著作者

佐藤ゆうき

正看護師

佐藤ゆうき

( 看護師 )

がん放射線療法看護認定看護師になるには?役割も解説。

公開:、更新:2018年04月16日
がん放射線療法看護認定看護師になるには

がんは昭和56年から日本人の死因順位の第1位となっており、現在では年間30万人以上が、がんで亡くなっています。また、生涯のうちにがんにかかる可能性は男性の2人に1人、女性の3人に1人と推測されており、誰しもが罹る可能性のある疾患です。

現在、がんの三大治療は「手術(外科治療)」「薬物療法(抗がん剤治療)」「放射線療法」です。

その中でも今回は放射線療法に注目し、治療を受ける患者へのサポートを行うがん放射線療法看護認定看護師になるためには、役割について説明していきます。がん治療や放射線療法に興味のある方は参考にしてみてください。

1.がん放射線療法看護認定看護師の役割

がん放射線療法看護認定看護師の役割

がん放射線療法看護認定看護師は2010年から資格認定を開始した新しい認定看護師です。

がん放射線療法看護認定看護師資格を取得した83%の認定看護師は、がん放射線療法看護認定看護師が、がん診療連携拠点病院で勤務しています。

がん放射線療法看護認定看護師の主な役割について詳しく説明していきます。

 

(1)患者が安全に治療を受けることができるよう支援する

放射線療法は単独で治療することもあれば、抗がん剤治療と併用する方法や、手術前・手術中・手術後に放射線療法を行う方法もあります。治療中は患者自身が直接治療過程を目で確認することができないため、治療をしているという実感がわきにくいことがあります。

そのため、がん放射線療法看護認定看護師は、患者1人1人が病態・治療方法・副作用症状などについてしっかり理解できているかを確認し、患者に沿った看護をしていく必要があります。

患者が治療方法・副作用症状を理解した上で、安全に治療に臨めるようサポートを行います。

 

補足説明!

ポイント

骨転移による痛みや脳転移による神経症状、がん組織による機関、血管、神経などの圧迫による症状を和らげるために放射線療法を行う場合もあります。このように放射線療法は様々なケースで使用されることが多く、治療によって放射線量や放射部位などが異なります。また、放射線療法は1回だけの治療ではなく数十回行うことが多いため患者の協力が不可欠です。

 

(2)副作用症状の予防、副作用症状の緩和を行う

放射線療法を行うと、副作用症状が出現することがあり、副作用出現場所も全身から局所まで様々です。

治療前に病態や放射部位などであらかじめどんな副作用症状が出現する恐れがあるかが分かる場合も多いので、がん放射線療法看護認定看護師は、治療中副作用症状の予防に努め、症状の出現がないかを確認します。

  • 治療中は食事が取れているかの観察
  • 吐気などの症状はないかの観察
  • 食事方法についての指導

を重点的に行います。

副作用症状が出現していたら早期に医師へ報告し症状の緩和を図ります。

例えば、食道がんに対して放射線治療を行う場合、食欲の低下により食事摂取量の低下が起こる可能性があります。

 

(3)患者自身がセルフケアできるよう指導する

放射線療法は外来で通院しながら行う場合が多いです。

そのため、自宅へ帰った後に注意することや、どんな症状が出現したら病院へ連絡すれば良いのか、などを患者に説明します。

患者によっては働きながら治療をする人もいるため、患者の社会的背景を考慮しつつ治療と仕事が両立できるようサポートしていきます患者が自宅へ帰った後の注意点について理解できているかを確認し、必要時家族に対して指導を行います。

 

(4)患者や家族の精神的サポートを行う

がんと告知をされた患者とその家族は身体的・精神的にダメージが大きく、中には病気を受け入れることができないケースもあります。

がん放射線療法看護認定看護師は患者と家族の病気に対する受け入れ方を確認し、不安や疑問があった場合は解決できるよう支援していく必要があります。

長期に渡って治療を行う場合もあるため、患者や家族の思いを受け止めることが重要です。

 

(5)多職種との情報共有を行う

放射線療法は医師、看護師、放射線技師、薬剤師、栄養士など多くのスタッフと連携し治療に当たります。

がん放射線療法看護認定看護師はその中心となり、患者の状態を適宜他のスタッフに伝え情報を共有していく必要があります。

スタッフ間で同じ目標に向かって患者をサポートできるような体制をとることが重要になります。

 

(6)専門的知識を深め、他の看護師に指導・教育を行う

がん放射線療法看護認定看護師は放射線療法について、副作用症状について、などの知識を深めるため、積極的に勉強・研究を行います。

ここで得た知識を他の看護師に指導・教育し、看護知識・技術の更なる向上を図り、看護師全体のスキルアップに貢献するといった役割を果たす必要があります。

 

2.院内で行う仕事内容や役割を看護師がレポート

院内で行う仕事内容や役割を看護師がレポート

現在、現役看護師による、院内活動レポートはございません。

レポートが出来次第、随時更新を行っていきます。

 

