看護師で初めて治験コーディネーター(CRC)に転職する前に確認してほしい記事

治験 看護師

現在看護師として働いている方で、治験コーディネーター(CRC)への転職を考えている方は多いと思います。その動機として、看護師の資格を生かして異業種で働きたい、土日は休みたい、コミュニケーション能力を生かしたい、採血やその他の処置業務から離れたい、など様々です。

私自身は看護師として数年働いた後にCRCに転職し、その後また看護師として働いています。CRCとして最初はSMO(治験施設支援機関)で約3年間働きました。その後に治験センターを有する病院で、院内CRCと看護師を約2年間兼任しました。CRCとして首都圏で開催される研修や、日本薬理学会やCRCあり方会議などに参加しました。あり方会議では2度演題発表も行っております。

今回は、看護師からCRCに転職した場合のメリット・デメリット等を述べていきたいと思います。

 1.まずCRCへ転職を考える前に業務内容を知ることが大切

CRC転職を考える前に業務内容を知ろう

この記事を読む方は、普段から転職についての意識が高く、インターネットでいろいろな情報をリサーチしていることだと思います。病棟やクリニックの情報、いろいろな診療科の特徴もネットで調べるとたいていのことがわかります。

 

CRCの業務は看護師の目につきにくい

CRCについては、なかなかネットだけでは業務のイメージがつきにくいと思います。それはCRCの業務が、勤務中の看護師の目につきにくいことが大きな理由です。また看護学校で治験について学ぶことはないですし、CRCの実習もありません。

治験センターがある病院でも、病棟で働く看護師はCRCの姿すら目にすることはなく、外来看護師でも被験者の対応をすることはあっても、CRCの業務に直接触れることは少ないと思います。

 

ポイント!

ポイント

看護師からCRCに転職した場合に、これまでの業務とのギャップに戸惑いを感じてしまうことが多いようです。

 

転職を考える場合は実際の業務を見学しよう

CRCへの転職を考えるなら、可能であれば実際の業務を見学してみるほうがよいと思います。病院内に治験センターがあるなら、SMOからの派遣CRCまたは院内CRCから、業務についていろいろ確認してみることをお勧めします。

インターネットの情報だけでは、仕事内容がなかなか見えてこないのが正直なところです。

 

2.看護師がCRCへ転職するメリット

看護師がCRCへ転職するデメリット

看護師からの転職で一番大きなメリットに感じることは、勤務時間が規則的になるということでしょう。SMOで働くCRCなら、ほとんど土日祝日が休みになると思います。担当施設によっては土曜出勤もあるでしょうが、平日に代休が取得可能です。

夜勤がないというのもメリットに感じることでしょう。フレックスタイム制が導入されている場合も多く、担当施設に直行直帰であるため、朝の出勤も比較的余裕ができます。

 

精神的プレッシャーから解放される

心理的なメリットとして、急変時の対応や複雑な処置といった、精神的プレッシャーの大きな業務から開放されるということが挙げられます。特に患者さんの生命に直結するような処置については、やはり看護師側のストレスも大きくなります。

医療事故・医療過誤を避けたいという気持ちがあるなら、それらのストレスが少ない治験業務に、メリットを見出すことは可能でしょう。

  • 医薬品の開発過程に触れることができる
  • 薬理学の基礎を学ぶことができる
  • 一般的なビジネスマナーを身に付けることができる
  • 複数施設を担当することで、広い人間関係を構築できる

他にも上記のようなメリットなどがあると思います。

 

3.看護師がCRCへ転職するデメリット

看護師がCRC転職するデメリット

CRCへ転職することで得られるメリットは、そのままデメリットにもつながる可能性があります。夜勤が無いということは、その分の手当てが減るということにつながります。また担当する治験の種類や量によっては、複数の施設で働くことになりますが、自分で車を運転していく場合は、通勤時間や移動距離も日によって異なってきます。

 

治験の種類により通勤時間や場所が異なる

日々のスケジュールは、被験者の来院や、製薬会社との打ち合わせなどに合わせて決めていきます。例えば朝一番にA病院で被験者対応、終わり次第会社に戻り書類作成、午後からはBクリニックで製薬会社と打ち合わせ、その後、C病院の治験責任医師と面会、それから喫茶店で業務報告書を作成して直帰する。

など、一般の看護師業務とは全く異なる動き方をしなければなりません。ノートパソコンやタブレットを持ち歩き、名刺を切らさないように注意し、かしこまったビジネスメールの書き方を覚えなくてはなりません。

 

ポイント!

