ER看護師の仕事内容とは?転職するメリット・デメリット

ERに転職を考える人の多くが、よくテレビ等で見る重症症例ばかりで忙しく、やりがいのある仕事を想像しているでしょう。

ER看護師と言っても、病院の規模・地域により症例や救急搬送の数は大きく変わるため、自分がどの規模のERで働きたいのかを考えることが大切です。

今回は、ERの看護師が仕事をする際の確認事項について紹介します。

1.ERってどんなところ?

ERで働く看護師

ERとは、どのようなところなのか以下で詳しく説明していきます。

 

ERは規模によって対応が異なる

ERとは、救急外来のことで1次救急・2次救急・3次救急に分かれます。

  • 1次救急:帰宅可能な軽症患者に対する救急医療(自己にて来院できる方)
  • 2次救急:救急車で来院し、なおかつ一般病棟への入院が必要な中等症患者に対する救急医療
  • 3次救急:集中治療室に入院が必要とされる重症患者に対する救急医療

病院によってERの規模は変わり、一般の総合病院と公立・大学病院等の違いは、以下の表の通りです。

一般の総合病院 ・1次救急から2次救急レベルの患者の対応を行う
公立病院・大学病院等 ・1次救急から3次救急までの患者の対応を行う
・2次救急から3次救急の患者の対応を行う
上記の対応に分かれる

ERは、常勤医師・研修医・看護師で連携を取りながら、患者の診察・処置を行います。

 

補足説明!

ポイント

病院の規模によってERは、研修医と看護師だけで内科当直の医師が兼任しているところや非常勤医師が診察をするところなど、病院により異なります。

 

2.ERの看護師の仕事内容・1日のスケジュール

ERの1日のスケジュールを示す看護師

ERの看護師の仕事内容は、「トリアージ」「様々な処置」を行うということがあります。

それぞれについて、以下で確認していくと共にERの看護師の1日のスケジュールについても見ていきましょう。

 

トリアージを行う

ERの看護師にとって1番大切なのは、トリアージです。

独歩で来院したからといって決して軽症であるとは限らず、むしろ救急車で来院した患者より重症かつ緊急性が高いこともあるため、来院した患者とファーストコンタクトを行う看護師は、バイタルサイン・全身状態を的確に判断することが求められます。

 

看護師から医師に検査・処置を提案することも大事

ERで働く看護師は、医師の指示を待つだけではなく、看護師から医師に患者の状態を説明して必要な検査・処置を行う提案をすることも重要です。

 

ポイント!

ポイント

ERでは、全ての科の患者が来院して子どもから大人・妊婦など様々な領域の知識が必要であるため、「勉強が好き」「新しい症例を多く学びたい」という看護師には向いているでしょう。

 

様々な処置を行う

ERの看護師は、採血やバイタル測定はもちろんのこと、小児の対応・緊急カテーテル・胃カメラなど様々な処置をしなくてはいけません。

特に3次救急を対応しているところは、初療で緊急手術を行う場合もあります

 

ERの看護師の1日のスケジュール

ここでは、実際にERの看護師がどのような1日を過ごしているのかについて、私の例を紹介します。

 

日勤の1日のスケジュール(救急車対応のみ)

8:45 勤務開始
・物品・薬品のチェック
9:00 ・夜勤より患者の引継ぎ
・一般外来へ引継ぎ患者を紹介
・入院の手続き
・救急隊より患者の受け入れ
(処置・検査・記事入力・各部署との連携)
(救急車は患者対応中も受け入れるため、その患者も対応。)
11:30~13:30 交代で昼食
13:30 ・午前中の患者の入院先を決定し移送・申し送り
・患者の受け入れ
(処置・検査・記事入力・各部署との連携)
15:00 ・日中の患者の行き先を決める
(入院・転院など)
16:00 ・物品・薬品チェック
16:30 ・日勤で診断のついていない患者の引継ぎのための記事入力

 

夜勤(独歩・救急車ともに対応)

ERの看護師の17:00からの夜勤の仕事内容は、

  • 日勤より患者を引き継ぐ
  • 一般外来より診断のついていない患者の引継ぎ
  • 救急車の受け入れ
  • 独歩で来院された方の問診、バイタルチェック
  • 来院希望の患者の電話対応
  • 検査・処置・記事入力・各部署との連携・当直看護師長へ連絡
  • 小児の対応、産婦人科の対応

等があります。

 

補足説明!

