治験コーディネーター(CRC)で働く看護師の仕事内容(院内とSMO)

治験コーディネーター(CRC)の看護師へ!転職で知るべき知識

病院として働いている方で、治験コーディネーター(CRC)への転職を考えている方は多いのではないでしょうか。

その動機として、看護師の資格を生かして異業種で働きたい、治験に興味を持った、土日は休みたい、コミュニケーション能力を生かしたい、採血やその他の処置業務から離れたい、など様々です。

このページでは、初めて治験コーディネーター(CRC)へ転職を考えている看護師の方に向けて、知るべき知識を、実際に勤務した看護師の体験談も含めて説明していきます。

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1.治験コーディネーター(CRC)とは?

治験コーディネーター(CRC)とは?
治験コーディネーター(CRC)とは、治験業務の現場において全体を統括する役割を担う仕事です(治験を依頼する製薬企業と、治験を実施する医療機関の間に立ち、病院側のサポートをする)。英語で、「Clinical Research Coordinator」と表記します。

治験コーディネーター(CRC)として働く職場は大きく分けて2つあり、看護師資格を保有していれば、勤務するために必要な資格はありません。

 

(1)治験コーディネーター(CRC)が働く2つの職場

病院で採用される場合・治験管理センター等に所属
(院内CRCと呼ばれる)
SMO(治験施設支援機関)
で採用される場合
・SMOに所属する会社員(企業看護師)
(一般的に看護師の転職はこちらになる場合が多い)

病院の治験管理センターの「院内CRC」

治験を行う医療機関の職員であり、その病院で治験コーディネーター(CRC)として採用される場合、あるいは他部署からの異動で、治験センター等に配属される場合で、「院内CRC」などと呼称されます。(病院の治験管理センターに所属します。)

SMOに所属する会社員

SMO(Site Management Organization)とよばれる治験施設支援機関に所属し、そこから各医療機関に派遣されて、治験コーディネーター(CRC)業務を行う場合です。SMOで働く治験コーディネーター(CRC)は、身分はあくまでも各SMOに所属する会社員です。

SMOとは、「Site Management Organization」の略で特定の医療機関と契約し、治験業務を支援する企業を指します。

ビジネス用語集より

看護師転職サイトなどの求人紹介において治験コーディネーター(CRC)の求人がある場合は、ほとんどがSMOの治験コーディネーター(CRC)である場合が多いでしょう。

 

(2)治験コーディネーター(CRC)に看護師がなるために資格は不要

治験コーディネーター(CRC)に看護師がなるために資格は不要

現在、治験コーディネーター(CRC)になるために必須な資格はありません。(資格がないと働けない職業ではありません。)

しかし、通常は看護師、薬剤師、臨床検査技師などの医療資格を保有している者が治験コーディネーター(CRC)として活躍していることが一般的です。

日本SMO協会・日本臨床薬理学会などの「治験コーディネーター認定資格」はありますが、治験コーディネーター(CRC)になってから取得する方が一般的です。詳しくは「体験から伝えるCRCの看護師が働きながらキャリアアップ・スキルアップするには」を確認しましょう。

 

未経験者からの転職が多い業界です

看護師資格を保有した場合の転職は、治験コーディネーター(CRC)未経験者が圧倒的に多い傾向にあります。(転職後、実務経験を積みながら必要なスキルを身につけていく場合が多い。)

そのため、雇用側(SMO)は教育する体制を整えている場合が多いといえます。

会社(SMO)によっては、治験コーディネーター(CRC)の英語力向上のために研修制度を設けているところもあります。

 

2.大きな3つの役割

治験コーディネーター(CRC)の役割

主な役割は主に3つとなり、以下の通りです。

  • 治験業務を担当するチームの調整
  • 治験のデータ管理
  • 被験者のサポート

このように、治験の実施全般に関する業務を行うのが治験コーディネーター(CRC)役割です。医師や製薬会社と被験者の間をとりもち、治験が円滑に行えるよう全面的にサポートしていきます。

