エルダーナースの役割とは、達成感と悩みについて

エルダーナースの役割とは、達成感と悩みについて

プリセプター制度において、プリセプティを指導するのはプリセプターの役目です。

そして、プリセプターが指導する上で悩みや疑問などが生じた際に、相談相手となるのがエルダーナースです。

プリセプター制度におけるエルダーナース(※役割にメンターなどがある場合、一部「アプリコットナースサポートシステム」を採用している病院の可能性があります。)

私は総合病院の混合病棟で勤務していた時、エルダーナースを経験しました。入職して5年目の時に約2年間エルダーナースとして後輩指導にあたりました。

以前、私がプリセプターをした時にプリセプティとして指導した後輩が成長し、プリセプターとなり新人看護師を指導した際に私がエルダーナースとしてサポートすることになりました。

今回はエルダーナースの役割について、私が実際に体験した内容をもとに紹介したいと思います。エルダーナースに興味のある方、後輩指導に悩んでいる方は参考にしてみてください。

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1.エルダーナースの役割はプリセプターの相談役

エルダーナースの役割はプリセプターの相談役

エルダーナースの役割は、プリセプターとプリセプティの関係を見守り、必要時に助言を行うことでプリセプターシップが円滑に図れるよう支援します。

それでは、エルダーナースとして後輩指導にあたる場合、どのような点に注意すればよいのでしょうか。

私が実際に感じたエルダーナースの役割をまとめました。

 

(1)プリセプターが相談しやすい雰囲気作り

プリセプターが相談しやすい雰囲気作り

エルダーナースの一番の役割は、プリセプターの相談相手となることです。

プリセプターが後輩指導をしていく上で生じた悩みや疑問を解決できるように導いていくことが重要とされています。

プリセプターはある程度経験を積んだ看護師が行う場合が多いですが、仕事と後輩指導は全く異なり、難しさを感じる看護師も少なくありません。

経験を積み仕事がある程度できるプリセプターの場合、後輩指導もできるだろうと勝手に思ってしまいがちですが、初心者である事が多く一からサポートしていく必要があるということを念頭に置いて関わっていくことが大切です。

 

プリセプターの話をしっかりと聞いてあげること

特に、初めてプリセプターを経験する看護師の場合

  • 「自分にちゃんと指導ができるのか」
  • 「どう指導して良いのか分からない」

と悩むことも多くあったりします。

そのため、エルダーナースはプリセプターがいつでも、どんな内容でも気軽に相談できる雰囲気を作らなければなりません。

「こんなことが分からないの?」と思ってしまう相談内容があるかもしれませんが、まずはプリセプターが何に困っているのかを知るために、話をしっかり聞くことが重要です。

 

(2)プリセプターとプリセプティの両方の気持ちを汲み取る

プリセプターとプリセプティの両方の気持ちを汲み取る

エルダーナースはプリセプターの相談相手であると説明しましたが、相談に乗る際はプリセプターとプリセプティ両方の思いや考えを聞きサポートしていくことが大切です。

ついプリセプターの悩みばかり聞いてしまいがちですが、それでは偏った指導になってしまいがちです。

まずはプリセプターの話を聞き、次にプリセプティの話を聞くようにし、双方の意見を聞いた上で解決方法を考えるようにしましょう。

 

補足説明!

ポイント

プリセプターとプリセプティの双方で誤解が生じている事もありますし、それぞれがエルダーナースに話をすることで初めて分かることもたくさんあるからです。

 

(3)常にコミュニケーションを取る

常にコミュニケーションを取る

相談することがなくてもエルダーナースはプリセプターやプリセプティと密にコミュニケーションを取るようにしましょう。

話をする機会が少なくなってしまうと、プリセプターやプリセプティがエルダーナースに相談したいと思っても話かけづらく思ってしまうことがあります。

また、日常の何気ない会話の中でもプリセプターやプリセプティの思いや考えを汲み取ることができるため、双方の考えを把握できるという利点もあります。

さらに日常のコミュニケーションは「相談に乗る」や「振り返り」など改まって行うこととは異なり、プリセプターやプリセプティが素の状態で話をするため、それぞれの性格が良く分かります。

 

補足説明!

ポイント

「仕事上では真面目でしっかりした性格なのにプライベートでは面白い人」など、いつもと違った一面を見ることができる場合もあります。

 

(4)時にはスタッフ全員でサポートする

時にはスタッフ全員でサポートする

相談内容によってはスタッフ全員でプリセプターやプリセプティをサポートしていきます。

エルダーナースはスタッフに働きかけ、プリセプターが指導しやすい環境を作ることが大切です。

看護師の勤務は日勤と夜勤があるため、プリセプターとプリセプティが同じ勤務になったり、直接指導する環境を作ったりすることが難しいです。

そのため、エルダーナースが働きかけ、プリセプターが指導しやすい環境を病棟全体で作っていくことも重要な役割であると言えます。

 

受け持ちの患者を調整することもある

例えば、プリセプティが苦手とするケアがあった時、プリセプターは経験を積んでもらうためにケアに入る機会をたくさん作りたいと考えますが、勤務や受け持ちの状況によってはケアに入ることができない事もあります。

その場合、エルダーナースは他の先輩看護師や師長に相談し、プリセプティがケアに入れるよう受け持ち患者さんを調整することがあります。

可能であればプリセプターも一緒にケアに入ることで、その後の振り返りや指導がスムーズに行えるようにします。

 

2.エルダーナースを経験するメリットとは?

