未経験でもクリニックで看護師として働ける?転職後にぶつかる壁とは

クリニック未経験の看護師

「今まで病院での勤務経験しかないけれど、クリニックで働くことができるのかしら」と、クリニックで働いてみたいけれど、実際に働くイメージが付かずに不安を抱いていませんか。

私も、初めてクリニックで働くことになった時は、とても不安に思っていましたが、結果的にクリニック未経験であっても問題なく働くことができました。

ここではクリニック未経験でもクリニックで働きたい方に、クリニック選びのポイントなどを詳しくご紹介していきます。

1.クリニック未経験でも働くことはできるのか

クリニック未経験の看護師
クリニック未経験でもクリニックで問題なく働くことができるかどうかは、その看護師の経験値によります。

病院での臨床経験が豊富な場合、クリニック未経験でも、クリニックで働くことは何の問題もないと考えます。

ただし、新人看護師であったり、ブランク期間が長かったりと、看護技術に自信がない場合は、そういうわけにはいきません。

以下で詳しく説明します。

 

(1)クリニック未経験でも臨床経験が豊富であれば問題なく働ける

臨床経験豊富なベテラン看護師

クリニックで働く看護師の主な仕事は、

  • 医師の介助
  • 健診業務
  • 採血
  • 点滴

ですので、クリニックが未経験であっても、臨床経験が豊富であれば(最低でも3年以上あれば)、問題なく働くことができます。

私も、クリニックで初めて働くことになるまでは、病棟や病院の外来の経験しかなく、実際に、勤務し始めた直後は、流れがつかめずきつい先輩に嫌味を言われたこともあります。

病棟や病院の外来業務よりも、一般的にクリニックの業務の処置内容は狭く、緊急性もありません。

そのため、臨床経験が豊富であれば、3か月もすれば、独り立ちできると考えて大丈夫です。

 

クリニックの仕事は、病棟の 「処置番」」「フリー業務」「機能別」と同じ

クリニックの仕事は、病棟看護師でいう「処置番」「フリー業務」「機能別看護」に近いです。

与えられた業務を、淡々とスピーディーにこなすことが、クリニックでは求められます。

病棟経験が豊富な看護師であれば、この辺は問題なくこなすことができるでしょう。

逆に腰痛などから解放されます!

もし、腰痛などの持病があり、病院で働くことがしんどい看護師は、未経験でもクリニックで働くことで腰痛などから解放されます。

クリニックに来院する患者さんの多くは、自立しています。車いすが必要な患者さんであれば、ご家族が付き添って来院する場合が多いです。

そのため、患者さんの移送などで腰を痛めることからは、クリニック看護師になることで解放されます。

 

(2)ブランク看護師はクリニック未経験だと難しい可能性がある

ブランク看護師

ブランクがある看護師の場合、クリニック未経験だと、働くことが難しい可能性があります。

なぜならクリニックでは、ブランクを埋めてくれるような教育体制が整っていないにも関わらず、すぐに即戦力として働くことが求められるからです。

今回の動向調査では、多くの潜在看護師が復職への悩みについて「手技や知識への不安」を挙げていることからも、クリニックは潜在看護師の復職先として適していないことがよく分かります。

潜在看護師の復職先はクリニックが人気!本当にそれで大丈夫?」から引用

もし、クリニック未経験のブランク看護師が、クリニックで働く場合には、職場選びに注意する必要があります(詳しくは次項で説明します)。

 

(3)クリニック未経験の新人看護師にはオススメできない

新人看護師

病院での仕事に挫折し、クリニックへ転職したいと思う新人看護師もいるでしょう。

しかし、クリニック未経験の新人看護師に、クリニックへの転職は基本的にオススメできません。

その理由は以下の通りです。

  • 根拠づけのない技術を覚えてしまうリスクがあるため
  • 看護師として成長する機会が少なくなるため
  • 病院(病棟)に転職しにくくなるため

また、繰り返しになりますが、クリニックは「即戦力」が求められる職場ですので、知識も技術も不十分なクリニック未経験の新人看護師には、ブランク看護師よりも働くことが難しいと考えられます。
 

補足説明!

ポイント

クリニック未経験の新人看護師がクリニックへ転職する場合は、こういった事情を十分理解した上で、職場選びを慎重に行う必要があります(詳しくは次項で説明します)。

 

2.クリニック未経験の看護師が求人を選ぶ際のポイント

求人を探す看護師

クリニック未経験の看護師が、クリニックで働く場合の求人探しのポイントについて解説します。

 

(1)臨床経験が豊富な看護師の場合

私の経験上、臨床経験が豊富な看護師の場合、以下のようなクリニックを探すことをオススメです。

 

オープニングスタッフでとして働けるクリニックを探す

男性医師と女性看護師
臨床経験豊富な看護師が、初めてクリニックに募集するなら、院長と一からクリニックを作るつもりで新規オープンクリニックがオススメです。

自分のそれまでの経験を活かすことだけでなく、スタッフに気兼ねせずに自分のやりたい看護を院長に伝えることもできます。

オープニングスタッフへの看護師転職は大変?メリット・デメリットとは」の記事も参考にしてみてください。

 

