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つみき

正看護師

つみき

( 看護師 )

総合病院での看護師の外来業務とは?転職前確認事項。

つみき
正看護師 つみき
総合病院の看護師の外来業務とは?

外来とは、自身の健康状態に異常を感じた人が日帰りで診察・治療を受ける場所です。

治療の入り口である外来は、最初に患者さんを受け入れる場所であり、病院の医療や看護の質を印象付ける大切な部署です。

そのような外来で働く看護師の活躍の場としては、総合病院とクリニックが挙げられます。複数の診療科と多くの病床数を持つ総合病院の外来とクリニックとでは、同じ外来であっても、看護師の求められる役割と仕事内容、求められる知識が異なります

総合病院の外来で5年、クリニックで5年勤務してきた私の経験をふまえ、外来で働く看護師の仕事内容と、総合病院ならではの外来看護師の仕事内容や必要なスキル、転職するメリット・デメリットについてご紹介します。

1.総合病院での看護師の外来業務について

総合病院での看護師の外来業務について

総合病院においても、クリニックにおいても、外来看護師の大切な役割は、

  • 「短い時間で患者さんの状況や病状、ニーズを把握し、安全に安心して治療を受けられるようにサポートすること」
  • 「患者さんが安心して在宅療養を送れるよう支援すること」
  • 「病院の顔として働くこと」

以上の3つです。

外来看護師は、これらの役割を担いながら、さらには担当診療科別にそれぞれ目標を立てて働くことになります。

では、外来における看護師の業務にはどのようなものがあるのか、具体的な業務内容を見ていきましょう。

 

(1)診察準備

診察の準備

  • 受け持ちの診療科の診察室の準備・整理整頓
  • 足りないものが出ないよう必要物品の準備
  • 予約状況の確認と予約患者さんのカルテの確認
    (診察前後の検査・処置の内容確認)

などを行います。

外来の診察が始まる前にその日のベッドの空床状況を確認し、常に院内がどういう状況か把握し、1日の診察がスムーズにいくよう心掛ける事が必要です。

 

(2)診療の補助

診療の補助

外来看護師の主な仕事が診療の補助です。(診療補助とは医師の指示のもと、医師の診療を補助することを言います。)

診療補助の内容は、

  • 「医師が診察しやすいよう、患者さんの誘導・情報取集・介助を行うこと」
  • 「医師の指示に従って必要な処置(V―S測定、採血、注射など)や検査の実施、説明などを行うこと」

などです。

毎日多くの患者さんが来院する外来において、「医師が効率良くかつ安全に一人一人の患者さんの診察できるようサポートすること」は、外来看護師の大切な業務です。

スムーズに診察が行われるということは、待ち時間の短縮に繋がり、また、患者さんの身体的・精神的な負担の軽減、クレーム数や患者さんの満足度に大きく関係しています。

外来看護師には、その時々の状況を把握し、迅速かつ、臨機応変な対応が求められます。

 

補足説明!

ポイント

診療補助の仕事は例えば、聴診をする際に服をまくったり、血圧を測定したり、診察に必要な医療器具を状況に応じて準備するといった内容です。(※病院や検査の内容によっては、採血や検査は専門の部署が行う場合あります。)

 

(3)患者さんへの説明

患者さんへの説明

「検査説明・検査予約の確認」「自己血糖測定」「自己注射」「生活指導」なども外来看護師の仕事です。

外来看護師は、待合室で患者さんから質問を受けることも多々ありますので、担当の診療科に関する知識を身につける必要があります。

 

補足説明!

ポイント

診察室での患者さんの表情や言動を観察することで不安や不満が無いかを確認し、必要があれば、待合室に戻られた際に速やかにサポートすることも外来看護師の仕事です。

看護師としての視点から、患者さんの状況・状態を把握し、患者さんに安心して適切な治療を受けてもらえるように援助していくことが必要になります。

 

(4)患者さんへの自宅療養の指導

外来受診後も患者さんがそれぞれの生活の場において、健康状態や病状に適した生活を送ることができるようサポートすることも外来看護師の大切な役割です。

外来看護師は、患者さんが「医師の治療方針や日常生活における注意点、服薬や食事制限、運動療法、通院のタイミング」といった内容を十分に理解し適切な治療を行うことで、今よりも良い状態で次の外来診察日に来院できるようサポートします。

 

(5)患者さんからのクレーム対応

患者さんからのクレーム対応

患者さんからの待ち時間への苦情は、外来看護師であれば一度は経験することだと思います。クレーム対応も外来看護師の大切な業務です。

どのような苦情であっても、苦情を受けた際は、まず苦情にしっかりと耳を傾け、患者さんに不快な思いをさせている事実に対して素直におわびすることが大切です。

誠意あるおわびの後は、状況説明と情報提供を必ず行います。

 

注意点!

