在宅看護専門看護師になるには!役割を解説。

在宅看護専門看護師の活動をご存じでしょうか。在宅看護専門看護師は、2012年に認定が開始され、2018年4月現在46名の方が全国で活動されています。在宅看護専門看護師の活動の場としては、病院や大学、訪問看護ステーションなどがあります。

まだ、認定を開始して今年で6年目になる在宅看護専門看護師の役割や資格取得のための条件について、詳しくご説明します。

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1.在宅看護専門看護師の役割

在宅看護専門看護師の役割

(1)疾患を抱え療養する患者と家族への直接ケア

在宅看護専門看護師は、在宅で療養する患者さんやご家族が、適切な療養生活を整え可能な限り在宅療養を続けるために直接ケアを行うことも役割の一つになります。

訪問看護ステーションや、病棟の在宅支援室などを活動の場とし、患者さんやご家族が暮らす在宅の場に直接出向いて看護ケアを提供していきます。

その直接ケアを通して、療養生活を続けるうえで問題となる生活環境や家族関係などを客観的に判断し、必要に応じた多職種と調整したり、解決策を提案した上で本人・ご家族に働きかけてくることが役割になります。

 

補足説明!

ポイント

在宅看護専門看護師は、直接ケアを実践しながらも、表面的な問題に惑わされず、本質的な問題を見出し、解決するために十分なアセスメントを行うことも大切な役割の一つになります。

 

(2)地域で活動する保健医療福祉スタッフとの協働

地域で活動する保健医療福祉スタッフとの協働

在宅療養を支え続けるには、医師や看護師などの医療スタッフだけでは不可能です。

行政や福祉に携わりながら患者・家族を支えるスタッフとの協働が、患者さんの在宅療養を支えるには不可欠です。

在宅看護専門看護師は、在宅療養看護の専門家として、医療知識が不足しがちな行政や福祉従事者の相談や教育を行い、患者・家族にとってより良い療養環境を整えることが役割の一つです。

 

ケアプランをケアマネージャーと協働して考える

特に、在宅療養を続ける患者・家族にとって、ケアマネージャーとの関係は深く身近なものです。

ですが、時に、ケアマネージャーが提案するプランが、患者・家族にとって医療的視点に欠ける場合もあります。そのような時に、在宅看護専門看護師は、医学的知識や患者・家族の意向に沿えるケアプランをケアマネージャーと協働して考える役割も担っています。

 

(3)ケアシステムの構築

ケアシステムの構築

在宅に移行する患者は、これから更に増加が予測されています。その在宅ケアの現場だけで活動を続けることは、個々のケースのQOLの向上につながっても、地域ケア全体のケア向上につながるとは限りません。

逆に現場の煩雑さに埋没し、全体が見えなくなる可能性さえあります。

在宅看護専門看護師は、大学や行政と連携し、在宅療養を続けるうえでの問題点や課題を抽出し、解決策を考え、誰もが安心して在宅療養を続けるための新たなケアシステムの構築のために活動することも求められる役割です。

 

大学や行政と連携し、研究などを通して在宅療養における問題点や課題を視覚化する

在宅看護専門看護師が大学院を卒業する意味は、大学や行政と連携し、研究などを通して在宅療養における問題点や課題を視覚化するためでもあります。

訪問看護師やケアマネージャーや福祉職が形にしにくい部分を明確化することが、在宅看護専門看護師には求められています。

 

(4)家族や地域に潜む倫理的問題を解決する

在宅看護専門看護師に限らず、専門看護師には倫理調整を行うことが役割の一つです。

特に、在宅看護専門看護師は在宅という閉鎖的な環境の中で発生する倫理的問題の調整を行うことが求められます。

 

補足説明!

ポイント

例えば、家族からの虐待や、治療継続に対する意思決定、終末期ケアなど、家族だからこそ在宅だからこそ密着して巻き込まれがちな倫理的問題を客観的に判断し、対応することが求められます。

 

(5)在宅看護・介護スタッフへの教育

在宅看護・介護スタッフへの教育

在宅看護専門看護師は、患者・家族の療養環境の向上を図るために、在宅ケアに関わる看護・介護スタッフへの根拠に基づく教育も役割の一つになります。

そのためには、定期的に在宅ケアについての講義や勉強会・研修を行うことが必要になります。

在宅看護専門看護師は、まだ全国で46名しかいませんし、地域に偏りがあります。

その中で教育的役割を果たすためには、地域に根差した地道な教育活動を行うことがその一歩になります。そして、在宅看護専門看護師同士が連携し、在宅看護に必要な教育システムの構築を行うことも役割の一つです。

 

2.在宅看護専門看護師になるには

在宅看護専門看護師になるには

上画像のような流れで在宅看護専門看護師資格を取得することが出来ます。

また現在、在宅看護専門看護師資格保有者の推移は以下の通りです。

【在宅看護専門看護師数の推移】

201210名
201315名
201423名
201526名
201636名
201747名

役割などで説明している通り、現在47名の在宅看護専門看護師となり、毎年10名前後増えています。

それでは、さらに詳しく資格取得条件について確認していきましょう。

 

