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ラビウサ

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がん化学療法看護認定看護師の資格条件と知りたいポイント6つ

ラビウサ
専門看護師ラビウサ
がん化学療法看護認定看護師の資格条件

現在は2人に1人がガンになる時代と言われており、がん患者は非常に多いです。

また治療にも選択肢を持てるようになり、抗がん剤治療や放射線治療、外科的治療など、さまざまな治療方法が確立されてきました。外来通院にて、抗がん剤をする患者もいますが、入院しながら抗がん剤治療をする患者もいます。

抗がん剤は、ガン治療において画期的な治療法であると言われていますが、同時に副作用が多く出現することもあり、実際には副作用との付き合い方に悩む患者が多い現状です。

このような相談を受ける専門の看護師として、がん化学療法看護認定看護師は、2001年に認定が開始された看護分野です。そして、2017年9月現在、1530名の方が全国で活躍しています。

このページでは「がん化学療法看護認定看護師」を目指す看護師の方に向けて、資格取得条件から期待される役割必要な素質、将来性と取得のメリットをお伝えしていきます。

【がん化学療法看護認定看護師の資格取得条件】
●日本国の看護師免許を保有している
●実務経験が通算5年以上あること
●通算3年以上、がん化学療法を受けている患者の多い病棟・外来・または在宅ケア領域での看護実績を有すること
●がん化学療法を受けている患者の看護(がん化学療法薬の投与管理の実績があることを必須とする)を、5 例以上担当した実績を有すること
●現在、がん化学療法を受けている患者の多い病棟、外来で勤務していることが望ましい
●日本看護協会が認定している認定看護師教育課程を修了(6ヶ月・615時間以上)
●認定審査(筆記試験)に合格
●認定看護師認定証交付・登録
●資格取得後は、5年毎に更新(書類審査)

参照サイト:日本看護協会:資格認定制度「認定看護師」より

【認定看護師資格取得にかかる最低限の費用】

入試検定料 約5万円
入学金 約5万円
授業料 約70万円
実習費 約10万円
認定審査費用 約5万円
認定費用 約5万円
   合計約100万円

※ここに記載してある費用に加え、無給となる6ヶ月間の生活費用も考慮する必要があります。
認定看護師を目指す看護師の方は「認定看護師支援がある病院への看護師転職で知りたい6つのポイント」を確認してください。

 

1.がん化学療法看護認定看護師とは

がん化学療法看護認定看護師とは

がん化学療法看護認定看護師とは、エビデンスに基づいた安全な抗がん剤投与管理を実践でき、患者やご家族へのセルフケア支援ができる能力を持つ認定看護師です。

主に抗がん剤や分子標的薬の安全で適切な投与管理と、有害事象による苦痛症状の緩和、治療を受ける患者やご家族のセルフケア支援などを行っています。

自施設での外来化学療法室や病棟での実践と、院内スタッフへの指導・育成が主な活動場所ですが、その活躍の場は、地域や全国レベルへと広がりを見せつつあります。

 

2.病内でのがん化学療法看護認定看護師の活動レポート

病内でのがん化学療法看護認定看護師の活動レポート

がん化学療法看護認定看護師と一緒に働いたことがある、現役看護師の方にレポートをしてもらっています。

少しでも雰囲気をつかんでいただけたら幸いです。

 

認定看護師の存在で、他の看護師が苦手意識を克服し自信を持つ事が出来ていたのが印象的

呼吸器病棟に勤務していた際に、病棟で化学療法治療を行っていました。病棟にがん化学療法認定看護師が在籍していたこともあり、少しでも副作用を抑えることが出来るよう、がん化学療法認定看護師を中心としてケアプランを作成していました。

予期的悪心・嘔吐が考えられる際には制吐薬の内服時間を個別に微調整をし、食事指導を行うことで食事摂取量の増加にも努めていました。その他にも血管外漏出や脱毛等考えられる副作用に関しても十分な説明を行うことで不安の軽減を図り、安心して化学療法を行えるような看護を行っていました。

