
福岡県内の大学病院にて特別個室(全診療科)と眼科の病棟で4年間勤務し、結婚を機に退職。
約7ヶ月間休職し、大学病院整形外科の医局に再就職。現在は、配偶者の転勤で大阪府に引越し、子育て中のため休職中。(写真はイメージ)
- 資格:正看護師
- 病院種類:大学病院
- 混合病棟:眼科と全診療科対応の特別個室
スタッフ:「混合病棟で看護師として働いた経緯について教えてください。」
きりまる:「はい。私は大学を卒業した後、そのままその大学病院に就職して、そのとき私は単科の診療科を希望したのですが、希望が通らなくて・・・。」
スタッフ:「それで混合病棟に配属になったのですか?」
きりまる:「そうです、配属されたのが、眼科と全診療科対応の特別個室がある混合病棟でした。」
スタッフ:「今回、混合病棟を退職されていますが、退職理由はやっぱり辛かったとかでしょうか?」
きりまる:「いえいえ、4年目のときに結婚が決まっており、そのとき旦那さんが仕事で他県に住んでいたので、私もそっちに行くために退職しました。」
スタッフ:「ありがとうございます。それでは、混合病棟について色々質問させていただきますね。」
Q1.混合病棟の看護師ならではの大変なことは何ですか
きりまる:「そうですね、混合病棟ならではの大変なことはいっぱいありましたね。4つほど説明しても良いでしょうか。」
スタッフ:「是非、今後混合病棟に転職する看護師の方に向けてお願いします。」
(1)「何からどう勉強してよいのか分からなくて大変でした。」
混合病棟では、いろんな診療科の患者さんを一遍に担当するので、特に新人看護師の頃は何からどう勉強したらよいのかわからなくて大変でした。
また、看護師として経験年数が上がっても「初めての疾患の患者さんを担当する」ということもあるので、そういうときはやっぱり不安でし、業務をこなしながらその疾患や治療、検査などについて調べたりしなくてはならないのが大変でしたね。
スタッフ:「精神的にも大変だったのではないでしょうか?」
きりまる:「そうですね、不安な気持ちを抱えながら担当することになって、精神的にも大変でした。」
スタッフ:「単科の診療科だと、同じ疾患や治療などをする様々な患者さんを担当することによって、その疾患の患者さんのいろんな経過を見て、繰り返し学ぶことができると思いますがこん棒病棟は難しいということですよね。」
きりまる:「そうです。混合病棟だと、一回担当した疾患の患者さんと同じ疾患の患者さんがすぐに入院してくるわけではないですし、入院してきたとしても担当になるとは限らないので、繰り返し経験ができないです。」
スタッフ:「もし同じ疾患の患者が来ても色々診ていると分からなくなるものですか?」
きりまる:「次に同じ疾患の患者を担当するときも知識などが十分ではない場合が多かったです。やっぱり看護師としての学びが浅くなってしまいがちですね。」
(2)「看護師の業務が煩雑になることが大変。」
単科の診療科だと、例えば月曜日は入退院日で火曜日は手術日、などの一週間のスケジュールが決まっていると思います。
しかし、混合病棟だと入退院日も手術日もそれぞれの診療科でばらばらになります。
そのため、例えば同じ日に入退院、手術、化学療法、心臓カテーテル検査などがあって、業務が煩雑になることが多々あったのが大変でした。
(3)「混合病棟に医師が常駐していなかったこと」
医師はそれぞれの病棟にいて、混合病棟には常駐していないので、最初はそれぞれの患者さんの主治医の顔もわからないところから始まります。
さらに、看護師として主治医に問い合わせたいことがあっても、なかなかすぐに連絡が取れないことも多くて、なかなかスムーズにいかないのが大変でした。
いろんな診療科の医師と関わるので、その分看護師としてストレスも多かったと思います。
(4)「他の診療科の看護師と関わる機会が多かったのが大変でした。」
例えば、心臓カテーテル検査の介助は循環器内科の看護師が実施していたので、心臓カテーテル検査を受ける患者さんがいれば申し送りをしなければいけませんでした。
また、それぞれの診療科特有の物品は混合病棟にはないので、必要な場合は借りに行って使い方を教えてもらわなければならないことや、色々と他の診療科の看護師と関わる場面が多かったです。
「大学病院特有だとは思いますが、他の診療科の看護師は怖かったので・・・。それも大変でした。」
Q2.混合病棟での看護師について色々教えてください
スタッフ:「このページを見ていただいている看護師の方に向けて、混合病棟で気になる点を色々お聞きしますね。」
きりまる:「はい。お願いします。」
(Q)混合病棟で働く価値や良かったと思うことはありますか
「そうですね。やっぱり単科の診療科で働くよりも、幅広く学ぶことができたことが良かったと思います。」
私が働いていた混合病棟は、全診療科対応だったので、外科や内科をはじめとしたいろんな疾患の患者さんを担当して、いろんな治療とか検査、処置などを経験することができました。
混合病棟で働く価値は色々あると思いますが、私が思うことは、転職とか異動をしなくても、いろんな診療科における看護を経験できるので、幅広く学ぶことができることだと思います。
(Q)でも、「広く浅く」しか看護技術が身に付かない可能性はあるのではないでしょうか?
