人間ドック施設で働く保健師の仕事内容・必要なスキル・メリットデメリット

笑顔の二人の保健師

人間ドック施設で保健師になるためには保健師の資格以外は必要なく、施設で保健師の募集があれば比較的簡単になることができます。

人間ドック施設の保健師求人は市町村で働く保健師に比べ、地方公務員採用試験もないので「とにかく保健師の資格を使って働きたい」という方には、特に向いているでしょう。様々な求人媒体を使って、保健師募集を見逃さないことが秘訣です。

ここでは、人間ドック施設で働く仕事内容のメリット・デメリットや、求められるスキル等について説明していきます。

1.人間ドック施設の保健師の仕事内容

バインダーを持つ保健師

人間ドックの保健師の仕事内容は、大きくは「成人保健」に分類される業務です。その中でも健診業務がメインとなるため、非常に仕事内容は絞られています。

人間ドック施設で働く保健師の1日のスケジュールの一例を挙げてみます。

7:30~ミーティング、宿泊ドッグの方への対応
8:00~健診介助
11:00~情報提供(受診者全員を対象とした簡単な健康教育)
13:00~医師の結果説明介助
14:00~保健指導
16:00~ミーティング
(継続フォロー者への連絡・明日の準備・健康教育の準備・二次検査管理等)
17:00業務終了

以下に具体的な保健師の仕事内容について説明していきます。

 

健診前の問診

健診の前に、問診を行います。検査の適正・検査項目の確認・検査内容の説明等、受診者が自身の健康状態をしっかり把握できるようサポートします。

 

健診後の保健指導

人間ドッグのコースにもよりますが、ほぼ当日に健診結果が出るため、その結果に基づき、特定保健指導、医師の指示に基づく保健指導をメインに行います。

医師の指示に基づく保健指導の内容は、メタボリックシンドロームが大半を占めます。

それ以外にも、二次検査についての補足説明やメタボリックシンドロームに入らない項目、甲状腺機能や腫瘍マーカー、肺CT、脳ドックについて等の指導をすることもあります。

 

メタボリックシンドロームの指導内容

メタボリックシンドロームの指導内容は、高血圧、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)、肥満症、中にはメンタルが起因のメタボリックシンドローム、SAS(睡眠時無呼吸症候群)が起因の場合もあるので、なぜメタボリックシンドロームになったかという生活習慣の振り返りに焦点を当てて保健指導を行います

 

健診結果配布準備・確認、二次審査フォローと健康教育

人間ドックの保健師の仕事内容として、健診結果配布準備・確認、二次検査フォローと健康教育も挙げられます。

健診結果配布準備・確認は、全ての結果が出てきた際、医師の最終確認の前に結果に誤りがないか等、確認を行います。

二次検査フォローは、二次検査の指示で紹介状が出た方への受診確認と結果処理・統計等を行い、健康教育は、主に人間ドッグ受診者を対象に、生活習慣を改めてもらうための様々な教室を企画・運営します。

 

ポイント!

ポイント

保健師の仕事以外にも、ほとんどの施設が、看護師と一緒に、健診時に「腹囲測定」・「採血」・「医師の診察介助」等、健診介助を行います。

 

2.人間ドック施設で働く保健師に求められるスキル

受診者と対話する女性保健師

人間ドック施設で働く保健師に求められるスキルには、以下の3つが挙げられます。

  • 検査結果に対して十分に指導する力
  • 検査内容の把握
  • 柔軟なコミュニケーション能力

それぞれについて詳しく説明していきます。

 

メタボリックシンドロームに関する保健指導スキル

人間ドック施設での保健指導の内容はメタボリックシンドロームが大半を占めるため、「メタボリックシンドロームに関する保健指導が十分にできること」が必須です。

 

ポイント!

ポイント

特定保健指導はもちろん、特定保健指導以外のメタボリックシンドロームに関連した保健指導が行えることが大切です。

 

検査内容の把握

人間ドック施設では、検査の内容が多岐に渡るため、それぞれの検査内容を十分に把握することも必要なスキルです。

それぞれ健診項目で指摘されそうな箇所については、知っていると非常にやりやすいでしょう。

 

人間ドック施設で行う検査内容

人間ドック施設で行う検査内容は以下の通りです。

  • 身体計測
  • 胸部X線検査をはじめとする基本健診の項目
  • 血液検査
  • 腹部超音波検査(肝臓・膵臓・腎臓・腹部大動脈等)
  • 眼底検査
  • 肺CT
  • 脳ドック
  • 婦人科健診

血液検査では、通常の項目以外に腫瘍マーカーや糖負荷検査、甲状腺機能やC型肝炎等の感染症の検査があります。また、施設によってはSAS(睡眠時無呼吸症候群)の検査行っている場合もあります。

 