3.がん放射線療法看護認定看護師になるには

がん放射線療法看護認定看護師取得の流れ

取得の流れは上画像のような形となり、がん放射線療法看護認定看護師の資格保有者人数の推移は以下の通りです。

2013年 1,168人
2014年 1,289人
2015年 1,385人
2016年 1,464人
2017年 1,530人

年間、100名前後の看護師が資格を取得しています。

また、日本看護協会のがん放射線治療法看護認定看護師の目的も確認しておきましょう。

【がん放射線治療法看護認定看護師の目的】

  • がん放射線療法を受ける患者と家族のQOL 向上のため、水準の高い看護実践ができる看護職者を育成する。
  • がん放射線療法を受ける患者の看護において、看護実践を通して他の看護職者に対して指導ができる能力を育成する。
  • がん放射線療法を受ける患者の看護において、看護実践を通して他の看護職者に対して相談対応・支援ができる能力を育成する。

以上のことが、日本看護協会が定める「がん放射線療法看護認定看護師」の資格取得の目的となります。

【がん放射線治療法看護認定看護師に期待される能力】

  • がん放射線療法を受ける患者の身体的・心理的・社会的・スピリチュアルな状況を包括的に理解し、個別的なケアを計画、
    実施できる。
  • 放射線の特徴及びがん放射線療法の治療計画を理解し、治療の再現性の向上・計画期間の遵守のための看護を実践できる。
  • がん放射線療法の有害事象についてアセスメントし、効果的な予防と症状緩和ができる。
  • がん放射線療法において確実な放射線防護策、安全管理を実践できる。
  • がん放射線療法を受ける患者・家族が、セルフケア能力を維持し、QOL 向上のための効果的な看護を実践できる。
  • がん放射線療法を受ける患者・家族の権利を擁護し、自己決定を尊重した看護を実践できる。
  • より質の高い医療を推進するため、多職種と協働し、チームの一員として役割を果たすことができる。
  • がん放射線療法看護の役割モデルを示し、看護職者への指導・相談対応ができる。

以上が、がん放射線治療法看護認定看護師に期待される能力になります。

詳細を確認して、取得できるかどうかも検討しておきましょう。

 

がん放射線療法看護認定看護師の資格取得条件

  • 日本国の看護師免許を保有している
  • 実務経験が通算5年以上あること
  • 通算3年以上、がん放射線療法を受けている患者の多い病棟・外来・治療部門での看護実績を有すること。
  • がん放射線療法を受けている患者の看護を5例以上担当した実績を有すること。
  • 現在、がん放射線療法を受けている患者の多い病棟・外来・治療部門で勤務していることが望ましい。
  • 日本看護協会が認定している認定看護師教育課程を修了(6ヶ月・615時間以上)

他の認定看護師資格と違う点としては、「現在、がん放射線療法を受けている患者の多い病棟・外来・治療部門で勤務していることが望ましい」という記載のため、資格取得の際に必ずがん放射線治療法に携わっている必要がありません。

 

日本看護協会が認定しているがん放射線療法看護認定看護師の教育機関一覧

北海道 北海道医療大学 認定看護師研修センター
(2018年1月時点:休講)
千葉県 国立がん研究センター東病院 認定看護師課程
(定員:15名)
東京都 首都大学東京 健康福祉学部 認定看護師教育課程
(定員:30名)聖路加国際大学 教育センター
(2018年1月時点:休講)
静岡県 静岡県立静岡がんセンター 認定看護師教育課程
(定員:20名)
愛知県 愛知県立大学 看護実践センター
(定員:15名)
兵庫県 日本看護協会 神戸研修センター
(2018年1月時点:休講)
鳥取県  鳥取大学医学部附属病院 医療スタッフ研修センター
(2018年1月時点:休講)
福岡県  久留米大学 認定看護師教育センター
(定員:30名)

(2018年1月31日現在)

表を見ていただいて分かる通り、休講が多くなっています。そのため、各病院や大学などに問い合わせを行いましょう。

 

注意しよう!認定看護師にかかる費用について

以下は最低限かかる費用の計算を独自に行っております。詳しくは日本看護協会に確認をしましょう。

入試検定料 約5万円
入学金 約5万円
授業料 約70万円
実習費 約10万円
認定審査費用 約5万円
認定費用 約5万円
   合計約100万円

※ここに記載してある費用に加え、無給となる6ヶ月間の生活費用も考慮する必要があります。

 

4.まとめ

がん放射線療法看護認定看護師は資格認定を開始してから日が浅く、全国にわずか103名しかいないため、まだ浸透できていないというのが現状です。

しかし、放射線療法の技術は向上しており、治療を受ける患者数も増えていることから、これからさらにがん放射線療法看護認定看護師のニーズが高まっていくと予想されます。

放射線療法に興味のある方はがん放射線療法看護認定看護師を目指してみてはいかがでしょうか。

 

効率的に認定看護師支援を受けて資格取得を目指す方へ

効率的に認定看護師支援を受けて資格取得を目指す方へ

認定看護師を目指す看護師の方は「認定看護師支援がある病院への看護師転職で知りたい6つのポイント」を確認してください。

 

自転車旅行が大好きで、しまなみ海道を縦断してきた30代の看護師です。

都内の総合病院で約6年、その後クリニックで約2年勤務しました。現在は1児の母として子育て奮闘中ですが機会があればまた働きたいなと思っています。

病院で働いている時は人間関係に悩みましたが、なんとか6年間頑張ることができました。

自分が今までに経験したことをどんどん発信して、少しでも皆様のお役に立てればと思います。

看護師としての経歴

保有資格 ・正看護師
出身/年齢 ・千葉県/31歳
職務経験 ・総合病院・クリニック
診療科経験 ・呼吸器外科、呼吸器内科・消火器外科、消化器内科
・循環器内科・心臓血管外科・婦人科・小児科・眼科


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