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くくる

男性看護師ライター

くくる

( 看護師 保健師 )

総合病院で働く保健師の仕事内容・求められるスキルとは

くくる
男性看護師ライターくくる
総合病院で働く保健師の仕事内容

保健師は国や地方自治体などの行政機関に所属している割合が圧倒的に多いため、病院や診療所で働く保健師はまだまだマイノリティーな存在であるといえます。

総合病院で保健師として採用され、専任で保健師業務をしている看護師はかなり少数派なのではないでしょうか。保健師として働くなら行政機関で働くこともお勧めしますが、募集要項に年齢制限もあります。

臨床経験のある30代から40代の看護師で、保健師資格を持っていて病院保健師への転職を考えているのであれば、この記事を参考にしてください。

1.総合病院の保健師の仕事内容について

仕事をする保健師

総合病院で働く保健師の仕事内容は以下の通りです。

  • 健診受診者の対応
  • 特定保健指導の実施
  • 病院職員に対する健診の実施と健康管理

これらが主な業務です。その他、労働安全衛生委員会の実施など様々な業務があります。

保健師は、1日のほとんどの時間を保健指導などの仕事に費やしています。ただし、看護師として外来看護部にも所属している場合、内科外来や救急外来などの過去に経験のある診療科に応援に行く場合もあります。

 

午前中は人間ドック・各種検診受診者の対応

午前中は人間ドックや各種健診受診者への対応が主になります。繁忙期には採血の応援・内視鏡業務の応援に回ることもありますが、ほとんどの時間は問診を取る・医師の診察後に保健指導を行うことがメインとなります。

 

ポイント!

ポイント

特に、人間ドックや健康診断のみを実施する完全独立型の健診センターの場合は、受診者への健康管理に関する情報提供や日時を設定した上での個別・集団への保健指導のみで1日が終わってしまいます。

 

病院職員に対する健診の実施と健康管理

総合病院で働く保健師は、病院職員に対する衛生管理業務として定期の健康診断の実施やその結果に対するフォローアップを行います。

また、頻度としては多くはありませんが、必要なら常駐している産業医と連携をとって、職員の健康管理を推進しています。

 

2.総合病院で働く保健師に求められるスキル

スキルアップのために勉強する人

総合病院で働く保健師に求められるスキルは以下の通りです。

  • 看護師としての十分な臨床経験があること
  • 高いコミュニケーション能力があること

保健所や市町村役場などの行政機関であれば、看護師としての臨床経験がなくても新卒枠で保健師に採用されることもあります。

しかし、総合病院は健診受診者や患者に対応しなければならないので、最低でも3年から5年程度の看護師経験は必要です。

臨床検査の異常値などから読み取れる様々な疾患についての深い知識はもちろんですが、急変時の対応やその他イレギュラーなケースへの処理能力も要求される場合があるからです。

 

看護師としての十分な臨床経験

総合病院の保健師は、様々な検査内容・検査の基準値・生活習慣病・内科的・外科的疾患など、広く知識を身につける必要があります。

これまでの臨床経験で得た知識から、患者に精査や治療ができる診療科・日常生活等のアドバイスをすることが仕事ですので、看護師としての臨床経験が不十分だと患者の疑問に答えることができません。

重要な事柄については医師が説明をしますが、実際は保健師が患者の質問に答えている場合が多いので、なにより知識量が必要となります。

 

急変にも対応できるスキルが必要

健康診断の患者は基本的に健康であることがほとんどですので、受診中に全身状態が急変するということはまずありません。

しかし、ごく稀に内視鏡検査・胃透視検査・採血・MRIといった侵襲を伴う検査の過程で気分不良を訴える患者がいます。その際には医師の指示に従い医療処置の介助をすることもあるので、急変にも対応できるスキルが必要です。

 

ポイント!

ポイント

単科だけの経験ではなく、様々な診療科を経験している保健師が有利です。また、人間ドックアドバイザーやその他保健指導に役立つ資格を取得しておくことも大切です。

 

高いコミュニケーション能力

総合病院で働く保健師は、とにかく口を開いて誰かの問い合わせや訴えに耳を傾ける場面が非常に多いです。また、他部署や病院内外の異業種のスタッフとのやり取りや、連携が非常に重要になってきます。

電話対応やメールのやり取りなどでビジネスマナー的な作法も必要になってきますし、集団保健指導では大勢の前で話をすることもあります。

ですので、総合病院で働く保健師には高いコミュニケーション能力が必要といえます。

 

ポイント!

