看護学生の100名以上を担当した実習指導者へインタビュー!悩みや不安とは

実習指導者へインタビュー!悩みや不安とは


スタッフ

スタッフ:「看護学生の実習指導者に初めてなったのはいつ頃でしょうか。」


看護師azuki

azuki:「初めて看護学生の実習指導者になったのは、看護師になって2年目の夏で、それまで他の病棟に勤務しており、実習指導者になること前提で異動したばかりの頃でした。」


スタッフ

スタッフ:「看護師2年目ですか!早いですね。」


看護師azuki

azuki:「そうなんです。正直2年目でまだ教えてもらうこともたくさんある中で、私が実習指導者として任命されたことには驚きでした。」


スタッフ

スタッフ:「実習指導者に選ばれた理由などはあったのでしょうか。」


看護師azuki

azuki:「理由はありましたね。」
「私の働く病院は附属の看護学校を持っており、実習に来るのは自分の後輩にあたること」「看護学校を卒業してからまだ期間が短く学生に近い立場であること」「指導を通して私自身の成長にもつながること」


看護師azuki

azuki:「以上のような理由で、実習指導者として仕事をすることになりました。私の他にも、看護師歴10年以上のベテラン看護師や6年目の先輩も実習指導者になり、お互いに情報共有しながら指導をしました。」


スタッフ

スタッフ:「どれぐらいの看護学生を対象に実習指導を行ったのでしょうか。」


看護師azuki

azuki:「最初の1年目に私が受け持った看護学生は、主に3年生(最終学年)でした。1クールで4~5名の看護学生を担当し合計30名ほどの看護学生を担当し、現在までに100名ほどの看護学生を担当させていただきました。」


スタッフ

スタッフ:「ありがとうございます。それでは実習指導者について詳しくお聞きしますね。初めて実習指導者になる看護師の方などは、是非確認してください。」

正看護師 azukiさん
看護師紹介:「azuki」さん
東京都/30代前半、正看護師。社会人経験を経て正看護師資格を取得後、総合病院へ入職、他の診療科を経て救急外来で勤務。現在医療系ライターとして介護、看護師の転職サイト運営で活躍中。
→ 執筆中の記事一覧 (注:写真は素材となります)
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Q1.実習指導を行う前についてお聞きします


スタッフ

「看護学生に実習指導を行う前の状況についてお伺いします。」

 

(Q)上司から優しくするようになどアドバイスなどはあったのでしょうか


看護師azuki

『ありましたね。私が実習指導者を任命されたその日に「あなたなら大丈夫だと思うけど、学生さんには優しくね」と言われました。』


スタッフ

「azukiさんは、優しい看護師だったのですね。」


看護師azuki

『自分で言うのは恥ずかしいのですが、よく「誰にでも同じトーンで穏やかな対応ができる」という点で評価されていました。それが、指導をする上で適正があるとみなされたのだと思います。』

 

(Q)実習指導者講習会などは受けられたのですか


看護師azuki

「病院内で実施している実習指導者の勉強会には毎回参加していましたが、外部の講習会は1度しか出席したことがありません。」


スタッフ

「指導マニュアルなどが徹底している病院だったのですね。」


看護師azuki

「そうですね。院内の勉強会を指揮しているのは、臨地実習指導者講習会を受講した看護師であり、そこで学んだ実習指導のノウハウを参考に指導していました。また、看護学校の教員等と打ち合わせを行いながら、看護学生個人に合う指導を行っていました。」

 

Q2.実習指導を行うときにどのような不安や悩みがありましたか?


看護師azuki

「やはり、一番の不安は自分の指導が原因で看護学生が潰れてしまわないかが不安でした。」


スタッフ

「でも、看護学生が間違っていることは指摘しないといけないですよね。」


看護師azuki

「そうなのですよね。間違っていることや理解できていないことに関しても注意せず見過ごすわけにはいきませんから、どのように声をかけたらいいのか、看護学生以上に私の方がビクビクしていたのではないかと思います。」


スタッフ

「看護学生より緊張していた感じでしょうか。でも2年目の看護師としては当たり前ですよね。」


看護師azuki

「そうですね。異動してきたばかりだったこともあり、その病棟のこと、スタッフのこと、入院患者さんの疾患についても詳しくないという不安もありましたね。」

 

(Q)実際に実習指導者として悩んだことを教えてください


看護師azuki

「看護学生一人一人の性格を考えながら指導することは非常に悩み、苦労しました。」


スタッフ

「1クールで4~5名の看護学生を指導されるわけですよね。5人の性格を考えるのは苦労しますね。」


看護師azuki

『はい。5人の看護学生に同じように「明日までに考えてくるように」と伝えても、1人は100点満点あげたいくらい十分考えてきてくれて、1人は教科書を写しただけのような内容、1人は考えたけれど、まとめられなかったというように、みな同じようにはいきません。』


スタッフ

「それはレベルも違いますし、悩みますね。」


看護師azuki

「看護学生の特性、性格に気づくまでは、悩み以外ないと言っても過言ではないくらい苦労しました。」

 

(Q)実習指導者としてどのように悩みを解消されたのでしょうか


看護師azuki

「これに関しては、看護学生一人一人とよく話をすることからはじめました。指導の中でふと出した質問や課題にしっかり答えられるかを評価とは関係なく会話の中で実践していきました。すると、すぐに答えられるだけでなく、その質問の意図を読み取って翌日はさらに学習を深めている様子がうかがえる看護学生、同じような質問をしても一向に答えられない看護学生を見極めることができました。」


