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受け持ち看護方式!プライマリーナーシングについての体験談

Tabilove
看護師ライターTabilove
プライマリーナーシングについての体験談

プライマリーナーシングとは、一人の看護師が、一人の患者を入院から退院までの期間一貫して担当するという看護方式(受け持ち看護方式)です。プライマリーナースとは、プライマリーナーシングを行っている看護師のことを指します。

ここでは私がプライマリーナーシングを行っている病院に勤務していた経験をもとに、プライマリーなシングのメリット・デメリットや運用の詳細、また行ってみた体験談(所感)などを合わせて説明していきます。

プライマリーナーシングを行っている病院等へ転職や入職を考える場合にはチェックしてください。

1.実際のプライマリーナーシングの運用詳細について

説明している看護師
プライマリーナーシングの実際の運用の流れは以下の通りになります。

  1. 患者が入院する
  2. 看護師の担当(プライマリーナース)を決める(病院によって決め方は異なる)
  3. 患者に合った看護計画を立案する
  4. 担当患者の情報共有や意見交換
  5. 2~4を繰り返し退院後の生活も支援する

(モジュールナーシングを組み合わせる場合もある)

このような運用方法でプライマリーナーシングはすすんでいきます。実際の運用詳細を確認していきましょう。

 

プライマリーナーシングの担当者の決め方

担当の決め方は病院によりますが、入院の日に受け持ちをしていた看護師がそのまま担当になったり、その時点で担当患者がいない看護師が担当になったり、教育担当者が、新人や現任看護師の教育目的で担当を決めたりします

 

看護計画を担当看護師が立案する

担当患者が決まると、その患者に合った看護計画を立案します。自分が勤務の時は基本的に担当患者を受け持ちするので、日々の関わりの中で、患者の思考や希望を取り入れたり、よりその患者に合った看護計画に修正していきます。

 

患者に合った看護計画を立案することで、担当看護師以外で受け持ちに当たった看護師も、患者の意思に合った看護を行うことができます

 

担当看護師が窓口となり情報共有を行う

日々の看護だけに留まらず、担当患者が、他職種や地域との連携が必要な状態になった時には、担当看護師が窓口となり、担当患者の情報共有や意見交換を行います。

担当患者をより多角的方面から支え、入院中のみならず、退院後の生活も支援することができます。

 

看護の内容に差が出てしまうためモジュールナーシングを取り入れる

不規則な勤務である看護師の特性上、どうしても担当患者に対して担当看護師が受け持つことができない時ができてしまいます。看護計画を立案してはありますが、担当看護師が受け持つのと、担当以外の看護師が受け持つのでは、看護の内容に差ができてしまうことも考えられます。

そういった状況を回避するために、プライマリーナーシングに「チームナーシング」を組み合わせた、「モジュールナーシング」としてプライマリーナーシングを取り入れる方法があります

病棟の看護師を、2つ以上のチームに分け、そのチームの看護師がプライマリーとして担当している患者を一緒に看ていこうというものです。

 

プライマリーナーシング単独ではなく他の看護方式と組み合わせて用いられる

このモジュールナーシング方式を取ることで、患者の個別性に合った看護を提供できるとともに、皆が一貫した看護を提供でき、担当看護師不在時の患者の不安を軽減することができます。

このような形で、プライマリーナーシングは、単独ではなく他の看護方式と組み合わせて用いられていることも少なくありません

 

2.プライマリーナーシングでの看護師のメリット

女性看護師
 

(1)患者との間に信頼関係を築きやすい

一人の患者に対し、入院から退院まで一貫して同じ看護師が担当することで、患者は安心感を得やすく患者は自分のことをよく知っている看護師が担当してくれることで、気持ちを打ち明けやすいですし、リラックスした気持ちで過ごすことができます。

そのため、患者の喜びにも繋がり、信頼関係が生まれます。

また、担当する頻度も多く、担当の自分が得た患者のニーズに対し、自分が直接看護として還元できます。

 

ポイント!

