男性看護師が老人健康保健施設で働くメリット・デメリット・注意点

手で患者を支える男性看護師

老人健康保健施設では、介護職員主体の職場であるため看護師の行う介護や生活援助的な業務は少なく、基本、看護業務はバイタルサイン測定、服薬管理など「健康管理」に関わること全般が仕事内容となります。

基本的には在宅復帰を目的とした施設のため、利用者のみならず家族の方を取りこみ、援助し、在宅で再度生活できる状態をゴールと考えます。

そんな老人健康保健施設で働く男性看護師が職場で求められること・転職する際のメリット・デメリット等について説明していきます。今後、老人健康保健施設での勤務を考えている男性看護師が検討するきっかけになれば幸いです。

1.男性看護師が老人健康保健施設で働く際に求められること

虫眼鏡を持つ男性看護師

男性看護師が老人健康保健施設で働く場合、「生活」の視点を持っていることが求められます。「生活」の視点とは、在宅復帰したその後の生活をイメージした上で、利用者・ご家族に関わることができるような視点です。

基本的に、男性は「生活」の視点が弱いと言われています。ですので、老人健康保健施設で勤務する場合は「生活」の視点を意識しましょう。

 

援助が必要か否かの判断力

利用者が、「車いすのせて」・「車いす押して」など訴えてくる場面がありますが、在宅へ移行するためやADLを低下させないため、本人が望んでも容易く手を貸してはならない場合があります。

頼まれたならその通りに援助を実施したい気持ちもわかりますが、リハビリを目的とした看護現場では、このような特徴があるので気をつけなければなりません。

そのため、何か援助を頼まれた時には「本当に援助が必要か否か」を判断する能力が求められます。

 

介護職員の管理能力

男性看護師は、立場が上がってくると組織全体的な管理の業務を任されるようになります。

介護職員の上に立って指導、教育をするような立場を任じられるため、介護職員のチームと円滑なコミュニケーションを図り、管理する能力が求められます。

 

2.男性看護師の老人健康保健施設への転職メリット

握りこぶしをする男性看護師

男性看護師が、老人健康保健施設に転職する際のメリットとして以下の3点が挙げられます。

  • プライベートの時間が確保しやすい
  • 自信や誇りが持てる
  • マネジメント力が培われる

それぞれの老人健康保健施設に転職する際のメリットについて見ていきましょう。

 

残業少なめ・オンコールが無い

老人健康保健施設での勤務は、病院勤務などと比較すれば残業は少なくて済みます。

基本的にオンコールなどは無いため、家庭のある看護師など、プライベートな時間をしっかりと取りたいと考えている看護師にはメリットが高いでしょう。

 

自信や誇りが持てる

老人健康保健施設は、施設利用者の家族・行政の方などと距離が近いです。

場合にもよりますが、男性が対面してしっかりと説明した方が納得いく、という感想を持ってもらえることも多いため、施設の顔となれる機会が得られます。

そのため、男性看護師としては自信や誇りが持てるというメリットがあると言えます。

 

マネジメント力が培われる

老人健康保健施設の職員は、皆が施設運営の一員としてコスト意識を持つことが大切なため、男性ならではのマネジメント力が培われることもメリットの1つです。

例えば、老人健康保健施設でコストや財政を圧迫すると言われるのが利用者の「薬」ですが、本当にそれが必要な投薬なのかを医師と相談して、費用対効果の高いやり方を探っていかなければなりません。

上記のような理論的な思考力が、男性看護師のキャリアにおいては強みや厚みになってくるでしょう。

 

3.男性看護師の老人健康保健施設への転職デメリット

悩む男性看護師

男性看護師が老人健康保健施設に転職する際のデメリットは、多職種とのコミュニケーションが難しいことや、全ての対応を少人数の看護師でこなさなければならないこと等があります。

以下にそれぞれについて詳しく説明していきます。

 

他職種とのコミュニケーションが難しい

老人健康保健施設で働く看護師は、介護職員をはじめとして、支援相談員と言った事務方まで、他職種との関わりが密接です。

特に介護職の世界は、やや年配の女性職員を中心とした職場社会が形成されていることが多く、男性看護師1名対多数の女性介護職員ともなれば、コミュニケーションがぎこちなくなるような場面もあります。

しかし、業務遂行のためには他職種とのコミュニケーションを図り、壁を乗り越えることが求められます。

 

1人あたりの業務量が多い

病院であれば、委員会活動等があるためマニュアル作成や勉強会は会議・相談の上実施しますが、老人健康保健施設では看護師が全て対応します。

看護師が中心となり、ノロウイルスやインフルエンザ等集団感染への対策、教育・啓発を行うことも求められます。さらに、年に1度の「全国老健大会」に向けた研究や発表資料作成なども行事としてあります。

