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乳がん看護認定看護師の役割と資格取得条件!ポイント5つ

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乳がん看護認定看護師資格取得ポイント

日本人の死亡率にも影響するがん。その中でも、乳がんは女性にとって切り離すことのできない問題です。

そして、女性のシンボルでもある乳房にできるがんということもあり、さまざまな角度からの支援を行う乳がん看護認定看護師の需要は非常に高いのです。

このページでは、乳がん看護認定看護師が現場でどのような役割が期待されているのか、詳しく見ていきます。

【乳がん看護認定看護師の資格取得条件】
●日本国の看護師免許を保有
●実務経験が通算5年以上ある
●通算3年以上、乳がん患者の多い病棟または外来等での看護実績を有する
●乳がん患者の看護を5例以上担当した実績を有することが望ましい
●現在、乳がん患者の看護に携わっていることが望ましい
●日本看護協会が認定している認定看護師教育課程を修了(6ヶ月・615時間以上)
●認定審査(筆記試験)に合格
●認定看護師認定証交付・登録
●資格取得後は、5年毎に更新(書類審査)

参照サイト:日本看護協会:資格認定制度「認定看護師」より

 

【認定看護師資格取得にかかる最低限の費用】

入試検定料 約5万円
入学金 約5万円
授業料 約70万円
実習費 約10万円
認定審査費用 約5万円
認定費用 約5万円
   合計約100万円

※ここに記載してある費用に加え、無給となる6ヶ月間の生活費用も考慮する必要があります。
認定看護師を目指す看護師の方は「認定看護師支援がある病院への看護師転職で知りたい6つのポイント」を確認してください。

 

1.乳がん看護認定看護師とは

笑顔の看護師

乳がん看護認定看護師は、乳がん患者やその家族への専門的なケア方法を習得した看護師です。

実際の現場において、乳がん看護認定看護師は、患者・家族が乳がんを受け入れられるようサポートし、治療法の選択や治療過程での不安、繊細な悩みに対して専門的な知識を持って相談に乗ります。

さらに冒頭でもお伝えしたように女性にとってのシンボルである乳房のがんということもあり、きめ細かな心のケアもおこなっています。

 

全国にいる乳がん看護認定看護師の人数

日本看護協会の調べによれば、2017年度現在、全国には342人の乳がん看護認定看護師がいます

21種類ある認定看護師の中では比較的、人数が少ない分野だと言えますが、需要が高い分野であることには違いありません。

 

病内での乳がん看護認定看護師の活動レポート

病内での乳がん看護認定看護師と一緒に働いたことがある、現役看護師の方にレポートをしてもらっています。

少しでも雰囲気をつかんでいただけたら幸いです。

乳腺専門外来を拠点にして、外来看護に特化した仕事

私が勤務していた病院の乳がん看護認定看護師は主に乳腺専門外来を拠点にして、外来看護に特化した仕事をしています。

とは言っても、一般の外来看護とは大きく異なり、がんを告知された女性患者やその家族の心境を何例も看護しなくてはなりません。女性の生殖器である乳房を摘出し、変化が伴うボディイメージ、精神的にも社会的にも危機的状況となることを予測して、一言一言を大切にすることが重要と教えてくれました。

その患者がまた外来を訪れた時、どのように声をかけたらよいのか、頭で考えるアセスメントだけではなく、コミュニケーションでの振る舞いにも気を遣いますし、個人個人での対応に変化をあたえることも必要だそうです。

一方、乳がん看護認定看護師は、他の認定看護師よりも、性別であったり、部位であったり、疾患が限定されているために、専門性がはっきりしていることから、とてもやりがいがあるとのことです。

専門性がはっきりしている中、患者それぞれの背景、個別性は無限なのを知っている状況で、目的意識をもって日々看護を続けていることに感心しています。

女性看護師ひーちゃんさん(北海道/34歳)

 

2.病院で求められている役割について

患者と関わる女性看護師

乳がん看護認定看護師には、病院から地域に至るまで広い範囲で活躍することが期待されています。

ここでは、乳がん認定看護師の多くが働いている「病院」で求められる主な役割を4つ、解説していきます。

 

(1)乳がんと告知されたばかりの患者への適切な介入

乳がん看護認定看護師は、乳がんと告知されたばかりの患者に対し、専門的な知識を持って適切な介入をしていくことが求められています。

実際、乳がんを告知されたばかりの患者に対しどのように介入していくべきか現場の看護師は日々模索しています。

そして残念ながら、看護師が「良かれ」と思って発した言葉に対し、患者が深く傷ついてしまうケースも多いのです。

 

ポイント!

