バーンアウトしやすい看護師の特徴と対処法

著作者

Anna

正看護師

Anna

( 保健師 )

バーンアウトしやすい看護師の特徴と対処法

Anna
正看護師 Anna
バーンアウトしやすい看護師の特徴と対処法

看護師をしていると、「やる気がない、感情がわかない・・」と感じることがあるかと思います。

もしかするとそれはバーンアウト(燃え尽き症候群)の症状のひとつかもしれません。

バーンアウトとは、ヒューマンサービス従事者の職務ストレスとして知られており、Maslach Burnout Inventory(MBI) により、「情緒的消耗感」 「脱人格化」 「個人的達成感の低下」 の3つの症状から定義されています。引用元:同志社大学教授 久保 真人 バーンアウト(燃え尽き症候群)より

バーンアウトになるとうつ病など自分の健康を害するだけでなく、看護の質が低下し退職や休職を余儀なくされて、仕事の生産性をも低下させてしまい患者やその家族、勤務先にとって不利益となってしまいます。

そのため早めに心のSOSに耳を傾けて対処し、予防する必要があります。

ここでは看護師のバーンアウトについて考えてみたいと思います。

1.こんな症状が出ている看護師は「バーンアウト」の可能性が高い!

こんな症状が出ている看護師は「バーンアウト」の可能性が高い!

バーンアウトと言われる症状については、

  • 疲労感がなかなか取れない
  • 眠れない
  • 意欲の低下
  • 感情がわかず機械的に他人と接してしまう
  • 何をしても達成感を感じられない
  • イライラしやすい

などの症状が挙げられます。

 

バーンアウト尺度も確認してみよう

バーンアウトの尺度として、以下のような項目が挙げられます。

  1. こんな仕事、もうやめたいと思うことがある。
  2. われを忘れるほど仕事に熱中することがある。
  3. こまごまと気くばりすることが面倒に感じることがある。
  4. この仕事は私の性分に合っていると思うことがある。
  5. 同僚や患者の顔を見るのも嫌になることがある。
  6. 自分の仕事がつまらなく思えてしかたのないことがある。
  7. 1 日の仕事が終わると 「やっと終わった」 と感じることがある。
  8. 出勤前、職場に出るのが嫌になって、 家にいたいと思うことがある。
  9. 仕事を終えて、今日は気持ちのよい日だったと思うことがある。
  10. 同僚や患者と、何も話したくなくなることがある。
  11. 仕事の結果はどうでもよいと思うことがある。
  12. 仕事のために心にゆとりがなくなったと感じることがある。
  13. 今の仕事に、心から喜びを感じることがある。
  14. 今の仕事は、私にとってあまり意味がないと思うことがある。
  15. 仕事が楽しくて、知らないうちに時間がすぎることがある。
  16. 体も気持ちも疲れはてたと思うことがある。
  17. われながら、仕事をうまくやり終えたと思うことがある。

(引用:日本版バーンアウト尺度より)

上記は同志社大学の久保真人教授がバーンアウトの尺度について説明したものです。

その内容をこちらの「バーンアウト尺度」で診断サイトを作成しており、17個の質問に答えるだけで簡単に自分のバーンアウト具合を知ることができます。

上記の症状に当てはまるかもしれないと感じた方はぜひ所要時間も1〜2分ですし、時間があるときに試してみてはいかがでしょうか。

 

看護師のバーンアウトを放置しておけない理由とは

バーンアウトになると、不眠や感情が湧きづらいという話をしましたが、このままの状態では看護師として患者、家族や他のスタッフと接することが難しくなります。

またこれを放置するとうつ病になってしまうとも言われています。

厚生労働省の「看護職員就業状況等実態調査」(平成22年度)では、看護職員として退職経験のある者の退職理由についてで、「本人の健康問題のため」の離職理由が挙げられています。

精神的な健康状態も挙げられており、うつ病をきっかけに治療のために離職してしまうと人によっては生活基盤を失ってしまうことにつながりかねません。

また病院にとって利他的で責任感の強い人材を失うことは損失となるため、適切な対処が必要になってきます。

 

2.バーンアウトしやすい看護師の特徴とは?