また看護師自身も化学療法の取り扱いに対して苦手意識があり不安な気持ちを抱き、取り扱っている方が多いですが、がん化学療法認定看護師の存在で克服し自信を持つ事が出来ていたのが印象的です。

スノーマン女性看護師スノーマンさん(埼玉県/32歳)

患者への影響を最低限におさえる、化学療法の事故への率先した対処、マニュアルの配布と勉強会の実施

抗がん剤は、本来人体に有害なものです。細心の注意をはらい、マニュアルに沿った手順をふまなければなりません。しかし、どれだけ注意をしても、臨床では不測の事態が起こります。

病棟にて、中心静脈ポートから化学療法を施行中、接続部が外れ薬剤が漏れました。担当看護師が医師に報告、医師の診察にいたるまでの間、別の病棟からかけつけた認定看護師は薬剤がついた皮膚やポート内の薬剤の処理を病棟看護師数名の指揮をとり、処置にあたりました。

化学療法の薬剤の種類は豊富で、どの場所の静脈からどのように投与するのか様々です。認定看護師は、事故のないよう薬剤別に投与方法や使用する予防的薬剤の医師への依頼方法、副作用のレジメンを作成し病棟看護師に配り、勉強会を実施しました。

患者への影響を最低限におさえる、化学療法の事故への率先した対処、マニュアルの配布と勉強会は、現場の看護師にとってとても重要なものだと感じました。

メイサ 女性看護師メイサさん(北海道/28歳)

ミキシング方法などの指導や、投与についても指導

私が勤務していた病院では、抗がん剤を看護師がミキシングしていたため、ミキシング方法などの指導や、投与についても指導いただきました。

また抗がん剤投与中の患者の看護計画立案し、継続的に同じ看護を受けられるように環境を整えていました。他にも抗がん剤を導入予定の患者、抗がん剤を使用中の患者へラウンドを行い、不安を傾聴し、わからない事などをパンフレットにまとめ渡すことで患者の不安を軽減出来るようにしていました。

ゆきんこ女性看護師ゆきんこさん(埼玉県/29歳)

 

安全に確実に安心して治療が受けられるよう患者のサポートをする

がん化学療法看護認定看護師は認定看護師として、患者のそばにいました。薬剤による副作用の予防方法、セルフケアの支援、思いの傾聴など、患者にとって心の拠り所といった存在にも見受けられました。

ガン化学療法看護認定看護師を中心に、安全に確実に安心して治療が受けられるよう患者のサポートをするのが一番大切な役割でした。

coco 女性看護師cocoさん(神奈川県/25歳)

 

3.がん化学療法看護認定看護師が職場で期待される役割

がん化学療法看護認定看護師が職場で期待される役割

がん化学療法看護認定看護師が病院等の職場で期待される2つの役割を説明いたします。

 

(1)安全な投与管理

がん化学療法看護認定看護師は、指示された抗がん剤や分子標的薬などを、適切なルートを使用し、確実に投与する。

そして、その後の薬液廃棄に至るまで安全を守ることができるためのマニュアルや院内の仕組みを構築する役割を期待されています。

一緒に働いた看護師の意見

がん化学療法看護認定看護師の方と一緒に働いて感心したことは、患者だけでなく、医療スタッフに対しても、安全に抗がん剤を取り扱う視点にこだわり続けることでした。

 

(2)セルフケア指導ができる看護師の育成

抗がん剤や分子標的薬などは、様々な有害事象が出現しますが、適切なセルフケアを患者自身が継続的に行うことで、有害事象の発生を低下させることができます。

 

補足説明!