 知りあいの医師のクリニックに勤める

臨床経験が豊富なら、それだけ知りあいの医師も多いはずです。医師と知り合いという強みを活かすことで、スムーズにクリニック勤務に入りこみやすくなります。

私も、以前一緒に働いたことがある医師のクリニックに勤務しました。周囲のスタッフも、院長の知りあいということで、最初から親切にしてもらった経験があります。

もちろん、「知り合い」ということを前面に出すことで、逆に周囲の反感を買うこともあります。

知り合いがいることで環境的に恵まれている分、周囲に心配りをしながら経験値をひけらかさずにクリニックのやり方を覚えることが何よりも大切です。

 

やりたかった科を選ぶ

クリニックは、それまでの看護経験を活かせるとは限りません。

業務も短調ですし、日々の変化もあまりありません。

だからこそ、好きな診療科や、やりたかった業務ができるクリニックを選択することが、臨床経験豊かでクリニック未経験の看護師にオススメです。

 

(2)ブランクがある看護師の場合

看護知識・看護技術に不安があるブランク看護師の場合は、以下のようなクリニックを選ぶようにしましょう。

 

スタッフ数の多いクリニックを選ぶ

看護師が多いクリニック

ブランクがありクリニック未経験の看護師の場合には、スタッフ数が多いクリニックがオススメです。

忘れかけていた業務があっても、人数が多ければ最初は見学だけで対応してもらうこともでき、多少はフォローしてもらえる余裕があるからです。

 

ポイント!

ポイント

スタッフ数が多いことが予想されるクリニックは「大手の美容外科クリニック」や「規模の大きな総合クリニック」です。

しかし、スタッフ数が多いからといっても、必ずしもフォローしてもらえるとは限らないため、「未経験者歓迎」であるかを必ずチェックする必要があるでしょう。

 

精神科クリニックのような処置が少ないクリニックを選ぶ

ブランクが長く、看護処置やケアに不安がある場合には、処置が少なく急がされない精神科クリニックなどを選ぶのも良い選択です。

精神科クリニックは、電話対応や受付業務なども行う必要がありますが「数をこなさなければならないストレス」などは感じずに済みます。

患者とのコミュニケーションが苦でなければ、ブランクがある看護師であってもスムーズに働くことができます。

 

経験したことがある診療科を選ぶ

ブランクがありクリニック未経験の看護師であれば、経験値がある診療科のクリニックに勤めることで、以前の経験を活かすことができます。

やり方は変わっても、知識がある分、少し勉強しなおせば記憶を修正しつつ業務になじみやすいものです。

看護師は、体で覚えた知識と技術をもっています。ブランクがあっても意外に働いてみると「そういえば、前にやったな」「ここは前と変わったな」と自分の中で咀嚼しつつ業務ができます。

 

(3)新人看護師の場合

考える新人看護師

先ほども述べたように、クリニック未経験の新人看護師がクリニックへ転職することは基本的にオススメできません。

しかし、様々な事情によりどうしても転職をしなければいけない場合は、以下の条件を満たしたクリニックへ転職し、しっかりとキャリアを積んでいくようにしましょう。

  • これまで経験したことがある診療科orこれから極めたい診療科
  • 未経験者歓迎
  • 教育体制が整っている
  • 看護技術が日常的に行われている

クリニック未経験の新人看護師は、上記の条件全てを満たしたクリニックへ転職し、少しでも将来の選択肢を拡げておくようにしましょう。

 

補足説明!

ポイント

クリニック求人は、どこの地域でも非常に多いですから、上記のような条件を全て満たすクリニックを1人で探すのはとても大変な作業です。

ですから、新人看護師がクリニック求人を探す際は、あなたの希望条件を満たした求人をすぐに提案してもらえる「看護師転職サイト」の利用がオススメです。

しかし、このような求人は非常にレアケースですから、予め看護師転職サイトを2~3社同時登録し、求人の選択肢を増やせるようにした方が良いでしょう。

 

3.クリニック未経験の看護師が転職してぶつかる壁とは

驚くクリニック看護師

特に、臨床経験が豊富な看護師だと、クリニックへ転職すると必ず様々な「壁」にぶつります。

最後に、私がクリニックへ転職してぶつかった「壁」をご紹介致しますので、クリニック未経験の方は参考にしてみてください。

 

(1)狭い人間関係が壁になる

クリニックの人間関係

クリニックは病院と違い、少人数のスタッフが毎日顔を合わせる職場です。

そのため、アットホームである反面、お互いの距離感を意識しあわないと、必要以上に近づきすぎて、休みを取りにくい状況になってしまったり、スタッフ同士のいざこざに巻き込まれてしかったりといったことが起こることがあります。

毎日、同じ医師やスタッフと仕事をすることに慣れることが、クリニック未経験の看護師に必要な覚悟になります。

 

