看護師が転職できる介護施設の種類と働く注意点!

看護師が転職できる介護施設の種類と働く注意点

看護師として資格を利用して介護施設で働くことは、高齢化社会の日本において一般的になってきました。

しかし、介護施設で働く看護師は病院に比べてまだまだ少ない現状があり、情報不足によって初めての介護施設への転職には不安が出てしまうことが現状です。

看護師として転職できる介護施設の知識不足を補うために、介護施設の種類と働く注意点を以下でまとめています。

1.なぜ!?介護施設に看護師が必要なのか?

なぜ!?介護施設に看護師が必要なのか

介護施設を運営するにあたって、各施設では看護師の配置基準が細かく定められています。(例えば入居者100人につき5名など細かなルールがあります。)

そのため、運営側にとって看護師資格を持った人材は必要不可欠であることがいえます。

 

介護施設で働いている看護師の数は少ない

しかしながら、介護施設で働いている看護師の数は非常に少数になっております。

日本看護協会が発行する「看護職員の就業場所」のデータによれば、介護施設で働く看護師は全体の10%(1,537,813人中、151,102人)に満たないことが調べで分かっています。

そのため、看護師としても、

  • 転職する場合のノウハウがない
  • 仕事内容がよくわからない
  • 施設形態が複雑である

などのことが挙げられます。

介護施設に転職を考えるのであれば、これらの施設の違いはしっかり認識しておく必要があり、その上で、自分が「やってみたい」と思う施設を選択する必要があります。

以下で詳しく説明していくので確認しておきましょう。

 

2.看護師が転職できる介護施設の種類

介護施設には様々な種類

看護師が転職できる介護施設の種類は大きく2つに分かれます。

それは、「民間企業が運営」している介護施設なのか、公的機関が運営している公的施設かの違いです。

民間企業運営
  • (1)有料老人ホーム
    (介護付き、住宅型、健康型などの有料老人ホームがある)
  • (2)デイサービス(通所介護)
  • (3)サービス付き高齢者向け住宅
  • (4)訪問看護ステーション(訪問看護師)
公的施設
  • (5)特別養護老人ホーム(特養)
  • (6)介護老人保健施設(老健)

(その他、介護療養型施設や養護老人ホームなど)

(厚生労働省/介護事業所生活関連情報検索より抜粋)

上記の介護施設への転職が看護師には一般的な施設になります。(その他、グループホーム(認知症対応型共同生活介護)、デイケアや訪問入浴、訪問診療なども介護にあたります。詳しくは当サイト内で検索してみてください。)

当たり前ですが、一言に介護施設と言っても、仕事内容や看護師としてのポジション、役割などが介護施設によって細かく違います。

 

(1)有料老人ホーム

有料老人ホーム
運営 民間の企業・病院・団体等
入居者属性 ・65歳以上(基本)
・要介護度は運営企業によって混在
介護施設の目的 入居者が希望する生活を送る
医師の有無 基本的に在籍していない
夜勤の有無 ・夜勤は施設によって様々
・オンコール対応がある場合もある

高齢者が住みよい環境を提供する入居施設が有料老人ホームです。

食事の提供、介護や洗濯、掃除など、生活のあらゆることにサポートが入り、入居者の心身の状況、健康状態によって、長い期間によって利用できる施設です。

▼一般的な有料老人ホーム看護師の日勤スケジュール

 

8:30~ (正職員)朝礼参加
(非常勤・パート)朝礼実施している際、朝の経管栄養の片付け
9:00~ ・看護師同士のミニミーティング実施
・各フロア職員との申し送りを行う
9:30~ ・服薬準備、処置など実施
11:30~ ・吸引、昼の経管栄養の準備・実施
12:00~ ・服薬介助、食事介助
・看護記録記入
・昼の経管栄養の片付け
13:00~ ・休憩
14:00~ ・服薬準備、処置など実施
・往診の対応など
16:00~ ・吸引・夕の経過栄養の準備・実施
・夜勤者への申し送り
17:00~ ・看護記録記入
・医務室の整理整頓、翌日の準備など
17:30 ・退勤

基本的には、上記のようなタイムスケジュールですが、有料老人ホームの施設によっては、こちら以外にも会議や委員会、勉強会などがある場合があります。

詳しくは「有料老人ホームの看護師転職|働くメリット・デメリット」を確認してください。

 

有料老人ホームはさらに3つの種類に分かれる

有料老人ホームの場合は、その中でも種類が分かれており、

  • 介護付き有料老人ホーム:介護が必要な人
  • 住宅型有料老人ホーム:介護が不要な人
  • 健康型有料老人ホーム:自立した人のみが入る

などが一般的です。

 

有料老人ホームの体験談も確認しよう

 

(2)デイサービス(通所介護)

デイサービス
運営 民間の企業・病院・団体等
利用者属性 要介護や要支援の認定を受けた高齢者
介護施設の目的 高齢者の日常生活の支援
医師の有無 在籍していない
夜勤の有無 夜勤なし

