著作者

ねこねこ

執筆:現役看護師

ねこねこ

( 看護師 )

新卒から精神科病院に3年間勤務した看護師へインタビュー

公開:、更新:2018年09月12日
新卒から精神科病院に3年間勤務した看護師


スタッフ

スタッフ:「新卒看護師として精神科病院へ就職した理由があれば教えてください。」


正看護師 ねこねこ

ねこねこ:「はい。通っていた看護学校の敷地内に精神科病院が隣接されていたため、学生時代から学生アルバイトとして働いていたことがきっかけです。」


スタッフ

スタッフ:「そのまま、その精神科病院へ就職したのですか?」


正看護師 ねこねこ

ねこねこ:「いえ、そのまま就職したわけではなく、看護学校を卒業後に地元の精神科病院に決めました。」


スタッフ

スタッフ:「では、そのアルバイトで働いていた時、精神科病院に魅力を感じたということですかね。」


正看護師 ねこねこ

ねこねこ:「そうですね。魅力というよりは、精神科に慣れていたので決めたという感じでした。」


スタッフ

スタッフ:「なるほど。精神科には3年間勤務されていたのですよね。」


正看護師 ねこねこ

ねこねこ:「はい。精神科病院の急性期女子病棟で約3年勤務していました。続けたかったのですが、結婚・妊娠のため引っ越すことになり、仕事を続けるのが難しくなってしまったから退職をしました。」


スタッフ

スタッフ:「ありがとうございます。それでは精神科病院について色々お聞きしていきます。新卒看護師だけではなく、初めて精神科病院へ転職する看護師の方も是非参考にしてください。」

正看護師 ねこねこ【看護師紹介:ねこねこ】
栃木県/正看護師。看護専門学校卒業後、精神科病院に就職し、約3年半勤務した後、結婚・出産・育児のため看護職を離れ専業主婦になる。その後6年間のブランクを経てパートやフルタイムで働きながら転職を繰り返し、現在はクリニックのパート勤務と月に数回アルバイトしながら、看護師ライターとして活動し始める。
▼【目次】を開く

1.精神科病院での看護師の仕事内容はいかがでしたか?


正看護師 ねこねこ

「精神科病院での一般的な仕事内容は、バイタルサインの測定や投薬、創部の処置、注射や点滴、入浴や更衣、食事の介助、環境整備など基本的なものが多いと思います。」


スタッフ

「確かに基本的な仕事内容なのですね。精神科病院特有の仕事はありますか?」


正看護師 ねこねこ

「そうですね。援助の部分が違うと思います。どの程度の援助が必要になるかは患者さんの状態によって変わってきますが、ほぼ自立出来ている方には声掛けや見守り、自力で行うことが困難な方には状況に応じた援助を行っていきます。」

 

「精神科病院の多くは閉鎖病棟がある」

精神科病院の多くは閉鎖病棟があり、外部への出入りが禁止されています。

一般の病院に入院する患者さんは治療が必要だと理解した上で入院していると思いますが精神科病院の患者さんの中には病識が欠けており治療や入院の必要性を認識できていない方もいるため、家に帰ろうと離院しようとする方もおり、職員の目を盗んで外にでようとする方もいるので、施錠の確認を必ず行い、離院には十分に注意する必要があります。

また、患者さんの状態によっては薬の投薬を拒否する方もおり、薬を飲んだフリをして隠したり吐き出したりすることもあります。

薬による治療の効果を得るためにも服薬時の観察や投薬介助は精神科病院の看護師として重要な仕事になります。

 

(Q)精神科病院の看護師が実施する医療行為って何があるの?


正看護師 ねこねこ

「採血や注射や点滴、褥瘡や傷などの処置、吸引や経管栄養、バルーン留置や交換など一般科の病院と基本的なことはあまり変わりないと思いますが、頻度は他の診療科に比べると少ないと思います。」


スタッフ

「やっぱり精神科病院では、看護師の医療行為が少ないと思っていたのですが、やっぱりそうなのですね。医療行為がない分、看護師の仕事は楽ですか?」


正看護師 ねこねこ

「一概に楽とは言い切れないと思います。患者が他の診療科と違うので。でも、医療行為がない分は楽になります。」

 

(Q)精神科病院は他の病院と比較して男性看護師が多いですか?