エルダーナースを経験するメリットとは?

プリセプティ(新人看護師)へのエルダーナースの関わり方はとても重要です。

エルダーナースは直接プリセプティに指導を行うわけではなく、プリセプターの指導を見守り、必要時助言を行います。

自分の思い通りにいかないことも多くエルダーナース自身が悩んでしまうこともあり後輩指導の難しさを痛感する場面がよくあります。プリセプターとプリセプティが良い関係を作れ、共に成長していくためには、どうサポートするのがベストであるのかを常に考えなければなりません。

指導をする上で大変なことがたくさんありますが、エルダーナースを経験することでどのようなメリットがあるのでしょうか。

 

成長する姿に”やりがい”を感じる

エルダーナースはとても大変な仕事ではありますが、自分が指導した後輩看護師が成長し、楽しそうに仕事をしている姿を見た時にとてもやりがいや達成感を感じます。

特に自分が指導したプリセプターがはじめはぎこちなく新人看護師を指導していたのに時間が経つにつれて自信を持って指導をするようになった姿を見た時に「今まで頑張ってきて良かった」と思うことが多くありました。

後輩看護師の成長を間近で見ることができるのもエルダーナースのメリットであると思います。

 

後輩指導の経験は様々な場面で活用できる

後輩指導の経験は様々な場面で活用できる

後輩看護師や新人看護師を指導する場面はどの職場で働いても経験することが多いです。

そのため、エルダーナースとしてサポートしてきた経験は、他の職場でも活用することができます。

特に、後輩看護師が悩みやすい事や落ち込みやすい事などはエルダーナースを経験すれば、あらかじめ分かる場合が多いですし、後輩看護師の思いや考えを上手く聞き出すことができるようになります。

どのように指導したら相手にきちんと伝わるのかが分かるため効果的な指導をすることができますし、話し方や態度などについても相手から信頼されやすい方法を身に付けている事が多く、スムーズに後輩指導を行うことができます。

 

3.エルダーナースならではの悩みと対処法

エルダーナースならではの悩みと対処法

エルダーナースをする上で悩んだことや困ったことは具体的にどのようなことがあるのでしょうか。

私が実際に感じた悩みを踏まえて紹介します。

 

(1)自分の思いを伝える難しさがある

自分の思いを伝える難しさがある

エルダーナースはプリセプターにとって良き相談相手ですが、お互いの思いや考えをきちんと相手に伝えるのはとても難しいです。

同じ言葉でも相手によって受け止め方が異なりますし、エルダーナースの考えを100%プリセプターに伝えるのは困難です。

そのため相談に乗る時にエルダーナースは常に相手の受け止め方を確認しながら指導することが大切です。中にはプリセプターが違う意味に捉えてしまうこともあるため注意が必要です。

 

困った場合の対処方法について

この場合、私はすぐに自分の考えや解決方法を話すのではなく、

  • プリセプターと一緒に何がいけなかったのか
  • どのように注意すれば直りそうか

などをしっかり話し合い2人で解決策を考えることが重要だと思います。

エルダーナースの意見をただ聞き入れて指導するのでは何故このように注意するのか根拠が分からないまま指導してしまう恐れがありますし、何よりプリセプターが自分で考えて解決方法を見つけ出すという行為をしなくなってしまいます。

困ったらすぐにエルダーナースに聞けば良いやと思ってしまいプリセプターの成長が望めなくなってしまうため注意が必要です。

【体験談】プリセプターからの相談に乗って困った体験

私はプリセプターから「プリセプティが点滴を交換する際、患者さんへの声かけを忘れてしまい何度注意しても直らない」と相談を受けました。私はプリセプターが今までどのように注意してきたのかを確認し、プリセプティが点滴交換に集中してしまい声かけができないのだと思い「患者さんに声かけしようと思っていても点滴交換に夢中になり忘れてしまうのでは?患者さんの所に着いたら一呼吸置いて患者さんのことを見てから点滴交換をすれば自然とかけ声をするようになるのでは」と話しました。

その後、プリセプターの指導の様子を見ると、私が言ったことをそのままプリセプティに伝えており、さらに「絶対にこの方法でするように」と言わんばかりの言い方だったためとても驚きました。

私がアドバイスした方法は数ある解決策の中の1つでしかなく、他にも解決方法はたくさんあります。

私としては「これはこうだ」と決めつけるのではなく、プリセプターがプリセプティの状態に合った解決方法を一緒に見つけてくれれば良いなと思っていたので驚いたのと同時に自分の考えを伝えることの難しさを感じました。

 