 

(1)治験業務を担当するチームの調整

業務のスケジュール管理で、使用する施設や検査の予約などを行い、医師や薬剤師、検査技師など治験業務を担当するチームの調整が一番大切な役割となります。

また、製薬会社と医療機関の仲立ちを行います。

(2)治験の実施によって得られたデータの管理

治験に必要な資料や書類の準備、実施によって得られたデータの管理やチェックなども治験コーディネーター(CRC)の役割に含まれます。

最初の準備段階から最後のチェックまで、治験業務のあらゆる面に目配りする必要があります。

 

(3)被験者のサポート

治験に参加する被験者へのサポートも、治験コーディネーター(CRC)の役割です。被験者が安心して治験に挑めるよう気を配り、必要に応じて説明を行っていきます。

 

3.「院内CRC」と「SMOのCRC」の違い

「院内CRC」と「SMOのCRC」の違い

先ほど説明した「院内CRC(治験コーディネーター)」と「SMO(治験施設支援機関)のCRC(治験コーディネーター)」では仕事内容に違いがあります

院内CRC仕事:専任での治験業務
・報告書の作成
・被験者のスケジュール調整
・治験項目チェックや治験薬の管理
・治験計画書の確認と把握 など
医療行為:可能
服装:ナース服が多い
SMOのCRC仕事:委託された治験業務
・被験者や施設に合わせての業務
・製薬会社と医療機関の仲立ち
・新しい治験での説明会の準備
医療行為:不可
・(看護師資格が合っても)医療行為が一切できない
服装:スーツやそれに準ずるフォーマルな格好が基本
(白衣の場合もある)

治験コーディネーター(CRC)は、その名の通り治験業務をコーディネートして治験がスムーズに行えるようにする仕事ですが、働く場所によって違いがあるため転職には注意が必要となります。

 

(1)キャリアアップを目指すならSMOのCRCへ

キャリアアップを目指すならSMOのCRCへ

SMOの治験コーディネーター(CRC)は、複数の施設を担当することになり、いろんな病院に出向くことが出来るので、勉強になる点も多く、複数の施設や製薬企業と業務調整を図ります。

そのため、

  • いろいろな治験に関わっていきたい
  • SMO内でキャリアを積み、役職や給与などをアップさせたい

と考える上昇志向のある看護師は、SMOの治験コーディネーター(CRC)の転職をお勧めします。

SMOの治験コーディネーター(CRC)は複数の施設を担当し、会社と各施設を行き来する事が多いです。

医療機関によっては、人材不足などから治験に携わるスタッフを確保できないことも多く、「院内CRC」を配置せずに、治験業務はすべてSMOにアウトソーシングするといったケースもあります。

実際に治験コーディネーター(CRC)の求人も、SMOからの求人が圧倒的に多いです。

 

(2)患者との関わりを持ちたい看護師は「院内CRC」

患者との関わりを持ちたい看護師は「院内CRC」

一つの施設で、腰を落ち着けて仕事をしたい場合は、「院内CRC」への転職がお勧めです。

実際に治験コーディネーター(CRC)として、

  • いつも外来に来ている患者に治験に参加してもらいたい
  • 治験終了後も外来で関わっていきたい

と考える場合などは、「院内CRC」を選択すべきです。

「院内CRC」が不在の病院の場合、SMOの治験コーディネーター(CRC)も常駐して業務を行う場合もあります。

 

4.院内CRC(治験コーディネーター)の仕事内容

院内CRC(治験コーディネーター)の仕事内容

院内CRC(治験コーディネーター)は、その病院の職員として治験センター等に配属され、専任で治験業務を行います。

大学病院や規模が大きい民間総合病院などでは、治験コーディネーター(CRC)も複数人配属され、治験ごとに担当が分かれている場合もあります。以下では、実際に院内CRCを経験した、看護師の「くくるさんの体験談を元に、仕事内容を説明していきます。