そして、看護研究にもごく少人数での対応が求められます。男性看護師は基本、看護研究などの業務を振られて、まとめるような役目を任されやすいので相応の覚悟が必要です。

 

4.老人健康保健施設への転職注意点

バインダーを持って指を立てる男性看護師

老人健康保健施設へ転職する際に男性看護師が注意すべき点は以下の4点です。

  • 夜勤体制の施設は少ないため給与面の充実は望めないこと
  • 福利厚生の確認すること
  • 施設によってやりがいに差があること
  • 自己研鑽に努めること

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

 

夜勤体制の施設は少ないため給与面の充実は望めないこと

老人健康保健施設では、日勤が中心という体制をとっている施設が多いです。そのため、給与面の充実を望むのであれば、夜勤回数の多い施設を選ぶ以外選択肢がないのが現状です。

その点を把握した上で、慎重に職場を選ぶ必要があります。

 

福利厚生の確認すること

母体に大手の医療法人がついているなど、バックボーンのしっかりした施設ならば福利厚生面の質が高く、長く働きやすいと言えるでしょう。

将来のこと・家族のことなどを考える男性看護師であれば、正社員として長く働けることができるのは福利厚生のしっかりした老人健康保健施設です。

 

施設によってやりがいに差がある

老人健康保健施設には「在宅強型」「支援加算型」「従来型」の3種類があり、中でも利用者が施設でのリハビリが終了して、家族が待つ自宅へ帰る姿を見届けるといった場面に多く立ち会えるのは「在宅強化型」の老人健康保健施設です。

働くにあたり、やりがい・モチベーションをもてた方が長く働き続けられるため、老人健康保健施設でどういった取り組みがしたいか、しっかり突き詰めてから入職しましょう。

 

自己研鑽に努めること

老人健康保健施設にも若年層の看護師が働いていますが、ある程度歳を重ねた男性看護師は特異な存在としてみられることがあります。

そんな若年層の看護師に尊敬の念を持ってもらうためには、良い歳の取り方を意識して自己研鑚に努めなければなりません。努力をするか否かで、その後の若い看護師達の男性看護師への対応が全く違ってきます。

 

5.男性看護師が老人健康保健施設で働いて良かったこと

親指を立てる男性看護師

認知症の方によくあることとして、1日に何回にも分けてスタッフステーションに歩み寄り、介護スタッフや看護師の足を止めて、長々と話をすることがあります。

そんな認知症の利用者の話を聞いてあげた際、気分が落ち着いたのか、にっこりと笑って向こうへ歩み去った時が老人健康保健施設で働いていて良かったことの1つです。

些細なことですが、日々このような喜びを感じながら勤務できる点が、私はとても気に入っています。

 

男性スタッフは女性利用者から好かれやすい

あるとき、私がお話を聞いてさしあげたあと、その場にいた女性スタッフに「あの利用者さん、○○君(私)が話聞いてあげると、嬉しそうだよね」と言われました。明らかに、女性スタッフが対応した場合と反応が違うのだそうです。

93歳の昔の女性だからでしょうか、男性に「大丈夫ですよ」などとしっかり説明されると安心感が違うのかもしれません。その場に私がいて対応して良かったなと感じた場面です。

 

6.男性看護師が老人健康保健施設で働いて辛かったこと

考え込む男性看護師

老人健康保健施設は女性中心の社会です。そのため、良好なコミュニケーションを取ることが容易でないことが辛いことの1つです。

女性中心の社会というのは、決して老人健康保健施設だけに限ったことではないかもしれませんが、男性看護師は理不尽な槍玉にあげられる場面が多いような印象を受けます。

 

男性看護師は女性スタッフに強く当たられることが多い

たとえば入浴介助中など、利用者への対応について看護師側がしっかりとした根拠を持った説明を伝えようとしても、女性介護員に「はいはい、今忙しいからね」などと話を遮断されてしまいます。

話を聞いてもらえないにもかかわらず、看護師のミスや勘違いなどは、さも大きなことのように大声で言い立てられる時があり、辛いと感じます。

 

7.まとめ

男性看護師の総数が年々増加するにつれて、近年では、老人健康保健施設に勤務する男性看護師が増加している傾向にあるようです。施設看護の分野にも男性看護師ならではの判断力など新たな風を吹き込むことはとても良い結果をもたらすことかもしれません。

老人健康保健施設で勤務して、辛いことや良かったこと等様々な場面を振り返ってみると、利用者の些細な喜びが自分の喜びのように感じられる感覚がたびたび得られます。だからこそ、老人健康保健施設での看護はおもしろくて魅力的です。

監修者

亀岡さくみ看護師

この記事は「」さんが執筆しました。

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