(2)相手の気持ちを引き出すのが難しい

相手の気持ちを引き出すのが難しい

先ほどエルダーナースはプリセプターとプリセプティの両方の意見を聞くことが大切と話しましたが、相手の考えや気持ちを上手く聞き出すのも難しい場合が多いです。

特にプリセプティが入職直後は同期にさえも敬語で話すことがあり、上手く話しができないという看護師もいます。

そんな中、エルダーナースが「なんでも話して良いからね」とプリセプティに声をかけたところで、何でも話すプリセプティは少ないです。

プリセプティやプリセプターの中には、

  • 「こんなこと質問しても良いのかな」
  • 「呆れられるのではないか」

などと質問すること、相談すること自体に抵抗を感じている看護師も多いです。

エルダーナースはある程度経験を積んだ看護師が行う事が多いため、後輩看護師との経験年数に差があることから距離を置かれやすいです。

そのため、相手の気持ちを引き出すことが難しく感じるケースが多いです。

 

困った場合の対処方法について

エルダーナースはプリセプターやプリセプティに「なんでも話して良いからね」と言い、相手から話かけられるのをただ待つだけではいけません。

どんなことで悩んでいるのかを予測し、こちらから声かけをする必要があります。

後輩看護師は「エルダーナース=凄い先輩」と感じている看護師も多いため、相談に乗る時は自分が新人看護師だったときの話や、失敗談なども話すようにし、

  • 「先輩看護師でも間違えることはあるんだ」
  • 「同じように悩んできたんだ」

と思ってもらえるように働きかけることが重要です。

少しでも親近感を持ってもらうことで、話しかけやすさがかなり違ってきます。

 

(3)プリセプターの指導方法に口を挟んでしまう

プリセプターの指導方法に口を挟んでしまう

エルダーナースをしているとついついプリセプターの指導方法に口をはさみたくなってしまったり、エルダーナースが直接プリセプティに指導してしまったりすることがあります。

自分がプリセプティに直接指導した方が、プリセプターがプリセプティに指導するよりも早く確実に行えるため、どうしても口をはさみたくなってしまいます。

しかし、それではプリセプターが成長できませんし、エルダーナース自身も成長できません

 

困った場合の対処方法について

エルダーナースは補佐役であり、メインで指導するのはプリセプターであるということを常に念頭に置き関わることが重要です。

大切なのは、プリセプティがたくさんの知識・技術を身に付けることよりも、プリセプティの悩みに対してプリセプターが一緒になって考え、答えを導き出すことです。

  • 「すぐにできるようにならないといけない」
  • 「間違ってはいけない」

と思うのではなく、「すぐに正解を出すのではなく、いろいろな方法で試してみるのも必要」であり、その方がたくさん成長できるため、患者さんに影響のない範囲で見守ることが必要です。

 

プリセプター制度しか得ることが出来ない経験

解決方法を探していく過程で双方が成長し、互いに信頼感を得ることができます。

これは1人で勉強しただけでは身に付けることはできず、プリセプター制度でしか得ることができない貴重な経験です。

エルダーナースはこのことを忘れずに一歩下がった状態で見守るように心がけましょう。

 

(4)他のスタッフとの連携が難しい

他のスタッフとの連携が難しい

先ほど、エルダーナースは必要時、他の先輩看護師や師長に相談し勤務や受け持ち患者さんなどを調整してもらうことも必要とお話しました。

しかし、自分が担当するプリセプターやプリセプティばかりに気を取られてしまい、全体が見えなくなってしまってはいけません

他のスタッフからは「過保護」などと悪く思われてしまう場合もあるため注意が必要です。

 

困った場合の対処方法について

エルダーナースは自分が担当するプリセプターやプリセプティの事ばかり考えてしまいがちですが、時には他のエルダーナースとプリセプターの状態を観察してみることや、他の先輩看護師がプリセプターやプリセプティに指導している場面を見たりするということも必要です。

「私が担当だから」と全てを請け負ってしまいがちですが、「スタッフ全員でフォローしていくということ」を忘れずに関わるようにしましょう。

他の看護師はどう指導しているのか参考にもなるので、離れて見守ることはとても良い事だと思います。

 

4.まとめ

まとめ

プリセプター制度と聞くと、プリセプターとプリセプティ間での指導と思われがちですが、実はプリセプターを支えるエルダーナースの役割がとても重要となります。

エルダーナースは影でプリセプターを支え、成長を見守っていくことが求められるため、指導の仕方や話かけ方などで悩むことがあるかもしれません。

しかし、頑張った分だけ自分の成長にも繋がりますし、後輩看護師の成長を間近で見ることができるのが最大のメリットだと思います。

この記事を読んで後輩指導に興味を持った方はエルダーナースを目指してみてはいかがでしょうか。

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はたらきナース

監修者

亀岡さくみ看護師
監修 亀岡さくみ看護師
  • 2011年3月:日本赤十字看護学校卒業
  • 2011年3月:看護師免許取得
  • 2011年4月:日本赤十字医療センター入社(3年間勤務)
  • 2015年3月:株式会社peko勤務
  • 2015年4月:はたらきナース監修

現在は、今までの経験を活かし「はたらきナース」を執筆・監修を行っています。

この記事は「」さんが執筆しました。

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