一般病院やクリニックなどでは治験コーディネーター(CRC)は一人であることが多く、複数の治験の管理を一人で行わなければならなくなります。

「院内CRC」の場合、実際の治験責任者は医師になります。

しかし、

  • 被験者対応
  • 書類の整理
  • 製薬企業とのやり取り
  • 報告書の作成

などは治験コーディネーター(CRC)がサポートし、当たり前ですが通常の看護師業務では経験しないことも多いです。

治験依頼者である、

  • 製薬企業とのビジネスメール
  • 電話のやり取り
  • 契約書などの重要書類の整備

などが必要となり、「院内CRC」は病態薬理学のある程度の知識などが必要となります。

院内CRCは、一度、SMOの治験コーディネーター(CRC)を経験した看護師が第二の転職先として選ぶ場合がほとんどです。

 

(1)被験者のスケジュール調整

被験者のスケジュール調整

被験者の来院は午前中であることが大半です。(空腹時採血が実施される場合が多く、高血圧症や糖尿病などの定期受診と合わせて、治験を行うことが一般的です。)

「院内CRC」は、被験者に必ず予約日と予約時間を遵守してもらうことが必須となり、管理するもの仕事です。

仮に予約日に来院できないとすれば、予約日を基準にプラスマイナス何日以内の来院が可能なのか、治験計画書を確認し、被験者と調整します。

看護師の体験談

治験コーディネーター(CRC)にとって、被験者のスケジュール調整は本当に頭の痛い作業です。

来院可能日の幅から一日でもずれると、それだけで治験が中止になってしまうケースもあるからです。

 

(2)治験項目チェックや治験薬の管理

治験内容によって、採血だけでなく心電図や胸部レントゲンなど、来院ごとに実施しなければならない検査があります。

そのため「院内CRC」は、これらが一つも漏れずにすべて行われたかチェックし、また治験薬の管理も非常に気を遣います。

被験者が何日分の処方のうち、どれだけ服用したかを確認するのですが、錠剤やカプセルの治験薬ならば、被験者には空になった薬剤のヒートを捨てずに持参するように伝えて、空と残薬をまとめて保管します。

 

(3)治験計画書の確認と把握

治験計画書の確認と把握

短い治験では半年間、長い治験では1~2年(またはそれ以上)実施していきます。

医療機関の規模にもよりますが、一つの治験にエントリーする被験者数は数人から多くても20人ほどです。

通常は製薬企業のA社、B社、C社と複数の依頼があり、

  • A社は降圧剤の試験
  • B社は吸入ステロイド薬の試験
  • C社は睡眠導入剤の試験

など治験の種類も様々となります。

「院内CRC」は治験計画書の中身を把握するだけでも大変な仕事内容となります。

 

5.SMOでのCRC(治験コーディネーター)の仕事内容

SMOでのCRC(治験コーディネーター)の仕事内容

病院として、スタッフだけでは治験を進めていくことが困難であることが多く、外部支援機関であるSMO(治験施設支援機関)にアウトソーシングします。

「SMOの治験コーディネーター(CRC)」も、基本的には「院内CRC」と同じ業務ですが、一つ大きな違いがあります。

SMOのCRCは、たとえ看護師資格を持つ治験コーディネーター(CRC)であっても採血などの医療行為が出来ない点が上げられます。

あくまで治験の円滑な進行を支援するために、医療機関の医師や、看護師、また「院内CRC」などをサポートする立場であり、基本的に被験者と直接対応するのは医療機関のスタッフとなります。

また、医療機関の職員ではありませんので、被験者情報以外の個人情報をカルテなどでみることは出来ませんし、院内の備品等を勝手に使用することも出来ません。以下で実際に「SMOの治験コーディネーター(CRC)」として働いた経験がある、看護師のYUZUさんの体験談から確認していきましょう。

「院内CRC」と同じく、

  • 被験者のスケジュール調整
  • 治験項目のチェックや治療薬の管理

などは、「SMOの治験コーディネーター(CRC)」も同じ仕事内容です。

 