スタッフ

「なるほど、でも一向に答えられない看護学生はどのように対処されたのですか?」


看護師azuki

『なかなか答えられない看護学生は全く頑張っていないわけではなく、時間がかかるだけだと指導をする中で気づき、「させる」ではなく「一緒に調べる」ように指導方法も工夫しました。』


スタッフ

「一緒に調べる工夫は良いですね。うまく行きましたか。」


看護師azuki

『当初、厳しい指導をしているわけではないのに実習を休んでしまう看護学生もいましたが、この指導方法にしてからは、看護学生が実習時間終了後に自ら進んで質問に来てくれることや、「ここまでしかわからないので教えてください」と意欲を見せてくれて、看護学生自身も自分の成長を感じられるようになり脱落者を出すことなく実習を終えることができるようになりました。』

 

Q3.azukiさんが考える「実習指導の役割」とは何ですか


看護師azuki

『看護学生が看護師になるために座学では学べない臨床現場で必要な知識、技術、時には厳しさや怖さを伝えることはもちろんですが、それ以上に看護師という仕事の魅力、やりがい、楽しさ、そして患者さんに「ありがとう」と言われることの重みを感じてもらえるよう、一緒に学んでいくことが「実習指導の役割」だと思います。』


スタッフ

「なぜ、「ありがとう」の重みを感じさせることが「実習指導の役割」だと思われるのでしょうか。」

 

患者さんからの「ありがとう」の重み


看護師azuki

「いろんな仕事がある中で、痛いこと、恥ずかしいこと、嫌なこと、怖いことをして感謝をされる職業は少ないと思います。しかし、そのことに気づかないまま看護師を続けてしまうと、最終的に傷つくのは看護師自身です。」


看護師azuki

『最初の頃は謙虚さがあったり、何もかもが新鮮で楽しく感じたり、患者さんに寄り添いすぎて思うように看護できない自分を悔しく感じることもあるとおもうのです。でも、慣れは怖いもので、いつの間にか看護学生や新人時代のような感情を抱くことはなく、「してあげている」という感覚になってしまうのです。』


スタッフ

『つまり、「感謝される」「ありがとうを貰う」気持ちを忘れるということですか。』


看護師azuki

「そうです。その結果、スタッフだけでなく患者さんに対しても不満を抱くようになり、看護師という職に未練もなく簡単に離れてしまったり、寄り添うどころか自分勝手な押し付けの看護しかできなくなってしまったり、プライドが維持できずに潰れてしまった看護師を何人も見てきました。」


看護師azuki

「もちろん、人にも寄りますが傲慢さを前面に出さず、患者さんが「ありがとう」という真の意味を受け止められる看護師の方が、大変だと言われる看護師という仕事を大切にして長く続けていけると思うからです。」

 

(Q)役割を果たすために、行われていることを教えてください


看護師azuki

『看護学生は、何か患者さんに関わるとき、患者さんの一部しか見えていないことが多いです。そのため、「足浴をしているときに患者さんが気持ちよさそうな表情をしていた」、「普段はコメントしない患者さんが洗髪後に気持ちよかったと言った」そのことを看護学生に伝わるように言葉にして、「よかったね!練習した成果が出たね」と看護学生が何をしたことで患者さんがどんな反応をするのか、実際の経験を経て伝えています。』


スタッフ

「まさに実習指導ですね。」


看護師azuki

『そうですね、その反対に清拭中明らかに寒そうにしていた患者さんが「ありがとう」と言ったとき、患者さんがどんな気持ちで「ありがとう」と言ったのか、次に笑顔で「ありがとう」と言ってもらうために何ができるのかを看護学生自身で考えられるよう、気づきとなるヒントを出しながら「ありがとう」という言葉の裏にあるさまざまな患者さんの感情に向き合えるよう意識して看護学生に関わっています。』

 

Q4.実習指導者を担当して良かったと思うことは何ですか


看護師azuki

『自分の学んだこと、身につけたことを人に伝える難しさに気づけたこと、そして忘れかけている「看護師になりたい」という純粋な気持ちを思い出せることです。』

正直、私が実習指導者を経験しなければ看護師の仕事を業務のように淡々とこなし、患者さんが理解しているかどうかなど深く考えずに内服指導や退院指導をしていたと思います。

看護学生への指導を通して、私自身もまだ知識を学ぶ段階にいる看護学生がわかるように伝える方法を学べました。

今となっては褒められようが、怒られようが気にもしなくなってしまいましたが、何かできるようになった時の看護学生のきらきらとしたピュアな瞳を見るたびに、「看護学生が憧れる看護師であろう」と心がけることができます。

 

これから初めて実習指導者を担当する看護師へ

実習指導者に任命されたとき、多くの看護師が「面倒臭い」、「嫌だ」と言います。

しかし、同僚や先輩からは学べない、新鮮な学びを得られるのが実習指導を通して関わる看護学生の姿だと思います。

実習指導をしていると、普通に看護師として働く中では気づくことがなかった発見もあります。

目の前にいる看護学生は、近い将来自分の後輩になって同じ現場で働く看護師だということを意識しながら、丁寧に指導をして一緒にたくさんのことを吸収して欲しいと思います。


スタッフ

「ありがとうございます。その他の記事で「看護師初めての看護実習指導者対応!学生を成長させる関わり方」も執筆いただいています。是非こちらも確認してください。」

監修者

亀岡さくみ看護師
監修 亀岡さくみ看護師
  • 2011年3月:日本赤十字看護学校卒業
  • 2011年3月:看護師免許取得
  • 2011年4月:日本赤十字医療センター入社(3年間勤務)
  • 2015年3月:株式会社peko勤務
  • 2015年4月:はたらきナース監修

現在は、今までの経験を活かし「はたらきナース」を執筆・監修を行っています。

この記事は「」さんが執筆しました。

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