ポイント

がん化学療法看護認定看護師が、抗がん剤を受ける患者やご家族に指導することも求められる大切な役割ですが、それ以上にセルフケア指導ができる看護師の育成を期待されています。

 

どの看護師が指導しても質が担保できる育成が必要

抗がん剤治療を受ける患者は、外来化学療法室だけではありません。病棟で治療を開始する患者もおります。

そのすべての患者に対して、どの看護師が指導しても質が担保できる看護師の育成を、がん化学療法看護認定看護師は求められています。

 

4.がん化学療法看護認定看護師に必要な資質

がん化学療法看護認定看護師に必要な資質

がん化学療法看護認定看護師の資格を取得した場合に、必要な看護師の資質について説明します。

 

(1)細やかな観察力があること

がん化学療法看護認定看護師は、抗がん剤を受ける患者の小さな変化を見逃さない観察力が求められます。患者は、体調が悪くても抗がん剤を受けるために有害事象を隠してしまうこともあります。

そんな時、患者の体調の変化や、抗がん剤による有害事象を、患者からの訴えがなくても意図的に介入し、医師に報告できる細やかな観察力が必要です。

 

(2)チームで協働できること

抗がん剤投与は、主治医・腫瘍内科医・薬剤師・病棟看護師や外来看護師などがチームで協働し、情報交換を行うことが求められます。

そのためには、どの職種から相談されても、適切にアドバイスや指導ができる、お互いの専門性を大切にしながら情報交換できる資質が求められます。

看護師の体験談

私の知人のがん化学療法看護認定看護師は、本当にこまめに病棟看護師や薬剤師、医師とコミュニケーションを取ろうと努力していました。
彼女にとっては、病院で抗がん剤治療に携わるスタッフすべてが「チームの一員」でした。だからこそ、病院全体の抗がん剤治療についての指導マニュアルやセルフケア支援方法を統一できたのだと思います。

 

(3)飽くなき探求心があること

抗がん剤の有害事象に対する支援方法や、日々刻々と変化しています。その支援方法や、物品についての知識を取り入れる飽くなき探求心が、がん化学療法看護認定看護師には必要です。

患者は、様々な情報を調べて自己解釈し、間違ったセルフケアを行っていることがあります。そんな時に、患者を傷つけずにエビデンスがある適切なセルフ支援方法を再教育する必要があります。

そのためにも、常に新しい方法や、患者が取り入れやすいセルフケア方法を常に調べて取り入れる

その探求心が、がん化学療法看護認定看護師には大切になります。

 

新しい薬剤への知識も重要になる

新しい知識と技術は、セルフケア支援だけでなく、次々と発売される薬剤についても同様です。

常に、薬剤師や腫瘍内科医と対等に話ができる力量を持ち続けられることが、とても大切です。

 

5.がん化学療法看護認定看護師のメリット

がん化学療法看護認定看護師のメリット

がん化学療法看護認定看護師の資格を取得するメリットについて説明していきます。

 

(1)薬物についての知識がつく

研修中は、医師などの講義も充実し、薬理学や病態生理についての知識をしっかりと学ぶことができる。そのため、薬剤師に対しても、ただ説明・指導をされるだけでなく、看護師の視点で話し合うことができるようになります。

 

(2)医療安全の知識が身につく

抗がん剤を安全に取り扱うことは、医療安全の視点で考えることが大切です。そのため、平成30年以降のカリキュラムでは、医療安全についての講義が増えてくるようです。

患者の安全を守る、抗がん剤治療を受ける患者に関わるスタッフの健康被害を防ぐことについて、学びを深めることができます。

 

(3)セルフケア支援の力が付く

がん化学療法看護認定看護師は、セルフケア支援方法を、研修の中で学ぶことができます。それは、継続治療を受ける多くの患者をサポートする際にも役立ち、看護師としての相談支援のスキルアップが図れます。

 

ポイント!