ポイント

相手の話を傾聴すること、相手の状況をよく理解した上で話を進めていくこと、保健指導であっても他のスタッフとの調整であっても、丁寧に笑顔でコミュニケーションをとることを心がけましょう。

 

3.総合病院で働く保健師の1日のスケジュール

タイムスケジュールをたてる保健師

勤める総合病院によって違いますが、総合病院で働く保健師の1日のスケジュールを時系列に挙げると下記のようになります。

  1. 朝は7時過ぎに出勤、7時30分から業務開始
  2. 採血
  3. 問診、腹囲測定
  4. 上部、下部内視鏡検査がある方の現病歴、既往歴、抗凝固剤の服用の有無を確認
  5. 下部内視鏡検査がある方の下剤の服用を開始、適宜便確認
  6. 下部内視鏡検査の送り出し
  7. 健診受診者の保健指導
  8. 事前に予約をしている特定保健指導の実施
  9. 外来診療科への応援(午後に週1回程度)
  10. 労働安全衛生委員会の実施(管理者会議1回/月、全体会議1回/月)

基本的に健診受診者は来院が早いので、保健師や看護スタッフは時差出勤などで勤務時間を調整しています。残業は月に数回のみです。

 

隙間時間で医療相談・健康相談を行う

ご説明した業務以外では、健診受診者や外来患者からの医療相談に関する電話対応がよくあります。意外とこの電話対応が多く、午前中は時間が取れないために午後にまとめてかけなおすということがよくあります。

また直接健診センターを訪れて、健康相談を希望される方も多いです。午前中は健診受診者の対応、午後は予約または臨時の保健指導といった流れです。

 

4.保健師が総合病院で働くメリット

喜ぶ女性保健師

保健師が総合病院で働くメリットは以下の通りです。

  • 勤務体制が固定されているので決まった休みがある
  • 医療や看護に対して非常に視野が広くなる

詳しくご説明いたします。

 

ワークライフバランスを非常に良く保つことができる

総合病院で働く保健師は勤務体制が固定されているので、仕事とプライベートのワークライフバランスが非常に良く保つことができます。

日曜日と祝祭日が休日として固定、一般的な4週8休のカウント方法でその他の休みを選択するなど、労働者にとって働きやすい勤務体制である場合が多いです。

残業はほとんどなく、あっても週に1~2時間程度です。出勤時間は早いですがその分終業時刻も早く、ほぼ定時にあがれています。就学児童がいる場合には、決まった休みがあるということはとても大きなメリットです。

 

医療や看護に対して非常に視野が広くなる

総合病院で働く保健師は、医療や看護に対して非常に視野が広くなります。健診業務では年間で数千名の患者と短いながらも、その患者の現病歴や既往歴、そのほか病気や健康についていろいろ話をします。

生活習慣と疾病の因果関係についても経験的に理解することができますし、その予防と対策についても学ぶことができます。また職員に対する労働安全、衛生管理など労働関係の法規についても学びます。

このように看護師としては経験できなかった幅の広い活動をすることができ、医療看護について非常に視野が広くなったと感じています。

 

5.保健師が総合病院で働くデメリット

悩む女性保健師

保健師が総合病院で働くデメリットは以下の通りです。

  • 看護師より収入が少なくなる
  • 看護技術が低下する

詳しくご説明いたします。

 

各種手当てがつかないので高給与は見込めない

総合病院で働く保健師は夜勤がない・年末年始などの祝日も基本休みなので、特にお正月休みに出勤すると加算されるような特別手当がなくなります。給与の面からいえば同じ病院内で働く交替制勤務の看護師より、収入は少なくなることが多いでしょう。

 

看護師としてのスキルアップができない

総合病院で働く保健師は、最新の看護知識にふれる機会や採血などの手技的な看護技術を実施する機会が減ることにより、看護師としてのスキルアップがしにくいです。

特に、健診での業務というのは、ルーチンワークを繰り返すだけの機械的な作業になってしまいがちであり、医療事故もほとんど起こりません。毎日同じような業務を繰り返すことにストレスを感じることもあります。

 

6.総合病院の保健師として働いて楽しかったこと

喜ぶ女性保健師

総合病院の保健師として働く中で楽しいと感じたことは、保健指導を実施した患者や指導対象者の方々が、自らの生活習慣を顧みて改善を試みて、結果が目に見える形となって表れるのを見たときにやはり喜びを感じます。

特定保健指導の最終フォローアップとなる半年後や、年に一度の健診でお会いしたときに体重が減少していたり、禁煙に成功していたり、きちんと精密検査を受けて治療を継続していたりするのを見たときに、本当にうれしくなります。

