著作者

齋藤

執筆:看護師

齋藤

( 看護師)

老人保健施設で働く看護師と介護士間トラブルの原因と解決法

公開:、更新:2018年03月28日
老人保健施設で働く看護師と介護士間トラブル

看護師には病院以外にも様々な場所での働き方がありますが、その中の1つが施設で働くということです。特に、介護老人保健施設は医療に携わる機会も多い上に、病院で働くよりも体力的にも精神的にも負担が軽いため人気の職場となっています。

しかし、介護老人保健施設での離職理由として多く挙げられているのが「看護師、介護士間のトラブル」です。病院と違って、介護士がメインとなる職場であることや、教わってきたことの違いからトラブルとなりやすいようです。

それでは、どういったことがトラブルの火種となっているのでしょうか。実際に間近で見てきた看護師の視点で、老人保健施設の役割を交えながら、トラブルの原因と解決方法について、お伝えしていこうと思います。

1.介護士と看護師の病気への価値観の違い

価値観の違い

トラブルの原因として1番多いのがおそらくこの「価値観の違い」となるでしょう。老人保健施設は堂々と募集要項に明記はされていないものの、ほとんどが臨床経験3年〜5年以上の看護師を募集の対象としていることもあって、病院でいうところの中堅、ベテランが多く働いています。そのため、看護師達は病院での経験上、血液や体液はほとんどの人が見慣れています。

それだけでなく、傷や内出血、その他の見た目に現れる症状のほとんどを見慣れています。しかし、介護士は違います。

 

介護士の病気への価値観について

介護老人保健施設は、介護士がメインであり、そして何より医療ケアが必要な人が多くいる唯一の介護現場となります。近頃の介護現場は新卒といった若い介護士は減っており、だいたいが既卒だったり、福祉系の学校を出たわけではなく、資格取得のための養成校で資格だけとってきたような人が多いです。

そのため、介護老人保健施設に長く携わってきた人でない限り、ほとんどの介護士が血液や傷を見ることに慣れていませんそうなると、そのような傷や血を見つけたら大騒ぎです。

看護師にとってやや血が滲んでいるような状況であっても、介護士にとっては大出血となるのです。基本的に介護施設では介護士が看護師に状況を報告し、その後看護師が利用者様の状況をチェックしたのちに医師に報告するという流れになります。

というわけで、介護士からの情報を聞いて、利用者様のところに訪れてみると、看護師から見たら様子観察で十分、騒ぐほどでもないような事例がほとんどです。

 

価値観の違いが招く言い合い

そのようなことを、そのまま介護士に伝えても素直に納得することもこれまた少なく、処置をすべきではないかとか、医師へ報告するべきではないかなどとの意見が返ってくるため、ここから言い合いになり、トラブルとなっていることがかなり多いです。

また、介護士も福祉系の学校を出ている人は、病気についても深く学んできているわけですが、養成校などで資格だけを取ってきている方、介護福祉士ではなく、初任者研修(一昔前でいうヘルパー2級)を取得している方であると、病気についてを深く学んでいないという人がそこそこいます。

そのため、特に年配の介護士であればあるほど、いわゆる「おばあちゃんの知恵袋」のようなエビデンスが曖昧なことを信じている人が多く、こちらがいくら医療のエビデンスに沿った説明をしても、なかなかすんなり受け入れてくれず、それによってトラブルとなる事例が多いです。

これらのように、病気やケガなど医療行為に対しての価値観の違いがトラブルの火種となっています。

 

2.介護士と看護師の役割の違い

役割の違い

次に多いのがこの介護士と看護師の役割の違いです。介護老人保健施設での介護士の役割は、病院でいう看護師の役割に近いところがあります。利用者様の日常のお世話をメインで行うなかで、異常の早期発見をしていくのが介護士の役割となっています。逆に看護師は、病院では日常生活の世話から医療行為までを担っていましたが、介護老人保健施設では、医療行為と介護士のサポートがメイン業務となります。

しかし、介護士、看護師共にこの役割を十分に理解していないことが多く、ステーション内で、看護師が医療的な業務をしていても、介護士は「自分達がこんなに頑張って働いているのに看護師はステーションに篭ったまま何もしてくれない」という思いが強くなります。

介護士にとって、ステーション内で行う看護業務=看護師はさぼっていると見ることがよくあります

 

介護士に日常生活の援助まで手伝いをお願いされる

基本的に、病院と違って利用者様1人1人に個性があって、排泄援助から食事介助まで個別性が尊重される介護現場では、看護師が日常生活の援助をすることはかえって利用者様の混乱を招く原因となりかねないことから、あえてやらなくてもいいというところが多いです。

しかし、看護師は介護士の人数が少なかったりすると、介護士に日常生活の援助まで手伝いをお願いされることがあります。

看護師が、日常生活の援助を手伝っている時に、介護士が雑談などしていれば、「医療業務が中心である自分達がなぜ介護士の業務までこなさなければならないんだ」というような思いになってしまう方も少なからずいます。

そうして、これらの不満が溜まると両者ともに不満が爆発してトラブルとなります。役割の理解の食い違いがトラブルの原因となることが多いです。

 

3.看護師と介護士が仲良くやっていくために

仲良くやっていくために

それでは、両者が仲良く働いていくためにはどうしていったらよいでしょうか。それは、どの業界でも通ずることかと思いますが、相手のことを思いやることにあるかと思います。今まで病院などの医療現場で主として働いてきた看護師ですが、この介護現場においては脇役的な存在となります。

しかし、前述してきたように、医療的な知識が少ない介護士が多いことから、看護師の今まで培ってきた知識は介護士にとって憧れでもあり、尊敬される点でもあります。この培ってきた看護師としての知識や技術をフル活用し、介護士と互いの長所を生かしあって連携していけば楽しく働いていけるのではないでしょうか

まとめ

昔から看護と介護の溝が深い介護施設ですが、知識を押し付けるのではなく、両者の思いを尊重しあって、両者の役割を生かして楽しく働いていけるといいですね。転職を考える方は「介護老人保健施設の看護師転職|メリット・デメリット」も参考にしてみてください。


(編集・構成・管理者:亀岡さくみ

食べること、スポーツ観戦が好きな看護師です。社会勉強と称していろいろなところで働いた経験を綴っています。派遣看護師の経験もあり、派遣では回復期の病棟業務、ディサービス、検診センターで仕事の経験があります。

看護師としての経歴

保有資格 ・正看護師
出身/年齢 ・神奈川県/20代後半
職務経験 ・総合病院 ・クリニック ・介護老人保健施設 ・デイサービス
・健診センター ・イベントナース・夜勤専従看護師
診療科経験 ・脳外科 ・神経内科 ・内科 ・皮膚科 ・整形外科

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