ポイント

ERの看護師の夜勤は、なかなかゆっくりできる時間はなく翌朝9時までの合間に食事・仮眠が摂れますが、それ以外は救急隊より連絡があれば対応します。

 

3.看護師がERへ転職する際に求められるスキル

採血をするERの看護師

ERでは、少ない人数で連携を取りながら患者の診察を行い、看護師に求められるスキルも必然的に多くなるため、なんでも屋になれることが求められます。

ここでは、ERの看護師に求められるスキルについて記載していきます。

 

採血

どの科で働くにしても看護師として採血は必須ですがERでは、

  • 幼児の採血・点滴(新生児は医師が採血)
  • 難しい血管が多く疾患によっては血管が細くなっている高齢者

等、広い年齢層の採血を行うため、採血は欠かせないスキルです。

 

心電図

ERでは、心疾患患者が多いため基本の心電図はしっかりと頭に入れておき、

  • 心房細動(AF)
  • 発作性上室性頻拍(PSVT)
  • 重症度の高い心室細動(VF)
  • 心室頻拍(VT)

等の波形を覚えておくことが必要です。

心電図を撮るのは看護師の仕事であるため、異常時すぐに医師に報告できるように覚えることが重要です。

 

モニターが非常に重要

ERで多くの患者を診る中で、トリアージを行い重症度が中等度~低い患者でも急変する可能性があるため、看護師は常にモニターを気にしておき、異常の有無を確認しなくてはなりません。

 

検査・処置の準備

緊急の場合、日中であれば各科で検査しますが、夜間ではERで対応を行う場合がほとんどであるため、検査・処置の準備は必要なスキルです。

 

上部消化管出血の患者が来院した場合の例

上部消化管出血の患者が来院した場合、出血部位の確定と止血のため胃カメラを行いますが、胃カメラをするためには、点滴確保・胃洗浄・術衣の着用も行います。

他にも、心臓カテーテル・MRI・縫合など検査や処置の準備はたくさんしなくてはいけません。

 

ポイント!

ポイント

患者の状態より何の処置・検査を行うかを予測して、その手順・準備物品などは理解しておくと仕事がスムーズに進みます。

 

検査データより疾患を理解する

医師は、来院する患者を次から次へと診察をしているため、検査中の患者にまで気が回りません。

そのため、看護師が検査データを確認して結果を見た際にある程度疾患の予測をして、アセスメントしておくことが大切です。

 

次の処置を予測して準備を行うことにも繋がる

検査結果でどこが異常なのかを医師に伝えることで連携がスムーズにできることや、次の処置を予測し準備を先に行うことにも繋がります。

 

ポイント!

ポイント

患者は普通にしていても、検査結果はかなりの異常値を示している場合もあるため、検査の正常値をしっかりと理解しておくことが必要です。

 

画像の異常を見つける

ERに来院する人が「腹痛の場合はレントゲン撮影」「頭痛ならCTを撮影」等、半数程度は何らかの画像による診断を行うため、患者の画像撮影に同行する看護師は画像の異常を見つけることが必要です。

 

補足説明!

ポイント

レントゲン・CTで明らかに異常がある場合には、すぐ医師に報告できる程度の知識が必要になるため、まずは正常を理解しておきましょう。

 

手術時の準備・手順

重症度が高い3次救急では、手術室が使用中や緊急性が高い場合など初療で手術することもあるため、手術に必要な準備や手順を覚えておくことが必要です。

緊急性の高い症例は、頻繁には来ませんがいつでも対応できるように心がけておくことが求められます。

私は、外科系の病棟からERへ転職して分からない事ばかりでしたが、先輩看護師に教えてもらいながら自己学習し、多くの症例を見たことで徐々に理解することが出来ました。

分かり始めると楽しいですが、毎日多くの患者が来院するため症例数も多く、知らない事も次から次へと出てくるため、ERへ転職を考えている人はいかに勉強好きかが求められます。

 

注意点!

