著作者

Chiko

執筆:現役看護師

Chiko

( 看護師 保健師 )

内科外来で働く看護師の仕事内容・役割とメリット・デメリットとについて

公開:、更新:2018年04月16日
内科外来で働く看護師の仕事内容・役割

内科外来とは、消化器内科・神経内科・内分泌科・心療内科・一般内科など、内科疾患にかかわる診療科で構成されている部署です。

それぞれの科が独立した外来はよく見かけますが、内科外来は主に大学病院や総合病院のような大規模な病院に設置されていることがあります。

外科を除く様々な診療科の医師が勤務しており、患者は内科外来専用のカウンターで受付を済ませた後に、個々の症状に合った診察室に案内されます。内科外来で働く看護師は病棟とは異なる勤務内容や勤務スタイルで働いています

ここでは、私が経験した内科外来で働く看護師がどのような役割を持っているのか、1日のスケジュールや必要なスキルなどをご説明していきます。

1.内科外来で働く看護師の仕事内容や役割

内科外来で働く看護師の仕事内容や役割

病棟の看護師であれば毎日複数の患者を受け持ちますが、内科外来の看護師は患者を受け持つということはありません。

むしろ不特定多数の患者にスムーズに対応し、診察や検査、処置へと導くことが主な仕事となります。

【内科外来で働く看護師の1日のスケジュール】

8:30~ 出勤、診察室・待合室の掃除、ベッドメイキング、物品の補充など
9:00~ 全体朝礼
(担当場所、特別処置のある予約患者の確認など)
9:30~ 各担当場所での勤務
12:00~13:00 再び各担当場所での勤務
13:00~ 再び各担当場所での勤務
16:00~ 外来受付・診察終了、掃除、翌日の準備
17:00~ 退勤

※当日は診察室、処置室、看護師外来の担当が割り振られます。
※上記の他に、早番・遅番のスケジュールもあります。
※病院によって出退勤・診療時間は異なります。

限られた時間の中で患者のケアを行うのが内科外来で働く看護師の働き方の特徴です。内科外来で働く看護師の仕事内容と役割を見ていきましょう。

 

(1)患者の案内・誘導

内科外来には様々な診療科の診察室がいくつもあるためエリアが広範囲に渡ります。

受付後に適切な手順で診察を受けられるように、待合室・診察室・処置室などへ誘導し、患者がスムーズに移動できるようにします。

 

(2)問診・バイタルサイン測定

受付時に記入してもらった問診票を見ながら、詳しい症状や診察時に必要な情報を確認します。

また、診察前に内科外来の看護師がバイタルサインの測定を行います。

 

(3)医師の診療補助

診察室を担当し、医師の診療の補助をします。カルテの受け渡しや問診内容の医師への伝達、患者のサポート(例:聴診時に患者の衣服を上げる、患者がベッドに横になるのを手伝う)、医師の処置介助(例:腰椎穿刺)などにおいて、医師が診察しやすいように動きます

内科の場合は特に症状が顕在化しにくいこともあります。

症状と細かいフィジカルアセスメントによって疾患を特定していくため、医師による聴診・触診を補助する機会は多いでしょう。

 

(4)診察後の患者の処置

診察後、患者を処置室に案内し、医師の指示により必要な処置を実施します。注射、点滴の他に、皮内アレルギーテストや尿素呼気試験など、処置内容は多岐に渡ります。

また、体調の悪い患者は処置室のベッドに案内して適宜経過をみます。術前患者には自己血採取も行います。

私が勤務していた内科外来の処置室では抗がん剤の化学療法も行っていました。副作用の厳重なチェック、薬剤の確実な投与など、緊張感がかなりありました。

 

(5)患者への検査の説明や手術前のオリエンテーション

検査前後の食事の注意点、当日の服装、内服の可否などのような検査の事前説明をします。

患者が手術入院する場合は、入院当日の時間や持ち物、手術前後の処置や入院スケジュールを伝えます。

 

(6)緊急入院の手続きと病棟への申し送り

外来受診後に入院の必要がある患者はそのまま緊急入院することになります。

患者や家族への説明後、患者をストレッチャーまたは車いすに乗せて病棟へ移動します。病棟の看護師へは、患者の症状や経緯、外来で実施済みの検査結果、患者の社会背景など、病棟での看護に必要な情報を申し送ります。

