ICLSコースを看護師が受講する方法とメリット

ICLSコースを看護師が受講する方法

救命救急医療での民間認定資格には、BLS、ACLS、ICLSコースがあり「どの資格が自分にとって必要なのか分からない」という看護師もいるでしょう。

「救命処置に自信がない」「蘇生法のスキルアップをしたい」と考えている看護師は、ICLSコースの受講がおすすめです。

ここでは、ICLSコースに注目してコースの内容や受講方法だけでなく、受講のメリットと他コースとの違いをご紹介します。

1.ICLSコースとは

ICLSコースを受講する看護師

ICLSコースとは、どのようなことが学べるのでしょうか。

以下で紹介していきます。

 

ICLSとBLS、ACLS

一次救命処置であるBLS(Basic Life Support)、二次救命処置であるACLS(Advanced Cardiovascular Life Support)はAHA(American Heart Association:アメリカ心臓協会)の定めるコースで、日本だけではなく世界でも同じ内容で認定されている資格です。

ICLSとBLS、ACLSの違いは、認定される協会の違いと網羅するスキルの範囲の違い、受講料金の違いなどがあり、それらについては以下の通りです。

ICLS BLS ACLS
認定する団体 日本救急医学会 アメリカ心臓協会 アメリカ心臓協会
資格内容 一次救命処置+チーム蘇生(※1) 一次救命処置 二次救命処置(※2)
受講期間 1日間 1日間 2日間
資格期限 有効期限なし 2年間有効で更新制 2年間有効で更新制
受講費用 約10,000円 18,100円 38,300円
(※1)一次救命処置+二次救命処置のうち心停止での最初の10分間におけるチーム蘇生
(※2)二次救命処置(心停止以外にも重症不整脈、急性冠症候群、脳卒中など10ケースの診察および治療法)

一次救命処置は、気道確保から胸骨圧迫(心臓マッサージ)、人工呼吸、AEDの使用などによる蘇生法を指し、二次救命処置は、気管挿管や患者の心停止原因に合わせた薬剤投与と全身管理を指します。

 

補足説明!

ポイント

AHAのACLSプロバイダーコースの受講条件には「BLSプロバイダー資格カードを提示すること」となっているため両方受講する必要があり、費用も合計で56400円と高額になりますが、ICLSの内容はBLSとACLS初歩ケースを網羅して費用10000円弱で安価です。

 

ICLS受講対象者とは

BLS、ACLS、ICLSの受講対象者については、以下の通りです。

BLS ・医療関係者だけではなく一般市民や学生などの参加も多い
(一次救命処置で基本的な蘇生法であるため)
ACLS ・救命救急や集中治療などに携わる医療関係者がほとんど
(内容も高度でチーム医療での効果的なリーダーシップとチームダイナミクススキルが求められるため)
ICLS ・一般看護師や他コメディカルに向けて推奨されている
(普段一般病棟で考えられるケースを元に実践できるスキルの向上を目指しているため)

 

補足説明!

ポイント

病院組織として全ての看護師にICLS受講を義務付けている病院もあるため、初めて受講する場合でも挑戦しやすいでしょう。

 

2.看護師がICLSコースを受講するには

ICLSコースを受講する方法を考える女性

ICLSコースを看護師が受講するためには、どのような方法があるのでしょうか。

詳しい説明については、以下で述べていきます。

 

院内で開催されるコースに参加する

看護師がICLSコースを受講するには、自分の所属する病院や関連施設の中で開催するのを待ち、それに参加することが1番良いでしょう。

最近では、院内のコースディレクターが主催し、院内インストラクターによって指導される院内研修会の一環として開催されることがほとんどで、それだけ全員取得や標準化を目指すことも多いです。

私の周りでは、院内研修会で全員参加と言われ、ICLSとACLSの違いもよく分からないまま受講する看護師もいました。

ICLSは、救命処置の基礎的なスキル獲得であるとともに有効期限がないため、新人でもベテランでも1度受講することが推奨され、1年に1回は院内で開催されることが多くなっています。

注意点!

