看護師だからできる(退院支援看護師)相談員の役割と醍醐味について

看護師 相談員

「医療相談室」などは、ソーシャルワーカーの方が多く配置され、看護師が相談員と働くことは少ないかもしれません。

ですが、退院支援看護師になると、相談員としての役割を求められることもあります。

看護師が相談員として働くことは、とても利点があるのです。それは、実際に患者さんに触れることが可能であることが、医療現場を知っているからです。

看護師だからできる相談員の役割と醍醐味についてご紹介します。

1.看護師の知識で患者の体を観察できる強みがある

看護師の知識で患者の体を観察できる
看護師が相談業務を担当する強みは、体を観察できることです。皮膚や口腔内、褥瘡についても実際の目で見ることができることは、相談業務の強みになります。

 

ソーシャルワーカーに比べ自信を持って対応出来る

私は以前、がん専門相談員として相談室に配属され、相談業務を担当したことがあります。そこでよく言われたのは、ソーシャルワーカーさんたちは、知識として勉強することはできても、体に触れることや見ることはできない場合が多く、情報のやり取りに不安を感じるということでした。

 

相談室担当になっても大きな強みになる

優秀なソーシャルワーカーさんは、カルテなどから得た情報を適切に連携する相手先に伝えています。ですが、実際に見たわけではないため、相手から求められる情報に的確にこたえられない場合もあります。

そのため、ソーシャルワーカーさんから医療処置や体のことを質問されることが結構ありました。体を直接触れる、見ることができる看護師は、相談室担当になっても強みなのです。
 
 

2.医師の説明を補う説明を患者に行うことができる

医師の説明だけでなく今後の治療の予測がつく

がん専門相談員として働いていた時、がん患者さんの在宅支援などの相談も行っていました。その時、看護師としての体験が、患者さんや家族の意思決定支援に役に立ちました。

 

ある程度の見通しがつく

治療の副作用についての情報や治療によっておこる得る有害事象、そして在宅での見取りについての相談を行うとき、医師の説明だけでなくケアや今後の予測について細かなことまで相談支援できるのは看護師だったからこそだと感じました。

 

予測に基づいて、訪問診療や看護につなげる

がん患者さんの在宅支援を行っていた時、予後予測や、家族の看取りについての受け取り方を、訪問医や看護師に適切に伝得られるのも、看護師のほうが上手です。ソーシャルワーカーの方も在宅支援を行いますが、やはり安全策をとり、在宅見取りまで間に合わなくなることがあります。

 

自分の判断に自信が持てる

自分のそれまでに培った「予後予測の勘」と、訪問看護師や医師を説得する勢いだと思います。

患者さんとご家族が望むなら、すぐにでも在宅に切り替えたい。「介護用ベッドと、24時間の訪問看護ステーションのバックアップがあれば何とかなる」という訪問看護師の力を信じることができるのも、看護師が相談員として働く強みだと思います。
 
 

3.日常生活での患者の対応もアドバイスできる

看護師は、患者の生活支援がもともとの仕事

看護師は、患者の日常生活を支援することが本来の仕事。そのため、家でどう対応すれば良いか検討もつかない家族に対し、適切な情報提供ができるのも相談室で働く看護師の役割です。

 

日常生活援助の情報に強い

もちろん、外来でも病棟でも、看護師は日常生活支援の方法について、情報提供を行っています。ですが、ご家族にとっては、忙しそうな看護師に迷惑をかけられないため「わかったふり」をしていることもあります。

その点、相談室での日常生活援助についての情報提供は、「家族は何を不安に思っているのか」というスタンスから介入することが多いため、より具体的で行動可能な方法を家族と一緒に考えることができます。

 

ポイント!

ポイント

私は、スキンケアや口腔ケアを含めた、日常生活活動の援助についての相談を担当することが多く、看護師として相談員を行うことにやりがいを感じたものでした。

 

物品購入への意識が変わる

看護師が相談員として働くことで、看護師にとってプラスになることもあります。それは「物品購入」への意識の変化です。

外来や病棟では、当たり前のように、「必要だから、これを購入してください」ということが多いと思います。ですが、相談室に来る患者さんやご家族は、金銭的な相談も含まれます。相談している方を目の前にして、「お金のことはソーシャルワーカーに」と言ってしまうことは、信頼関係が構築できなくなることもあります。

 

様々な業種の人と関わることが増える

相談室で働く看護師は、ソーシャルワーカーをはじめ、訪問看護師や物品を扱う業者、そして認定看護師などとも関わることが増えます。

その中で、在宅などの介護や看護は、毎日の生活であることを学ぶとともに、物品を購入する時にいかに安くて安全なものを選ぶべきかという視点でものを見るようになります。これも、看護師として相談員で働くうえでの強みとなっていきます。
 
