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現役看護師

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( 看護師 )

退院調整看護師の仕事内容について

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現役看護師 azuki
退院調整看護師の仕事内容

現在の日本は超高齢化社会となり、今後も高齢化は進むことが予測されています。

そのため、国は療養先として在宅を進めるためにさまざまな対策を行なっています。そのひとつが、平成28年度の診療報酬改定です。この診療報酬改定に伴い、多くの病院が退院支援加算を算定するようになりました。

退院支援加算を算定するためという目的もありますが、患者が退院後も在宅で安心して、安全に療養できることが第一です。そのため、病院では退院調整部門を設置し退院調整看護師を中心に在宅退院に向けた支援や地域の医療関係事業者との連携、調整を行なっています

このページでは退院調整看護師の仕事内容と、働くメリット・デメリットを踏まえながら、私が働いた体験談をご紹介いたします。

1.退院調整看護師になるためには

退院調整看護師になるためには

みなさんの中でも、病棟勤務をしている方は患者の退院を経験していると思いますが、「退院調整看護師」は患者の退院調整のみに専従で関わります

退院調整看護師になるためには、以下のような病院へ転職する必要があります。

  • 退院調整部門が設置されている
  • 今後、退院調整部門を設置する予定の病院

上記の理由としては、退院支援加算を算定するためには、病院内に「退院調整部門」を設置していることが条件になるからです。

また、退院調整看護師として働くためには、少しでも多く患者の退院に関わったり、退院に向けた支援を経験しておくことをおすすめします。

 

退院調整看護師が働く退院調整室ってどんなところ?

退院調整室では、看護師のほかにも社会福祉士や医療ソーシャルワーカーが働いています。

看護師ではありますが、仕事内容はデスクワークが主になります

 

2.退院調整看護師の仕事内容について

退院調整看護師の仕事内容

退院調整室では、入院患者の状態を把握し早期に病棟看護師、リハビリスタッフ、その他コメディカルと連携しながら退院に向けて支援、調整を行なっています。

急性期病院と療養型病院のどちらも退院調整加算を算定することができますが、それぞれ何日以内に実施するのかという違いがあります。今回は療養型病院の退院調整看護師の仕事内容をお伝えします

 

(1)患者が入院すると3日以内に退院支援の必要性を確認する

患者が入院すると3日以内に退院支援の必要性があるのかをアセスメントします。そして、何らかの理由により退院困難と考えられる患者を抽出していきます

これは、退院調整看護師だけでなく、病棟に配属されている退院支援担当者が実施することもあります

 

(2)入院から7日以内に多職種共同カンファレンスを実施

入院日を除く入院日から7日以内に、多職種共同カンファレンスを実施します。

ここでは医師、退院調整看護師、病棟看護師、リハビリスタッフなど患者に関わる医療従事者で集まり、今後の方向性について検討します。

 

(3)入院日から14日以内に患者、患者家族との面談

多職種共同カンファレンスの内容を踏まえ、入院日から14日以内に退院調整看護師は患者、患者家族と面談を行ないます。

この面談では、

  • 入院前の生活の状況や家屋の状況
  • 利用していた介護サービス
  • 患者本人や家族の退院先や退院後に利用する介護サービスなど

上記の意向を確認します。

 

(4)患者の状況を院内外の多職種で共有する

入院中の状況、日常生活動作の状況をその都度、院内外の多職種で共有しながら、患者と家族の希望に添えるよう、退院に向けた支援、調整をしていきます。

たとえば、退院後に必要となる医療処置の指導に関しては病棟看護師やリハビリスタッフを中心に行い、福祉サービスや地域の医療関係職種との調整や情報共有は退院調整看護師が行ないます。

また、担当のケアマネージャーと共同して患者や家族に対して福祉サービスの提案も行ないます。

 

(4)退院前カンファレンスの開催

退院の目処が立ったら、退院調整看護師が患者と家族、患者に関わる院内の医療従事者、退院後に患者に関わる地域の医療関係職種との日程を調整し、退院前のカンファレンスを開催します。

 

カンファレンスの内容について

ここでは、患者の入院中をよく知る院内の医療従事者から退院後に利用する地域の医療関係事業者への申し送り、患者や家族が退院にあたり不安に感じていること、問題となることなどを提示して話し合いをします

 

(6)在宅療養のための最終的な調整

退院前カンファレンスを終えると、退院調整看護師は在宅療養のための最終的な調整を行ないます。この調整が整い、患者が退院できる状態になると退院日を迎え、その後は地域の医療関係事業者へバトンタッチします。

 

このように退院調整看護師は、国の定める日付のルールなどに沿って、患者に関わる院内外のさまざまな関係者との情報共有、調整などを行なっています。また、その都度発生する書類の作成や記録物への記入なども行なっています。

 

3.退院調整看護師として働くメリット・デメリット

退院調整看護師として働くメリット・デメリット

退院調整看護師はメリットもあれば、デメリットも存在します。私が働いた経験で感じたことを説明していきます。

 