男性看護師は精神科病院に多いと思います。特に男子病棟には男性看護師が多く、女子病棟にも数名の男性看護師がいました。

患者さんが不穏になり暴れたりしたときに女性職員だけで対応するのは難しく、暴力など危険な時もあるため男性看護師が対応してくれることで助かることが多くありました。

 

(Q)精神科病院の看護師が仕事で忙しい時ってどんな場合ですか?


正看護師 ねこねこ

「季節によって変化しますね。季節の変わり目と特に春は忙しいです。」


スタッフ

「季節が関係して忙しくなるのですか?」


正看護師 ねこねこ

「はい。季節の変わり目などは精神的に不安定になりやすい人も多く、特に春は環境の変化によるストレスなどによって状態が悪くなったりしやすいんですよね。」


スタッフ

「そうなのですね。そのため入院患者さんが増えるのですね。」


正看護師 ねこねこ

「そうです。入院患者が増えることや、不穏になる患者さんも多い為、その分看護師の仕事も忙しくなることが多くなります。」

 

2.精神科病院で身につけることが出来るスキルについて


スタッフ

「精神科病院では看護技術というより患者への対応スキルが身に付くイメージですが、いかがでしょうか。」


正看護師 ねこねこ

「そうですね。精神科病院ではやはりコミュニケーションの能力が身に付くと思います。」


スタッフ

「具体的に身に付くコミュニケーションスキルとはどのようなものでしょうか。」

 

「コミュニケーションを通してどのような看護をすれば良いのか考える力がつきます。」

患者さんの話を傾聴し、コミュニケーションを通して、

  • 精神的状況の把握
  • 心理面の変化や動きの観察
  • 言葉や態度による分析
  • 表情など会話を通して観察力
  • その時に合った声掛け会話を行うスキル

などが必要なため、コミュニケーションスキルが身に付くといえます。

私は患者の状態を把握することで、看護師として信頼関係を築くことが出来ました。

日々経験していくことによって、人と人とのコミュニケーションを通して、相手の言葉や態度、表情などから色々と読み取ったり察したりする力が付いたと思います

そのことにより患者さんの立場になって考えることができるようになり、そこから自分は「どのような看護をすれば良いのか」と考えながら働くことが出来るようになったと思います。

 

3.精神科病院の看護師の「やりがい」について教えてください

自分の関わった患者さんが良くなって退院したり、状態が落ち着いて穏やかに過ごせることが増えたり、患者さんから信用してもらえていると感じたときは頑張って良かったとやりがいを感じました。

また、患者さんとの関わりの中で精神科疾患の病状について実際に目にすることによって、精神科疾患を理解することの難しさや理解したうえでの適切な対応の仕方など、どんなに教科書や参考書を読んで勉強しても、「実際に患者と関わることでしか学べないことがある」ということに気付いた時に精神科病院の仕事に対しての「面白さ」や「やりがい」を感じることが出来ました。

 

(Q)精神科病院に向いているのはどんな看護師だと思いますか?


スタッフ

「やりがいを踏まえて精神科病院に向いている看護師とは、どんな看護師だと思いますか?」


正看護師 ねこねこ

「私の経験から、看護師として他の診療科での経験をある程度積んでいた方が良いと思います。また、家庭のある看護師さんにとっては定時で帰れるところや仕事も他の診療科に比べると体力的にきつくないと思うので、仕事と家庭の両立をするためには向いているのではないかと思います。」


スタッフ

『「面白さ」や「やりがい」もあってゆっくり看護師として働けたら素敵ですね。』


正看護師 ねこねこ

「はい。毎日業務に追われて慌ただしく働くよりも、時間に追われずある程度落ち着いてゆとりをもって仕事がしたいと考えている方にも向いていますね。」

 

4.反対に「精神科病院を辞めたい」と思ったことはありますか?