バーンアウトしやすい看護師の特徴とは?

一般的に看護師は他者の利益を優先してしまう利他的な人が多いと言われており、そしてそのような人ほどバーンアウトしやすいという研究結果も出ています。

また完璧主義の看護師、職場環境が悪い看護師、さらにはもともと神経質な性格の人もバーンアウトしやすいといわれています。

これらの特徴はどの看護師にも当てはまるものが多く、つまりは誰にでも起こりうる症状なのです。それぞれ詳しく特徴を見てみましょう。

 

(1)完璧主義もしくは責任感が強い看護師

完璧主義の人は、時に高すぎる目標を設定してしまい「それでも完璧にこなさなくては」と無理をする傾向にあるため、リスク高いと言われています。

一見側からみると責任感が強いため、周りからも期待をされてしまいます。その期待に応えようと自分でも気がつかないほどの無理をして、疲労が蓄積してしまいます。

また完璧に高いレベルの目標を達成した後に、突然疲労感や虚無感に襲われ、そのままバーンアウトしてしまうこともあります。

 

(2)職場環境が悪い看護師

職場での人間関係および人手不足などで休憩が取れないほど忙しい、あるいは患者との人間関係が良くない環境で働いている看護師もバーンアウトしやすいと言われています。

特に職員との関係が悪い場合に、前述した完璧主義や責任感が強い看護師が一人で孤立してしまうことや、誰にも相談することができない環境だと、ストレスを全て抱え込んでしまうためさらにリスクが高くなります。

さらに、待遇面で職場環境が悪く、自分が適切に評価されていないと感じることもリスクファクターの一つだと言われています。

 

(3)もともと神経質な性格の看護師

神経質な看護師は時にルールに固執してしまい柔軟な対応ができず、「自分はしっかりルールを守ってやっているのに、どうして他の人はやってくれないのか」とストレスを抱えてしまいがちです。

このような周りと自分の思いのギャップが募ってバーンアウトになることもあります。

 

3.看護師がバーンアウトになった時の対処法

看護師がバーンアウトになった時の対処法

バーンアウトになったことに気づくことが難しいかもしれません。

しかし、上記の症状があることや、バーンアウト尺度で確認して可能性があると感じた場合は、早めに以下のような対策を取りましょう。

 

(1)まずは誰かに相談する

バーンアウトになった時、まずはだれかに相談することが必要です。

家族や同僚、友達や学生時代の同期に話してみましょう。

根本的な解決にはならない可能性もありますが、悩んでいるのが一人ではないと分かったり、忙しさを共有できたり、さらには良い気分転換になるでしょう。

 

頼れる人がいない場合は心療内科・心理カウンセラーに相談しよう

一方、一人で悩みを抱え込んでしまい近くに頼れる人がいないのであれば、心療内科あるいは精神科、心理カウンセラーに相談してみるのも良いでしょう。

大きな病院ではリエゾンナースが職員の精神的ケアをしてくれることもありますし、その場合は希望があればうまく師長など調整してくれる場合もあります。自分を病気だと非難したり、自分は看護師なのに病院にかかっていいのだろうかと重い気持ちで受診したりする必要はありません。

話し相手あるいは初めのきっかけとして早めに受診することで客観的に現在の状況を判断してもらえますし、重大な事態に陥る前に専門家としての適切な対処をしてもらえます。

 

(2)仕事量を減らす

大きな病院で勤務している看護師の場合は、部署間の異動などが可能であれば、師長や人事部に相談し仕事量を減らしてもらうことを検討しましょう。

ただでさえ忙しい職場環境なのに、自分の都合で仕事量を減らして欲しい、そのための異動をさせてほしいとは言いにくいと思います。

しかし、バーンアウトからのうつ病移行率は決して低くないため、仕事量を減らして対処しなくてはいけないほど重大な問題であると認識して、自分の体を守るために遠慮せずに相談することを強くお勧めします。

