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佐藤ゆうき

正看護師

佐藤ゆうき

( 看護師 )

【体験談】感染管理認定看護師が院内で行う仕事内容や役割をレポート

佐藤ゆうき
正看護師 佐藤ゆうき
感染管理認定看護師が院内で行う仕事内容や役割をレポート

医療機関において感染管理はとても重要です。患者は体力の低下により易感染状態であることからすぐに感染が拡大してしまう恐れがあります。病院の感染管理を徹底し拡大を防ぐことに力を入れているのが感染管理認定看護師です。

今回は感染管理認定看護師の仕事内容や役割について、感染管理認定看護師と一緒に仕事を行った現役看護師にレポートしてもらいました。

現在働いている病院に感染管理認定看護師が不在で「役割や仕事内容が分からない?」という場合は参考にしてください。

1.院内で行う仕事内容や役割を看護師がレポート

院内で行う仕事内容や役割を看護師がレポート

感染管理認定看護師がいることで感染症を防げている

感染管理認定看護師は、病院全体の感染管理を行っていました。感染症患者が出ると、すぐに感染管理認定看護師に連絡が入り感染拡大を防ぐための対策を指示します。感染管理委員の長として、さまざまな感染対策の勉強会、指導をしていました。特に、感染症の患者が出ると即座に対応し、個室管理や医療者の防護具着用の必要性などを判断していました。そのおかげで、感染症を拡大させたことはありませんでした。

今年はインフルエンザが流行り、近隣の病院ではアウトブレイク宣言を行い、外来患者にマスクの着用を徹底したり、風邪症状のある患者の待合室を別に設置したり見舞客の制限、医療者のさらなる感染対策を行いました。

その結果、インフルエンザの悪化で入院してきた患者がいたものの、インフルエンザが蔓延することなく今に至ります。感染管理認定看護師がいたことで、防げている感染症がたくさんあるのです。

azuki 女性看護師azukiさん(東京都/30代前半)

 

男性看護師大きな組織の中で働いていくためのひとつのスタイル

ある監査を受ける際に、感染管理の分野を強化したいということで、男性の感染管理認定看護師が入職してきました。それ以来、監査だけでなく普段の看護業務についても感染管理の点において非常にレベルが引き上げられたと思います。

感染管理認定看護師は、手洗いや清潔操作などの基本的な指導はもちろん、新入職員の感染症検査の実施や、入院患者の院内感染予防についてなど幅広い活動を行っています。かなり規模の大きな総合病院でしたが、一人で外来、病棟、手術室、ICUなどでの感染管理活動を展開していました。

また男性看護師が、総合病院という大きな組織の中で働いていくためのひとつのスタイルとして、認定看護師の取得という選択肢を理解する機会ともなりました。

くくる 看護師くくるさん(沖縄県/40代前半)

 

感染症の最初から状態に適した対策が行える

急性期病院で勤務していた時に院内で感染管理の認定看護師と一緒に仕事をしました。通常勤務は全く行わず、感染管理専任業務で勤務されていました。

感染防止対策を行う「Infection Control Team(ICT)」の中心メンバーとして医師、薬剤師、看護師長、検査技師と共に院内のラウンドを行っていました。ラウンド時、ゴミの管理や水しぶき、消毒方法など様々な観察項目をチェックし出来てない所はどのように改善すればいいかを指導されていました。ICTラウンドは月一回行われており、ICT会議も月一回行われていました。

また、院内の研修講師も担当されていました。稀な感染症が認められた時は、直ぐに該当部署にその感染症の知識、感染防止方法などの勉強会を開催してくれました。

感染管理の認定看護師が来られてから、持続点滴のサーフロー針と翼状針がリキャップ防止弁付になり大変便利になり、安全になりました。針箱も採血時に持参するようになり、スタッフみんなが感染管理の意識があがったように感じました。

稀な感染症は調べなければならないところを即座に対応してくれたので、最初から状態に適した対策がとることができたので、良かったです。

女性看護師匿名さん

感染経路やスタンダートプリコーションについて勉強会を開催

病棟に配属されていましたが、病院中をラウンドし、感染のリスクが高い所や不潔な所などを探し、感染が起こらない、拡大しないような環境を整えていました。

他にも感染症が流行すると、そのウイルスや菌の感染経路やスタンダートプリコーションについて勉強会を開催していたりしていました。

女性看護師 ゆきんこゆきんこさん(埼玉県/29歳)

 

感染予防のエキスパートとして奮闘!