ポイント

コミュニケーション能力の高さが求められ、営業トークも必要になります。

 

一つの病院の被験者対応を一人で行う

一つの病院の被験者対応をすべて一人のCRCが担当することが多いですが、そうなると他のCRCでは対応できずに、結果として休みが取りづらくなり、退職しようにも後任が決まらず、退職を引き延ばされることがあります。

 

採血や点滴などの処置が一切できない

SMOのCRCになる場合、たとえ看護師であっても、被験者に対して採血や点滴などの処置が一切できなくなります。もし仮に将来的に看護師として復職を考えているならば、これらの処置業務など、いわゆる看護師特有の能力にブランクを生じることは大きなデメリットになりえます。

 

薬剤師や臨床検査技師からの転職も多い

CRCになれるのは決して看護師だけではありません。薬剤師や臨床検査技師からの転職も非常に多いです。中には医療業界未経験でCRCになる人もいます。これではせっかく取った看護師資格を生かせないと考える人もいます。

 

ポイント!

ポイント

実際、薬の説明なら薬剤師のほうが得意ですし、被験者に臨床検査データを解説するなら臨床検査技師のほうがより知識があります。看護師であることの優位性を見出すことが困難に感じることもあるでしょう。

 

まとめ

CRCへの転職を考えている方は、これらのメリット・デメリットを考慮し、十分に時間をかけて、最終的な判断をしていただきたいです。確かに看護師の仕事は精神的にも肉体的にも決して楽な仕事ではありません。だ

からといって看護師の資格を生かせる!という理由だけでCRCの転職を希望するのは、あまりにも安易です。その場合、これまでの看護師業務とのギャップに苦しむことになると思います。

しかし決してCRCへの転職を否定しているのではありません。新しい医薬品を世に出すにあたって、より正確な臨床データを得るためにも、被験者・医師・製薬会社の間に立ち、コーディネートする役割は本当に大切であり、今後ますます需要が高くなっていくことが予想されます。そして看護師として学んだ知識や技術は、そこで大いに役に立つものです。

 

治験センターへの部署移動を検討する

もし現在お勤めの病院で治験を実施しているなら、まずは治験センターに部署異動できないか検討してみることをお勧めします。

院内CRCとして働くことができれば、給与体系もこれまでと変わりありませんし、他の病院に派遣されることもありません。空いた時間は外来などの応援に回り、看護技術を継続して実践していくことができます。

またSMOでのCRC業務を望んでいるならば、できるだけ大手のSMOを選んだほうが無難だと思います。一昔前は非常に多くのSMOが乱立していましたが、どんどん統廃合され、現在では大手のSMOと、特定の地域限定の小規模SMOに二極化しています。

待遇や福利厚生、治験のノウハウ、製薬会社からの治験依頼数を考えても、まずは大手SMOで働くことをお勧めします。

CRCの業務は、看護師とは大きく違います。そのことがメリットにもデメリットにもなるのです。CRCの転職を考えるなら、十分な情報収集をしたうえで決断してほしいと思います。

くくる

【沖縄県/40代・資格:看護師、保健師第一種衛生管理者】

アラフォーの男性看護師です。国立大学の看護学科を卒業し、看護師と保健師を取得しました。卒後は脳外科病棟で急性期看護を学び、数回の転職を経て、現在は民間の総合病院で保健師として働いております。妻と息子2人の4人家族で、看護師としてのキャリアアップと、ワークライフバランスとの両立に関心があります。

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