産婦人科外来の看護師の役割や仕事内容・やりがい・負担とは?

産婦人科外来の看護師の役割や仕事内容・やりがい・負担

産婦人科外来にやってくる女性患者は様々な背景を抱えています。

女性器系の疾患を抱えている人、思わぬ妊娠で動揺している人、妊娠を希望していても妊娠が難しく不妊治療で通院している人など、産婦人科外来を訪れる理由は多種多様です。そして産婦人科外来の看護師はそのような女性をサポートする立場にいます。

一人の看護師としてではなく、1人の女性としても学ぶことが多い産婦人科外来の看護師の役割、仕事内容、働くメリットや負担とやりがいについて私の経験を元に詳しく説明していきます。

1.産婦人科外来の看護師に求められる役割とは

産婦人科外来の看護師に求められる役割

産婦人科外来には毎日様々な内容で受診してくる患者が大勢います。簡単に言うと、その患者が気持ちよくスムーズに受診できるようにすることが産婦人科外来の看護師の役割になります。

では実際に産婦人科外来で働く看護師の役割について詳しくご紹介します。

 

(1)妊婦健診の介助を行う

妊婦健診の主な内容は血圧測定、体重測定、尿検査、腹囲・子宮底長の測定、内診、超音波検査で、他には各週数に応じ各種検査があります。

看護師は健診で来院した妊婦の血圧、体重、腹囲・子宮底長の測定を行い、各種検査の手配や医師や助産師が行う内診、超音波検査の介助を行います。

 

補足説明!

ポイント

妊婦によっては体調が優れない場合もあるので「待合室に具合の悪い妊婦はいないか」「不安など精神的な状態はどうか」など全体の様子を見ながらスムーズに健診が進むように看護師が介助します。

 

(2)妊娠中の生活指導を行う

妊娠がわかってから、出産を迎える際まで妊婦の身体は大きく変化していきます。その変化について助産師と共に詳しく説明し生活指導をおこないます。

また、つはり (悪阻)の緩和方法や流産・早産に際し注意すること、お腹が張ったときの対処方法なども食事、運動、体重管理などと合わせて説明し、安心・安全に妊娠経過が辿れるように指導・援助していきます。

 

(3)診察や検査の準備や介助を行う

診察や検査の準備や介助を行う

産婦人科外来看護師は、診察に必要な器具や機械の準備をし、診察時には患者の体勢を確保・維持し、医師や助産師がスムーズに診察できるように介助します。

また検査が必要な場合の連絡調整や準備を行います。

 

婦人科系疾患や不妊治療や中絶などの患者の診察も介助します

産婦人科は出産を控える妊婦だけが来院するわけではありません。

癌や筋腫などの子宮・卵巣等の婦人科系疾患をはじめ、不妊治療や中絶などの患者の診察や検査がスムーズに行われるように介助することも大切な看護師の役割となります。

 

(4)患者の精神的ケアを行う

産婦人科外来には様々な内容を抱えた患者が受診します。

喜びにあふれて妊婦健診に来た妊婦もいれば、妊娠経過に不安や悩みを抱えて受診に来た妊婦もいます。

また、妊婦の横には不妊治療に通っている患者、そして子宮癌などの婦人科系の疾患で受診してくる患者もいます。

疾患(またはその可能性がある)のために受診することが目的の他の診療科外来とは違い、産婦人科外来は喜びと不安と悩みが混在した複雑な診療科なのです。

そんな様々な患者の精神的不安や負担に寄り添い、知識と経験に基づいて指導やアドバイスを行いながら、患者の不安や悩み、ストレスが軽減するように精神的ケアを行うことが産婦人科外来看護師の大切な役割です。

 

(5)患者のプライバシーを守る

産婦人科外来には妊婦だけでなく、中絶や癌など様々な患者が来院します。

外来通院が長くなることや、何回も外来へ受診したことのある患者とは兎角親しくなりがちですが、周囲の様子に気を配り、事情や心情を考慮した対応が看護師として必要となります。

また、内診台に乗ることも多いので、診察や検査の際のプライバシーの保護も重要な役割なのです。

 