(1)一日のスケジュールについて

一日のスケジュールについて

SMOで働く治験コーディネーター(CRC)の1日の仕事内容は以下の通りです。

  • 病院やクリニックでの案件の告知業務
  • 被験者の募集者確認作業
  • 被験者への説明補助作業
  • 被験者の診察立ち合い、被験者の体調の聞き取り
  • 報告書の作成、提出

まずはSMOで働く治験コーディネーター(CRC)の一日のスケジュールから確認していきましょう。

9時30分・オフィスに出社
・メール対応とその日のスケジュールを確認
(※担当の医療施設へ直行することもあります)
10時30分・担当の医療施設へ出向く
・来院予定の被験者のカルテをチェックし、治験に必要な薬やキットを準備
・準備が出来たら医師やコメディカルスタッフと打ち合わせ
11時30分・来院した被験者の対応
・治験薬の服用状況や体調の変化を確認し、次回来院スケジュールの確認
・必要に応じて医師の診察に同席し、全て終了したら治験協力費の支払いを済ませる
13時・お昼休憩
14時・医師・治験依頼者とミーティング
・被験者の状況報告やスケジュール調整
16時・オフィスに帰社する
・メール対応や業務報告書など雑務
・翌日の準備を行う
18時30分・退社

 

(2)1人で複数施設(病院)を担当する

治験の数や被験者のエントリー数にもよりますが、治験コーディネーター(CRC)一人で複数施設を担当することも多く、今日はA病院、明日はB病院と、移動も多いです。

自宅から担当施設までの直行直帰することも多く、会議などの場合でしか自社オフィスには戻らない場合もあります。

 

多くのSMOはフレックスタイム制

多くのSMOがフレックスタイム制(就業時間が「コアタイム:10時~15時など」しか決められていない働き方)を導入しており、日によっては被験者の来院に合わせて遅めに出勤することもあります。

ほとんどの医療機関では日曜祝日が休診ですので、治験コーディネーター(CRC)も休みになり、土曜日は担当の医療機関が開いており、被験者対応があるならば出勤となります。

 

服装はフォーマルが基本

SMOで働く治験コーディネーター(CRC)の服装は男女ともスーツやそれに準ずるフォーマルな格好が基本です。

(医療機関によっては院内専用の白衣が貸与される場合もあります。)

 

病院やクリニックでの案件の告知業務

製薬会社から案件を受け、動き出すことが決まったら、ミーティングなどの形で関係部署が集まって案件のプロトコールについて説明を行います。

そのための日程調整などを製薬会社、病院やクリニックと相談し、治験コーディネーターが行うこととなります。

 

(3)製薬会社と医療機関の仲立ち

製薬会社と医療機関の仲立ち

SMOは医療機関への治験コーディネーター(CRC)の派遣だけでなく、治験にエントリーする際に行う、

  • インフォームド・コンセント
  • 各来院毎の被験者対応
  • 被験者のスケジュール管理
  • 製薬企業とのやり取り
  • 治験の進行状況を記録する症例報告書の作成

など、外来が終わるまで医局前で待機するなど、幅広い業務内容です。

製薬企業と医療機関の仲立ちをしますが、常に医療機関側に立って治験を進行していきます。

 

(4)治験に協力してくれる被験者への対応

被験者に対するケアも重要な治験コーディネーター(CRC)の仕事となります。

被験者に対してどのようなことを行い、被験者は何をすればよいのかなどしっかりと説明し、必要に応じて質問に答えることになります。

 

被験者の募集者確認作業

被験者については。

  • その病院やクリニックに通っている患者から探す場合
  • 募集する場合

など色々な形がありますが、プロトコールに沿って既往などを確認し、対象となる患者をその病院の医師等が探します。

治験コーディネーター(CRC)は医師が被験者対象をピックアップしてくれ、その患者で問題ないかを確認する作業となります。

大半の案件で細かな条件があり、時間がかかる作業です。

 