デイサービスとは、いわゆる通所介護のことです。

日帰で入浴や食事、機能訓練などのサービスを提供する施設で家族の介護負担軽減も目的とされています。

デイサービスの1日の看護師スケジュール
 

9:00 ・出勤
・利用者のお出迎え
9:30 ・利用者のバイタル測定し、健康状態の確認
10:00 ・バイタル測定で問題のない利用者から、入浴開始
・入浴後の利用者の皮膚トラブルの確認、湿布や軟膏塗布、褥瘡処置の実施
11:15 ・レクリエーション
スタッフによるレクリエーションに参加しながら利用者の健康状態の確認
12:00 ・インシュリンや食前薬のある利用者へ投与実施、血糖測定実施
・食事摂取
車椅子の利用者は体位調整、麻痺のある利用者は食事介助、嚥下状態の確認
12:45 ・食後の内服、口腔ケア
13:00 ・休憩
14:00 ・記録
・バイタル測定、皮膚状態や創傷処置について、活動レベルについて
・排尿回数や排便回数、利用者の身体状況の記録
15:00 ・レクリエーション
16:30 ・利用者のお見送り

送迎バスやお迎え車まで、転倒のないように順番に利用者をお見送りします。その後は、看護師は片付け、明日の準備を行って17時には退勤します。

詳しくは「デイサービスへの看護師転職8つの注意点、メリット・デメリット」を確認しましょう。

また、体調管理はもちろんのこと、レクリエーションなども開催されます。

 

デイサービスの体験談も確認しよう

初めてデイサービスに転職を行った看護師の方にインタビューしています。

デイサービスに興味がある看護師の方はこちらも合わせて確認しましょう。

 

(3)サービス付き高齢向け住宅

サービス付き高齢者住宅
運営 民間の企業・病院・団体等
入居者属性 高齢者
(運営方針によって異なる)
介護施設の目的 高齢者の日常生活の向上
医師の有無 在籍していないケースが多い
夜勤の有無 運営方針によって異なる

サービス付き高齢者住宅とは、通常のマンションやアパートの住宅において、付属で医療関連のサービスを提供している住宅を言います。

例えば、入居者の健康相談や、生活のお手伝い、安否確認などが一般的で、民間企業が運営しているため、独自のサービスを展開しています。

また、看護師不在のサービス付き高齢者住宅も多いです。

 

(4)訪問看護ステーション(訪問看護師)

訪問看護ステーション(訪問看護師)
運営 民間の企業・病院・団体等
利用者属性 在宅介護が必要な高齢者
介護施設の目的 訪問看護
医師の有無 在籍していない
夜勤の有無 夜勤なし
(施設によってはオンコールあり)

訪問看護師は、看護師として臨床経験があれば仕事を行いやすく、時間の融通も利きやすいため、復職の職場としても知名度は高いのではないでしょうか。

一般的に、訪問看護ステーションへ朝集合し、4件~5程度、自宅へ訪問しながら在宅医療を看護師が提供していきます。

▼訪問看護師の1日のスケジュール

 

9:00~ 出社して訪問介護の準備を行う
9:30~ 訪問時間に合わせてそれぞれ出発
10:00~ 1件目:脳梗塞70代男性/主治医の指示を仰ぎながら処置を行う
11:20~ 2件目:肺気腫の80代男性/状態を観察しケアを実施する
12:30~ お昼休憩
13:30~ 3件目:腰椎圧迫骨折後の90代女性
15:00~ 4件目:パーキンソン病の60代女性/服薬チェック
16:20~ 帰社:訪問看護ステーションに戻ってからの仕事

詳しくは「初めて訪問看護師へ転職する時に知ってほしい5つのこと」を確認してみましょう。

 

訪問看護師の体験談も確認しよう

病院から訪問看護師に転職した看護師の方にインタビューしています。

 

(5)特別養護老人ホーム(老健)

特別養護老人ホーム(老健)
運営 各都道府県
(地方公共団体や社会福祉法人など)
入居者属性 ・要介護3以上
・65歳以上
・入院、治療必要がないこと
介護施設の目的 終身利用
医師の有無 在籍していない
夜勤の有無 夜勤がない場合もある
(夜勤は明確に定められていない)
(オンコールがある場合がある)

介護老人福祉施設、または特別養護老人ホームは、入居者の在宅復帰を目的として介護サービスを提供しており、地方公共団体や社会福祉法人など、公的な団体が運営している介護施設です。

▼特別養護老人ホーム看護師の一日のスケジュール

 