ポイント

がん治療が、外来へとシフトする中、抗がん剤治療を受ける患者の支援も、外来が中心になりました。そのため、患者自身が、病気と治療の必要性を理解し、自分で防ぐことができる有害事象については、セルフケアができる力をつけることが必要です。

 

6.がん化学療法看護認定看護師の将来性

がん化学療法看護認定看護師の将来性

がん化学療法看護認定看護師を取得した看護師の将来性について考えてみます。

 

(1)標準治療を推進するリーダーとしての将来性

がん治療における標準治療を行うためには、患者の有害事象の発生率を低下させつつ、安全に抗がん剤治療を受けられる環境と人材の確保が大切です。

がん化学療法看護認定看護師は、自施設の患者へのサポートと抗がん剤治療に強い看護師の育成だけにとどまらず、抗がん剤治療を継続しながら地域で過ごす患者に対しても、安全に治療を継続するためのサポートも求められています。

抗がん剤治療を支えるプロフェッショナル看護師として、自施設だけにとどまらず、他の施設や地域へと、その活躍の場は広がっています。

 

(2)多様なセルフケア支援が必要とされる

抗がん剤治療を継続しながら仕事を続ける方、生殖機能を失うことなく抗がん剤治療を受けたい方、外見上の変化を最小限にとどめたい方など、ただ「病気を治す」「がんとの共存を図る」ためではなく、自分の希望を叶えたい患者が増えています。

その患者の希望と確認し、情報提供とセルフケア支援だけでなく、多職種との協働しながら患者の希望をサポートするための調整役としての活動も、がん化学療法看護認定看護師は期待されています。標準治療を理解している、有害事象について理解しているその知識を、多くの場で生かすことが、患者のQOLの向上に役立つはずです。

 

(3)災害時などで使えるマニュアル整備

もし、抗がん剤治療中に災害が起きた時どのように対応すべきなのか、避難所で治療を受け続ける時にはどのような配慮が必要なのか。災害が多い日本だからこそ、災害時にも安全に抗がん剤治療を継続できる仕組み作りが必要とされています。

今後、この分野での全国規模で使用できるマニュアル整備が必要とされています。

 

まとめ

10年前、抗がん剤を扱っていた看護師は、自分もリスクを負っている意識は低いものでした。

それが、今や、抗がん剤治療を行った直後の患者の排泄物の取り扱いさえ、注意して取り扱うまでになりました。

その裏には、がん化学療法看護認定看護師の活躍がありました。

新しい抗がん剤や分子標的薬を安全に投与できる仕組みを作りながら、患者とご家族に対する適切なセルフケア支援を行うがん化学療法看護認定看護師師は、患者やご家族から頼りにされる存在です。

今後は、抗がん剤治療に強い看護師の育成や、地域で治療を受ける患者へのセルフケア支援方法の確立、そして災害時などにおける対処法のマニュアル作りなど、がん化学療法看護認定看護師が活躍する場は広がっています。

薬剤の知識をもとに安全な環境で患者が治療をできるスキルを身に付けたい、もっとセルフケア支援方法を学びたいと思う方は、ぜひ、がん化学療法看護認定看護師を目指してみませんか?

認定看護師を目指す看護師の方は「認定看護師支援がある病院への看護師転職で知りたい6つのポイント」を確認してください。

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この記事を書いた人

看護師をして20年以上になります。外来・病棟・検査室・クリニックなど、いろいろな場所での業務を経験しました。
ですが、一時は看護師をやめようと思ったほど、心身共に追い詰められた時期もあります。現在は、看護師も続けつつ、ライターやカウンセラーとしても活動しています。
今までの経験を生かして、いろいろな体験談も書いていこうと思っています。よろしくお願いします。


カテゴリー:認定看護師の資格

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この記事を書いた人:ラビウサ
(公開日:)(編集日::2017年11月17日)

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  1. […] がん看護を対象とした認定看護師は、がん性疼痛以外にも「がん化学療法看護認定看護師」「がん放射線療法認定看護師」「乳がん看護認定看護師」の3つの認定看護師がありますが、が […]

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