被験者への説明補助作業

被験者が決定すれば、医師が治験についての説明を行い、同意を取ります。同意が取れればスケジュールの説明など治験内容についての説明を行い、スタートとなります。

雇用先や製薬会社によって様々ですが、この時に使う資料などを治験コーディネーター(CRC)が作成することもあります。

また、改めて被験者へ理解していない部分を詳しく説明します。

 

被験者の診察立ち合い、被験者の体調の聞き取り

スケジュールに合わせて診察や検査を行うため、外来では来院してもらうことになります。

その間に治験コーディネーター(CRC)は被験者の体調などについて詳しく聞き取りを行い、診察内容も含め報告書を作成します。

 

(5)新しい治験での説明会の準備

新しい治験での説明会の準備

新しい治験が始まる時には、

  • 説明会の開催準備
  • スライドの作成
  • 会場設営や飲食物の準備

などを製薬企業と協力して行っていきます。

また、治験計画書を精読し、「院内CRC」や医師に説明することもあります。

特に、治験に関わる医師と面会する機会は多く、書類にサインしてもらうだけでなく、

  • 治験薬の副作用情報の提供
  • 新しい治験への参加の打診

など、専門的な知識だけでなく、高いコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力が必要となります。

ワード、エクセル、パワーポイントなどの基本的なパソコン操作は必須です。英文で書かれた書類を目にすることも多く、ある程度の英文読解力も必要になるでしょう。

 

6.平均年収と給与(SMOのCRC)

平均年収と給与(SMOのCRC)

SMOで働く治験コーディネーター(CRC)の平均年収は、病院勤務の看護師に比べると「多少低くなる」傾向があります。

例えば、大手SMOでの年収や給与は以下の内容で募集されています。

A社年収:400万円~450万円
給与:33万円~37万円/月
B社年収:320万円~390万円
給与:24万円~25万円/月
C社年収:330万円~350万円
給与:24万円~25万円/月

(2018年11月独自調査)

以上のような金額となっており、看護師が転職する場合、320万円から450万円が相場といえます。看護師の平均年収は2017年の調査では478万円のため、比較すると安いと言えるでしょう。

年収や給与は手当が含まれている金額となります。治験コーディネーター(CRC)は、勤続年数が5年程度で年収500万円程度が相場だと言われています。

 

(1)主な手当について

運営している会社によって大きく異なりますが、治験コーディネーター(CRC)が貰える手当は以下のようなものが多いです。

  • 時間外手当
  • 通勤手当・出張手当
  • 外勤手当(1万円~5万円)

特殊な手当として「外勤手当」などが挙げられます。(「営業手当」と同じ意味合いです。)

SMOで働く治験コーディネーター(CRC)は、外勤する場合が多くいため、交通費以外にかかる部分を外勤手当として支給される場合が多いです。

 

(2)大手や成果主義のSMOだと年収は高い傾向にある

大手のSMOや成果主義を導入しているSMOの場合、年収に大きな差が出る場合があります。

看護師として転職する場合は、「大手のSMO」を検討しましょう。

成果主義の場合、年収700万円を越えるケースがありますが、未経験では辛いだけなので注意しましょう。

 

7.転職するメリット(SMOのCRC)

転職するメリット(SMOのCRC)

一般的にSMOの治験コーディネーター(CRC)へ看護師が転職する場合、

  • 医薬品の開発過程に触れることができる
  • 一般的なビジネスマナーを身に付けることができる
  • 複数施設を担当することで、広い人間関係を構築できる

など、病院と比較すると転職するメリットがあります。

その他、転職で看護師が感じるメリットを確認していきましょう。

 

(1)土日休み・夜勤なしの就業環境

土日休み・夜勤なしの就業環境

SMOで働く治験コーディネーター(CRC)の場合、土日祝日が休みになる場合が多いです。

担当施設によっては土曜出勤もあるでしょうが、平日に代休が取得可能です。

夜勤がないというのもメリットに感じますし、フレックスタイム制が導入されている場合も多く、担当施設に直行直帰であるため、朝の出勤も比較的余裕ができます。

 

