著作者

佐藤ゆうき

正看護師

佐藤ゆうき

( 看護師 )

【体験談】認知症看護認定看護師が院内で行う仕事内容や役割をレポート

公開:、更新:2018年05月07日

「認知症看護認定看護師ってどんな仕事をするの?」「院内での役割って何?」と感じながら資格に興味のある看護師も多いのではないでしょうか。

2017年に全国に1,000名を突破した人気の資格になります。

認知症看護認定看護師と一緒に仕事を行った現役看護師の方に、院内での役割や仕事内容などの活動をレポートしてもらっています。

1.院内で行う仕事内容や役割を看護師がレポート

病内での認知症看護認定看護師の活動レポート

 

物忘れ外来での相談、指導、入院中の認知症患者の看護介入

認定症看護認定看護師は、物忘れ外来で高齢者の問診することや、不安なことを聴くと共に、家族に対してもどのような接し方が良いのか指導していました。

また、不穏や危険行動などの認知症症状で困っていることや、内服管理などの治療に関わることで困っている病棟があれば、看護師に対してどのような看護が適しているか指導していました。

現場での認定症看護認定看護師体験談

私の病院には物忘れ外来があり、普段の生活の中で物忘れが気になる患者、またはその家族が相談に来ていました。そこで、患者、家族から相談を受け、認知症の検査や自宅で困っていることへの対処法を指導していました。

また、入院中の患者の認知症症状に対して看護師がどのように看護介入したらよいか困っていると、患者と直接関わることや担当の看護師やリハビリから情報収集をし、私たちの関わりのどこが行けないのか、何を注意しなければならないのかを的確に指導していました。

さらに、知識と経験を活かして認知症患者の部屋を訪れては、会話していることもあり、そのときに側にいたことがありましたが、私たちが関わっているときの患者とは別人かのように、患者が認知症看護認定看護師に心を開いて楽しそうに話しており、心から尊敬しました。

現役看護師azukiazukiさん(東京都/30代前半/正看護師)

 

不穏や危険行動のある患者への対応の相談にのってくれています。

私が勤務していた病棟に認知症認定看護師が配属されており、病棟を週に1度訪問してくれていました。家族に原因があると考えられる場合には、配属先の病棟以外の病棟患者の家族の面談もしてくれます。もちろん、訪問時以外にも直接相談にのってもくれます。

認知症認定看護師は直接患者のベッドサイドへ出向き、時間をかけてコミュニケーションをとってくれることによって、症状が軽減していくことや、問題が良い方向へ向かうことも多々あり、とても頼れる存在でした。

Omura看護師Omuraさん(長野県/37歳/正看護師)

 

認知症患者が悪化したときの相談窓口で具体策を提案していた。

一般病院で働いている認知症看護認定看護師は、各病棟に定期的に訪問し、入院する認知症患者の対応などのアドバイスを行っていました。

入院後・手術後は、せん妄や認知症の悪化があり、病棟スッタフだけでは、どのように関わりももっていけばよいか迷うケースも多々ありましたが、認知症看護認定看護師に相談することで、具体策を見つけることができ、快方に向かいました。

認知症症状により落ち着きがなくなったり、徘徊したりしている患者の安全を守り、その周りにいる他の患者の安全も守りながら適切な治療を行うことは、とても大変です。

高齢化がどんどん進み、どの科においても認知症看護は大きな課題になっており、病院として重要な役割を担っています。

ノンノン看護師ノンノンさん(千葉県/29歳/正看護師)

 

2.認知症看護認定看護師の役割

認知症看護認定看護師の役割

認知症看護認定看護師の重要な役割は「患者と患者をサポートする人が安心して生活できるように働きかける」ことです。

それでは認知症看護認定看護師の役割について詳しくみていきましょう。

 

患者の症状に合わせた対応を行う

認知症と言っても様々な種類があり、認知症の種類によって症状や看護師の対応方法などが変わってきます。

【認知症の種類と患者の症状】

アルツハイマー型認知症 ・認知症の中で最も多い種類
・脳にある神経細胞が減少することで起こる
・記憶がなくなりやすくなり、症状が悪化すると場所や日時、家族などが分からななる
・徘徊をするようになる
脳血管性認知症 ・脳梗塞や脳出血により神経細胞がダメージを受けることで起こる
・脳の障害がある場所によって症状が異なりますが、意欲低下や不眠、嚥下障害や手足の神経症状などがある
レビー小体型認知症 ・脳に「レビー小体」という特殊な変化が現れることにより起こり、原因は不明
・以下3つの特徴的な症状が出現する
>時間や場所などが分からなくなる
>幻視が出現する
>パーキンソン症状の出現