この他、専門知識を生かして患者指導を行う看護師もいます

 

(7)その他:病院によっては看護師専門の内科外来もある

私が勤務していた総合病院の内科外来には看護師専門の内科外来の枠がありました。

  • 禁煙指導(喫煙者向けの禁煙指導プログラム)
  • HOT指導(在宅酸素使用患者に対する在宅酸素の使い方や注意点の指導)
  • 糖尿病の看護師外来(血糖測定器の使用方法やインシュリン注射の打ち方、低血糖時の対処方法の説明)
  • フットケア外来(糖尿病患者へのフットケアの指導)

勤務したいと考えている病院の内科外来に何科が設置されているかを事前にチェックすることで、自分の専門知識を生かせる可能性が高まります。

 

2.内科外来で働く看護師に必要なスキルとは?

内科外来で働く看護師に必要なスキルとは?

内科外来で働く看護師に必要だと思うスキルについての説明と、内科外来に向いている看護師について解説していきます。

 

(1)内科系疾患・検査に関する知識、基本的な看護技術

内科外来には実に様々な慢性疾患をもった患者が受診するため、それに対応するための広い知識と看護技術が必要になります。

病棟では卒後研修を受けながら看護技術を習得する機会がある一方、内科外来では病棟と比べて即戦力を求められるため、病棟経験者が好まれる傾向があります。

 

補足説明!

ポイント

採血や点滴・注射などの看護技術はもちろん、検査や手術に関する諸注意を分かりやすく患者に伝えられるよう、自身がしっかり理解していることが大切です。

 

(2)医師の好みや傾向を把握し、それに合わせられる力

内科外来での主な仕事の一つに、診察室での介助があります。

内科のみならず外科の外来にも共通することですが、各医師の診察スタイルやクセのようなものが存在します。

例えば、患者を呼ぶタイミングや処置介助の手順などです。

医師それぞれに診療の流れがありますので、看護師は医師が診察しやすい方法でサポートをする必要があります。

全ての医師ではないものの、自分のやり方に沿わない看護師にはきつく当たる医師も少なからずいます。

医師のやり方を注意深く観察し、スムーズに進むようサポートする力を身に付けられれば、結果として患者への質の高いケアにつながるでしょう。

 

補足説明!

ポイント

良いタイミングで介助できる看護師は逆に医師から感謝され、お互いにとって仕事がしやすくなります。連係プレーでの診察は患者にとっても安心感がありますので、医師が「一緒に働きやすい」と感じられる仕事ぶりは大切です。

 

内科外来の看護師に向いている人とは

「夜勤がない」「定時で帰れる」といった勤務条件の面で外来を選ぶ人も少なくありません。

しかし、外来、特に内科外来でやりがいをもって働くためには以下のような人が向いていると言えるでしょう。

  • 慢性疾患に興味がある人
  • 外来での継続看護がしたい人
  • 丁寧な接遇が身についている人

慢性疾患を持つ患者は、病気とうまく付き合いながら日常生活を送ることを余儀なくされます。

そうした生活上の悩みや苦痛を抱えた患者が多く訪れる内科外来での看護師に向いている人とは、十分な慢性期の知識を備えており、日々知識をアップデートできる人、さらに、その意欲がある人でしょう。

そして、患者の言葉に耳を傾け、継続的な看護ケアを実践したいと考えているならば、やりがいをもって働けるはずです。

 

補足説明!

ポイント

外来はほとんどの患者が一番初めに訪れる部署ですので病院の顔でもあります。正しい接遇が身に付いており、医療をサービスとして提供できる人も内科外来には向いていると言えるでしょう。

 

3.内科外来で働く看護師のメリット・デメリット

内科外来で働く看護師のメリット・デメリット

内科外来の看護師のメリットは、何と言っても日勤だけで、しかも日・祝日が休みになるという点です。夜勤がないので子供がいる方にとってはありがたいですし、独身の方も体力的に負担がないので楽になります。

また、以下のような内科外来の看護師ならではのメリットもあります。

 

1人の患者と長期的に関わることができる

内科の場合は比較的長期間通院される患者もいて、日々のコミュニケーションの中から状態の変化を察する必要があったり、時間をかけて看護をしたりするケースもあります。

そのため、「外来」という環境の中でも密に患者と接していきたい看護師にとっては、非常にやりがいのある職場だと言えます。

 

