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フライトナースになるには?転職方法と1日の仕事内容について

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フライトナースになるための方法

看護師のさらなるステップとして、フライトナースの仕事があります。最近ではテレビやドラマでも取り上げられることがあり、その知名度は上がってきているため、多くの看護師や看護学生が憧れもち、それを目標にしています。

その分フライトナースは狭き門であり、誰もがなれる職業ではないと思います。ただ、決して諦めなければならないものでもありません。なりたいと思った時が、挑戦のスタートです。

このページでは、フライトナースの特徴・転職方法・1日のスケジュールと仕事内容の詳細・必要なスキル・メリットをご紹介します。フライトナースに興味のある看護師の役に立てれば幸いです。

1.フライトナースの特徴

フライトナースの特徴

フライトナースの特徴は、病院内での通常業務(主に救急外来や集中治療室)に加えて、ドクターヘリで現場へ行って屋外での現場活動が主になることです。

現場では初期治療に加え、救急車やドクターヘリで病院まで搬送を行います。そのため、病院内の安全で広く衛生的な環境とは異なり、危険を伴う限られたスペースでの活動になることが多いです。

他にもフライトナースの特徴を以下にご紹介します。

 

フライトスーツと無線機の着用

普段の病院勤務ではナース服やスクラブスタイルで勤務することがほとんどですが、フライトナースとして働く時は屋外・ヘリコプターでの活動に影響のない特殊なフライトスーツを着用します。

そして、常に無線機を身につけることになります。いつどこで要請が入るかわからないので、勤務中は無線機を持ち歩き、要請が入ればすぐにヘリポートへ行けるようにしておきます。

 

フライトスーツは高い性能・機能性を兼ね備えている

各施設によって多少の違いはありますが、フライトスーツは耐熱で摩擦に強く破れにくく、かつ動きやすい特性があり、屋外の活動に適したスーツです。

性質だけでなく、現場活動で必要な物品(ハサミ、ペンライト、鉗子、ペン類、駆血帯など)が収納できるポケットがたくさんあり、機能性も考えられています。

 

ポイント!

ポイント

服だけでなく、靴も安全靴やトレッキングシューズを着用し、屋外での活動での安全性を考慮した格好となります。活動に関わる人間が二次災害を被らないように最低限考える必要があります。

 

病院外で医療職者以外の人との関わりが特に多い

病院内での勤務でも他職種の方と関わることが多くありますが、それ以上にフライトナースは多くの方と関わる機会があります。

  • ヘリのパイロット
  • 整備士
  • CS(Communication Specialist)
  • 救急・消防隊
  • レスキュー隊
  • 警察
  • 傷病者の関係者または通報者
  • 傷病者の家族

このように、医療関係者以外とのコミュニケーションが実に多くあります。また、搬送先病院も多くあるため、搬送場面でも各病院の医療関係者と話す機会が多く、すべての場面においてコミュニケーションスキルが大切になります。

 

2.フライトナースへの転職方法

フライトナースの転職方法

フライトナースとして働くためには、救命センターや救急指定病院などで経験を積む必要があります。救急外来・病棟などであらゆる症例を経験し、最低でも5年の勤務経験が必要と言われています。

なぜなら、実際に現場に出れば医療者は医師と看護師の2人、あとは救急隊員という組み合わせがほとんどであり、「経験したことない症例は対応できません」などと言えないからです。

フライトナースへ転職するには、できる限り特殊症例も含める様々な症例を病院内で経験することや、救急だけでなく、集中治療室・手術室などの急性期に関わる部署での勤務を経験した上で、幅広い知識・技術を身につけなければなりません。

 

ドクターヘリの基幹病院に就職する

いくら救急専門の分野で経験を積んでも、その病院がドクターヘリを持っていなければいつまで経ってもフライトナースに挑戦できません。そのため、ドクターヘリを持つ基幹病院で就職する必要があります。

初めからフライトナースを目指すのであれば、全国にあるドクターヘリを持つ基幹病院(3次救急指定病院)に就職するのが良いかと思います。

ただし、病院によってフライトナース基準が違うので、その点はしっかりと下調べしてください。看護師の中でも人気のある仕事なので、病院によっては全国からフライトナースを目指してくる所もあります。

看護師経験だけでなく、ある程度その病院に勤務しないとフライトナースに挑戦すらできないこともあります。

 

ポイント!