医療現場でのプレッシャーからも解放されます

病院勤務の看護師と比較すると、急変時の対応や複雑な処置といった、精神的プレッシャーの大きな業務から開放されるということが挙げられます。

医療事故・医療過誤を避けたいという気持ちがあるなら、それらのストレスが少ない治験業務に、メリットを見出すことは可能になります。

 

(2)未経験のチャレンジでも可能な職場

未経験でも就職可能な点も治験コーディネーター(CRC)の重要なメリットといえます。

ほとんどの求人情報では、看護師の医療関連の資格さえ取得していれば、未経験でも応募が可能となっています。(企業によって異なります。)

仕事に慣れるための教育環境も用意されているところが多く、それまでまったく経験がない看護師が新しいキャリアを目指す場合でも、一歩が踏み出しやすい環境です。

 

(3)薬剤や疾患、臨床検査についての知識がつく

薬剤や疾患、臨床検査についての知識がつく

治験コーディネーター(CRC)はプロトコールを熟知する必要があるため、薬品知識を身に付けることができる上、疾患や離床検査値や意義についても詳しく学ぶこととなります。

担当したプロトコールの数だけ知識が付きます。

また、薬理学や薬事法も関係するため看護師時代には深く勉強しなかったことを再学習できます。逆にいえば少しの勉強は必要ということになり、デメリットと捉える見方もありますが、治験コーディネーター(CRC)は元看護師だけでなく、元薬剤師や元臨床検査技師もなれるため、同僚に元薬剤師や元臨床検査技師がいることもあり、同僚から学べる機会もたくさんあります。

 

8.転職するデメリット(SMOのCRC)

転職するデメリット(SMOのCRC)

SMOで働く治験コーディネーター(CRC)への転職を考える場合には、デメリットも把握しておく必要があります。

 

(1)収入面が病院の看護師より劣る場合がある

治験コーディネーター(CRC)のデメリットとしては、まず収入面が挙げられます。

おそらく多くの方が、病院勤務の年収よりは、低くなる傾向があります。

 

(2)治験の種類により通勤時間や場所が異なる

治験の種類により通勤時間や場所が異なる

通勤時間や場所が異なることによってデメリットを感じる看護師も多いです。

日々のスケジュールは、被験者の来院や、製薬会社との打ち合わせなどに合わせて決めていきます。

例えば、

  1. 朝一番にA病院で被験者対応
  2. 終わり次第会社に戻り書類作成
  3. 午後からはBクリニックで製薬会社と打ち合わせ
  4. その後、C病院の治験責任医師と面会
  5. それから喫茶店で業務報告書を作成し直帰

など、一般の看護師業務とは全く異なる動き方をしなければなりません。

ノートパソコンやタブレットを持ち歩き、名刺を切らさないように注意し、かしこまったビジネスメールの書き方を覚えなくてはなりません。コミュニケーション能力の高さが求められ、営業トークも必要になります。

 

医療施設へ出向くことが多いと残業も増える

治験コーディネーター(CRC)として、他の医療施設へ出向くことが多いと、結果的に残業も増えてしまいます。

移動時間がロスタイムとなり、オフィスに戻ってからデータ管理などの事務作業を終わらせなければいけないからです。また、治験コーディネーター(CRC)は多忙期と閑散期があり、多忙期には毎日オフィスに3~4時間残って仕事をしている人も多いです。

 

(3)今までの看護師のキャリアが活かされない

今までの看護師のキャリアが活かされない

看護師の専門知識が活かせる仕事と言われますが、これまで培ってきたキャリアをすべて活かせるわけではありません

患者を相手にする仕事ではありませんし、医療行為を行うこともないからです。

治験コーディネーター(CRC)から病院看護師の仕事に戻る場合にも、治験コーディネーター(CRC)としてのキャリアが十分に活かされない、配慮されないことがあります。