 

仕事量を減らすことが出来ない場合の対処について

実際のところ部署異動などは難しく、なかなか仕事量を減らせないことも多いと思います。

その場合は冒頭で述べた通り、看護師は利他的な人が多くそれが原因でバーンアウトになりやすいと言われていることをもう一度思い出してみましょう。

看護師として患者や家族に共感し、寄り添う姿勢は大切で当然のことなのですが、ある研究では「自分自身と職務上の役割をはっきり分ける」ことがバーンアウトにならないために必要だと報告されています。

仕事に自分が疲弊するほどのパワー全てを捧げるのではなく、客観的に冷静に患者や患者家族と接し、程よく力を抜いてみましょう

これも仕事量を減らす一つにつながります。

 

(3)職場環境を変える

症状がひどい場合は、心理的負担が減らせるように仕事から離れるための休職や退職を考慮することも必要になってきます。

生活のために離職できない人も多いかと思いますが、働きながら別の職場を探し、自分の価値観などにあった職場を探す、つまり環境を変えることは回復のきっかけとなると言われています。

また退職を考える場合、それまでの働き方によっては傷病手当金等を受け取ることができ、生活を保障することができます。

しかしこの保障を受けるためには様々な条件があり、退職後ではどうにもできないこともあるため、退職前に心療内科の医師など専門家と相談することをお勧めします。

 

4.看護師がバーンアウトにならないために日頃から出来ること

最初に述べたとおり、利他的な人が看護師には多いのですが、患者や家族に寄り添い、共感しながらも自分の生活は人生とは切り離して冷静に対処して行くことが必要です。

運動をする看護師

仕事と自分の生活の切り替えがうまくできてないことがバーンアウトのきっかけになることもあるため、気分転換ができるようにストレッチやヨガなど運動や、自分の好きなことをやって仕事とプライベートの区別をつけることが大切です。

オンオフの区別がつけられていないと実感している人は、これから少し意識して仕事以外の時間を楽しむことをお勧めします。

 

(1)ワークライフバランスを取ること

ワークライフバランスが取れていれば、バーンアウトが予防できるという研究もあるため、一度自分の理想のワークライフバランスとは何かを考え、それと今の仕事が一致しているかを考えてみる時間を作るのも良いでしょう。

 

(2)働きやすい環境を模索すること

職場環境もバーンアウトになる要因であるため働きやすい環境は何か、実現するにはどうするかを同僚と考えてみたり、管理職や教育係など後輩育成に携わっている方は、今の職場の環境を振り返ることで病院や病棟全体のメリットになるでしょう。

 

(3)他社との社会的つながりを持つこと

バーンアウトが生じにくい要因の一つに結婚や出産経験も研究から明らかになっています。

予防のためだけに結婚を進めるわけでは決してありませんが、他者との社会的なつながりを持つのは有効なことだと言えるでしょう。

 

5.まとめ:参考文献

今回看護師のバーンアウトについてお伝えしましたが、誰にでも当てはまりやすく過去の自分を振り返ると、あの時私もバーンアウトしかけていたのかもしれないなと感じました。

楽しくそして長く自分の看護師キャリアを築いていくためにも、日頃から気をつけていたいですね。


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30代/正看護師、保健師、3学会合同呼吸療法認定士の資格保有者。総合病院の派遣看護師として一般内科へ入職後、青年海外協力隊の看護師として派遣。帰国後、大学病院、総合病院、救急センターに勤務。短期派遣で訪問入浴やデイサービスも経験。

看護師としての経歴

保有資格 ・正看護師 ・保健師 ・3学会合同呼吸療法認定士
年齢 ・30代
職務経験 ・総合病院・大学病院・国際医療ボランティア
診療科経験 ・デイサービス ・訪問入浴 ・保有資格

記事の内容に関しては、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用をお願いいたします。
カテゴリー:看護師の実情

(公開日:)(編集日::2018年04月20日)

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