ポイント

何人もいる病棟看護師が、半日毎に入れ替わり、誰が誰だか分からないような状況では、患者も気が張ってしまい、本心を打ち明けられない可能性があります。また、ある看護師に意見を言ったのに、それが他の看護師には全く伝わっておらず、トラブルとなることもあります。

 

(2)質の高い看護を提供できる

患者との信頼関係の中で、看護師はより詳細な患者の情報を得ることができ、ニーズを把握することができます。ニーズを組み込んだ看護計画を立てていくことで、より細やかな、質の高い看護を行うことができるのもメリットになります。

 

質の高い看護を提供できる事例

例えば、清潔ケアの際、基本的に清拭しか行っていなかったとして、担当患者が「他の人には言えなかったんだけど、実は足を洗いたいんだ」と担当看護師に希望を伝えてきたとします。

この希望に沿って、看護計画に「清潔ケアの際に足浴を行う」というプランを追加し、実施することで、患者のニーズに合った細やかな看護を実現できます。このように、ニーズに合った看護を受けることで、患者も喜びを感じやすいです。

入院生活を継続していく上で、患者のニーズも変化していくため、その都度対応していくことが大切です。

 

(3)看護師自身がやりがいを感じやすい

先ほどの(1)(2)の過程を踏み、患者に看護を受ける喜びを感じてもらえる機会が生まれやすいため、看護師もやりがいを感じることができるのもメリットです。

個別性に合った看護を提供していくことで、患者が回復していくのを近くで見ることができたり、退院していく姿を見ることができたりすると、看護師も達成感を感じ、また頑張ろうという気持ちになります。

 

ポイント!

ポイント

実際に、「◯◯さんが担当看護師でよかった」や、「◯◯さんのおかげでよくなったよ」と声をかけてもらえたことのある看護師も少なくありません。 達成感や、また頑張ろうという気持ちが、次の良い看護に繋がっていきます。

 

3.プライマリーナーシングでの看護師のデメリット

悩む女性看護師
 

(1)自分と合わない患者と長く付き合わなければならない

患者の中には、コミュニケーションが取りにくかったり、クレームか多い患者の担当に当たることもあります。自分がどんなに優しく接しても、患者の態度は全く変わらないという、困った状況に陥ることもあります。

このような状況は看護師自身のストレスに繋がりやすく、仕事に行くのすら嫌になってしまう時もあるのがプライマリーナーシングでのデメリットです。

 

他の看護師に相談することで問題は解決しやすい

プライマリーナーシングとはいえ、全てを一人で抱え込む必要はありません。

自分が困っている時には、周りも困っていたりするものなので、他の看護師に相談して共感を得ることで、孤独感から解放されます。また、患者との接し方に関しても、カンファレンスなどで他の看護師から意見をもらうと良いです。

 

(2)大事な時にいない看護師だと思われることがある

看護師の不規則な勤務を理解している患者は、それほど多くありません。担当看護師が休みや夜勤で、担当看護師以外の人が受け持ちをするということも多々ありますが、そういう時に限って、急に医師からの病状説明が入ったり、患者の状態が悪化したりすることもあります。

そのような時に、「担当の◯◯さんがこんな大事な時にいなくて困った」などと言われ、信頼が失われてしまう可能性があり、受け持ち看護方式のデメリットといえます。

 

対策は患者に伝えて理解してもらうこと

このようなことにならないために、自分の勤務について患者に伝えておくと良いです。

例えば、自分が休みに入る前に、「いつまで私はいなくて、次に来るのはいつだから、その時にお会いしましょうね」と声をかけて帰ると良いです。勤務なのに担当患者を受け持つことができない時も、挨拶だけはしに行くなど、できる限り訪室を心がけることが大切です。

 

(3)重症な患者の担当になると、責任感に押しつぶされそうになる

時には、重症な患者の担当看護師をしなければならない時もあります。病状を理解するだけでも一苦労であり、様々な治療を行っていると、患者の希望に沿った看護を行うのが難しくなってきます。患者の希望に合った看護を行うことができず、無力感を感じてしまうこともあります。

ずっと重症な患者の担当をしていくことで、仕事以外の時間も考えてしまったり、責任感を必要以上に強く感じてしまったりもします。

 

カンファレンスを利用して話し合うと良い

このような時にこそ、カンファレンスが有効です。負の方向に傾いてしまった自分の気持ちを支えてもらったり、様々な治療を受ける中でも、患者や家族の希望を少しでも取り入れた看護を皆で話し合うと良いです。

例えば、「本人の好きな音楽を自宅から持ってきてもらい、病室で流す」など、小さなことでも少しずつ積み重ねていくことで、患者のニーズに合った看護を行うことができます。