ポイント

実際にその病院で勤務するフライトナースに話を聞けるのが1番良いですが、難しいようであれば病院見学して自分をアピールしておくことも大事になります。

 

3.フライトナースの1日のスケジュールと仕事内容

フライトナースの仕事内容

フライトナースの1日のスケジュールは以下の通りです。

時間 仕事内容
8:00〜8:30 準備
・フライトスーツの着用
・無線機の着用
・必要物品の装備
・メイン・セカンドバックの確認及び点検
・使用する薬剤・機器の確認及び点検
・その日の天候の確認
・所属病院の手術件数確認
・所属病院の在庫輸血数の確認
8:30〜9:00 ERまたはICUでの申し送りに参加
9:00〜9:30 ブリーフィングに参加
・ヘリポートで医療者とヘリスタッフ間で打ち合わせ
(情報交換や現場シミュレーションなど)
9:30〜 各部署での勤務
・その日の担当部署での日常勤務
(ただし、基本的には患者を受け持たない)
12:00〜13:00 昼食
13:00〜17:00 各部署での勤務
17:00〜17:30 デブリーフィングと片付け、その他準備
・活動した事例に関して、ヘリスタッフとの話し合い
・出動した事例の書類の整理
・使用物品の確認・補充

各施設によって多少変わりますが、おおまかな流れはご紹介した通りです。

以下に詳しい仕事内容をご紹介いたします。

 

エマージェンシーバッグ・薬剤・使用機器の確認・点検・準備など

フライトスーツに着替えたら、専用の無線を身につけることから始まります。その後は、エマージェンシーバッグ・ウエストポーチの中身の確認、薬剤の確認をし、ヘリ機内のモニター・シリンジポンプ・輸液ポンプ・吸引器・酸素残量などの点検をします。

その他、天候で飛べない場所や降りられない場所が出てくるため、その日の天候・緊急手術に対応できるか確認するために手術件数・集中治療室の空床数なども確認します。

 

救急外来・救急病棟・集中治療室などでの一般勤務

病院毎に仕事内容は若干変わってきますが、基本的には病院の一般勤務と兼任してフライト業務を行うことがほとんどです。そのため、要請がない時は、救急外来や救急病棟、または集中治療室など仕事をしています。

 

ポイント!

ポイント

いつ現場から要請が入るかわからないため基本的に受け持ち患者はおらず、受け持ち患者がいたとしても必ずその患者を引き継げるように他の看護師がフォローしてくれる体制をとっています。周りのスタッフの協力があってこそ現場で活動ができます。

 

現場要請時の出動

現場からの要請は突然入ります。朝一の準備をしている時、救急車を受け入れている最中、ご飯を食べている時やトイレに入っている時もいつ何時要請が入るかわかりません。慣れるまではストレスがあります。

要請が入ればすぐにフライトドクターと共に急いでヘリポートへ向かいます。

 

ポイント!

ポイント

要請内容は、必要最低限しか伝えられないため(例えば、60歳男性交通外傷、70歳女性、畑仕事中に胸痛など)、予測がつかないことも多々あるので常に頭はフル回転です。

 

現場移動中のミーティング

海・山・道路(高速道路)・屋内など様々な場所での現場活動があります。病院によってヘリ搭乗人数は変わりますが、医療者はフライトドクター1名、フライトナース1名、現場の救急隊員で対応します。

ヘリで現場へ向かっている最中、必要最低限の情報や救急隊からのセカンドコールなどから、現場状況・傷病者の状況を予測し、機内で医師と戦略を立て、フライトドクターと共通認識を持ちどのようにして処置するかを話し合います。

 

ポイント!

ポイント

予測できていないことに関しては、現場での判断が遅れてしまうので、この時からすでに戦いは始まっています。

 

現場での活動

現場近くのランデブーポイント(ヘリの着陸場所)に着くと、救急隊と接触します。救急車内で接触することもあれば、現場に案内され、そこで傷病者に初めて接触することもあります。傷病者数、状況を把握し、すぐさまアセスメント、処置に入ります

現場でできることは、FAST・心エコー・全身脊柱固定などの侵襲の少ないものから、静脈路の確保・点滴・CPR(心臓マッサージ、気管挿管、薬剤投与など)や胸腔穿刺など状況に合わせて初期治療を開始します。

