいのです。

 

ガンが見つかった患者への接し方

ガンが早期発見であった場合は、前向きに考えられる患者さんも多いですが、腫瘍の大きさや進行度によってはやっとガンの治療が落着いてきたところに新たなガンが見つかったショックと、定期的に通院もしてそのたびに検査も受けていたのに発見できなかった悔しさや、先の不安でいっぱいになっていると思います。

さまざまな理由がありますが、まずは患者さんの思いを傾聴し受け止める必要があります。その後、患者さんが落着いているようであれば、医師との信頼関係が崩れないよう、関わると良いです。

 

ポイント!

ポイント

可能であれば、看護師よりも医師から説明を受けることが望ましいですが、患者さんが希望する場合は、断定はできないという前提で腫瘍マーカーが異なるためいつもの検診では発見できなかった可能性があることを伝えると良いでしょう。

 

 

まとめ

採血は、多くの患者さんが経験したことのある検査です。そのため、比較したり疑問に感じることも多いのだと思います。その疑問を看護師に問うことができるのは、それだけ看護師が患者さんに近い存在である証拠です。患者さんが投げかけた不安をしっかり受け取り、安心に変えて返すことが看護師の役割でもあります。

突然聞かれて、わからないこともありますが、患者さんがどのような疑問を持ちやすいのかを日頃から意識しておくことで、突然の質問にもうまく対応することができるようになります。

また、わからないことがあれば、その都度解決して知識を増やしていくことも大切です。

記事の内容に関しては、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用をお願いいたします。


高校卒業後、大学に進学したものの将来の方向性に悩み中途退学。その後、学生時代から勤めていたアルバイト先で看護師という仕事に魅力を感じ、社会人経験を経て看護師になりました。

看護師としての経験はまだ浅いですが、他の職種での経験を活かした視点で、どんなときも患者さんを思った優しさのあるケアができる看護師になることを目指しています。

看護師としての経歴

保有資格 ・正看護師
出身/年齢 ・東京都/30代前半
職務経験 ・総合病院 ・療養型病院 ・歯科医院(クリニック) ・デイサービス
診療科経験 ・小児科 ・脳神経外科 ・眼科 ・救急外来

看護師転職サイトの口コミ評価

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カテゴリー:看護師の実情

(公開日:)(編集日::2018年04月18日)

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