柔軟なコミュニケーション能力

人間ドック施設で働く保健師に求められるスキルとして、柔軟なコミュニケーション能力もその1つです。

なぜなら、保健師という仕事柄、大勢の人の前で「健康教育」をする機会もたくさんあり、個人で受診者と接したりすることもあるためです。

 

3.人間ドック施設で働く保健師のメリット

笑顔の三人の女性保健師

人間ドッグ施設で働く保健師のメリットとしては、まず「残業が少ない」「夜勤がない」「日曜・祝日が休みの場合が多い」という勤務形態の良さが挙げられます。

もちろん、受診者が多い時期など残業はありますが、自分の都合で仕事を調整できることが多いです。日曜日や祝日が休みとなる為、休みが合わせやすい・取りやすいことはメリットとして挙げられます。

その他のメリットについて以下に詳しく説明していきます。

 

多少のブランク・臨床経験が少なくても勤めやすい

母子保健分野、老人保健分野は長年の臨床経験が重要となるケースも多いですが、人間ドック施設の場合、コーチングなどの保健指導スキルを身につけていれば、臨床経験がなくても比較的無理なく、仕事ができます。

 

職場の人間関係が良好

人間ドック施設で働く保健師のメリットとして人間関係が良いことも挙げられます。皆、同じような勤務形態のため、ストレスも少なく、コミュニケーションが取れる時間もあるからだと言えるでしょう。

 

生活習慣が整う

人間ドック施設にいると、自分自身も「太ってはいけない」「健康的な食事をしよう」などといった健康意識が高まり、生活習慣が整うことが多いです。

 

4.人間ドック施設で働く保健師のデメリット

上を向いて考える女性保健師

人間ドック施設で働く保健師のデメリットは、メリットばかりが浮かんでしまい、あまり挙げられないのですが、あえて挙げるとするならば、「臨床の面白さがない」・「仕事が単調化する」・「他分野への転職がしにくい」ことが挙げられます。

それぞれのデメリットについて詳しく見ていきましょう。

 

臨床の面白さがない

人間ドック施設で働く保健師のデメリットとして、臨床の面白さがないということがあります。先程述べたように、人間ドック施設での仕事は、成人保健分野の中でも「健診業務」に特化しています。

対象とする方々は「健常者」で、その関わりも保健指導の継続フォローを除いては、その時限りとなります。

 

仕事が単調になりやすい

保健師として人間ドック施設で働く事によって、採血のスキルや保健指導のスキルは身に付きますが、比較的仕事が単調になりやすいこともデメリットの1つです。

その単調になりやすい仕事を「つまらない」「やりがいがない」と感じてしまう人は多いでしょう。

 

他分野への転職がしにくい

人間ドック施設で働く保健師は、他の分野への転職がしにくい可能性があります。それは、転職を考えた際にスキルとして挙げられることが、採血や保健指導のみとなるためです。

 

5.人間ドック施設の保健師として働いて楽しかったこと・辛かったこと

バインダーを持ってこちらを見る女性保健師

人間ドック施設の保健師として働く上で楽しかったこととして、自分が保健指導した方が生活改善してくれたことが挙げられます。逆に辛かったこととして、早期発見が遅れたことが挙げられます。

人間ドック施設の保健師として働いて楽しかったこと・辛かったことそれぞれについて見ていきましょう。

 

人間ドック施設で働いて楽しかったこと

保健師として人間ドック施設で働いて楽しかったことは、何よりも自分が保健指導した方が生活改善をし、毎年の健診を楽しみに受けに来てくれたことです。

長年しみついた生活習慣を改善することは容易なことではありませんし、他人に指摘されて変えることは相当難しいです。

そのような困難を、保健指導が行動を変えるきっかけとなったことは、何よりも「保健指導をして良かった」と思える楽しい瞬間です。

 

人間ドック施設で働いて辛かったこと

保健師として人間ドック施設で働いて辛かったことは、やはり二次検査フォローをしていても受診につながらず、早期発見が遅れてしまうことです。

1番多かったのは、便潜血検査「大腸がん」ですが、何度連絡をしてもなかなか受診してもらえないケースもたくさんあります。

 

6.まとめ

最近、「ワークライフバランス」「働き方改革」など、過重労働を見直す動きが活発になってきています。

人間ドック施設で働く保健師は、施設によってかなり差はありますが、対象人数が多く保健師の数が少ない施設等を選ばない限り、ワークライフバランスは保ちやすいです。

仕事の何を優先するかは人それぞれです。ハードワークであったとしてもそこでの臨床経験が充実している、とにかく人間関係が良い職場、給与が良い等々、どの仕事にもメリット・デメリットはあります。

人間ドック施設で働くことを検討している保健師にお役に立てたら幸いです。

監修者

亀岡さくみ看護師

この記事は「」さんが執筆しました。

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