看護師が老人保健施設の転職面接を受ける際のポイントとは?


看護師の転職で絶対に避けては通れないのが面接でしょう。基本的に看護師の転職活動では、履歴書や職務経歴書の内容よりも面接を重視するという施設が多い傾向にあるそうです。特に介護老人保健施設は、病院よりも面接に応募する看護師の年齢の幅が広いため、面接にもそれなりのポイントが実はあるのです。
今回は、介護老人保健施設で面接官の経験もある自分の視点から介護老人保健施設の面接対策のポイントをお伝えしていきます。
一般的に面接対策というと若い看護向けに書かれていることが多かったりしますが、今回は全年齢を視野に入れてみたので、参考にして頂ければと思います。
1.介護老人保健施設で面接官になる人とは?
2.看護師の転職面接で面接官が見るポイントとは?
(1)経験年数はあまり見ていない?!
(2)転職先に介護老人保健施設を選んだ理由
(3)腰痛の有無は面接官が特に重視して見るポイント
(4)介護老人保健施設の面接で「勉強したい」はNG!?
(5)ベテラン看護師への必須質問は全職場での人間関係
(6)結婚、出産、子育て系はあまり重要視されない傾向
3.介護老人保健施設が求めている看護師はこんな人!
(1)1人で考えて動くことができる人
(2)協調性がありトラブルを起こさずにやっていける人
1.介護老人保健施設で面接官になる人とは?
介護老人保護施設で面接を担当するいわゆる面接官とは、どのような人なのでしょうか。面接官の立場をよく理解して、どのような人材が欲しいか考えてみましょう。
事務関係の長と看護部の部長
介護老人保健施設で面接担当となるのは病院と違ってその施設全体の長が出てくることは少なく、だいたいは事務関係の長と、看護部の部長が必須となります。そこにプラスして介護の部長や、看護の主任が加わることもあります。
勤務している看護師が面接官の場合もある
介護老人保健施設での看護師の面接は介護士よりも割とフランクな雰囲気で行われることが多いです。そのため、介護の部長や主任が不在の場合や、その時に勤務している看護師が面接官として加わることもあります。
2.看護師の転職面接で面接官が見るポイントとは?
介護老人保健施設での面接は病院と見ている視点がだいぶ違うように感じます。特に、介護老人保健施設は法律上、就業できる看護師の数が決められています。その一方で介護老人保健施設への勤務を希望する看護師も多いため、狭き門となります。
自分の面接や、実際に面接官をしたときの状況をまとめて、老人保健施設での面接で見るポイントをお伝えしていきます。
(1)経験年数はあまり見ていない?!
病院での面接ですと経験年数は結構重要視されるところとなるように思います。そのため、産休や育休などの多少のブランクやいわゆる潜在ナースは医療施設によっては受け入れられない場合もあります。
しかし、介護老人保健施設で見られるのは経験年数ではありません。どこの診療科でどのくらい働いていたかということです。
どれくらいの診療科を経験しているかが重要
介護老人保健施設はその施設の形態上、いろいろな疾患を持つ利用者さんがいます。また医師は常勤でいるにはいますが、医師に診てもらうのは最終段階。ある程度は看護師の知識で診たててフォローをしていきます。
介護老人保健施設前述したように就業させられる看護師の人数は法律にて定められています。ですから、限られた人数で利用者の様子を観察していくためいろいろな知識をもった看護師が求められます。
どんな看護師経験をしてきたかが大事
看護師としてのトータルの経験年数は見られにくく、どの診療科でどのくらい働きどんな経験をしてきたかが重要視されます。看護師としてトータルの経験年数が浅い人でもいろいろな診療科の経験があるとそれだけで評価をしてもらえるのが介護老人保健施設だったりします。
(2)転職先に介護老人保健施設を選んだ理由
現在介護や福祉の業界は右肩上がりであり、その施設数や業種はどんどん増えています。それに伴って看護師の活躍できる場もどんどん増えているのが現状です。そのため、必ず聞かれるのがなぜ介護老人保健施設であるかということ。
病院の面接だとなぜこの病院を選んだのかという施設単位での質問となりますが、介護老人保健施設だと施設単位ではなく介護老人保健施設そのものについて問われます。