 

指導の努力が実った体験談

禁煙外来をはじめ様々なフォローを続けているのにも関わらず、長年タバコを吸っているため止めたくてもやめられない夫婦がいました。

ある日ご主人から、意を決したようにもう一度禁煙したいと相談があり、改めて喫煙による心身のリスクについて説明し、禁煙の必要性を伝えました。禁煙外来には通わないということでしたので、こまめに電話でやり取りして支援を継続していきました。

あれから一年以上たちましたが最近の報告でも、夫婦とも禁煙を継続できています。もちろん本人の意思決定が一番の要因ですが、長年の生活習慣を変えるその瞬間に立ち会えることは、やはり保健指導をしていく中で大きなモチベーションとなっていきます。

 

ポイント!

ポイント

結局のところ保健師が対象者に与える影響というのは非常に小さなもので、実際の生活に変化を起こすのはその人自身の意思です。しかしながら、ひとつのきっかけとして、最後に背中を押す力に、くじけそうになったときのひとつの励ましに、小さくても何かの力になれればと思っています。

 

7.総合病院の保健師として働いてつらかったこと

落ち込む女性保健師

総合病院の保健師として働いていて辛いと感じることはほとんどありませんが、強いていうなら以下の通りです。

  • 保健師は病院に1人のため孤独感を覚える
  • 指導した成果が現れなかった時

これらを詳しくご説明いたします。

 

保健師には相談相手がいない

多くの場合、専任の保健師として働くのは病院内で1人であり、そのために自分の業務について誰かから指導を受けることや、誰かに相談するということが難しい場合があります。そのことで孤独感を覚える保健師もいるかもしれません。

 

ポイント!

ポイント

1人だからこそ自分の裁量でできることもありますし、動きやすい場合もあります。

 

指導した成果が現れなかった時

働いていて楽しいことと反対のことですが、自分が行った生活習慣の改善指導が数字という目に見える形で成果を表さなかったときは、やはり残念になります。

保健指導の対象者と会うのは、年に1度の健診後・特定保健指導を実施する半年間の間の2~3回です。どんなに指導の内容を充実させて熱意を持って話をしたとしても、次年度に健診で会ったとき改善すべきだった生活習慣が何も変わっていないということがよくあります。

実際に行動を起こすのは指導を受けた対象者ではありますが、その患者がもっと積極的に改善に取り組めるような働きかけができなかったのかと、よく考えます

 

ポイント!

ポイント

反省や試行錯誤を繰り返すことにより保健指導の質が向上し、実際の成果にも現れます。軽く失望を感じることもありますが、患者の思を尊重し、決して尊大な態度で指導することの無いように心がけましょう。

 

まとめ

総合病院という職場環境の中では、状況によって看護師と保健師両方のスキルを使い分ける必要が出てきます。だからこそ、保健師のみの資格を持つ方や看護師経験のない新卒では勤まらない職場です。

デスクワークが多く、臨床の最前線で働く看護師よりは体力的にも余裕がある仕事ですので、保健師は激務をこなす看護師やその他のスタッフの忙しさをよく理解し、彼らにとってのストレスは何かよく傾聴し、彼らがより安全・健康的に業務を遂行できるようにお手伝いをしていくことも大事な仕事です。

保健師自体は求人がとても少なく、地方においては尚更です。しかし、保健師の需要は確実に高くなっているので、求人サイトやハローワークなどを頼りに地道に求職活動を続けてください。

また、現在総合病院にお勤めの看護師であれば、ぜひ院内の健診センターや衛生管理業務を統括している総務課の担当者に保健師の求人がないか尋ねていただきたいです。

ルーチンワークが主なものはいえ、急変時の対応にも備えなくてはなりません。また広い視野で物事を見極めて、周囲と強調して業務を遂行していく力が必要です。とてもやりがいのある仕事です。

保健師の資格を持っている経験豊富な看護師は、ぜひ病院での保健師を目指していただきたいと思います。


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この記事を書いた人

アラフォーの男性看護師です。国立大学の看護学科を卒業し、看護師と保健師を取得しました。卒後は脳外科病棟で急性期看護を学び、数回の転職を経て、現在は民間の総合病院で保健師として働いております。
看護師としてのキャリアアップと、ワークライフバランスとの両立に関心があります。妻と息子2人の4人家族で、焼肉とチョコレートが大好きです。


カテゴリー:保健師への転職

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この記事を書いた人:くくる
(公開日:)(編集日::2017年04月28日)

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