それと同時に、的確な搬送先も考慮しておく必要があります。フライトドクターは傷病者の治療に専念することがほとんどなので、フライトナースはその治療の補助だけでなく、救急隊や傷病者の家族の対応なども行う場面が多々あります。

また、現場の状況によっては(事故や救助活動など)、救急隊に加えてレスキュー・警察などあらゆる職種の方が加わります。もちろん野次馬などもいるでしょうから、救命を急ぎつつ傷病者のプライバシーにも配慮します。

そして、フライトドクターと適切な搬送先を考えつつ、救急隊の協力のもと機内に搬入します。現場で治療を完結するために時間を使うのではなく、救命に必要な最低限の処置(初期治療)を現場で行い、いち早く現場離脱し病院で搬送することが仕事内容となります。

 

機内での継続治療

機内に搬入後は、症状・バイタルサインなどをモニタリングしながら搬送します。基本的には、フライトドクターが傷病者の頭側に位置し、フライトナースが傷病者の横側に位置する形をとります。

傷病者の状態が悪化した際に、気管挿管などすぐに処置ができるようにしています。状態に合わせて、機内の継続的に処置をする場合もあります。

 

現場活動記録の記載

現場・機内でさまざま処置や対応をしながら、現場の活動記録を記載します。搬送先の病院に引き継ぐ際の大事な情報になりますので、できる限り搬送先に到着するまでに記載すべき内容は全て記載します。

傷病者の基本的な情報(氏名、年齢、性別、住所、SAMPLE)、出動要請内容から傷病者の状態、実施した処置、家族情報などを活動時間の中で記載するのは、かなり大変なことですが、記録は確実に正確に記載します。

 

ポイント!

ポイント

今後の傷病者の治療のためにも、自分たちの活動内容の振り返りのためにもとても現場活動記録の記載は必要なことです。

 

病院への傷病者搬送

搬送先病院から直近のランデブーポイントに着陸後、ストレッチャーのまま救急車に搬送して移動するか、そのままストレッチャーで病院へ搬送します。

 

使用物品の補充と現場活動記録の保存

傷病者搬送が終わり、自分の病院へ帰院したら使用した物品(点滴や薬剤など)の補充をし、次の要請に備えます。また、現場活動記録を整理・保存します。

 

症例検討会参加

病院毎に症例検討会が行なわれていると思います。話し合う内容は色々とありますが、現場活動での成功・失敗、今後の課題・目標、特殊症例などの情報交換・共有など、自分が体験した症例以外の話を聞くことで、より幅広く知識をつけていきます

 

ポイント!

ポイント

症例発表の担当者は、自分の知識・技術をさらけ出すようでとてもストレスのあることですが、いろんな人からの意見ももらえるため、積極的に行うと良いです。

 

後輩フライトナースの育成

自分の成長に努めるとともに、今後のフライトナースを育成することもとても大切な役割です。今のフライトナースが一生涯働けるわけではありませんし、フライトナースは精神的にも体力的にもとても負担のかかる仕事です。

特に体力に関しては、普段から走ったり、スポーツしたりして鍛えているフライトナースが多くいます。いつどこでどんな要請に当たるかわからないからこそ皆さん努力しています。

そう言った意味でも、自分の代わりに誰か交代できる人材を作り、良いものを次に繋げる、伝えていく作業は欠かせません

 

4.フライトナースに求められるスキル

フライトナースに求められるスキルを述べる女性看護師

フライトナースに求められるスキルは「幅広い医療知識と技術」です。これをなくしてはフライトナースとしての職務を勤め上げることができません。

ヘリコプターに乗る医療職者はフライトドクターとフライトナースのみなので、フライトドクターの指示待ちをしている時間は当然なく、フライトナースは自分で考え行動し、こちらから提案できるくらいにならないといけません。

場所についても屋内での狭い場所や救急車・ヘリ機内の限られたスペースでの作業となるので、普段簡単にできていた処置ができない環境です。また、使用物品に関しても、限られた薬剤・物品で勝負しなければいけません。

 

コミュニケーション力とリーダーシップ力

病院内での勤務でも看護師は、同病棟の看護師だけでなく、患者・家族・他職種などと関わることが多く、常にコミュニケーション能力を求められます。しかしながら、フライトナースはそれ以上にコミュニケーション能力が必要です。