ポイント

最近は理不尽なクレームも増えており、外来看護師の精神的・体力的な負担が重くなっています。

 

(6)事務作業・翌日の診察の準備

事務作業・翌日の診察の準備

カルテ処理や伝票整理などの事務作業も外来看護師の仕事の一つです。

また、翌日の診察準備のため診察室の掃除と、使用物品の後片付け・補給を行います。

 

(7)病棟との連携

病棟との連携(即時入院時)

即時入院時の病棟との連携

外来を受診した患者さんは、診察結果によっては、精密検査や手術、入院が必要な場合があります。

患者さんに入院が必要となった場合、病棟と連携を図るのも外来看護師の業務です。

ベッドの空き状況を事前に把握し、患者さんの疾患・病歴・検査の結果・性別・年齢・ADL・理解度など必要な情報を病棟のスタッフに申し送り、患者さんが入院後病棟において治療や看護をスムーズに受けられるようにします。

また、それと同時に患者さん本人やご家族の不安が和らぐよう、精神的なケアを行うことも大切です。

 

入院患者さんの診察での病棟との連携

入院患者さんが、入院している診療科以外の不調を訴えた場合、適切な治療を受けるために他の診療科の外来を受診することがあります。

受診の際は、どのタイミングで患者さんをご案内するか、病棟との連携が必要になります。

そのための連絡業務に加えて、医師や病棟側との時間調整を行うために、調整能力が必要とされています。

 

(8)他部署との連携

他部署との連携

総合病院というひとつの組織の中に、複数の部署が存在するため、外来に所属する看護師として他部署との連携をとる役割があります。

この点が、他部署が存在しないクリニックとの大きな違いとなっています。多部署とのやりとりの主な内容は、以下のようになります。

  • 薬剤科:処方内容(用法、用量、処方日数)の確認、点滴や注射薬の調剤依頼
  • 医事課:会計に関わる診察内容や処置の詳細確認
  • 放射線科:至急検査の依頼、緊急性のある検査結果の報告、検査内容の確認
  • 臨床検査科:至急検査の依頼、緊急性のある検査結果の報告、検査項目・内容の確認
  • 他の診療科:複数の診療科を受診する患者さんもいるため、患者さんの動線や待ち時間を考慮し、スムーズに各診療科の診察が受けられるよう、他の診療科担当の外来看護師との調整を行う

 

2.総合病院の外来業務こなすのに必要なスキル

総合病院の外来業務こなすのに必要なスキル

総合病院で外来看護師として働いていた経験を元に、必要なスキルを説明していきます。

 

(1)接遇マナー

外来は病院で最初に患者さんを受け入れる場所であり、外来看護師は病院の顔とも言えます。そのため、常に笑顔で丁寧な対応が求められます

外来看護師の印象が病院の印象を左右するという意識を常に持ち、接遇を重視した対応を心がけることが大切です。

また、患者さんからクレームにも嫌な顔を見せず、接遇に気を付けて対応することが求められます。

入院が必要になった場合の病棟への要請や申し送りが日々発生するため、他部署との連携の際の立ち振る舞い、言葉遣いも重要となります。

 

補足説明!

ポイント

外来では、患者さんを長時間待たせてしまうことも多々あります。そのような場面において、患者さんの不満やストレスを軽減するためにも、待ち時間が長い患者さんへの声掛けなどの気配りも大切な仕事になります。

 

(2)アセスメント力

毎日多くの患者さんが訪れる外来診療では、病棟と違い患者とは限られた時間の中でしか接することができません。

その短い時間の中で、患者とコミュニケーションをとり、観察をして、患者さんのニーズを掴むことが必要となります。

短時間で的確な看護をすることが求められる外来では、高いアセスメント力が求められます。

 

(3)迅速さ

多くの患者さんが出入りする外来において、スムーズに診察が行われるようにするために外来看護師には迅速さが必要となります。

また、決められた時間内に診療介助のほか、カルテや伝票整理などの事務作業、様々な患者の対応、病棟や多部署と連携などの多くの業務をこなすことも、外来看護師には求められます。

そのためにも、常に患者さんの様子や院内の状況を見極め、その時々の状況に応じて迅速かつ臨機応変に対応する能力が必要となります。

 

(4)調整力

入院が必要となった場合の病棟との連携や、他部署・ 他の診療科との連携をスムーズに行うために、業務や時間の調整能力が求められます。

 

(5)コミュニケーション能力

一人一人の患者さんと関わる時間が限られた状況において、情報収集や、患者さんが自宅に帰ってから困ることのないよう説明や指導、不安や質問への対応を行うため、高いコミュニケーション能力が求められます。

また、患者さんからの質問に的確に答えるための知識も必要となります。

 

補足説明!

ポイント

スムーズに診察が行われるようにするために、医師とのコミュニケーションも重要になります。さらには、他部署との連携・連絡をスムーズに的確に行うためにも、コミュニケーション能力は必要です。

 

3.総合病院の外来へ転職するメリット

総合病院の外来へ転職するメリット

総合病院の外来に転職を考えている看護師の方に向けて、転職するメリットをご紹介します。

 

(1)夜勤がないので体力的に楽である

総合病院の外来で働く場合の大きなメリットは、夜勤がないということです(※救急外来には当てはまりません)。

病院によっては、当直当番があることもありますが、完全に日勤のみで働ける病院も多くあります。基本的に日勤のみの仕事になります。

そのため、結婚しても家庭と仕事の両立がしやすく、家族と過ごす時間をしっかり取ることができます。

 

補足説明!

