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がん看護専門看護師の資格取得!学んだことや苦労したこと

ラビウサ
専門看護師ラビウサ
がん看護専門看護師の資格取得!学んだことや苦労したこと

専門看護師は、まだまだ人数も一般的な認知も低く、いまだ「がん看護認定看護師」や「がん専門看護師さん」と呼ばれ、正式名で呼ばれることは一般の方だけでなく、看護師からもそう多くはありません。

ですが、がん看護専門看護師になりたいと思う方は、自分の家族ががん患者であった経験や、がん患者との看護の中で解決できなかったジレンマやケアを専門的に学びたくて大学院に来る方がほとんどです。

日本人の死亡原因の第一位はがんであり、国民の2人に1人は何らかのがんにかかるといわれ、「がん対策基本法」によりがん医療の専門スタッフの育成を後押しされる中、がん看護専門看護師は、専門看護師の中では一番認定人数も多く、活動の場も確立されている職種です。

がん看護専門看護師として活動する中で、自分が学んだことや苦労したことについてご紹介したいと思います。

1.がん看護専門看護師を取得しようと思ったきっかけ

がん看護専門看護師を取得しようと思ったきっかけ
私が「がん看護専門看護師」を目指そうと思ったきっかけは、がん患者たちとの出会いを通してでした。私が看護師になったころは、今のようにがんであることを本人に告知することも、標準治療のガイドラインも明確に示されていない時代でした。

内科病棟の中で抗がん剤を毎日のように扱いつつ、終末期の患者のケアを同時に行い、時には自分の夜勤帯で4人の方が亡くなることもある病棟の中で数年勤務しました。

いくつかのつらい体験を重ねました。

  • 病状の変化を説明できずに「もうだめだ」と思いこみ自殺を考えた患者
  • がんあることを配慮なく告知された後に重症のうつ病になってしまった患者。
  • 外来と病棟との継続支援がなく自ら命を絶った患者。

思い出すと今も切ない気持ちになります。もう少し知識と技術があれば、具体的な方法で患者や患者家族にアプローチすることで、違う結果になっていたのではないかという思いが、専門看護師になりたいと考えるきっかけになりました。

 

2. がん看護専門看護師を取得して自分が変わったこと

がん看護専門看護師を取得して自分が変わった

がん看護専門看護師を取得して自分が変わったなと思うことは以下の通りです。

  • (1):倫理的な視点でものを見る力がついた
  • (2):がん医療を広い視点で見ることができる
  • (3):自分(看護師)の力を試す意思がついた

ひとつひとつ説明してきます。これから取得する方の参考になれば幸いです。

(1):倫理的な視点でものを見る力がついた

大学院で、看護倫理についての勉強にしっかりと取り組むため、臨床で感じたジレンマや違和感についてそのままやり過ごすことはなくなりました

治療選択に関しても、主治医の価値観が強く働いて患者や患者の家族が何も言えなくなる場面や、多職種の意見の相違があった時などに、その場の雰囲気に流されず、何が背景に起こっているのか、本当に患者にとってそれが最良の方法なのかを考え、発言する力がつきました

 

自分の看護師としての強みになっている

患者の意見や考えを代弁したいと考えていた私にとっては、とても強みになっています。ですが、丸く収めたい方にとっては疎まれる存在になる覚悟も必要です。

 

(2):がん医療を広い視点で見ることができる

がん看護領域の認定看護師さんは、実践的で専門領域に特化して活躍されています。がん看護専門看護師にも、サブスペシャリティーはあります。

しかし、その領域に自分の知識を限定せずに、がん予防から治療・緩和ケア・遺族ケアまで幅広い視点で患者・家族・医療従事者に対して相談に乗ることができる看護師であることを教育されます。

そのため、医師と治療の話もできますし、がん予防について市民の方に話しをすることや、緩和ケアの実践を行うことができます。認定看護師さんよりも、実践に活かせる技術は足りないことはあります。ですが、患者や患者家族に何かを相談されたとき、がん医療やケアについて相談できる力がついたことは確かだと思います。

 

(3):自分(看護師)の力を試す意思がついた

多くの病院や施設では、専門看護師は1人いるかどうかです。そのため、自分の活躍の場は、自分で見つけて作ることが求められます。

例えば、がん相談室や専門外来の立ち上げ、カンファレンスの参加、緩和ケアチームでの活動、地域連携、がん領域の医師との協働、看護師などへの研修など、自分から働きかけて結果を出すことが必要になります。

がん看護専門看護師である私に、相談をしてくれる患者や患者家族の方が増えてくることが、何よりも自分を支えてくれる力になります。また、失敗を繰り返しても、応援してくれる方もいることを知り、自分の力を試す度胸もつきました。

 

ポイント!