必ず「見学」に行くこと

転職活動の際には必ず「見学」に行って、クリニックで働く看護師達の雰囲気を直接確認し、自分がこの「狭い人間関係」の中でやっていけるかどうかを一度考えてみるようにしましょう。

 

(2)看護師1名で対応を求められることがある

クリニックで採血する看護師

クリニックの規模にもよりますが、入職してすぐに一人で検査や処置などの対応を任されることがあります。

私が籍を置くクリニックは、常勤なしのパート看護師1名、事務2名体制で日々の業務にあたっています。

場合によっては、健康診断予防接種や内視鏡検査の準備・介助・片付け、採血や点滴、検査説明なども看護師1人で対応しなければならないこともあります。

 

自分と業務を代わってくれるスタッフが少ないことがストレス

クリニックの場合は、難しい処置などは少ないですが、自分と業務を代わってくれるスタッフが少ないことがストレスになることもあります。

採血やルートキープをしたことがない場合には、少人数のクリニックは「誰にも聞くことができない」壁にぶつかることがあります。

こういったことからも、クリニックは即戦力として働ける看護師ではないと、働くことが難しい可能性があることがよく分かると思います。

 

 (3)コスト意識がストレスになる

コスト意識

病院と違い、クリニックは物品一つ購入するにも、院長の許可が必要になります。

看護師が必要と考えても、医師が理解してくれないことも意外にあります。そもそも、物品購入そのものを院長が対応することもあります。

時には、「せこくて、やっていられない」と思うこともあるかも知れません。

ですが、クリニックが提供できる範囲で、患者さんに不利益がなければ「それで良し」と考えることで、乗り越えられる壁の一つです。

 

院長や周囲のスタッフと親しくなることで解決できることもある

また、院長や周囲のスタッフと親しくなることで、必要性を理解してもらい、物品などを購入してもらえるようにもなります。

私も、1年かけて私が使いやすい内視鏡処置具を購入してもらったことがありました。

病院と同じことをすぐに持ち込もうとしなければ意外と穴が開きやすい壁でもあります。

 

(4)患者さんとの関わりが限られる

患者と関わる看護師

クリニックの主役は医師です。看護師は、医師の指示で検査や処置やケアを行うため、ゆっくりと患者さんと関わる時間は絶対的に少なめです。

そのため、病棟のように患者さんの指導や相談に乗ることができず、看護の楽しみを感じられないことがあります。

 

看護だけをしたい看護師はクリニックに向かない

看護だけをしたいと考えてクリニックで働く気持ちが強いほど、看護業務以外の仕事が多く、患者さんと触れ合う時間が減ってしまうことにストレスが生まれがちです。

そのため「看護だけをしたい」というのであれば、クリニックは向かない可能性が高いです。

 

(5)院長の考えに同意できないことがある

口論する医師と看護師

病院であれば、苦手な医師がいても、他のスタッフと話すことや、その医師と関わりを避けることでストレスを避けることができます。

ですが、クリニックは院長のお城です。院長の考え方や性格にあわすことができなくなると、クリニックに勤め続けることが苦痛になります。

この壁は、嫌悪感が強くなるほど壁の厚さも高さも大きくなります。

特に、クリニック未経験の看護師にとっては、この壁にぶつかった時の対処が、一番超えにくい壁になります。

 

一緒に働きやすいクリニックの院長とは

クリニック未経験の看護師は面接の際に、そのクリニックの院長が以下のような人であるかを確かめるようにしましょう。

  • クリニックは看護師を始めスタッフ全員の力が必要であることを知っている
  • 医療に対する理念や目標を明確に持っている
  • 患者に対して誠実である

できるだけ事前に、一緒に働きやすい院長であるかどうかを見極めるようにしましょう。

詳しくは、「看護師が働きやすいクリニック院長の特徴!見極める方法とは」の記事を参考下さい。

 

4.まとめ

まとめ

クリニックの業務は、覚えてしまえば単調です。また、クリニックに来院する患者は自立し、看護師が介助する場面も少なく体力的負担も少なめです。

そのため、臨床経験が豊富であればクリニック未経験でも、短期間のうちに、病院の外来や病棟よりも業務をこなすことができるようになります。

ですがクリニックは、やったことがない処置でも一人で対応しなければならないようなこともあるため、クリニック未経験のブランク看護師や新人看護師には基本的に不向きな職場です。

クリニック未経験のブランク看護師や新人看護師がクリニックへ転職する場合には、本文にあるように職場選びを慎重に行う必要があります。

ラビウサ

【40代後半・資格:看護師(がん看護専門看護師)、消化器内視鏡技師、心理相談員】

看護師をして20年以上になります。外来・病棟・検査室・クリニックなど、いろいろな場所での業務を経験しました。ですが、一時は看護師をやめようと思ったほど、心身共に追い詰められた時期もあります。現在は、看護師も続けつつ、ライターやカウンセラーとしても活動しています。今までの経験を生かして、いろいろな体験談も書いていこうと思っています。

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