介護施設の違いを理解しておくことが重要
面接対策をする場合にはその受けたい介護老人保健施設についてというところを把握しておくことも、もちろん大切ですが何より介護施設である特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホームの違いをしっかりと理解しておくことが面接を突破するカギとなります。
(3)腰痛の有無は面接官が特に重視して見るポイント
病院の面接時に「身体に不調はないか」という質問を受けた人は多いかと思います。病院ですと腰痛などの筋骨格系の疾患以外にもともとの内臓疾患や精神疾患の有無も厳しく評価している傾向にあります。
介護老人保健施設では、精神疾患や内臓疾患は比較的重きを置いていない傾向にあります。そのため、以前の職場でうつなどの精神疾患で休職していたという人や内臓疾患で定期的に病院に通わなければならないなんていう事情を抱えた人はある程度の数います。
腰痛持ちの人は早期退職につながる可能性が高いため
介護老人保健施設では介護職員がケアを主に担うため病院の時よりも看護師が率先してトイレの介助をし、おむつを交換するという機会は減るものの、ゼロではありません。しかも、病院よりも介護度が高い人が多く、その日勤務している職員の人数や夜勤時など状況によっては一人でおむつ交換をせざるを得ないこともあります。
そのため、腰痛持ちの人は腰痛を悪化させて早期退職に繋がってしまう可能性もあることから腰痛の有無は特に重要視している場合が多いように感じます。
重度の腰痛でなければ面接で言わない方が良い
実際に就業していた身としては業務の量や質から見ても病院よりも腰痛が悪化する可能性はかなり低いため、重度の腰痛持ちでなければ面接でわざわざ公表する必要もないのではないかと思ってしまいます。
(4)介護老人保健施設の面接で「勉強したい」はNG!?
若い看護師が面接のときによく口にするのが、就業することによって勉強をしたいということば。これは介護老人保健施設では思わぬ落とし穴となる場合があります。再三話題に出ているように介護老人保健施設では看護師の採用人数に限りがあります。
業務に手が回らなくなると心配されるかも
そのため、1人が勉強する。ということに重きを置いて働いていると肝心な業務に手が回らなくなることが実際にあります。
例えば高齢者の福祉について学びたいとか、病院を退院した後の高齢者の生活を学びたい、ケアマネなどを将来取りたいなどなら高評価してもらえるのですが、ただ漠然と高齢者の看護について学びたいなどというような発言をした場合、それによって1人で業務を任せられるのかと疑問視されてしまうこともあるのでご注意ください。
(5)ベテラン看護師への必須質問は全職場での人間関係
ベテランの看護師さんへの質問事項として必須になるのが全職場での人間関係です。特に人間関係が悪かったことによって前の職場を退職していないかは面接時の質問必須項目となっていました。介護施設全般で介護士と看護師の人間関係が悩みの種となっている施設は多いものです。
これまでの職場で人間関係トラブルを起こしてないか見られている
まだ介護士が主役となるということがあまり浸透せず医療福祉現場の主役は看護師と考えてしまうベテラン看護師と、介護現場は自分たち以外の人間が関わるなんてありえないと医療の人間の介入に否定的な目を持っているベテラン介護士の間柄は特に悪いところが多いです。
そのため、面接担当者は何かトラブルを起こしかねない人ではないか、トラブルを起こしたことが退職のきっかけとなってはいないかを割と慎重に見ています。
人間関係に問題があった場合は伏せておきましょう
若い看護師であるとあまり盾をつき、ケンカを売るような姿勢を見せることは少ないため、聞かれなかったという人もいるのですが、ベテランであればあるほど知識もついていて「なぜこんなことを言うのか」「なぜ医療ではないのにこんなことをするのか」と、なぜどうしての見解から気が付けば口論となっていることも少なくありません。
もしも仮に退職した理由が職場の人間関係であったとしたならば、介護老人保健施設の面接では伏せておくのが無難でしょう。
ポイント!
