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齋藤

正看護師

齋藤

( 現役看護師)

お礼奉公中(奨学金)の病院から看護師転職5つの方法とは

齋藤
正看護師 齋藤

もはや、看護師の業界ならではの制度になっている「お礼奉公」のお話です。看護学校への学費を、病院が負担してくれる制度で、実際に多くの看護師が、このお礼奉公の制度を利用して、現在看護師として活躍していると思います。

でも、このお礼奉公は、3〜5年、学費を負担してくれた病院へ務めることが約束事になっています。しかし、大抵の人が現実的には転職せずに働き続けるということがほとんどです。もし、この期間に転職をしたいと思ったら、どうすればいいのでしょうか。

今回はお礼奉公中(奨学金)の病院から看護師転職を行いたい場合の5つの方法について説明していきます。

1.どうして学費を負担してくれる?お礼奉公の仕組み

お礼奉公の仕組み

お礼奉公は、病院側が将来の看護師として働く人材を確保するために、看護師学校への学費を肩代わりしてくれる仕組みです。奨学金と同じような仕組みですが、無事、学生が看護師となり、学費を払ってくれた病院で3〜5年勤めれば、学費の返納は必要なくなります。

将来、その病院での仕事を勤め上げれば、学費は実質免除となるこのお礼奉公の制度は、昔は他の業界でも行われることがありました。しかし、最近ではほとんど行われていません。お礼奉公の制度は、看護師業界だけに残っている制度と言ってもいいでしょう

 

お礼奉公での病院側のメリットを知っておこう

看護師になるには、看護学校を卒業しなければなりません。そのため、看護師学校へ通う生徒を増やすことが、看護師の人員を増やすためには必要なこととなります。最近では、少子化もあり、新たな人材を十分に確保するのは大変です。看護師自体を増やすためにも、個々の病院で務める人材を確保するためにも、このお礼奉公はとてもメリットがあるのです。

また、学生側にも、学費を支払わずに看護師の資格が手に入るので、お礼奉公はメリットになります。最近では、就職するのも大変な時代です。手に職をつけ、将来の就職先も決まっている。加えて学費を払う必要もないとなれば、こんないい話はありません。

経済不況などで、学費を支払えない家庭もあるなか、将来が約束されたお礼奉公は、とても魅力的な制度なのです。

 

お礼奉公は何年間勤めあげるのか

お礼奉公をしなければならない期間ですが、多くの病院が奨学金を借りた年数分としている場合が多いです。

自分が勤めていた病院も例にもれず借りた年数分だけ働かなければならないという決まりです。

多くの看護師が1年生のうちに奨学金を借り、3年間借り続けるという場合が多いようです。そのため、3年間お礼奉公をするという看護師が圧倒的に多いのではないでしょうか。

 

ポイント!

ポイント

ちなみに自分自身はこのお礼奉公の制度が嫌であったものの、3年生になり実習や国家試験勉強との両立が難しくなったため最後の1年間だけ奨学金を借りました。よってお礼奉公は他の看護師よりも短い1年間で済ますことができました。

 

もし、お礼奉公の期間に転職したくなったら…

お礼奉公の制度には、1つだけ注意しなければいけないことがあります。それは、学費を払ってくれた病院で働かなかった場合、これまで肩代わりしてくれた学費を支払わなければいけないことです。

一括で返済しなければいけないことが多いので、これはかなりの負担になるでしょう。また、途中で看護学校をやめた場合にも、学費は返納しなければいけなくなります。

看護師になったとしても、3〜5年の間、同じ病院で務め上げることが必要になります。貯金などをして学費を返済できる状況ならばいいですが、なかなか難しいことだと思います。すると、お礼奉公の制度のために、退職や転職ができないということになってしまうのです。

 

ポイント!

ポイント

どうしても退職・転職を行いたい場合は以下に記載がある、お礼奉公中の転職方法を確認してください。

 

2.実際にお礼奉公のトラブルは多い?

お礼奉公のトラブルは多い

実際に、お礼奉公中のトラブルはあるのでしょうか。お礼奉公をしてきた友人看護師たちの意見を基にまとめています。

人間関係のトラブルは案外少なめ?