ポイント

手術の手順は、医師によって変わることもありますが、基本の手順は覚えておきましょう。

 

4.看護師がERへ転職する際のメリット・デメリット

多様なスキルが学べるERの看護師

看護師がERへ転職する場合のメリット・デメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。

以下でそれぞれについて紹介していきます。

 

ERへ転職する看護師のメリット

ERは、小児科・産婦人科・循環器・脳神経内科などすべての疾患を学べる場所であるため、次の転職などにも役に立つことがメリットと言えます。

その他のメリットについても見ていきましょう。

 

多種多様なスキルが学べる

3次救急では、交通外傷・墜落・心停止等、重症度の高い患者の対応も行います。

そのため、初療で手術や心肺蘇生なども行う等、手術室とは違った多種多様なスキルを学べることは、ERで働くメリットと言えるでしょう。

 

ほとんど残業が無い

ERでは、患者の申し送りをする必要がないため、ほとんど残業はありません。

早くから出勤して情報収集することもなく、定時に帰宅できるためアフター5も充実できるでしょう。

 

ERへ転職する看護師のデメリット

ERでは、重症度の高い患者が多く、交通外傷や自殺企図の患者も多いため、リアリティショックで退職や移動する看護師も多いことも事実です。

その他のデメリットについても確認していきましょう。

 

精神的負荷が大きい

病気や事故で突然亡くなった患者の家族とも関わり、ER看護師の精神的負荷はさらに大きくなる等のことからERで働くには、強い精神力が必要です。

 

休憩をとることが難しい場合がある

ERでは患者が途切れることなく来院する時ため、食事や休憩を取ることも難しい時もあります。人数が限られた場所なので、患者の容態によっては離れられないことも多々あります。

 

世間の休日時が忙しい

世間が休日の時ほどERは忙しいのが難点です。

近隣のクリニックや医院などが休日な分その患者が来院するため、患者は途切れることなく来院します。

 

5.ERの看護師求人を見つけるには

就職博でER求人を見つける看護師

ERの看護師の就職先は、一般の総合病院・大学病院・国公立の病院などがあり、病院の規模により「1次救急と2次救急のみ対応」「3次救急も対応」に分かれます。

以下でERの看護師求人を見つける方法について、紹介していきます。

 

HPを見る・看護師就職博に行き相談する

ERの求人自体、非常勤の募集が多く常勤の募集を見つけるのは困難ですが、「HPを見る」「看護就職博などに実際に足を運び相談する」等も良いでしょう。

 

補足説明!

ポイント

ERのように特殊な部署への転職数は少ないですが、求人が出ている場合は病院側としても就職してほしいと思っているため、見つかれば転職は比較的スムーズに希望は通るでしょう。

 

転職サイトを利用する

ERの求人がどうしても見つからない場合は、転職サイトを利用してプロの手を借りることをお勧めします。

なぜなら、転職サイトは色々な病院の情報を持っており、看護師が知らない病院の情報を教えてもらえる場合があるためです。

私の場合は、たまたま新聞の折り込みチラシで見つけましたが、ほとんど見かけることはありません。

ER求人は見つけた時がチャンスであるため、見つけた際は勇気を持って飛び込んでみてください。

 

補足説明!

ポイント

重症度の高い3次救急まで対応している病院で働きたい場合は、国公立や大学病院・規模の大きい総合病院で求人を探すことをお勧めします。

 

まとめ

ERの看護師が仕事をする際の確認事項について紹介してきましたが、いかがでしたか?

ERは、人の死に1番近い場所でもあるため安易な気持ちで転職すると辛いですが、たくさんの症例に出会い多くの患者の命に直結する場所でもあるため、看護師としてのやりがいがありスキルアップできます

看護師として多くのことを学び「多くの命を救いたい」と考えているのであれば、ぜひER看護師を目指してみて下さい。

ER看護師はるちっち

【大阪府/33歳・資格:看護師】

済生会系列の病院で3年、その後クリニックで2年勤務しながら派遣看護師として企業検診・デイなどの施設をメインに活動。現在はERに6年勤務しながら、看護師ライターとして活動中。また、ママ看護師として働きやすい職場環境についてなどリアルな意見を記載していきます。

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