 

4.プライマリーナーシングを看護師のスキルアップに活かすには

看護師のスキルアップ
プライマリーナーシングを行うことで、患者の個別性やニーズに合った看護を行うことができるようになります

しかし、新人は、患者の個別性やニーズを汲み取る技術が乏しく、プライマリーナーシングの良さを活かしきれないことがあります。

そのため、初めのうちは、先輩看護師と共に担当し、患者の情報の取り方や看護計画への取り入れ方、コミュニケーションの取り方、他の看護師への周知の方法などを学ぶことが効果的です。

 

自分で背負いこまず他の看護師からも意見をもらうこと

新人看護師等は一人で担当できるようになってからも、自分だけで背負い込んでしまう必要もありません。責任を持って担当をすることは大切ですが、看護を行うのは担当の自分だけではないので、他の看護師から意見をもらうことも大切です。

自分では気づかなかった、患者の気持ちを聞くことができたり、結果的に患者のさんにより良い看護を提供できる可能性が大いにあります。病棟カンファレンスを活用し、沢山の意見を聞いていくことで、自分自身の看護力に繋げることができます。

 

結果を評価することがスキルアップにつながる

患者への個別性のある看護に反映できたとしても、その結果どうだったのかという評価をすることが重要であり、大切なのは、やりっぱなしで終わらないことです。

担当患者のケースを報告し、振り返りのカンファレンスを行うことが効果的です。

 

振り返り意見をもらいフィードバックする

退院まで担当するので、入院時、または入院経過中に立てた看護目標が達成されたのか、達成できなかったものに関してはどうするべきであったか振り返り、意見をもらうことで、次回担当する患者さんの看護にフィードバックすることができます。

 

まとめ:プライマリーナーシングの所感

看護師の所感・感想
私は内科に勤めており、入院期間が長い患者さんや、入院を繰り返す患者の担当をすることが多かったです。入院が長かったり頻回だったりすると、生活の拠点が病院となってきます。治療もありますが、日常生活も送っていくという状況の中で、患者の希望に沿って、できるだけ自宅に近い生活を送ることができるよう、看護を提供するように努めました。そうすることで、患者さんもリラックスして過ごすことができ、笑顔を見ることができました

これは、プライマリーナースとして、日々、なるべく多くの時間担当の患者さんに関わる機会が持つことができたからこそです。退院の時には、感謝の言葉をもらったり、時には手紙をもらったりすることもあり、患者の喜びが自分の喜びとなる経験となりました。

こうした喜びは、看護師を続けていく動機付けとなりました。

 

患者の状態によって、自分も辛くなることがあった

担当している患者の状態が悪くなってしまったり、お看取りをしなければならないこともありました。プライマリーナースとして、信頼関係を築いてきたからこそ、このような場面では自分の感情も動き、辛い思いをしたり、無力感を感じました

このような気持ちになってしまうことは仕方のないことですが、辛い気持ちをいつまでも引きずらず、他のスタッフと共有することで乗り越えました。プライマリーナースは、患者と一対一で向き合う良さがある反面、個人プレーになってしまいがちです。だからこそ、定期的にスタッフ間で意見交換をし、チームを意識する機会を設けることが大切と感じました。

 

担当患者の看護に責任を持つため、周りの意見を取り入れた

上記でも述べたように、プライマリーナースは、個人的な動きだけに偏らないよう、カンファレンスを定期的に行うことで、より効果を発揮できます。担当患者と一対一でじっくりと関わり得た情報から、より多くの視点を持って良い看護を導き出すこと、そして導き出した看護を病棟全体で行うことが最も良い形です。

プライマリーナースとしての責任は、「自分だけが看護をする」ことではなく、「病棟看護師を全体で良い看護を提供すること」であるので、そのためにも周りの意見を取り入れる機会を意識的もつことが大切です。

 

最後までご確認いただきましてありがとうございました。


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看護師を初めてから、旅行が大好きになり、休み希望を出しては色々なところに足を運んでいます。病棟看護師歴が長いですが、結婚を機に、主婦になった経験もあります。
臨床を離れて気づいたこともたくさんありました。少しでもお役に立てるような記事を書いていきたいと思います。


カテゴリー:看護師コラム


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この記事を書いた人:Tabilove
(公開日:)(編集日::2017年08月06日)

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