お礼奉公中のトラブルとして1番多いと言われている人間関係のトラブルですが、意外にも理由として挙げている看護師は少ないようでした。

その理由として奨学金を借り、お礼奉公をしなければならないということから、以下のような理由で病院を決めているからです。

  • 病院を探す時点で看護師が慎重に選んでいること
  • 奨学金を貸与している学生を集めて交流を深めるというイベントを行う病院が近年増えてきているため
  • 入職する前から同期となる人や上司となるスタッフとあらかじめ顔なじみであるという場合が多いから

このお礼奉公の制度は民間病院で多いため、民間病院で奨学金を貸与している看護師よりも、国公立の病院から奨学金を貸与している人の方が人間関係のトラブルには悩まされる傾向にあるようです。

 

看護師の業務の辛さにより退職希望者は増える傾向にある

人間関係よりも転職を希望する理由として挙がるのが看護師の業務の繁忙さとなります。

学生を集めて交流を深めるというイベントのような交流制度が増えたため、人間関係の構築はできるものの、看護師の仕事ぶりの内部までは見ることができません

また、病院側も仕事の忙しさを見せぬよう、奨学金貸与している人にはあえて現場をあまり見せないなんていうこともあります。

そのため、交流会では「あんなにのんびりとした雰囲気だったのに実はこんなに忙しい病棟だったなんて」と愕然とする看護師が多いです。

また、この忙しさにより心身ともに不調をきたしてしまい退職を検討する例がかなり多く見受けられます。

 

辞めたい希望も病院側も強気で引き止める

病院側も、「お礼奉公中なんだから」と、強気で引き止めに合います。または「何をあなたは言っているの?」というレベルかもしれません。

労働基準法としては、お礼奉公中でも、病院に引き止める効力はありません。ただ、個別に結んだ契約は存在するため、契約内容によりますが、辞めることは奨学金を一括返済することになるケースが大半です。

一括返済に借金をする看護師もいますが、家族に借りることができればいいですが、金融機関に借り入れを申し込むことになれば、経済的な負担にもなるため辞めたくても辞めれない看護師が大半です。

 

3.お礼奉公中の看護師転職5つの方法とは

お礼奉公中の看護師転職5つの方法とは

それでは、お礼奉公中に転職する方法と転職方法は以下の通りです。

  • (1)勤務先にただ転職したいことを伝えず転職せざるを得ない理由を伝える
  • (2)転職エージェントを活用すれば奨学金が返済できる可能性もある?
  • (3)お金を貯めて、奨学金を返済して退職する
  • (4)自分で病院に交渉する「奨学金一括返済を分割に」
  • (5)いつか戻ると告げて戻らないという奥の手も・・・

注意しておきたいポイントも記載していますので、確認をしながらベストな選択をしてください。

 

(1)ただ転職したいことを伝えず転職せざるを得ない理由を伝える

ず転職せざるを得ない理由を伝える
転職の理由としてただ「忙しいから」とか「やっていけないと思ったから」というような理由にすると病院から引き留められるのは確実ですし、貸与していた分の金額を一括で請求される可能性は十分あります

しかし、転職の理由として身体を傷めたとか、精神的な不調をきたしたなどという働くことができないもっともらしい転職理由があれば病院側もそれ以上深く追求することができません。

結婚をしていれば夫の転勤などが転職理由に

結婚をしていれば「夫の転勤に同行して県外に行かなければならないから」、高齢者と同居中であれば「家族の介護をしなければならないから」など働き続けたいけども働けないということがアピールできればお礼奉公を特別に免除してもらえる場合もあります。

 

ポイント!

ポイント

実際にお礼奉公中の看護師で腰痛とうつ病の診断でお礼奉公を免除された例、夫の出張についていくために退職してお礼奉公を免除された例は見たことがあります。

しかし、当たり前ですが病院によっては病気での退職を理由とすると診断書を請求される場合もありますので嘘はご注意ください。

 

(2)転職エージェントを活用すれば奨学金が返済できる可能性もある?