総合病院勤務時代に感染管理認定看護師が3名程在籍し、月に2回の病棟ラウンドがありました。

認定看護師と各病棟の感染委員のスタッフがラウンドし、感染源となりうる問題を指摘してもらい、マニュアルの作成、見直しなど病院組織を感染源から守る役割を果たしていました。

また、勤務後の看護師の勉強会の参加や、勤務時間に、正しい手洗いが遵守できているか、手洗いチェッカーを使用し一作業一手洗いを掲げてスタッフの感染予防の意識を高めるなど、感染予防のエキスパートとして奮闘していました。

地域の中核となる病院であった為、地域のクリニックや介護施設などにも、講師として出向き勉強会を開催するなど、病院の1スタッフに留まらず、広い視野から地域全体を感染から守るという使命感で活躍されていました。

まりも 女性看護師まりもさん(東京都/33歳)

 

数値として提示することで院内の士気を高めることが出来てました

院内でICTの中心として活躍していました。定期的な院内のラウンドを行い、感染防止に努めていました。

各病棟の消毒液の使用量を計測したり、ディスポーザブル製品の使用枚数の計測を行ったりすることで、その病棟がどれ程院内感染予防を出来ているかを立証するための指標となっていたことが印象的でした。取り組みに積極的な病棟の院内感染数が激減していたことで、院内全体として効果を実感することが出来ました。

目に見えないウイルスや細菌を予防するための取り組みは非常に難しく評価することも容易ではありませんが、実際数値として提示することで院内の士気を高めることに繋がっていたことに驚きました。

女性看護師スノーマンさん(埼玉県/32歳)

 

ICTリンクナースの総括を行っており多忙だった

感染管理認定看護師は、院内感染管理の責任者として役職が与えられ、各部署代表者であるICTリンクナースの総括を担っていました。

各部署での感染管理を取りまとめ、院内感染状況を把握し対策を講じます。

例えばインフルエンザ流行の時期では外来でも隔離診察をしたり、同部署で並行感染・水平感染があれば病棟ラウンドをしながら原因を分析して具体策を徹底するよう指導します。全スタッフ対象に講義をして啓蒙活動することも勿論ですが、まずはリンクナースに対し感染管理の基礎知識や予防策の正しい方法の実技習得をしてもらい、そのリンクナースが各部署内でスタッフに啓蒙活動をしていく、という構図でした。

また、看護研究も行っており、その臨床数や事例はリンクナースと協力しながら分析をするなど、病棟スタッフから見てもとても近い存在でした。感染管理は一歩間違えれば病院として大きな問題となり患者への影響も多大なため、任される業務範囲や責任は大きいと思います。二人体制でも多忙を極めていた様子でした。

あおいロワイヤル 看護師あおいロワイヤルさん(神奈川県/40歳)

 

2.感染管理認定看護師の役割

感染管理認定看護師の役割

感染管理認定看護師の大きな役割は「感染源を作らない」「感染を拡大させない」の2つを守っていくことです。

そのためにはどのような働きがけをすればよいのでしょうか。

感染管理認定看護師の役割について詳しくみていきます。

 

感染源を作らない役割:感染状況の確認

感染管理認定看護師は定期的に病棟や手術室、外来、滅菌室など院内の様々な場所をラウンドし感染管理がきちんとできているかを確認します。

まず感染を拡大させないためには、病院内にどのような菌が潜伏しているのかを把握することが重要になります。そのため、日頃から検出菌の確認をします。

また、新たに感染が確認された場合は早急に対処法をスタッフに指導し、菌を撲滅できるように働きかけます。

 

補足説明!