 

病院看護師に復職を考える場合はデメリット

SMOの治験コーディネーター(CRC)の場合、たとえ看護師であっても、被験者に対して採血や点滴などの処置が一切できなくなります。

将来的に病院看護師として復職を考えているならば、これらの処置業務など、いわゆる看護師特有の能力にブランクを生じることは大きなデメリットになりえます。

 

仕事に慣れるまでが大変

今まで看護師としてしか働いてこなかった人にとっては、治験コーディネーター(CRC)は、仕事に慣れるまでかなり大変かもしれません。

治験コーディネーター(CRC)は看護師としての経験が活かせないだけではなく、新しく覚えることがほとんどになります。形式的には「中途採用」ではありますが、気持ち的には「新卒」のつもりで挑まないと、挫折してしまうことも考えられます

 

(4)会社によっては全国出張や転勤の可能性もある

実際の仕事は治験業務が行われる医療機関で勤務することになります。

そのため、会社によっては全国各地に出張する場合があり、デメリットに感じる看護師は多いです。

また、全国展開している企業に治験コーディネーター(CRC)として所属する場合は転勤の可能性もあります。家族がいる都合などで、転勤や出張が厳しい場合は院内治験コーディネーター(CRC)や地域密着型の企業の求人を探した方が良いでしょう。

 

(5)中間管理職的立場でのストレスがある

中間管理職的立場でのストレスがある

治験コーディネーター(CRC)は多くの場合は製薬会社と病院やクリニックの依頼を受けて仕事をすることとなります。

そうなると、製薬会社と病院やクリニックとの板挟みになる場合もあります。

 

治験コーディネーター(CRC)のストレスの事例

例えば、製薬会社から依頼された内容を病院やクリニックのスタッフが理解せずに動いてしまってプロトコールが順守できなかった場合、スタッフへの働きかけは必要ですが、スタッフはあくまでも依頼された余分な仕事であることも考慮すると強くは依頼できません。

病院やクリニックによっては、治験を理解していない場合も多く、その場合は製薬会社にも頭を下げつつ、病院やクリニックにも頭を下げる、ということになります。

治験コーディネーターとはプロトコールの内容を順守し、スムーズに進めるための調整役なので、当然と言えば当然なのですが、このような悩みは治験コーディネーター間ではよく聞かれます。

 

9.転職する場合に確認したい注意事項

転職する場合に確認したい注意事項

治験コーディネーター(CRC)に看護師が転職する場合の注意点を説明していきます。

 

(1)治験センターがある病院に勤務している場合は異動を検討する

現在、勤務している病院で治験を実施しているなら、まずは治験センターに部署異動できないか検討してみることをお勧めします。

「院内CRC」として働くことができれば、給与体系もこれまでと変わりありませんし、他の病院に派遣されることもありません。

空いた時間は外来などの応援に回り、看護技術を継続して実践していくことができます。

 

(2)条件が良い求人は人気がある

治験コーディネーター(CRC)の条件が良い求人は、

  • 年収・給与が高い求人
  • 通勤の利便性が良い職場
  • 出張や転勤がない求人

など、人気が高くなっており、看護師から転職を考える方は上記の条件になる場合が多いです。

そのため、条件面が多い方は、看護師転職サイトや一般的な転職サイトなどの利用は必須といえます。

 

可能な限り大手のSMOを選択しよう

待遇や福利厚生、治験のノウハウ、製薬会社からの治験依頼数を考えても、まずは大手SMOで働くことをお勧めします。

一昔前は非常に多くのSMOが乱立していましたが、どんどん統廃合され、現在では大手のSMOと、特定の地域限定の小規模SMOに二極化しています。

 

(3)仕事内容の詳細を確認しよう

仕事内容の詳細を確認しよう

看護師が病院や介護施設で働くことと違い、企業によって仕事内容は様々であり、範囲も幅広くなっています。

そのため、仕事内容の詳細は必ず確認することを忘れないでください。

 