上の表で示した通り、認知症は大きく分けて3つの種類があり、それぞれ原因も症状も異なってきます。そのため認知症患者と関わる場合はそれぞれの症状に合わせたケアが必要となります。

例えば、アルツハイマー型認知症の患者に対しては場所や自分の名前が分からなくなるなどの認知機能の低下がみられるため、看護師は必ず患者の所在を確認し、目の届く範囲で行動できるよう調整します。

また脳血管性認知症の場合は歩行困難がある患者には移動時に付き添い、嚥下困難な患者には誤嚥性肺炎を予防するために水分にとろみをつけたり、食事の時の姿勢に気を付けたりします。

このように患者の症状に合わせてケアが異なるため、認知症に対する専門的な知識や技術を持っていることが大切です。

 

患者の人権を守る

認知症患者が徘徊したり、暴力を振るったりするなどの危険行為があった場合に看護師は医師の指示のもと患者又は家族の了承を得て、患者を抑制することがあります。抑制は患者を危険から守るためのものですが、行動を制限してしまうため不快に感じる患者がほとんどです。

また、家族にとっても危険行為があるからと分かっていても自分の身近な人が抑制されている姿を見るのは良い気がしません。

看護師は患者の安全のために抑制をしますが、患者や家族の思いを考えると、本当に抑制をしていいものなのか悩んでしまい精神的ストレスの原因となることもあります。
また、抑制している時間を減らそうと家族や看護師が訪室している際は外すようにしても、そのせいで転倒などの事故が起きてしまうと抑制をする意味がなくなってしまうため「患者の安全」と「患者の安心」を両立させるのはとても難しいと言えます。

認知症看護認定看護師は患者の人権が守られているか、抑制が日常的になってしまってはいないか確認し、患者に合った方法を看護師に指導します。

その他にも、この患者には本当に抑制は必要なのか日々葛藤する看護師の相談に乗り、精神面でのサポートも同時に行います。

 

患者が安全に安心して療養生活を過ごせる環境を作る

認知症の患者は無意識のうちに徘徊したり、点滴を抜針したりするなどの危険行動をしてしまうことが多いです。療養生活においてまず患者の安全が優先されなければなりません。そのため、認知症看護認定看護師は様々な方法で患者の安全を確保します。

先ほどお話した抑制もその中の1つです。他にも夜間徘徊がある患者に対しては眠剤を投与したり、ナースステーションの近くの部屋に移動したりして常に看護師の目の届く所にいてもらうなど患者に合わせて対処します。

また、患者の病態を把握して、今後どんな危険行動が起こる可能性があるか予測し、危険行動を未然に防ぐことも重要です。

認知症看護認定看護師は患者が安全・安心して生活できる環境が整っているかを定期的にラウンドし、必要時病棟看護師へ指導を行います。

 

家族へのサポート

認知症と診断された患者の家族の心境として、なかなか認知症と受け入れられないケースや患者の危険行動に困っているケースなど様々です。その中でも家族が抱える悩みの多くは「家に帰ったあと、どうすればいいのか分からない」と退院後にどう対処していいのか分からず困っているケースです。

しかし、悩みや不安な事があっても、なかなか看護師に相談できない家族も多くいます。

認知症看護認定看護師は、まず家族の思いを聞き、悩んでいる事、不安な事は何なのかを一緒に考えます。そして家族が何でも話せ、いつでも相談に乗れる環境を作ります。

また退院予定がある患者の家族には、患者の現在の状態と家族のサポート状況に合わせた自宅での関わり方を指導します。実際に病院で看護師が行っているケアを家族に見てもらったり、場合によっては訪問看護を導入したりと家族の不安が少しでも軽減できるよう関わっていきます。

 

3.認知症看護認定看護師になるには

認知症看護認定看護師になるには

認知症看護認定看護師は、2006年に10名の認定看護師を輩出し、2017年7月時点で1,000名を突破した人気の資格です。

2013年 345人
2014年 479人
2015年 657人
2016年 811人
2017年 1,003人

(日本看護協会 認定部より2017年7月データ)

現在、認知症看護の需要と共に、資格取得者も増加しています。

 