正看護師 ねこねこ

「はい。辞めたいと思ったことはあります。」


スタッフ

「やっぱり辞めたいと思うことはあるのですね。それはどんな時でしたか。」


正看護師 ねこねこ

「同世代の看護師の人たちがバリバリ働いて経験を積んでいく姿を見たりすると、精神科病院での仕事に物足りなさやこのままで良いのかと不安や焦りを感じたときに辞めたいと思う事がありました。」


スタッフ

「看護師としてのキャリアに対する不安ですね。その他の理由はありますか?」

 

「患者さんとの関係で辞めたくなりました。」

患者さんとの関わりの中で暴言を吐かれることや、危険な目にあった時なども正直辞めたいと思う事もありました。

焦りや不安は働いている間ずっとありましたが、経験の豊富な先輩看護師たちの体験談やアドバイスを聞くことや、現時点で出来ることをきちんとやろうと、気持ちを切り替えることによって普段の仕事の中にも学べることが多くあることに気づくことができ、徐々に不安や焦りも軽減していきました。

危険な目にあったり、嫌な思いをした時も、先輩に相談したり、危険な目にあったり嫌な思いをするときには事前に前兆や原因があることも多い為、患者さんとの関わりの中で些細な変化や原因となりえることを見逃さないように気を付けることである程度回避できるようになりました。

 

5.精神科病院から、他の診療科に転職することは大変でしたか?


スタッフ

「精神科病院で勤務後、ブランクが6年あってからの転職(復職)だと思うのですが、大変なことはありましたか?」


正看護師 ねこねこ

『大変でしたね。ブランクが6年もあったので。精神科病院勤務だからというわけではなく「勉強し直さないと」という思いで、再就職しました。』


スタッフ

「その後、透析室へ復職されたのですよね。」


正看護師 ねこねこ

「はい。再就職先が透析室だったため、透析についての知識が教科書で習った程度で、ほとんど無いに等しかったため、自分で調べたり、教えてもらったりしながら学んでいきました。」


スタッフ

「お聞きするだけで大変そうですね。」


正看護師 ねこねこ

「転職先や家庭の状況にもよるとは思いますが、精神科病院からの他の診療科への転職は多少大変だと感じることもあると思います。」

 

(Q)精神科病院の経験しかない看護師が避けた方が良い転職先はありますか?

精神科病院での勤務年数や向き不向きの個人差もあると思いますが、仕事に対して学ぶ姿勢をもちスキルアップを目標にしている方なら、どのような転職先でも可能ではないかと思います。

そうでないのなら、急変や夜間の救急対応など緊急時の対応などが必要になる病院や病棟は避けた方が良いのではと思います。

精神科病院での急変時などの対応はあまり多くはなく学ぶ機会も少ない為、正確な状態の把握、適切な処置など知識や技術が身についていない状態でいきなり転職となると厳しいのではないかと思います。

 

(Q)精神科病院での経験は、他の診療科に転職した時、どのように活かせましたか?

患者さんからの訴えや話を、落ち着いて冷静に傾聴できるようになれたことだと思います。

精神科病院でなくても、訴えや話を聞くことは必要であり、看護師としての立場でどうしたら良いのかと考えながら冷静に対応できるようになれたのは精神科での経験が活かせていると思います。

 

まとめ:最後にメッセージをお願いします

精神科病院と聞くと暗いイメージや怖い、危ないなどあまりよくないイメージを持っている方もいると思います。

実際に看護師として働いてみるとそれほどでもなく、働いている職員も明るくて元気な人が多いことや患者さん達も精神的な病気を抱えてはいても、病気以外は普通の健康な人と変わらないところもあり、想像していたより怖くないし暗くないんだなと感じてもらえると思います。

自分に合っているかどうかは、やはり転職してみないと分からない部分も多くあると思いますが「自分が看護師としてどのように働きたいのか?」「今の自分にとってどのような環境や条件が合っているのか?」など考えた上で、精神科に興味を持って働いてみたいと思っているのならば、精神科病院での勤務も良い経験になると思うので、一歩踏み出してみても良いと思います。

どんな職場であっても経験したことは自分の糧になると思うので、前向きに考えて転職をして欲しいと思います。


スタッフ

『ありがとうございました。精神科に興味がある看護師の方は「精神科へ看護師転職する前に確認する9つの事」も合わせて確認してみてください。』


(編集・構成・管理者:亀岡さくみ

看護専門学校卒業後、精神科病院に就職し、約3年半勤務した後結婚・出産・育児のため看護職を離れ専業主婦になる。 その後6年間のブランクを経てパートやフルタイムで働きながら、転職を繰り返し、現在はクリニックのパート勤務と月に数回アルバイトしながら看護師ライターとして活動し始めました。これまでの経験や日頃の体験を活かした記事を書いて、現役看護師、潜在看護師の皆さんの少しでも役に立てるような情報を発信できるよう頑張っていきたいと思います。

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