ポイント

だからこそ、専門的な知識を持った乳がん看護認定看護師がどのように接しているのかを直接目で見て学んでいきたいとも思っているのです。

 

(2)より患者に寄り添った意思決定の支援

乳がんと診断されると、今度はその治療について決めるため、看護師にも治療法や副作用などの知識が必要です。しかし、参考書の中で学べるものは限界があります。

そこで乳がん看護認定看護師には一般の参考書では学べない、専門的な知識に基づき、より患者に寄り添った意思決定の支援をする役割が求められているのです。

 

現実味のある知識を活かすことが求められている

実際に患者にどのような症状があらわれたのか、どのような治療を選択し、その結果がどうだったのか。また、副作用に対してどのように対応したら効果があったのかなど、実際の乳がん患者の経験からしか学べない知識もあります。

このような、現実味のある知識をもつ看護師こそ、乳がん患者と多く関わってきた経験のある乳がん看護認定看護師です。

 

(3)セルフケアの支援方法の伝授

乳がんの治療過程やボディイメージの変化により、患者が自分自身でケアしていかなければならないことがあります。

現場の看護師は、こういったセルフケア方法の指導に困ったとき、知識と経験を活かして、患者の個別性に合わせた提案を乳がん看護認定看護師に期待しています。

患者の状態や性格によって、通常のセルフケア方法が合わないこともあります。そんなときにも、乳がん看護認定看護師の経験と知識が必要なのです。

 

入院治療を終えた後も外来に長期間通院する乳がん患者もいます。

そのため、退院してから乳がん看護認定看護師と患者が関わる機会がなくなっても、他の看護師が同じように指導していけるよう、学んでおきたいのです。

 

(4)乳がん看護の専門としてチームを引っ張る役割

ここまでにお伝えしてきたような内容を網羅しながら、乳がん看護認定看護師が学んできた知識や、患者から得た情報を他の看護師らに伝授して患者のためによいチームをつくることが期待されています。
 

チームが同じ方向性を目指していけるように

チームが同じ方向性を目指していけるよう、チームの医師や看護師、誰が担当しても一人の患者に対して同じように関われるような知識、技術などの共有が求められています。

 

3.乳がん看護認定看護師の教育過程(カリキュラム)

勉強している女性

ここでは、乳がん看護認定看護師の教育過程(カリキュラム)についてご紹介していきます。

カリキュラムの概要は以下の通りです。

必修の共通科目(小計:120時間)
  1. 医療安全学:医療倫理
  2. 医療安全学:医療安全管理
  3. 医療安全学:看護管理
  4. 臨床薬理学
  5. チーム医療論(特定行為実践)
  6. 相談(特定行為実践)
  7. 指導
  8. 医療情報論
選択の共通科目(小計:360時間)
  1. 臨床薬理学:薬物動態
  2. 臨床薬理学:薬物治療・管理
  3. 特定行為実践
  4. 対人関係
  5. 臨床病態生理学
  6. 臨床病態整理学演習
  7. 臨床推論
  8. 臨床推論:医療面接
  9. フィジカルアセスメント:基礎
  10. フィジカルアセスメント:応用
  11. 疾病:臨床病態概論:5 疾病
  12. 疾病・臨床病態概論:その他の主要疾患
  13. 疾病・臨床病態概論:年齢別・状況別
専門基礎科目(小計:120時間)
  1.  腫瘍学概論
  2.  がん看護学総論1
  3. がん看護学総論2
  4. 乳がん看護概論
  5. がんの医療サービスと社会的資源
専門科目(小計:120時間)
  1. 集学的治療を受ける乳がん患者の看護
  2. 乳がんサバイバーとその家族への心理・社会的支援
  3. 乳がん患者の意思決定を支える看護技術
  4. 乳がん患者のボディイメージ変容への援助技術
  5. 乳がん患者のリンパ浮腫の看護技術
学内演習(小計:45時間)
  1.  事例検討
  2. 看護職集団への教育・指導に関する演習
  3. 市民(個人及び集団)への乳がん啓発教育 に関する演習
  4. 乳がん自己検診方法の指導
臨地実習(小計:225時間) 各教育機関が提携している医療機関にて5週間の実習