在宅看護専門看護師の資格取得条件

(1)専門看護師の基本条件

  • 日本国の看護師の免許を有すること
  • 実務研修が通算5年以上あり、うち3年間以上は専門看護分野の実務研修(※1)であること
  • 日本看護系大学協議会が定める専門看護師教育課程基準の所定の単位(総計26単位または38単位)を取得していること
  • 認定審査(書類審査・筆記試験)に合格
  • 専門看護師認定証交付・登録
  • 5年ごとに更新(看護実践の実績、研修実績、研究業績等書類審査)

 

(2)在宅看護専門看護師の実務研修(※1)

  • 看護師の資格取得後、実務研修が通算5年以上であること
  • そのうち通算3年以上は専門看護分野の実務研修をしていること
  • 在宅ケアを要する患者に対する在宅看護の実務研修。所属する機関や施設種別を問わない

他の専門看護師資格と違う部分としては、「在宅ケアを要する患者に対する在宅看護の実務研修」があることです。

 

(3)専門看護分野のその他実務研修

  • 個人、家族及び集団に対する直接的な看護実践
  • 看護職を含むケア提供者に対するコンサルテーション
  • 必要なケアが円滑に行われるための、保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーション
  • 個人、家族及び集団の権利を守るための、倫理的な問題や葛藤の解決をはかる倫理調整
  • ケアを向上させるための、看護者に対する研修会、研究指導及び講演会等での活動を含む多様な教育的機能
  • 専門知識及び技術の向上並びに開発をはかるための実践の場における研究活動

現在、常勤、非常勤勤務を問わず実践を行っていること。

 

専門看護師に必要な単位について

日本看護系大学協議会による「専門看護師教育課程の審査」は、2020年までに旧基準の26単位から38単位の専門看護師教育課程基準に意向されます。

  • 2023年以前の専門看護師資格者は追加履修の必要はない
  • 2024年度から38単位のみでの申請となる

専門看護師の教育課程基準が変更になり、単位取得に約2年程度かかるため、2020年までは26単位で可能、2021年からは36単位で取得した方が良いでしょう。

 

在宅看護専門看護師の単位取得ができる大学院一覧

北海道北海道医療大学大学院(38単位)
札幌市立大学大学院(38単位)
栃木県獨協医科大学大学院(38単位)
国際医療福祉大学大学院(26単位)
千葉県順天堂大学大学院(38単位)
東京都聖路加国際大学大学院(38単位)
日本赤十字看護大学大学院(*38単位)
東京慈恵会医科大学大学院(38単位)
山梨県山梨県立大学大学院(26単位)
大阪府大阪府立大学大学院(*38単位)
兵庫県兵庫県立大学大学院(*38単位)
神戸市看護大学大学院(38単位)
高知県高知県立大学大学院(*38単位)
福岡県日本赤十字九州国際看護大学大学院(38単位)
熊本県熊本大学大学院(38単位)

(2018年4月1日現在)(*26単位から38単位に変更)

専門看護師の中でも比較的新しい資格のため、他の専門看護師資格よりも、受講できる大学院は少なくなっており、基本的に38単位の大学院が多いです。また、2017年から2018年にかけて新規認定されている大学院も多く、今後増えていくものと考えられます。

 

在宅看護専門看護師にかかる費用について

入試検定料約5万円
2年間の学費220万円
教材費約10万円
専門看護師の登録費用約5万円
   合計約240万円

※ここに記載してある費用に加え、無給となる2年間の生活費用も考慮する必要があります。

専門看護師を目指す看護師の方は「専門看護師支援がある病院への看護師転職で知りたい6つのポイント」を確認してください。

 

3.まとめ

在宅看護専門看護師は、全国に46名と、まだまだ少人数です。大学・病院・訪問看護ステーションなどで活動しながら、対象となる在宅療養中の患者・家族の直接ケアにとどまらず、患者・家族の快適な療養を阻む様々な問題や課題を見出し、解決する役割を担います。

そのため患者・家族と共に現場で悩むだけでなく、俯瞰する立場を取り、必要に応じて倫理調整や、行政・介護・福祉の専門家と協働し、より良い療養環境を創り出すことも役割の一つになります。

直接ケアを積み重ね、研究的視点を持ちつつ、在宅療養に発生する患者・家族だけでは解決困難な問題を解決し、より良い療養環境を提供すべく在宅看護専門看護師は活動しています。

専門看護師を目指す看護師の方は「専門看護師支援がある病院への看護師転職で知りたい6つのポイント」を確認してください。

 

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はたらきナース

監修者

亀岡さくみ看護師
監修 亀岡さくみ看護師
  • 2011年3月:日本赤十字看護学校卒業
  • 2011年3月:看護師免許取得
  • 2011年4月:日本赤十字医療センター入社(3年間勤務)
  • 2015年3月:株式会社peko勤務
  • 2015年4月:はたらきナース監修

現在は、今までの経験を活かし「はたらきナース」を執筆・監修を行っています。

この記事は「」さんが執筆しました。

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