病院以外の転職に有利

内科外来に限ったことではありませんが、ここでは内科の看護師として勤務することで総合的な医療に関する知識や経験ができます。

その為、病院以外の介護施設など様々なところに転職する際には、内科外来での経験が「強み」になります。

 

クレーム対応がストレスになる場合も

内科外来の看護師として勤務することには様々なメリットがありますが、その反面でデメリットと感じる内容もあります。内科外来の看護師のデメリットとしては、内科外来クレームがストレスになるという点です。

内科外来は受診する患者も多くて、それにより長い待ち時間や対応の悪さに対するクレームを受けることが少なくありませんそのクレームに対応することが病棟勤務よりも厳しくストレスになってしまうことが多いのです。

 

4.【体験談】看護師の「やりがい」と「負担」について

【体験談】看護師の「やりがい」と「負担」について

私が内科外来に勤務していた経験から、看護師の「やりがい」と「負担」について説明していきます。

 

一番の「やりがい」は患者の継続看護

「やりがい」は何といっても慢性疾患を持ちながら生活している人の継続ケアをできることです。

病棟勤務だと入院期間中しか患者と関わることができませんが、内科外来では定期的に受診する患者が多いため、患者と「点」ではなく「線」として関わることができます。体調変化や困っていることがないかを尋ねることで、患者が病気を持ちながらも生き生きと日常生活を送れるような手助けが可能となります。

外来受診のたびに顔なじみとなることも多く、症状や薬の相談を受けることもあり、頼られるのが実感できるでしょう。

生活に根付いた継続看護を実践できるのは内科外来で働く醍醐味となります。

密度の濃い看護を提供することが可能

病棟とは異なり、外来で働く場合には患者へのケアが来院時のみとなるため、十分なケアができないと思われがちです。確かに一度だけの来院ではケアもその場限りのものとなりがちです。

しかし、看護師の丁寧な対応一つで患者に安心感を与えることはできるでしょう。

また、定期的に来院する患者に親身な声かけをすることで「いつもいる看護師さん」と認識してもらえて、密度の濃い看護をできるのは病棟だけじゃないのだと感じることもできます。

 

絶え間ない自己学習が「負担」になることも

内科全般に関する多くの知識が求められるため、常に勉強が必要ということが「負担」と言えるでしょう。

日ごとに担当の診察室が変わる内科外来では、関連する全ての診療科の幅広い知識が求められます。

患者に説明する機会も多いことから、自信をもって対応するためにも、また、診察時に医師とスムーズな意思疎通を図るためにも、日ごろから分からないことは自分ですぐに調べる習慣をつけることも重要です。

多科に渡る内科の知識が必要で「ここまで勉強すればよい」ということがないため、時にそれが負担となりがちです。

 

5.まとめ

多くの診療科が集まる内科外来で働く看護師には、多科に渡る知識が求められます。

常に勉強が必要となりますが、日々の自己研鑽を積むことで多くの患者に対応できるようになり、患者からの信頼感にもつながります。内科外来は病棟でのケアと比べて短時間で完結するため患者との関係性を築きにくいと思われがちですが、実際はそんなことはありません。

ケアの方法や患者への対応を工夫することで、密度の濃い継続看護を実践することが可能となります。

内科外来で働く看護師の立場として、患者の日常生活を支えることができるのは大きな喜びとなるでしょう。

これを読んで内科外来が就職の選択肢の一つになれば嬉しく思います。


(編集・構成・管理者:亀岡さくみ

大学病院・総合病院で経験を積んだのちに海外の看護に興味をもちオーストラリアに留学。
現在は派遣看護師としてマイペースに活動している主婦です。老人ホームやデイサービスでの単発派遣経験も豊富です。海外旅行が好きで、独身時代はバックパッカーをしていました。
人間関係や看護師としてのキャリア、転職など多くの人が悩むことに私もぶつかってきたので、同じ目線での記事を書いていければと思います。
保有資格 ・正看護師 ・保健師
出身/年齢 ・神奈川県/36歳
職務経験 ・大学病院 ・総合病院 ・専門病院(透析病院) ・有料老人ホーム ・デイサービス ・訪問入浴
診療科経験 ・消化器内科 ・混合内科 ・内科外来 ・内視鏡室 ・腎臓内外科

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