 

4.必要な細かい情報を多部署の看護師と共有しやすい

必要な情報を多部署と共有できる

相談室に配属になる前は、ソーシャルワーカーが担当している患者の退院支援は、ソーシャルワーカー任せでした。そのため、ワーカーさんの手腕によるところが大きく、「あの人が担当なのか。進まないなあ」と思っても、職種が違うため待つしかないこともありました。

 

看護師同士は情報共有しやすい

看護師同士は、部署が違っても同じ職種のため、欲しい情報や知識もそれほど変わりません。つまり、看護師が相談室で働く強みは、情報共有の垣根の低さです。

相談室での話し合った内容は、守秘義務があるため、すべてを関連する部署に提供するわけにはいきません。ですが、治療への不安や在宅支援などについては、共有しておくことが患者・家族の利益になることもあります。必要な情報を共有しやすいのも、看護師が相談業務を行う強みです。

 

情報提供をシステム化しやすい

簡単な医療費説明や、在宅支援に必要なパンフレットや支援の流れについても、看護師が相談室にいることで、システム化しやすくなります。

私は、がん患者さんの支援が中心なため、抗がん剤が開始される前の医療費制度などの説明も行うことが多かったです。多くの患者さんは、「お金が心配」と相談室に来ますが、本当はそれだけでなく、治療の経過を具体的に知りたかったり、見通しを立てたかったりするのです。

 

相談室の業務は予定を組みやすい

外来で治療が開始される前に、外来の看護師が手渡せるパンフレットを作成することで、患者さんの医療費を含めた治療の不安を軽減することをしました。相談室の業務は、病棟や外来と違い、ある程度の予定を組んで業務を行いやすい場所です。

 

ポイント!

ポイント

患者さんの不安を体系化し、外来や病棟の看護業務としてシステム化することも、相談室で働く看護師だからできる強みです。

 
 

5.経験を積めば積むほどやりがいが増える仕事

経験を積めば積むほどやりがいが増える仕事

病棟や外来で行っているのは、「看護指導」です。相談という名前であっても、患者さんにとっては「指導されている」面が強いと思います。ですが、「相談室」は、相手が相談に来る場所です。何が、相談したいのか、何から手を付けてよいのかさえもわからない状態で訪れる場所です。

そのため、「本当に困っていることは何か」を知らなければ、適切な支援を提供することができません。

 

相談支援の技量が身につく

看護師が相談室で働く意味は、相談支援のスキルを身に付け、看護師として「指導」ではなく、相談者とともに考えて適切な方法を見出すことです。それこそ、オーダーメイドな支援であり、「その人らしく」という看護のだいご味につながる部分でもあります。

相談室を経験することは、患者さんやご家族の苦痛をより理解する機会を得ることでもあります。また、相談を通して、自分自身の人脈も広がり、考え方の幅も増えていきます。相談支援の技量が身につくことで、看護師だからできる相談員の役割の深さが増し、人としての成長もできます。

 

自分の支援が、そのまま形になる

看護師は、自分が、深く相談室に来た患者・家族を理解し支援することで、直接その反応が得られることができます。うまくいかなければ、それだけの反応しか得られませんし、相手にとって相談した以上の解決策がみつかり実行できば、予想以上に嬉しい反応を得ることもできます。

自分の支援が、そのまま形になるということは、自分の看護が形になるということです。私が、相談員として働き始めたころは、アセスメントの浅さ、自分ができる支援内容の少なさで落ち込むほうが多かったです。

 

ポイント!

ポイント

たくさんの職種の方から得た情報を自分のものとし、相手が「本当に困っている問題を聞き出す」力がついてからは、相談業務が本当に楽しくなりました。自分が考え、行った支援が形として見える、実感できることは、看護師としてのやりがいにつながりました。

 

まとめ

看護師だからできる「相談員」の役割についてまとめてみました。

今は、退院支援看護師の活動が活発になっています。そして、地域とうまく連携している退院支援看護師は、とても楽しそうです。

それは、自分のプランが形となり、患者さんに直接「ありがとう」を言われるからです。

相談員は、事務的な仕事もありますが、看護師としての経験を活かせる役割です。また、注射や採血の業務から離れられますよ。一度、経験してみてくださいね。

ラビウサ

【40代後半・資格:看護師(がん看護専門看護師)、消化器内視鏡技師、心理相談員】

看護師をして20年以上になります。外来・病棟・検査室・クリニックなど、いろいろな場所での業務を経験しました。ですが、一時は看護師をやめようと思ったほど、心身共に追い詰められた時期もあります。現在は、看護師も続けつつ、ライターやカウンセラーとしても活動しています。今までの経験を生かして、いろいろな体験談も書いていこうと思っています。

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