さらに詳しいカリキュラムの内容については「日本看護協会 認定看護師教育基準カリキュラム」を参照ください。

 

乳がん看護認定看護師を養成している教育機関の一覧

2017年11月現在、全国で乳がん看護認定看護師を養成している教育機関一覧は以下の通りです。

受験資格などについて詳しく知りたい方は、リンク先のホームページで確認ください。

 

4.乳がん看護認定看護師に必要な資質

看護師
乳がん看護認定看護師としての役割を果たすためには、患者の状態を多方面から感じ取りアセスメントする能力と、話を聴く能力、そして日々乳がん治療に関する学びを深めていける努力が必要です。

そして何より、同じ女性として患者と一緒に乳がんと戦いたいという思いが強い看護師であれば、乳がん看護認定看護師として活躍していけるでしょう。

 

細やかな気配りができる

乳がん患者は、色んな意味で非常にナイーブになっていることが多いです。

またボディイメージの変化があることから、なかなか人には言えないような悩みを抱えていることがあります。

そういった乳がん患者に心を開いてもらい、適切なケアを提供できるためには、細やかな気配りができる資質を持っていなければ、務まらないでしょう。

 

医療技術の進歩に後れを取らないような向上心

乳がんは女性の羅患率がかなり高いこともあり、日々新しい治療法などが積極的に取り入れられている分野です。

そのため、すでに豊富な知識を持つ認定看護師であっても、常に最新の治療などについての勉強は欠かせません。

だからこそ、常に向上心を持ち、勉強に取り組むことができるというのも乳がん看護認定看護師の重要な資質になるのです。

 

5.乳がん看護認定看護師のメリット

指をさす看護師

乳がん看護認定看護師になる一番のメリットは、乳がん治療の最前線で患者と積極的な関わりができるという点です。

また、以下のようなメリットも考えられます。

 

(1)病院全体の乳がん看護の質向上に貢献できる

乳がん看護認定看護師自分自身が患者との関わりの中で学んだことを、他の看護師に広め、病院全体で患者にとってよい乳がん看護をおこなうことに貢献できます。

 

(2)給料に資格手当がプラスされる

乳がん看護認定看護師に限った話ではありませんが、こちらの資格を取得することで病院の中でも重要な役割として重宝され、給与面では資格手当てがプラスになるなどのメリットもあります。
 

ポイント!

ポイント

病院にもよりますが認定看護師の資格手当は、1~3万円ほど毎月の給料にプラスされることが多いようです。

 

(3)自分自身の人間性も磨かれていく

何度も述べているように、乳がん患者は、精神的な負担がある他、場合によってそこに加えボディイメージの変化にも苦しむことがあります。

乳がん看護認定看護師はそのような患者さんの力になるべく、患者のありのままを受け入れ表面上だけではなく内面まで深く接することで自分自身の人間性も磨かれていくことを感じることができます。

 

まとめ

看護師として、乳がんと闘う患者と関わる機会はあります。しかし、普段の看護から学べるものにはある程度限界があります。

そのため、乳がんと闘う患者にとって、よい看護を提供するためには、特別に専門的な知識と経験を身に付けた乳がん看護認定看護師の指導や力が必要です。

乳がん看護に携わるチームがよりよい乳がん看護を提供できるよう、これを機会にぜひチャレンジしていってほしいと思います。

認定看護師を目指す看護師の方は「認定看護師支援がある病院への看護師転職で知りたい6つのポイント」を確認してください。
記事の内容に関しては、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用をお願いいたします。


高校卒業後、大学に進学したものの将来の方向性に悩み中途退学。その後、学生時代から勤めていたアルバイト先で看護師という仕事に魅力を感じ、社会人経験を経て看護師になりました。

看護師としての経験はまだ浅いですが、他の職種での経験を活かした視点で、どんなときも患者さんを思った優しさのあるケアができる看護師になることを目指しています。

看護師としての経歴

保有資格 ・正看護師
出身/年齢 ・東京都/30代前半
職務経験 ・総合病院 ・療養型病院 ・歯科医院(クリニック) ・デイサービス
診療科経験 ・小児科 ・脳神経外科 ・眼科 ・救急外来

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カテゴリー:認定看護師の資格

(公開日:)(編集日::2018年02月28日)

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