ポイント

感染管理認定看護師は病棟や手術室ではスタッフの感染予防ができているか、感染が確認された患者に対して適切な消毒方法がされているか、使用する抗菌剤の確認などを行います。

滅菌室では医療器材の滅菌がしっかり行われているかを確認します。

 

感染を拡大させない役割:看護師スタッフへの教育・指導

マニュアルの作成

感染管理認定看護師はマニュアルを作成し院内での感染対策の基準を作ります。病院に勤務する看護師はこのマニュアルに沿って感染予防行動を実施します。

病棟で珍しい菌や消毒方法が不明な菌が検出された場合は、病棟看護師は必ずマニュアルを参照し、正しい消毒液の種類や量、配合ができるようにします。

場合によっては感染管理認定看護師が直接消毒方法を指導することもあります。

 

院内のラウンドを行う

病院によっては感染管理認定看護師、医師、薬剤師、検査技師などが一つのチームとなり各部署をラウンドします。

ラウンド時は、スタッフの感染予防行動をチェックしたり、清潔な環境を保てているか、消毒や滅菌状況の確認などを行います。

 

勉強会の実施

感染管理認定看護師は、定期的に医療スタッフに向けての感染対策についての勉強会を行い、感染に対する知識・技術の向上に努めます

また、感染管理認定看護師は院内の感染対策委員に所属していることが多く、各病棟に感染対策委員である看護師がいるため委員会を開くことによって最新の感染対策方法を伝達することができたり、各部署の感染対策状況を把握することができたりします。

感染管理認定看護師は様々な場所から感染に関する情報を発信することで、医療スタッフが適切な感染対策を実施できるように努めます。

 

3.感染管理認定看護師の仕事内容について

感染管理認定看護師の仕事内容について

感染管理認定看護師は患者に感染が認められた場合、すぐに病棟に赴き感染の状態を把握し感染拡大を避けるために対策方法を指導していきます。

そのためには、感染状況をしっかり把握していることが必要ですし、感染対策に対する豊富な知識や技術を持っていなければなりません。

実際に私が働いていた病院での感染管理認定看護師の仕事内容を紹介します。

 

スタッフへの感染対策の実施

私が働いていた病棟には月に1回感染管理認定看護師がラウンドに来ました。

主に確認していたのは下記の通りです。

  • 手指消毒液の使用量確認
    (どのくらい減っているかを確認することで、看護師が手指消毒液をきちんと使用しているかチェックする)
  • 経管栄養の容器などをつけておく消毒液は正しい種類を使用しているのか、設置場所の確認
  • 看護師の手洗いの確認
  • 点滴は作り置きしていないか、点滴台は清潔であるかの確認
  • 冷蔵庫の中を確認
    (不潔なものがないかの確認)
  • ゴミ箱は不潔でないか、分別できているかの確認
  • 針を廃棄する場所が危険ではないか、針刺しのリスクはないかの確認
  • 針刺しに関する知識について確認
    (針の捨て方や、針刺しを起こした時の対処法などを看護師にテストする)
  • MRSAなどに感染している患者がいた場合、隔離方法や看護師の接し方の確認

などがありました。

他にも、看護師自身が感染してしまい、感染が拡大することがないように予防接種の徹底や、感染症の疑いがある場合はすぐに感染管理認定看護師に報告するよう指導します。

 

患者への感染対策の実施

感染管理認定看護師が行う感染対策はスタッフだけでなく、病院を訪れる全ての人がしなければなりません。面会者など外からの感染も起こる可能性があるため注意が必要です。

そのため、患者や家族、面会者にも手洗い・マスクの着用を徹底してもらいます。

院内に、手洗い・うがいの張り紙をしたり、病棟看護師から直接声をかけてもらうよう指導したりします。

また、患者がインフルエンザや麻疹などに罹った場合、患者を隔離するためベッドを移動します。看護師も感染しないよう再度感染予防について確認・指導します。

 

補足説明!

ポイント

結核が見つかった時は患者を隔離し、医師や看護師など患者に関わるすべてのスタッフに専用マスクの着用を義務づけ患者と関わるスタッフの人数を最小限にします。感染した可能性のあるスタッフは隔離したり採血を実施したりします。

 

4.感染管理認定看護師になるには?

感染管理認定看護師資格取得の流れ

2001年に18名の感染管理認定看護師の認定を行ってから、現在では2,744名いる認定看護師では人気の資格になります。

2013年 1,813人
2014年 2,070人
2015年 2,324人
2016年 2,564人
2017年 2,744人

(日本看護協会 認定部より2017年7月データ)

過去5年間で見ても、毎年200人ペースで感染管理認定看護師は増えています。

 

