病院勤務は、「残業や夜勤があり、精神的にも肉体的にもしんどい」「40歳前後で、ワークライフバランスを考えたい」等の理由から、クリニックに転職を考える看護師も多いでしょう。
そのような看護師の方は、クリニックの看護師転職で「年齢制限はあるのか?」「この年齢では受からないのではないか?」など不安を抱えるものです。
私も実際にそのような不安を抱えながらクリニックに転職しました。
このページでは、クリニック転職での年齢制限、年齢が不利になる場合、40際以上の看護師が初めてクリニックへ転職する際の注意点について紹介していきます。
1.看護師のクリニック転職で年齢制限はある?

多くのクリニックでは、一般的な企業と同様に定年年齢で制限しており、60歳か65歳と定めているところが多いです。
(現在のクリニックでは60歳が一般的だといえます。)
ただ、働き続けれる年齢の設定が60歳なだけで、40歳以上の看護師の場合、転職するクリニックから内定を貰えるかは別の話になります。
(1)年齢制限は雇用関係上できないが面接で落とされる
例えば、「20歳以上」や「65歳以下」などの年齢の条件を募集要項に記載するのは問題ありませんが、「20代限定!」などは掲載することが出来ません。
そのため、募集要項には「20代が活躍している職場です!」などのキャッチコピーが記載されています。
クリニックに転職し、年齢制限内(60歳以下)だとしても、面接で落とされる可能性もあるので注意が必要です。
そのため、クリニックは定年年齢で制限しているものの、「見えない年齢制限がある」と行ったほうが分かりやすいでしょう。
(2)60歳以上の年齢制限を超えていても転職できるクリニックもある
看護師が不足している場合や、実践力がある人を欲しい時など、クリニックの事情にマッチしていれば、年齢制限を超えていたとしても就職できる場合もあります。
(3)キャリア形成を理由に年齢制限を設けている場合もある
人間ドッグや健診センターなどに力を入れているクリニックでは、「長期勤続によるキャリア形成を図る目的」で35歳以下、40歳以下の看護師のみを募集している場合があります。
若い看護師のみを募集しているクリニックでは、院長や看護責任者も若く、指導する側が指導しやすいスタッフを求めている場合が多いでしょう。
ポイント!

仕事の覚えが早い若い世代を雇い、スムーズに診察や検査を回すためにも、駅近のクリニック・健診センター・評判が良いクリニック等は、「長期勤続によるキャリア形成を図る目的」で年齢制限を設けている率が高いです。
(4)40代前半で申し込んでも不採用になる場合が多い
自費診療がメインの美容外科クリニックの場合は、看護師も美容外科クリニックの商品の1つであるため、「臨床経験3年以上だから」と40代前半の看護師が申し込みをしても、不採用になる場合が多いです。
私の知人にも数名、美容外科クリニックでの経験がある看護師がいますが、その人達の特徴を見ると見た目OKであり、転職時20代でした。
また、バイトで美容外科クリニックに勤務している看護師も知人にいますが、スタッフの入れ替えがとても激しく「常勤のトップが26歳で、その人も勤務して2~3年目」というのが現実です。
自費診療がメインの美容外科クリニックの場合には、一般のクリニック以上に年齢制限も見た目の雰囲気も厳しく制限される現実があります。
一般的なクリニックと同様の年齢制限のところもある
美容に興味があり、保険診療なども併用している皮膚科や形勢外科などは、一般的なクリニックと同様の「見えない年齢制限」で対応している場所もあります。
2.クリニックへの看護師転職で年齢が不利なケース

看護師がクリニックへ転職する際に、不利になる場合には、「院長より年上」「メイン看護師より年上」「資格や経験が豊富」等があります。
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
(1)院長よりも年上の場合は不利になる
新規クリニックの場合には、院長も自分のカラーを作るために悪戦苦闘するため、院長よりも年齢が高い看護師は、院長が雇用を嫌がることもあります。
注意点!

クリニックは、医師の意向が強く働く場所であるため、年齢が高く、経験が豊富な看護師を欲しいと思う反面、使いにくそうな40代後半以降の看護師は、敬遠されがちです。
(2)メインの看護師よりも年上の場合は不利になる
クリニックは、数名のスタッフで業務をやりくりしているため、中心になる看護師が働きやすい職場であることを院長も望んでいることが多いでしょう。
そのため、メインの看護師が「年上の看護師は教えにくい」「若い戦力が欲しい」と人を雇う際に条件を出している場合には、年齢が高いと不利になることがあります。
(3)資格や経験がある場合も不利になる?
在宅医療などを行っている医師は、様々な年齢層でケアマネジャーや認定看護師などの有資格者を好む傾向がありますが、外来が中心のクリニックの医師は、資格よりも接遇力や素直さを求める傾向があります。
そのため、時には資格や経験が邪魔になることがあります。
3.40歳以上の看護師がクリニックに転職する注意点

初めて40歳以上の看護師がクリニックへ転職する際の注意点は大きく3つあります。
(1)クリニックの看護業務は範囲が広いので注意すること
小規模クリニックの場合には、電話対応・受付業務・会計業務なども担当します。
その他にも、クリニック内の掃除やタオルなどの洗濯などを看護師が行う場合があるため、病院での経験しかなく、クリニックに初めて転職する看護師は戸惑うことも多いでしょう。
ポイント!

就職面接時に、「それも看護師が担当するんですか?」と口をついて出てしまうと、転職後にもめる要因の1つになると判断されてしまうため、クリニック看護師は「何でも屋である」という意識で面接を受けることが大切です。
(2)相手に合わせる意識を持つことが仕事!
年齢を重ねるにつれ、自分のやりやすい方法が出来上がっていき、年齢が上がると自分の意見や考えを主張することへの抵抗が低くなります。
そのため、「郷に入っては郷に従え」と心に留め置き、クリニック業務に慣れて自分の居場所が確保できるまでは、たとえ自分が正社員で最年長であっても、あるがままの環境で働くことが大切です。
周囲から浮いてしまうこともある
「この場所の方がやりやすい」「これが当たり前」等、今までの経験から置き場を変えてしまうことや、色々と変更しようとすると、試用期間中に周囲から浮いてしまい、クリニックにいられない状況になることもあります。
(3)看護部はなく、看護師が一丸にはならない
クリニックの多くは、院長が看護師を雇う形であり看護部はないため、看護師が一丸となって業務改善を求めるといったアクションは、皆無に等しいと考えておくことが大切です。
院長の考えに賛同する看護師が多い
小規模のクリニックであるほど、院長の考え方に賛同を示す看護師等が多いため、「感染管理的におかしい」「これは医師がやるべき業務」と思っても、あなたの意見に賛同してくれる看護師がいると限りません。
注意点!

「看護師の役割はこうあるべき」「これは医師の仕事」という意識が強い40歳以上の看護師の場合には、クリニックを転職先に選ぶことはおすすめしません。
まとめ
クリニックでの看護師の年齢制限等について紹介してきましたが、いかがでしたか?
クリニックで働く看護師は、病院看護師よりも平均年齢が高めですがクリニックによっては、長期勤続によるキャリア形成を図る目的で求人募集が年齢制限を設けている場合もあることや、見えない年齢制限があることを説明しました。
年齢を気にしながら、クリニックへの転職を考えている看護師は、是非参考にしてみて下さい。
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