看護師とはトラブルになったが病院にいた介護ヘルパーとは穏便に過ごしていたというように、介護職者とは仲良くできるということを強調しておくといいでしょう。
(6)結婚、出産、子育て系はあまり重要視されない傾向
病院の面接では特に若い看護師は結婚、出産、子育てといった女性ならではの将来の展望についての話は割とタブーにされてきた傾向にあります。転職エージェントを利用して転職をした人は、特に口止めされてきたと思います。しかし、介護老人保健施設の面接ではその辺の質問内容をタブー視しているところは少ないように感じます。
子供関係にはフランクに対応してくれる
介護老人保健施設で働く看護師は主婦層が多いため、子どもの急な体調不良や産休育休ということはよくあるためフランクに対応をしてくれるところが多いです。
病院と違って派遣や短期のバイトを呼びやすかったりすることもあるのでしょう。そのため、結婚、出産、子育てといった内容を正直にさらけ出したからと言ってそれが理由で落とされることはあまりないでしょう。
自分が面接を受けた際にも子作りなどについての質問はありましたが、病院やクリニックの面接のように働き始めてから1年は仕事を覚えてほしいから控えてほしい…。というような失礼な発言はされませんでしたし、面接官側に立ったときにも層のような発言をする人はいなかったように記憶しています。
3.介護老人保健施設が求めている看護師はこんな人!
上記のことを踏まて、介護老人保健施設が求める看護師像を2点あげていきます。どうしても介護老人保健施設で働きたいという人は面接時にこの理想像に近づけるような発言ができると良いでしょう。
(1)1人で考えて動くことができる人
施設の中で働ける看護師の人数が決まっている介護老人保健施設では、病院のように誰かの後について一緒に何かをするという機会は少なく、だいたいはみなそれぞれ1人で動き、どうしても1人で行うことが難しいという時にだけ応援を呼ぶという働き方となります。
もしくは、介護士と共に動くこともありますがやはり医療的な知識を持ち合わせている介護士は少ないため、どうしても自分1人で考えて判断せざるを得ない場面は多くなります。
特に夜勤は数フロアを1人でもたなければならない施設もあるため、より個人の考える力が求められます。
ポイント!
誰かの指示を待って動くという人よりも自分で考えて率先して動く力のある人が年齢を問わずに求められている傾向にあります。
(2)協調性がありトラブルを起こさずにやっていける人
前述もしたように看護師と介護士間の人間関係は介護施設での大きな悩み事と捉えてもよいでしょう。そのため、施設側は最初からトラブルを起こしそうないわゆるトラブルメーカーよりも温和でトラブルとは無縁でありそうな人を求める傾向にあります。
特に社交性があって誰とでもすぐに打ち解けられる人や人の意見を否定せずにまずは聞き、その上でアドバイスなどを的確にできる人は介護老人保健施設で重宝される人材となるでしょう。
ベテランの看護師になればなるほど、その当時の教育方針もあって他職種間で協力するという考え方が浸透しきれていない人が多くなります。ベテラン看護師が、介護士の存在意義を理解して他職種間との協力ができると採用の可能性はぐんと上がるように思います。
ポイント!
現に、自分が面接官をさせて頂いたときに不採用となった看護師は病院で言えば重宝されるベテランとされる年代でしたがこの他職種間での連携や介護士をたてて働くという考えにしっくりきていないという人が多かったように思います。
まとめ
病院よりも働いている人の年齢差が広い介護老人保健施設では、看護師同士は母娘のような関係性で働けるところが多いかと思います。
働くために突破しなければならない面接では、働ける人数が決まっているため募集人数が少ないこともあって行きたい施設の募集がかからないなんていうこともあります。自分の行きたいなと思う施設はあらかじめ目を光らせておくといいかもしれません。
そして、いざ面接にまでとりつけられたらぜひこの記事を参考に面接に挑んでみてください。
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