感染管理認定看護師の資格取得条件

日本看護協会の資格認定制度である「感染管理認定看護師」になるには、以下の条件を満たしている必要があります。

  • 日本国の看護師免許を保有していること
  • 看護師としての実務経験が通算5年以上あること
  • 通算3年以上、感染管理に関わる下記のような活動実績を有すること
    (最新知見や自施設のサーベイランスデータ等に基づいて、自身が中心となって実施したケアの改善実績を1事例以上有すること。医療施設において、医療関連感染サーベイランス(血流感染、尿路感染、肺炎、手術部位感染)について計画から実施・評価まで担当した実績を1事例以上有することが望ましい)
  • 現在、医療施設等において、専従または兼務として携わっていることが望ましい
  • 日本看護協会が認定している認定看護師教育課程を修了(6ヶ月・615時間以上)

感染管理認定看護師になるには、看護師としての実務経験が5年以上あり、感染管理に関わる活動を行う必要があります。

 

日本看護協会が認定している感染管理認定看護師の教育機関一覧

北海道 北海道医療大学 認定看護師研修センター
(定員:30名)
東京都 国立看護大学校 研修部
(2018年度新規開講予定)
日本看護協会 看護研修学校
(2018年度新規開講予定)
神奈川県 神奈川県立保健福祉大学 実践教育センター
(定員:30名)
北里大学看護キャリア開発・研究センター認定看護師教育課程
(定員:30名)
長野県 長野県看護大学 看護実践国際研究センター
(2018年度新規開講予定)
石川県 石川県立看護大学附属看護キャリア支援センター
(2018年度新規開講予定)
三重県 三重県立看護大学 地域交流センター
(2018年度新規開講予定)
兵庫県 日本看護協会 神戸研修センター
(2018年度新規開講予定)
鳥取県 鳥取大学医学部附属病院 医療スタッフ研修センター
(2018年度新規開講予定)
福岡県 国際医療福祉大学 九州地区生涯教育センター
(定員:30名)
宮崎県 宮崎県立看護大学 看護研究・研修センター
(2018年度新規開講予定)
沖縄県 沖縄県看護協会
(2018年度新規開講予定)

(2018年1月31日現在)

2018年度新規開講予定の大学や施設も多くあるので、他の認定分野と比較しても取得しやすいことが特徴です。

詳しくは日本看護協会、または上記の大学や施設に問い合わせを行いましょう。

 

注意しよう!認定看護師にかかる費用について

以下は最低限かかる費用の計算を独自に行っております。詳しくは日本看護協会に確認をしましょう。

入試検定料 約5万円
入学金 約5万円
授業料 約70万円
実習費 約10万円
認定審査費用 約5万円
認定費用 約5万円
   合計約100万円

※ここに記載してある費用に加え、無給となる6ヶ月間の生活費用も考慮する必要があります。

まとめ

感染管理認定看護師の仕事内容・役割は、

  • 病院全体の感染管理
  • 洗いや清潔操作などの基本的な指導
  • 感染拡大を防ぐための対策を指示
  • 様々な感染対策の勉強会
  • 「Infection Control Team(ICT)」のメンバーとしての活動

など、感染予防のエキスパートとして、院内でラウンドしている仕事が多いようです。

感染管理認定看護師は豊富な知識・技術を有し、感染源を早期に発見し、適切な対処をすることが求められます。病院全体の感染を最小限に抑えることは、患者だけでなく医療スタッフを守るためになくてはならないものです。

また、感染管理認定看護師は規模が大きい病院では人数も多く、一緒に仕事をしていたという看護師が多いとも言えます。あなたも是非目指してみてはいかがでしょうか。

認定看護師を目指す看護師の方は「認定看護師支援がある病院への看護師転職で知りたい6つのポイント」を確認してください。
記事の内容に関しては、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用をお願いいたします。


自転車旅行が大好きで、しまなみ海道を縦断してきた30代の看護師です。

都内の総合病院で約6年、その後クリニックで約2年勤務しました。現在は1児の母として子育て奮闘中ですが機会があればまた働きたいなと思っています。

病院で働いている時は人間関係に悩みましたが、なんとか6年間頑張ることができました。

自分が今までに経験したことをどんどん発信して、少しでも皆様のお役に立てればと思います。

看護師としての経歴

保有資格 ・正看護師
出身/年齢 ・千葉県/31歳
職務経験 ・総合病院・クリニック
診療科経験 ・呼吸器外科、呼吸器内科・消火器外科、消化器内科
・循環器内科・心臓血管外科・婦人科・小児科・眼科

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カテゴリー:認定看護師の資格

(公開日:)(編集日::2018年05月08日)

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