ポイント

また夜勤がない分、規則正しい生活が送れるため、身体的な負担が軽いのも魅力のひとつです。

 

(2)日曜・祝日に休める

総合病院の外来は日曜祝日の診察をしていないところがほとんどです(※救急外来には当てはまりません)。

また、土曜は半日診療、隔週診療、休診など、病院によって様々です。基本的に日曜・祝日は休みになるため、カレンダー通りに休むことができます。

そのため、プライベートの予定が立てやすい、子育てと両立しやすいため、子育て中の看護師も働きやすい環境です。

 

(3)残業が少ない

残業が全くないというわけではありませんが、受付時間があるため、残業はそれほど多くありません。

病院によって違いますが、残った業務を遅番の看護師が引き受けることや、ローテーションで残業をする看護師を決めている職場も多く、その他の外来看護師は残業せずに帰宅できるように体制を整えている病院も多くあります。

 

注意点!

ポイント

しかし、外来の状況によっては、延長して業務を行わなければならない場合があります。

 

(4)接遇、関係部署との連携が学べる

総合病院の外来における特徴的な業務である、他部署との連携と、それに伴う接遇を学ぶことができます。

 

(5)専門的な看護ができる

外来では看護師としてスキルアップできないというイメージがあるかもしれませんが、規模が大きな病院の外来では、専門性の高い治療を行っています。

また、外来には専門看護師や認定看護師の活躍の場も多くあるため、専門的な看護を行うことや、スキルアップすることが可能です。

 

(6)福利厚生が手厚い

総合病院の外来は、クリニックよりも福利厚生が手厚いというメリットがあります。

 

4.総合病院の外来へ転職するデメリット

総合病院の外来へ転職するデメリット

総合病院の外来看護師は、メリットだけではなく、デメリットも存在します。

メリットよりは少ないですが、転職前に確認しましょう。

 

(1)給料が安い

病棟勤務のお仕事と比べると、夜勤がない分、必然的に給与は低くなります。

 

(2)患者さんと関わる時間が少ない

ひとりの患者さんと向き合う時間が限られているため、患者さんとのコミュニケーションが少なく、物足りなさを感じる看護師もいます。

 

(3)患者さんからのクレームが多い

外来の待合室には、多くの患者さんやその家族がいます。様々な人の中には、待ち時間が長い事に激しいストレス・不満を感じ、それがクレームとなるケースが多くあります。

最近は、理不尽なクレームも増えており、外来看護師の精神的・体力的な負担が重くなっています。

 

補足説明!

ポイント

近年では、クレームや暴行に対して対応してくれる部門を設ける病院が増えているため、看護師の負担は少し軽減させるかもしれません。

 

5.外来の看護師求人が多い転職会社

外来の看護師求人が多い転職会社

看護師の外来求人は全国的にそこまで豊富ではありません。

そのため、外来看護師求人がなるべく多い転職会社、利用した看護師に評判が良い転職会社を選ぶことをお勧めします。

外来看護師求人を探すのにおすすめの転職会社は、

  • 看護のお仕事【全国対応】
    外来特集を行っているぐらい、求人に力を入れています。公開している外来求人だけで1万4000件前後全国に求人があります。
  • マイナビ看護師【全国対応】
    外来の看護師求人は常時500件前後ですが、求人を厳選しており、非公開求人も豊富です。

各社非公開求人も保有しているので、登録を行い、担当者に条件面を伝えて求人を紹介してください。

 

6.まとめ

総合病院における外来看護師の仕事のイメージはつきましたか。

同じ看護師であっても、病棟看護師と外来看護師では、仕事内容や求められる役割が異なります。

その理由は、「病棟は、患者さんにとって治療を受ける場であると同時に日常生活を送る場」であるのに対し、「外来は、自宅をはじめとする社会を生活の場としている人が、治療を受けるために訪れる場所」であるため、患者さんと看護師との関わり方が大きく異なるからです。

また、一口に外来看護師と言っても、その医療機関や診療科の特色によって、仕事内容や求められる知識は異なります。

新たに外来看護師として働く場合には、その医療機関の特性や診療科についても考慮したうえで、職場を決めると良いでしょう。

記事の内容に関しては、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用をお願いいたします。


看護師となってから約20年になります。都内の大学病院で約10年勤務し、管理職も経験しました。その他にCRA、クリニックでの勤務経験があります。4年間のブランクを経て、現在はパート看護師として クリニックに勤務しています。
結婚・出産・子育てをしながら働いた経験と、ブランクから復帰した経験を活かし、皆さんのお役に立てるような情報を発信していきたいと思います。

看護師としての経歴

保有資格 ・正看護師
年齢 ・東京都/40歳
職務経験 ・大学病院 ・CRA(臨床開発モニター) ・クリニック
診療科経験 ・整形外科 ・一般外科 ・ペインクリニック ・内科
・耳鼻咽喉科 ・眼科 ・皮膚科 ・泌尿器科 ・小児科 ・訪問入浴

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カテゴリー:一般病院・総合病院

(公開日:)(編集日::2018年05月25日)

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