ポイント

がん看護専門看護師として活動を始めたときは、本当にどうしたらよいか不安で仕方がありませんでした。空回りしたこともたくさんあります。

 

3.がん看護専門看護師の資格取得までの苦悩・苦労

がん看護専門看護師の資格取得までの苦悩・苦労

がん看護専門看護師の資格はいくつかの条件を満たさなければ取得することができません。

  • 日本国の看護師の免許を有すること
  • 実務研修が通算5年以上あり、うち3年間以上は専門看護分野の実務研修であること
  • 日本看護系大学協議会が定める専門看護師教育課程基準の所定の単位(総計26単位または38単位)を取得していること
  • 認定審査(書類審査・筆記試験)に合格
  • 専門看護師認定証交付・登録
  • 5年ごとに更新(看護実践の実績、研修実績、研究業績等書類審査)

がん看護専門看護師の資格は決して簡単に取得できるものではありません。しっかりと計画を立てた上で資格取得を目指しましょう。私が資格取得まで行った際の苦労をお伝えします。

緩和ケアの実践が不足していた苦労

私は、家庭の事情で外来勤務が長く、「緩和ケアの実践が足りない」と、先生から言われることが多くありました。緩和ケア病棟の経験はなく、がん専門病院の経験も数年程度だったため、言われるたびに悔しい気持ちがありました。

それは、がん患者はどの病院にもいますし、緩和ケア病棟に入れる患者のほうが少なかった地域にいたためです。現在は、がん治療の場が外来にシフトし、多くのがん看護専門看護師が、外来で働いています。

 

ポイント!

ポイント

外来だって看護がある、患者は外来で検査を受けて診察に通い、ぎりぎりまで通院するのだから、外来での経験だって貴重な財産だと考え、自分を励ましていました。あの時、悔しかったけれど、頑張ってよかったと思っています。

 

看護記録についていけない苦労

外来で働くことが多かったため、看護記録や計画立案は、あまり行っていませんでした。また、関連図の書き方やプロセスレコードなどの記載方法になじめずに苦労しました。

看護師の経験年数が多ければ多いほど、アセスメントの部分が抜けて、プランが頭に浮かんでしまうものです。ですが、専門看護師は、アセスメント力を大切にするため、とのかくアセスメントを文章化することに苦労しました。

 

ポイント!

ポイント

がん患者と患者家族のように数年にわたる闘病を行う場合には、きちんとアセスメントをしなければ結果として患者が苦しむこともあるのです。ですが、いまだにアセスメントを深めた看護記録には苦労し、日々勉強をしているところです。

 

ロールモデルがおらず目指す看護師像がなかった

自分の周囲には、専門看護師は誰もいませんでした。大学院も一期生であり、実習で出会う専門看護師さんが初めてでした。

そのため、短期間の実習では、自分が理想とする専門看護師像と、実習先の専門看護師さんの動きが必ずしも一致するわけではありませんでした。私は誰をロールモデルとして目指せばよいのかかなり悩みました。

 

ポイント!

ポイント

ロールモデルがいないことは、多くの専門看護師が苦労している部分です。ロールモデルがいない分、「なぜ、専門看護師になりたかったのか」という信念がないと自分を活かせる場所を見つけることができずに苦労します。

 

4.専門看護師コースの内容や様子について

専門看護師コースの内容や様子について

専門看護師の単位と実習に関する専門看護師コースの内容や様子について実体験を交えながら触れていきます。

取得する単位と実習が多く忙しい

専門看護師になるには、大学院で看護を深めるよりも取得する単位と実習が多く、時間に追われる日々でした。「がん(看護)の人達はいつも疲れているよね」とも言われていました。

学校にもよると思いますが、私は一期生だったため、何もかもが初めてで、実習で何をすべきなのかもよくわからず、ストレスフルな毎日だったと思います。

 