「そうですね・・・。どうしても看護技術は単科に比べて浅くなってしまう可能性はありますね。」
どの診療科でもほとんど実施する、たとえば採血とかルート確保とかはしっかり身に付きますけど、そうじゃない看護技術については、いろんな診療科を担当する分、幅広く経験はできますけど、時々しか当たらないこともあるので、どうしても浅くなってしまう可能性はありますね。
(Q)混合病棟が向いているのはどんな看護師だと思いますか
「臨機応変に要領よく対応ができる看護師が向いていると思います。」
私は新人看護師のときから混合病棟で働いていたので、知識とか看護技術とかが全部中途半端な気がしてしまっていたので、やっぱりどこかの診療科である程度基礎が身に付いている看護師が良いと思います。
また、混合病棟は業務が煩雑になるので、臨機応変に対応できる経験ある看護師の方が向いていると思います。
あとは、様々な医師や他部署との関わりが単科で働くよりも増えるので、コミュニケーションが上手く取れる看護師が向いていますね。
(Q)単科の診療科でしか働いたことがない看護師が混合病棟へ転職するのは苦労しますか
「単科の診療科で働いたことがある看護師は、その診療科で看護の知識や技術の基礎がしっかりできていると思うので、私はむしろ単科の診療科で働いたことがある看護師の方が混合病棟に向いていると思います。」
単科の診療科に転職するよりは覚えることも多くなりますし、臨機応変に対応しなければならないので、慣れるまでは大変かもしれないです。
でも、看護師としの基礎ができている分、そこから応用していけるので、そんなに苦労しないと思います。
(Q)実際に単科の診療科から混合病棟へ転職した看護師はいましたか?
「はい、私が勤務しているときに単科から転職された看護師の方はいました。」
実際、単科の診療科で働いていて転職してきた看護師は、やっぱりそれぞれの診療科で看護の知識や技術の基礎をしっかり学ぶことができているので、混合病棟でもとても頼もしい存在でした。
最後に:メッセージをお願いします
私は新人看護師のときから4年間混合病棟で働いていましたが、自分の知識や看護技術が中途半端な気がしていたので、看護師としての自分に自信が持てないままでした。
そんな中、単科の診療科から異動してきたり、転職してきたりした看護師の存在はとても心強かったです。
そのため、これから単科の診療科から混合病棟へ転職される看護師の方々も「その混合病棟にとって、心強い存在になるのではないか」と私は思います。
混合病棟ならではの大変なこともありますが、色々な診療科について経験できたことはとても有意義だったと思います。
単科の診療科で働いたことがある看護師さんにとっては、混合病棟は「よりスキルアップできる環境」になると思いますので、ぜひ混合病棟への転職を前向きにご検討頂けたらと思います。
スタッフ:『「きりまる」さん、ありがとうございました。混合病棟に関してさらに詳しくは「ケアミックス病院で働く看護師のメリット・デメリット」を参照してください。』
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