2.産婦人科外来の1日の看護師スケジュール

産婦人科外来の1日の看護師スケジュール

今回は私が経験をした産婦人科外来の1日の看護師スケジュールと仕事内容について説明していきます。

8:30~ 勤務開始(環境整備、診察の準備)
9:00~ 午前の診察開始(診察の補助)
12:30~13:30 昼休み
外来が込み合っている場合は休憩時間がずれ込む
13:30~ 午後の診察開始(診察の補助)
午前中同様、医師の診察の補助を行う
17:00~ 診察終了

 

8:30:勤務開始(環境整備、診察の準備)について

まず始めに行うことは、

  • 患者を迎える前に待合室を整えること
  • 診察室では超音波などの機械の立ち上げ
  • 使用物品の準備

以上となります。

予約診察であれば、来院する患者がどのような検査や治療を行うのかが事前に分かるので、その検査や治療に必要な薬や器具などの物品を予め準備し、診療が効率よくスムーズに行えるように準備します。

 

9:00:診察(診察の補助)について

受付が終了した患者や妊婦が待合室へとやって来るのを確認しながら、カルテ(電子カルテ等)を準備します。

妊婦検診がある場合は血圧測定や尿検査、腹囲等の測定を行い、母子手帳に必要事項を記入します。また、必要な妊婦にはノンストレステスト(NST)を診察前に行って結果を準備し、すぐに診察に取り掛かれるようにします。

 

待合室での患者の様子もチェックする

待合室での患者や妊婦の様子を見ながら、体調が悪そうな患者や妊婦がいた場合には診察の順番を変更することや、休める場所を確保するなどの配慮も行います。

 

診察開始後に医師の補助をする

診察が開始したら、必要に応じて血圧や体温などを測定することや、医師が診察や処置がしやすいように患者や妊婦の体を支えます。また、医師の診察に応じて器具の手渡し、診察後の患者や妊婦の整えも行い、終了したら簡単な片づけをして次の患者や妊婦を迎えるよう準備します。

場合によっては、検査や薬、次回の診察の説明、妊婦週数に応じた説明なども行います。

 

ポイント!

ポイント

診察時に抗がん剤治療の点滴などを行うことや、緊急の検査や入院などになる場合もあり、他部門と絡を取って手配することも重要な業務の1つです。

 

13:30:診察終了後について

診察終了後は以下の内容を看護師が行います。

  • 診察室の後片付け、物品や薬品の補充
  • 翌日の診察準備
  • 日誌の記入
  • 消灯、施錠

診察で使用した器具などの後片付け、簡単な掃除を行います。また、消耗品である薬品や滅菌物なども不足はないか確認し、必要があれば補充や請求の手配をします。

予約診察が入っている場合で、翌日行う処置などがわかる時には必要物品等を準備しておくこともあります。

 

3.産婦人科外来で働くメリットとは

産婦人科外来で働くメリットとは

産婦人科外来では、健康な人、疾患を抱えている人など様々な患者が来院します。妊娠管理以外にも多くの症例と関わることができます。

看護師が実際に産婦人科外来で働くメリットを2つご紹介致します。

 

(1)外来でも患者により深く寄り添った看護ができる

産婦人科外来で働くメリットの1つ目は患者により深く寄り添った看護ができるということです。

看護をする上で療養上の世話はもちろん重要な仕事ですが、看護師として大切なことは、どれだけ患者の思いに共感できるか、苦しみや不安、喜びを一緒に分かち合うことができるかということです。

 

自分の出産時の経験も活かした看護ができる

例えば、自分自身に出産経験があれば、その経験を生かして妊婦や産婦に関わることができます。

  • 「自分が妊婦のときも同じようなことがあった」
  • 「産後は同じように授乳がうまくいかずにこんな方法をとった」

など看護師として得ている知識だけでなく、経験談を交えて接する方が何倍も説得力があります。

とは言え、出産経験のない看護師もいます。その場合でも同じ女性として、その訴えや状況に共感することはできます。

  • 「自分の気持ちをわかってくれた」
  • 「看護師さんも同じ経験をしたことがあるのだ」

などという思いを患者が持つことは、その看護師に対しての信頼感にもなりますので、患者との距離がぐっと近くなるのです。

 