退院調整看護師として働くメリットとは

日中に連絡を取ったりカンファレンスに参加したりするため、基本的には夜勤業務がないということです。その他は以下の通りです。

  • 想定外の時間外勤務がない
  • 地域医療について詳しくなる
  • 患者本人や家族に感謝の言葉を貰える
  • やりがいや必要性を感じられる

退院が難しい患者ほど感謝が大きくなり、やりがいを感じます。

 

実際に退院調整看護師として働いて感じた良かったこと

実際に退院調整看護師として働く私自身が感じているメリットは、病院内のスタッフと連携を取るたびに病院スタッフと顔見知りになれることです。

病棟で勤務しているときは、病棟に出入りしているスタッフ、その診療科に関係のある部署以外との交流はほとんどなく、顔も名前も知らない方ばかりでした。自分の中で知っている人と思えることで、声を掛けやすくなり以前より今の職場の居心地がよくなりました。

 

退院調整看護師として働くデメリットとは

退院調整看護師は、患者が在宅に帰るためにさまざまな支援、調整を行うことが主な仕事です。そのため患者に対して直接的な看護がしたいという方にとってはデメリットが大きくなります

退院調整看護師は病棟の看護師のように清潔ケア、排泄ケア、患者への退院指導など直接患者と関わる機会は少なくなります。医療行為を行う機会もなくなるため、知識や技術に関しては他の看護師と大きな差ができてしまい引け目を感じることもあります。

 

仕事がほとんど電話連絡のデスクワーク

患者との関わりが減り、デスクワークや電話連絡ばかりしていると自分自身が看護師として資格を活かせているのか不安になることもあります。そのような看護師らしい仕事から離れてしまうことはデメリットなのかもしれません。

 

4.働いて楽しかったこと・辛かったこと

働いて楽しかったこと・辛かったこと

退院調整看護師として働く中で、楽しいことはたくさんありますし、辛かったこともあります。私の体験談をご説明していきます。

 

退院調整看護師として働いて楽しかったこと

ひとつは、患者や家族と共に退院後の生活を想定し夢のある話ができることです。患者によって異なる退院支援、退院調整をチームで共同して進めていくことは何よりもの楽しさであり、やりがいでもあります

 

退院支援を行った体験談

女性看護師ある患者は、退院支援を開始したときは寝たきり状態でした。

しかし、妻との共通の趣味である登山がしたいという夢を持っていました。その夢をかなえるための第一歩が自宅への退院です。医師、病棟看護師、リハビリスタッフなど、チームで協力してその患者の支援をしていきました。

退院時には車椅子を自走できるまで回復し、自宅内でも車椅子で生活できるよう環境を整え、介護保険を使ったサービスの調整が整ったため退院となりました。

その患者は退院後しばらくして、車椅子でロープウェイなどを利用しながら登山ができたようです。

 

宅退院できることになった患者と家族の笑顔

この患者のほかにも、自宅退院は難しいと思われる患者と家族の意思を尊重して、院内だけでなく退院後に利用する地域の医療関係事業者と何度もカンファレンスを行い、何とか安全な環境を整えて自宅退院できることになった患者と家族の笑顔を見れたときや、そのような関わりを通して学んでいけることは、退院調整看護師の醍醐味だと思います。

 

退院調整看護師として働いて辛かったこと

やはり自宅に帰りたいという希望を叶えられなかったときは自分の力不足さに情けなくなります。調整が間に合わず亡くなってしまう患者や、やむを得ず施設に入所したり、転院しなければならない患者もいます。

 

自宅以外の退院先の提案は辛い

自宅では安全な療養ができないと判断したときには私たちから自宅以外の退院先を提案することもあります。そのときの患者、家族の落胆する姿は本当につらいものです。

だからこそ、どこがいけなかったのか、どうしたらよかった、他に自宅で療養する方法はなかったのかと自分の関わりを振り返ります。病気が良くなるように関わることが看護師の役割ですが、退院調整看護師という立場だからこそ、病気を抱えながらでも安全に治療を継続したまま、退院する方法を考えなければならないと思っています。

 

5.まとめ

退院調整看護師の仕事内容は、別に看護師でなくてもできることかもしれません。しかし、患者の状態を理解しながら、コミュニケーション能力を活かして、安心、安全な自宅療養ができるよう調整するためには看護師の力が必要なのです。

私たちは患者がどのような状態であっても、患者と家族が希望する限り、安心して、安全に自宅に退院できるよう、退院調整看護師としてのスキルを上げていかなければならないと感じています。

みなさんの看護師経験をぜひ退院支援、調整に活かしていってください。


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この記事を書いた人

高校卒業後、大学に進学したものの将来の方向性に悩み中途退学。その後、学生時代から勤めていたアルバイト先で看護師という仕事に魅力を感じ、社会人経験を経て看護師になりました。

看護師としての経験はまだ浅いですが、他の職種での経験を活かした視点で、どんなときも患者さんを思った優しさのあるケアができる看護師になることを目指しています


カテゴリー:看護師の仕事内容・業務

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この記事を書いた人:azuki
(公開日:)(編集日::2017年07月26日)

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