修論は、他の領域と同レベル

教授の方針が「修士論文にも手を抜かない」であったため、2年目は実習と修士論文のためのフィールドワークとで、かなりハードでした。毎日パソコンに向かい、インタビューを文字に起こし、枠組みを考え、分析し続けていた記憶があります

 

今の専門看護師過程は、さらに取得すべき単位数がふえ、その分看護研究にかける時間が少なくなっているようです。ですが、専門看護師となってからも、学会発表は必須であり、一からじっくりと研究の「いろは」を教わった私は、とても恵まれていたと考えています。

 

学生だけど、社会人、そして幅広い専門性

看護師の場合には、大学からそのまま大学院に上がる学生はいないように思います。そのため、数年から数十年の看護経験を踏んだ後に、何かを抱えてもう一度大学院で学びなおす人が多く、人間として尊敬できる人も多く人脈も広がります

私は、看護管理や精神看護、老年看護など、幅広い領域の人達とかかわることができました。

 

大学院では学問を学ぶという意識を持てた

がん領域の単位だけでなく、看護教育、看護管理、基礎看護などの単位も自分ができる範囲でとることができました。がん看護だけを学ぶというよりも、学問を学ぶという意識が持てたのも大学院の学びだからこそ得たものだと思います。その経験があるからこそ、さらに専門看護師としての「専門性」を、より意識できるようになったと思います。

 

5.がん治療の最前線!ニーズが高い資格

とてもニーズの高い資格

がん看護専門看護師の活躍の場は、一般病棟はもちろん、がん相談支援室やがん治療センター、急性期病棟などかなり幅広くなっています。

一般病棟では、内科を中心として婦人科や循環器科、消化器科など色々な診療科で活躍できます。それだけでなく、がん看護専門看護師は高い技術、キャリアなどの面から副師長や師長になるなど、後進の指導、教育などを任されるような責任ある役職に就いている、ということが多いです。

特に近年では、がん治療センターのようながん治療の最前線となる場でも必要とされていますし、認定看護師や専門看護師を育成する教育機関での講師としての活躍も可能です。

 

今後もがん患者は増え続けることが予想される

現在、日本では病気による死因の第1位となるほど、多くの人が、がんにかかっています。がん患者は毎年増え続けていると言われ、その治療において専門的で高度な看護技術や知識を持った看護師は、どの病院でもニーズが高くなっています。

また、がんの早期発見やがん予防のために、今後は医者の力だけではなく、がん看護専門看護師は非常に重要な存在である、と言われているのです。

がん患者の増加には、生活や食の変化の影響が指摘されており、これからもがん患者は増える見込みとなっています。そんな日本の医療業界において、がん看護専門看護師は欠かせない存在なのです。

 

資格取得にかかる最低限の費用

がん看護専門看護師の資格を取得するためには、学費や教材費など費用がかかります。最低でもどのくらいの費用が必要になるのか確認しておきましょう。

入試検定料 約5万円
2年間の学費 220万円
教材費 約10万円
専門看護師の登録費用 約5万円
   合計約240万円

※ここに記載してある費用に加え、無給となる2年間の生活費用も考慮する必要があります。
※病院によっては資格取得の斡旋をしてくれる施設もあります。詳しくは専門看護師支援がある病院への看護師転職で知りたい6つのポイントをご参照ください。

まとめ

私が、専門看護師となって得られたことについてご説明させていただきました。私はあまり出来の良い専門看護師ではなく、あまり生き方も上手ではありません。ですが、専門看護師になって、看護師として活躍する場は広がり、各地に知り合いが増えました。それだけでも、がん看護専門看護師になって得したと思っています。

大学院に入って、専門看護師になるまでの道のりは簡単ではありません。ですが、がん患者や患者家族のケアがしたいという気持ちが強ければ、必ず道は開け、誰かがサポートしてくれます。

看護にこだわりたい方には、是非こだわり続けることが大切な専門看護師を目指していただきたいです。


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この記事を書いた人

看護師をして20年以上になります。外来・病棟・検査室・クリニックなど、いろいろな場所での業務を経験しました。
ですが、一時は看護師をやめようと思ったほど、心身共に追い詰められた時期もあります。現在は、看護師も続けつつ、ライターやカウンセラーとしても活動しています。
今までの経験を生かして、いろいろな体験談も書いていこうと思っています。よろしくお願いします。


カテゴリー:専門看護師の資格

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この記事を書いた人:ラビウサ
(公開日:)(編集日::2017年11月21日)

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