毎回違った場所、緊迫した場面、初めて会う救急隊員達。その中で、円滑に的確に安全に作業をしていくためには、病院以上にコミュニケーションが取れる必要があります

また、周囲の状況を見ながら、フライトドクターが円滑に傷病者の処置ができるよう周りをコントロールする必要があります。常に医療だけでなく、あらゆることに目を向け配慮する。そういう点においてリーダーシップ力も必要となります。

 

継続力と柔軟性のある考え方

継続力に関しては看護師全体に言えることですが、常に向上心を持って勉強を継続する力はフライトナースに必須なスキルです。

また、現場では予想外の場面にも遭遇することもあるので、そういった場面で柔軟な考え方ができるかも必要です。「この時はこう対応する」というマニュアル化できるものは丸ごと覚えてもいいですが、それだけでは、対応できない場面が必ず出てきます。

常に「もしこうだったら」と考えてイメージトレーニングし、柔軟な考え方を養うことも大切になります。

 

地域医療事情の把握

フライトナースはあらゆる場所が現場活動の場所になりますので、活動範囲内の医療事情について把握しておく必要があります。

活動場所がどの位置であるのか常に把握し、現場活動の場所や傷病者の状況から、その場面での一番適切な病院に搬送決定することを求められるからです。

そのため、どの病院はどんな症例には対応でき、また逆に対応ができていないのか知っておくことで、現場でスムーズに搬送先病院を決定することができます。地域で活動するからこそ、より地域の医療事情には詳しくなっておかなければなりません。

 

5.フライトナースのメリット

フライトナースのメリットを述べる女性看護師

フライトナースは道路・山・海などの場所での活動や、雨・雪など天候の中での活動もあるため、一般の病院に勤務する看護師と比べて危険と遭遇する可能性が高く、常に安全確認と2次災害が起こらないように注意が必要です。

このように、危険と隣合わせというデメリットもありますが、フライトナースになることはメリットが多いです。そのメリットを以下にご紹介いたします。

 

病院の中で経験できないようないろんな経験ができる

病院の中だけでは経験できないようなことが経験できるというのは間違いないです。病院外のいろんな職種の方とも顔見知りになることができ、いろんな集まり、症例報告会や勉強会に参加するようになります。

いろんな症例・いろんな職種の方との出会いがあり、看護師としても人としても成長できる場面がたくさんあります。

 

仕事に対するモチベーションと責任感がさらに高まる

病院の中で働いている以上にやるべきことを考える機会が多くなり、フライトの仕事・看護師の仕事に関して、やる気を常に持たないとできない状態になります。

その分勉強も経験もたくさんしますので、看護師としての知識・技術の幅はかなり広がります。また、病院外での活動はフライトスーツを着ている以上、そのフライトメンバー、強いては基幹病院の代表として周囲から見られます

そのため、より責任感を持って仕事をすることができ、それがさらなる自信につながります。

 

給料に危険手当が入る

給料の面に関して、危険手当が加算されます。やりがいを持って仕事をすることができ、看護師としてのスキルアップになる経験ができるのに手当てがつくことはとても嬉しいメリットです。

 

ポイント!

ポイント

各所属病院によって、手当金額の違いはあります。ただ、そんなに大きな額ではないかもしれませんので、各病院で確認してください。

 

6.まとめ

すでに看護師として勤務している方であれば、今いる自分の場所からどのようにすれば、その目標を達成できるのか、常に考え行動するようにしたら良いかと思います。そうすれば自然と何を勉強し、どんな情報を収集すれば良いかわかります。

「私には無理。できない。なれない。」と思ったら、決してチャンスは回ってきません。考えていても行動しなければ何も始まりません。自分は出来ると信じて、まずは行動を起こしてください。

決して楽な道ではないかもしれませんが、やりがいのある仕事なので是非挑戦してみてください。


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この記事を書いた人

看護大卒後、スポーツ関係の大学院に進学。その後、看護師として就職するも、仕事の日々に疑問を感じ、幾度となく看護師をやめては海外へ放浪してました。看護師歴は12年、これまで大学病院から民間病院、都市部から地方、海外の病院で勤務したことがあります。
また、海外ボランティアなどの経験もあります。現在は日本と海外の両方で現場経験を積みながら、看護師ライターとして活動中です。違った角度からみなさんに役立てる情報が書けるようにできたらと思います。


カテゴリー:看護師の仕事内容・業務

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この記事を書いた人:UG
(公開日:)(編集日::2017年04月28日)

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