認知症看護認定看護師の資格取得条件

認知症看護認定看護師の資格を取得する条件は以下の通りです。

  • 日本国の看護師免許を保有していること
  • 看護師としての実務経験が通算5年以上あること
  • 通算3年以上、認知症者の多い医療・福祉施設(在宅ケア領域を含む)等での看護実績を有すること
  • 認知症者の看護を5例以上担当した実績を有すること
  • 現在、認知症者の多い医療・福祉施設(在宅ケア領域を含む)等で認知症者の看護実践に携わっていることが望ましい
  • 日本看護協会が認定している認定看護師教育課程を修了(6ヶ月・615時間以上)

認知症看護認定看護師資格の取得条件は、他と違い実践的であることを優先している点です。

 

日本看護協会が認定している認知症看護認定看護師の教育機関一覧

北海道 北海道医療大学 認定看護師研修センター
(定員数:20名)
秋田県 日本赤十字秋田看護大学 教育研究開発センター
(認定看護師教育課程認知症看護認定看護師コース)
(2018年1月時点:休講)
千葉県 地域医療機能推進機構本部研修センター
(2018年1月時点:休講)
栃木県 獨協医科大学SDセンター
(定員数:30名)
群馬県 高崎健康福祉大学看護実践開発センター 認定看護師教育課程
(定員数:30名)
東京都 聖路加国際大学 教育センター
(定員数:35名)
日本看護協会 看護研修学校
(2018年1月時点:休講)
日本赤十字看護大学地域連携・フロンティアセンター
(2018年1月時点:休講)
神奈川県 湘南医療大学 認定看護師研修センター
(定員数:15名)
長野県 長野県看護大学 看護実践国際研究センター
(定員数:25名)
石川県 石川県立看護大学附属看護キャリア支援センター
(定員数:30名)
山梨県 山梨県立大学 看護実践開発研究センター
(定員数:30名)
三重県 三重県立看護大学 地域交流センター
(定員数:30名)
兵庫県 兵庫県看護協会 認定看護師教育課程
(定員数:30名)
島根県 島根県立大学しまね看護交流センター
(定員数:10名)
学校法人澤田学園 松江看護キャリア支援センター
(定員数:20名)
熊本県 熊本保健科学大学 キャリア教育研修センター認定看護師教育課程
(定員数:15名)

(2018年1月31日現在)

他分野の認定資格と比較して、受講先が全国にあることが挙げられ、他の資格より比較的受講しやすいといえます。

 

注意しよう!認定看護師にかかる費用について

以下は最低限かかる費用の計算を独自に行っております。詳しくは日本看護協会に確認をしましょう。

入試検定料 約5万円
入学金 約5万円
授業料 約70万円
実習費 約10万円
認定審査費用 約5万円
認定費用 約5万円
   合計約100万円

※ここに記載してある費用に加え、無給となる6ヶ月間の生活費用も考慮する必要があります。

4.まとめ:効率的に資格取得を目指す方へ

認知症看護認定看護師の仕事内容や役割としては、

  • 認知症の相談窓口
  • 認知症患者の支援や家族との面談
  • 看護師への対処法の指導

などを行っている認知症看護認定看護師が多い結果でした。

今後ますます高齢化は進み高齢者の数は増加すると予測されます。それと同時に認知症患者の数も増加していくため、認知症看護認定看護師の需要はさらに高まっていきます。

認知症患者はほとんどの診療科で接する機会があるため、認知症看護認定看護師の資格はどの分野の仕事でも必ず活用させることができると思います。

是非、皆様も認知症看護認定看護師を目指してみてください。

 

効率的に認定看護師支援を受けて資格取得を目指す方へ

効率的に認定看護師支援を受けて資格取得を目指す方へ

認定看護師を目指す看護師の方は「認定看護師支援がある病院への看護師転職で知りたい6つのポイント」を確認してください。

 

自転車旅行が大好きで、しまなみ海道を縦断してきた30代の看護師です。

都内の総合病院で約6年、その後クリニックで約2年勤務しました。現在は1児の母として子育て奮闘中ですが機会があればまた働きたいなと思っています。

病院で働いている時は人間関係に悩みましたが、なんとか6年間頑張ることができました。

自分が今までに経験したことをどんどん発信して、少しでも皆様のお役に立てればと思います。

看護師としての経歴

保有資格 ・正看護師
出身/年齢 ・千葉県/31歳
職務経験 ・総合病院・クリニック
診療科経験 ・呼吸器外科、呼吸器内科・消火器外科、消化器内科
・循環器内科・心臓血管外科・婦人科・小児科・眼科


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