ポイント

ICLS開催予定コースについては、日本救急医学会のホームページより都道府県ごと検索できますが、公募はかなり少ないため、公募コースに参加したい場合は開催場所が遠方になる可能性もあります。

 

3.ICLSコースの当日の流れ

ICLSコースを受ける看護師

日本救急医学会主催のICLSコースでは、5〜6人のグループに分かれて各ブースのインストラクターと共にスキルセッションとシナリオセッションを繰り返し、最後に試験を行い総時間は最低7時間以上と定められています。

詳しくは、以下で説明していきます。

 

スキルセッション

スキルセッションでは、

  • BLS(気道確保、胸骨圧迫、人工呼吸)
  • 気道管理と気管内挿管
  • モニターの読み取り・電気ショック(AED)

を行います。

看護師の場合、実際には挿管介助が行われますが、セッションでは人体模型を使って挿管を実施させて貰い、挿管の実際を知ることができ「医師が楽にできるように」という視点で介助することができるようになります。

 

シナリオセッション

シナリオセッションでは、シナリオに合わせた

  • チーム蘇生BLS
  • 静脈路確保、薬剤投与
  • ALSアルゴリズム実践
  • 原因治療を含めた蘇生

を行います。

突然の心停止の4つのシナリオ(Vf:心室細動、PulselessVT:無脈性心室頻拍、PEA:無脈性電気活動、Asystole:心静止)において、モニター心電図波形を判断してそれぞれの状況に合わせた対応を実践します。

ACLSプロバイダーコースでも同様の実技演習がありますが、ICLSの演習で扱うシナリオはアルゴリズムが簡単で対応しやすいため、ACLSほどの緊張をせずに臨めるでしょう。

 

ポイント!

ポイント

シナリオセッションでは、「チーム蘇生ができるよう、チームリーダーとして統制がとれているか」「チームメンバーは各自役割を果たしているか」が判断されます。

 

試験

試験は真面目に受講していれば、ほぼ合格できる内容で問題数は多めですが、引っ掛け問題や難しい問題はほとんどなく、合格率は高いです。

 

4.ICLSコースを受講するメリット

スキルアップできるICLSコースを受講した看護師

看護師がICLSコースを受講する際のメリットには、どのようなものがあるでしょうか。

以下で見ていきましょう。

 

受講期間・費用が抑えられる

AHAのBLSとACLSを併せて資格取得するよりもICLSひとつだけを受講するほうが内容も限定的で受講期間も費用も抑えられる点は魅力的です。

ICLSも救命処置の基礎スキルを習得していると第3者機関に認定され、救急蘇生法に準拠している内容であるため、今後の業務において必ず役に立つと言えるでしょう。

 

補足説明!

ポイント

ICLSコースを受講することで、資格を保有するメリットよりも業務の中で救命処置の基礎的なスキルを身につけ自信を持てるというメリットが大きいと言えるでしょう。

 

スキルアップができる

ICLSコースを受講すると資格取得だけでなく「インストラクターとして受講者への指導をする」といったスキルアップを目指すことも可能で、コースを修了するだけでICLSアシスタントインストラクターになることができます。

ICLSアシスタントインストラクターとしての活動を1回実施しワークショップに参加すればICLSインストラクターの申請を出すことができます。

 

補足説明!

ポイント

BLSインストラクターやACLSインストラクターは、プロバイダー認定後さらにインストラクターコースを受講して合格しなければならず、ICLSディレクターは医師免許取得者しかなれません。

 

まとめ

ICLSコースを看護師が受講する方法とメリットを紹介してきましたが、いかがでしたか?

ICLSコースの受講を考えている看護師は、是非参考にしてみてください。

あおいロワイヤル

【神奈川県/40歳・資格:看護師、ACLSプロバイダー】

看護専門学校卒業後、大学病院の集中治療室(ICU・CCU)で8年間勤務。出産・育児休暇を経て復職しましたが、夫の転勤のため退職。その後、興味のあった在宅看護に携わりたいと考え転職し、現在は看護師が立ち上げた小規模訪問看護ステーションに在籍する現役訪問看護師2年目です。

転職に迷っている方、病院選びや就きたい仕事選びでリアルな現場の実状を知りたい方への情報を分かりやすくお伝えし、お役に立てればと思います。

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