8:30~ 夜間帯勤務介護スタッフからの申し送りを受ける
9:00~ ・施設内相談員を含めた利用者の健康管理上のカンファレンス
・受診や医師との面談の有無など
・その日の予定を確認、時間調整を行う
9:30~ 担当フロアへ分かれ、医師の指示が出ている人の採血や検査を行う
10:00~ ・入浴予定者のバイタルチェック
・入浴が可能かどうかを判断し介護スタッフへ指示する
・外用薬をしようしている利用者への投薬や介助を行う
・看護師不在時間の利用者の食事量や水分量の記録をチェックする
・各利用者の看護師管理用カルテにバイタルや食事量、夜間の様子を記録する
・次回内服分の配薬を行う
11:30~ 褥創や皮膚疾患がある利用者へ処置を行う
12:00~ 昼分内服薬を利用者へ投薬する
13:00~ 昼休憩(60分)
14:00~ 他職種全体のカンファレンスに参加し情報共有を図る
15:00~ 委員会への参加、ショートステイ利用者の受け入れ時間開始とともに持参薬を配薬する
15:30~ 嘱託医による特別診療や往診の準備を行う
16:30~ 夜勤帯勤務介護者への申し送りとともに医療的指示を行う
17:00~ 夕食配膳の手伝いと投薬を行う
17:30~ 夜間のオンコールに備えて、専用の携帯電話を持ち帰宅する

この業務のなかに、急変対応や、「様子がおかしいから見てほしい」という介護者の要請への対応、利用者の身体的苦痛の訴えへの対応、必要時は受診に出かける等の業務が入ってきます。

詳しくは「特別養護老人ホーム看護師転職|ポイント9つ」を参照してください。

この特別養護老人ホームは、要支援1と要支援2の人は利用ができず、要介護度3以上となります。そのため、介護施設の中で看護師の医療行為が多い職場となります。

 

特別養護老人ホームの体験談も確認しよう

 

(6)介護老人保健施設(老健)

介護老人保健施設(老健)
運営 各都道府県
(地方公共団体や社会福祉法人など)
入居者属性 ・原則65歳以上が対象
・要介護1~5認定者
・認知症患者も在籍
介護施設の目的 普段の生活に戻れるようにリハビリする
医師の有無 在籍している
夜勤の有無 夜勤あり

介護老人保健施設(老健)は、医療ケアやリハビリなどを必要とする高齢者が入所する施設で、各都道府県の許可を受けた機関が運営しています。65歳以上が入居対象となり、要介護1~5認定者など様々です。

入所期間は3ヶ月~1年未満など、ある一定の期限が設けられていることが多く、それを超える場合には検討会議にかけられ、判断されます。

詳しくは「介護老人保健施設の看護師転職|メリット・デメリット」を確認しましょう。

要介護状態の高齢者が対象で、食事や排泄の介助をしてもらえますが、最終的には在宅での生活を目的として入所し、自宅に帰るためのリハビリ施設となります。

 

介護老人保健施設の体験談も確認しよう

 

3.看護師が介護施設で働く一般的な注意点

介護施設で働くときの注意点

介護施設で看護師が働く場合、各介護施設によっても異なりますが、介護施設の中心スタッフは介護士となるのが一般的です。

看護師は医療分野での司令塔としての役割を果たすことになりますが、その組織体制が上手く機能するためには介護士の協力が必要不可欠になるため、介護士と以下に上手く一緒に仕事ができるかが重要となります。

介護施設へ看護師が転職する場合は、介護士を信頼し、協力しながら仕事に取り組んでいく姿勢が必要となり、どの介護施設へ転職する場合にも注意が必要といえます。

 

(1)看護師の業務範囲を確認しておくこと

介護施設によっては、介護スタッフ同様に看護師にも介護をさせる可能性があります。

業務内容が多岐に渡ればオーバーワークとなり、比較的残業が少ないと言われる介護施設でも、「毎日残業…」という状態にならないとも言い切れません。

介護施設で働く際には、看護師の業務範囲をきちんと確認するようにしておきましょう。

 

看護師としての専門性は何かを考える

介護施設では看護師と介護士の役割の線引きが曖昧になってしまうことが珍しくありません。しかし、どのような状況においても、常に看護師としての専門性は何であるかを考えその役割を果たすよう意識していく必要があります。

 

(2)事前にマニュアル有無を確認しておくこと

介護施設で働く際は事前に緊急時のマニュアル有無を確認しておくようにしましょう。緊急時のマニュアル等がない施設では、何か合った時の責任を看護師に求めることもゼロではありません。

後々トラブルに発展しないためにも、事前にマニュアルの有無を確認しておくといいでしょう。

 

(3)介護施設は臨床経験が浅い看護師には向かないこと

介護施設には、病院と比べはるかに病状が軽い人達しかいないため「看護師の資格を持っていれば誰でも働ける」と思われがちです。

ただし、介護施設では医師の関わりが少ない分、看護師の責任がとても大きくなるということを忘れてはいけません。

よって、臨床経験が浅い看護師にはあまり向かない職場だと言え、臨床経験3年以上は必要になると思った方が良いでしょう。

 

まとめ

在宅での介護も大事ですが、介護施設は国の政策で今後増えていきます。

それゆえに看護師の転職先に介護施設は候補に上がってくることが予想されます。

特に子育てをしながら働きたい看護師や、病院で疲れ果てた看護師の方には候補の一つとして魅力を感じられるでしょう。

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