(2)専門性の高い知識と技術が身につく

産婦人科はとても専門性の高い診療科です。

一般の診療科と共通する部分ももちろんありますが、やはり妊娠と出産に関わる知識と技術はこの産婦人科特有のものですので、多くのことを学ぶことができます。

産科で使用する特別な器具、妊娠管理、産後の管理、どれを取っても専門性の高いものばかりです。

また、外来によっては不妊治療を行っているところもあるので、そこでも高いスキルを身につけることができます。中絶に対しての手術を行っている外来であれば、その手術の介助と看護にあたることもあります。

 

婦人科疾患についても学べる

産婦人科は産科と婦人科からなる診療科ですので、同時に婦人科疾患について学ぶことができます。

生理不順、子宮や卵巣の良性疾患、癌などの悪性疾患と様々な症状の患者が来院してきます。手術が必要になる患者には手術ができる提携病院へ紹介するまでの検査等の準備がありますし、癌に対する抗がん剤治療を外来通院で行う患者もいます。

 

4.産婦人科外来の看護師のやりがいと負担

産婦人科外来の看護師のやりがいと負担

では最後に産婦人科外来で働いたときに感じるやりがいと負担についてお話します。

やりがいと負担というのはどの診療科にもあることです。

しかし、産婦人科という特殊性の強い診療科では内容も違ってきますので、確認してみましょう。

 

命の誕生に直接関わることのできる喜びはやりがいになる

例えば妊娠初期から外来通院してくれていた患者が無事に出産を終えて、生まれた我が子と一緒に再び産後の健診などで外来を訪れてくれたときには大きな喜びを感じます。

お腹にいた頃からその母子に関わってきたので、「この子がお腹にいたのか」と感慨深いことでしょう。

産婦人科外来の看護師は、命の誕生に関わる仕事だからこその「おめでとうございます」「ありがとうございます」という言葉がたくさん交わされるとてもやりがいのある仕事だと思います。

 

補足説明!

ポイント

また、不妊治療で長く頑張ってきた患者の妊娠が判明したときなどは、一緒に達成感や満足感を感じることができますし、それがやりがいに繋がります。

 

様々な感情が交差する診療科であるがゆえ精神的負担も大きい

どの診療科にも当てはまることですが、看護師の仕事は、やりがいばかりではありません。負担に思うこともあります。

特に産婦人科外来は精神的負担が多いと言えるでしょう。

  • 順調に経過していたはずなのに急に胎児の容態が悪くなり、流産や死産となること
  • 不妊治療の末にやっと授かった胎児が成長しないこと

などもあります。

看護師は患者の不安や心配などの心情をよく読み取りながら決め細やかな関わりを必要とされるので、患者に感情移入してしまうことがあります。

そのような場合はその辛さや悲しみを一気に感じてしまうので、精神的に負担を感じてしまうことも多いでしょう。

 

中絶の場面にも遭遇します

産婦人科外来は中絶の場面にも遭遇します。

望まれないことや、何らかの事情で出産することができない命を中絶という形で絶ってしまうことが、いたたまれなく辛くなることも多いのが現状です。

このような精神的負担は産婦人科外来の看護師という仕事には切り離せないものなのです。

 

まとめ

産婦人科外来で働く看護師の役割が少しでもイメージできましたか。

産婦人科外来の看護師は、日々多くの女性の喜びや悲しみ、痛みなどに共感し寄り添いながら、とても充実した看護を行うことができます。

また、自分自身の経験を看護に生かしたり、患者との関わりを自分自身の今後に生かすことができたりと、看護師としてだけでなく一人の女性として多くのことを学び、成長させてくれる職場であると言えます。

そしてそれが産婦人科外来で働く看護師の魅力です。

この記事で産婦人科外来の看護師の役割をしっかりお伝えでき、皆さんが産婦人科外来により興味を持っていただけたら幸いです。

久美子

【福岡県(海外在住)/41歳・資格:看護師】

三児の男の子の母と看護師の両立に奮闘しながら総合病院の看護師として勤め、その勤務経験は10年以上。常勤看護師として小さな子供を抱えながら夜勤もやっていました。現在は夫の都合で海外在住で、看護師はしていませんが看護師ライターとして活動しています。様々な科での勤務経験と、看護師と出産・育児との両立経験を生かし、皆さんが知りたいという内容を分かりやすくお届けしたいと思います。

運営会社 ・記事等に関する問い合わせ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。