転職エージェントを活用
理由もなく退職をしたい場合、奨学金の返済は免れないのが一般的です。次に転職する病院に肩代わりしてもらうというのも現実的には難しいものです。

そもそも、円満に退職していない看護師を次の病院が採用したがるかどうかも微妙なところです。そんな時に活用したいのが転職エージェントです。このような事例をかなり扱うこともあるようで、対策を教えてもらえることもあります。人気がある看護師専用の転職会社は以下上げておきますので、登録後相談をしてみてください。もちろん転職意思がない場合は登録はしない方が良いです。

また、転職会社によっては採用されたときに一時金や準備金として転職お祝い金を頂ける場合もあります。そのお金を奨学金返済に充てて返済することもできます。そうすればトラブルもなく退職することが可能となります。

転職お祝い金がある転職会社に関しては「看護師求人サイト就職・転職祝い金は本当にもらえる?を徹底比較」を確認してください。

 

(3)お金を貯めて、奨学金を返済して退職する

お金を貯めて、奨学金を返済して退職する
円満に転職する方法としては働きながら奨学金返済分のお金を貯めてお礼奉公の期間を短くするというものです。

病院にもよりますが、多くのところが月5万円を奨学金として貸与しているはずです。そうすると、利子が無ければ以下のような借金となっているはずです。

  • 5万円×12か月(1年間)=60万円
  • 60万円×3年間=180万円

毎月の給料からコツコツと貯金をし、ボーナスを数回分充てれば恐らく1年半で返済は可能となるはずです。お金を返してしまえば病院からも文句は言われませんしお礼奉公を短縮して円満に退職することも可能でしょう。

看護師のダブルワークを希望する方は「ダブルワーク副業看護師求人の注意点|病院にはバレない!?」も確認してみてください。
 

ポイント!

ポイント

この方法を行っている看護師も見たことがありますが、どうやらお礼奉公という言葉から解放されていつ転職しても良いとなると逆に転職意欲が減退したらしく、この方法を行った看護師は返済後も同じ職場で働き続けていました。

 

(4)自分で病院に交渉する「奨学金一括返済を分割に」

自分で病院に交渉する
基本的には、お礼奉公中に退職・転職をすると、奨学金を一括で返済することが通例です。しかし中には、一括で全額を返済するのではなく、奨学金の一部を返済しただけで済んだというケースもあります

これは、ある程度良心的な病院であった特別なケースです。しかし、5年奉公が定められている病院で、ある程度の年数を勤務し、その貢献度が認められれば、病院が返済額を調整してくれる可能性があります。

あなたの務める病院が、このような良心的な対応をするとも限りませんが分割返済にしてほしいという交渉の価値はあります。ただ、返済は行わなければなりません。

 

(5)いつか戻ると告げて戻らないという奥の手も・・・

いつか戻ると告げて戻らないという奥の手も
(お勧めはいたしませんが)奥の手とはなります。最初にご紹介したように働けない事情を提示して退職を希望し、でも働ける時が来たら働くと伝えるという奥の手があります。

そうすれば、いつか戻ってきて残りのお礼奉公中は働くという確約ができるため、それならばと退職を許可する病院もあります。

その後、戻らずに他の病院で働き続ければお礼奉公からも免れ、かつ転職も可能となります。看護師でこのような方法で転職をしたことを見たことがあります
 

ポイント!

ポイント

この方法を行うにあたり押さえておきたいポイントとしては次に転職する病院はかなり離れた病院にしておくことです。また、病院によってはこの「いつか戻る」が口約束で済む場合と誓約書を一筆書かされる場合があります。誓約書を書かされる場合では戻らないと違反となり法的に罰せられる可能性もあるため十分注意が必要です。
そのためお勧めは絶対にしませんのでご注意ください。

 

まとめ

お礼奉公から抜け出して看護師転職をするという方法もありますが、円満退職はしにくいケースが多く、これからの看護師人生を考えるとリスクはつきものです。転職を希望する際はそれなりに作戦を練ってから行うことが望ましいでしょう。

お礼奉公中の転職の方法をいくつかあげましたが、やはり交渉しながら転職理由をしっかりと伝え、「返済する」というのが一番良い円満退職、スムーズに転職できる方法ではないでしょうか。
 


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食べること、スポーツ観戦が好きな看護師です。社会勉強と称していろいろなところで働いた経験を綴っています。派遣看護師の経験もあり、派遣では回復期の病棟業務、ディサービス、検診センターで仕事の経験があります。

看護師としての経歴

保有資格 ・正看護師
出身/年齢 ・神奈川県/20代後半
職務経験 ・総合病院 ・クリニック ・介護老人保健施設 ・デイサービス
・健診センター ・イベントナース・夜勤専従看護師
診療科経験 ・脳外科 ・神経内科 ・内科 ・皮膚科 ・整形外科

記事の内容に関しては、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用をお願いいたします。
カテゴリー:看護師転職のノウハウ

(公開日:)(編集日::2017年12月22日)

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