パソコンのスキルは必須です

転職活動中や、転職後に覚えられる方は問題ありませんが、パソコンが苦手と感じている方は注意してください。

パワーポイントやエクセルなどは仕事上、必ず使います。(資格が必要なわけではないので、学校などで利用した方は復習程度は行っておきましょう。)

 

(4)なるべく業界を調べておこう

インターネットの情報だけでは、治験コーディネーター(CRC)の仕事内容がなかなか見えてこないのが正直なところです。

そのため、転職を考えるなら、可能であれば実際の業務を見学してみるほうが良いでしょう。

企業の見学は難しくても、病院内に治験センターがある場合、見学することも可能な場合があります。SMOからの治験コーディネーター(CRC)または「院内CRC」から、業務についていろいろ確認してみることをお勧めします。

 

(5)病院などに転職する気持ちではNG

病院などに転職する気持ちではNG

面接するのは一般企業であり、病院へ転職する気持ちで転職活動を行うことは辞めましょう。

特に、

  • 履歴書・職務経歴書
  • 面接時のマナー
  • 一般常識

など、病院での面接とは違うものが求められます

病院や施設の場合、看護師が不足しているため、甘くなっているのが実情ですが、一般企業の面接にその気持ちでいくと、必ず失敗します。

 

(6)転職サイト(転職支援サービス)を利用しよう

転職サイト(転職支援サービス)を利用しよう

治験コーディネーター(CRC)へ看護師が転職を希望する場合は、

  • 見学するため
  • 面接や履歴書などの対策をするため

などに、転職サイトを必ず利用しておきましょう

まず、病院内に治験センターがある求人など、見学に行ければベストのため、「看護師転職サイト」をはじめに利用することがベストといえます。(もちろん、一般的な転職サイトも利用してください。)

治験業務を多く紹介している「看護師転職サイト」は以下の通りです。

【全国対応】マイナビ看護師
治験特集やセミナーなども積極的に行っています。
【全国対応】看護のお仕事
看護師求人保有数が日本最大級です。企業関連、治験関連求人も多くあります。
【全国対応】ナースフル
リクルートが運営する看護師求人サイトです。基本的には企業とグリップが高いリクルートならではの治験関連の求人があります。
※できれば上記2~3サイトに無料登録をしてより良い治験の求人を探しましょう。
※転職の相談から、転職後のサポートまで完全無料で利用できます。
※悩んでいる方も相談から行えます。
※働きながら転職する方の場合でも、求人を専任の担当者が探してくれます。

 

10.最後に

治験コーディネーター(CRC)への転職を考えている看護師は、メリット・デメリットを考慮し、十分に時間をかけて、最終的な転職の判断を行いましょう。

確かに看護師の仕事は精神的にも肉体的にも決して楽な仕事ではありませんが、だからといって「看護師の資格を生かせる!」という理由だけで治験コーディネーター(CRC)の転職を希望するのは、あまりにも安易です。

その場合、これまでの看護師業務とのギャップに苦しむことになると思います。

しかし、決して治験コーディネーター(CRC)への転職を否定しているわけではありません。

新しい医薬品を世に出すにあたって、より正確な臨床データを得るためにも、被験者・医師・製薬会社の間に立ち、コーディネートする役割は本当に大切であり、今後ますます需要が高くなっていくことが予想されます。

そして看護師として学んだ知識や技術は、そこで大いに役に立つものです。皆さまの転職活動が、当記事でスムーズに進めば幸いです。

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はたらきナース

監修者

亀岡さくみ看護師
監修 亀岡さくみ看護師
  • 2011年3月:日本赤十字看護学校卒業
  • 2011年3月:看護師免許取得
  • 2011年4月:日本赤十字医療センター入社(3年間勤務)
  • 2015年3月:株式会社peko勤務
  • 2015年4月:はたらきナース監修

現在は、今までの経験を活かし「はたらきナース」を執筆・監修を行っています。

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