看護師がリンクナースとは?役割・仕事内容と「やりがい」や目標

看護師がリンクナースとは?役割・仕事内容

リンクナースの役割は、「link」の意味のどおり、「つなぐ・結びつける」ことが役割になります。

では、何と何をつなぐ・結びつけるのかと言えば、委員会や専門チームと部署の看護スタッフ全体を結びつける役割があります。

また、専門チームと患者を結びつける役割もあります。

つまり、リンクナースには、ある目的を持ったチームや専門職種と現場とを結び付け、問題解決のための調整を行う役割があります。

臨床現場では、看護師3年目以上になるとリンクナースを任命される看護師が増えます。しかし、リンクナースがどんな仕事をしているのか、最初は戸惑うことばかりです。

そこでこのページでは、リンクナースの役割と仕事内容、やりがいやつらいと感じることについて詳しくご説明します。

1.リンクナースとは?どんな活動をするの

思案するリンクナース

まず、リンクナースはどんな看護師で、どのような活動をするのかをご説明します。

 

専門チームと病棟を結ぶ看護師

リンクナースとは、病院内にある様々な委員会や看護専門部会、多職種専門チームの活動と、病棟を結び付ける看護師のことを指します。

そのため、リンクナースに選ばれると、委員会やその下部組織の看護部会に所属します。そして、

  • 定例会議に参加する
  • 専門チームの病棟ラウンドに同席する

などの活動を通して、委員会や専門チームが求める姿と現場でのギャップを埋め、病院全体の医療の質の向上のために働きます。

 

研修会や勉強会の企画・運営を行う

リンクナースは、委員会や看護専門部会が実施する研修や勉強会に参加するだけでなく、企画や運営に関わる活動も行います。

また、委員会や看護部会などで依頼されたテストや実技試験などを実施する活動も行います。

 

病棟でのデータをとりまとめる

委員会や看護部会などでは、リンクナースを窓口として、委員会や看護部会などに提出するデータを集計してもらっています。

つまり、リンクナースの毎月の活動は、

  • 定例会議に出席する
  • 依頼されたデータを集計・報告する
  • 病棟での実践者としてケアを展開する

以上のことが主な活動になります。

 

2.リンクナースの役割について

女性看護師を指導するリンクナース

次に、リンクナースが担う役割についてご紹介します。

 

周囲の看護師にモデルを示す役割

リンクナースは、委員会や専門チームが示す「あるべき姿」に近づくための現場における実践者の役割があります。そのため、

  • 自ら積極的にスタンダードプリコーションを実践し続ける
  • 緩和ケアが必要と思われる患者さんに介入する
  • 退院支援計画を積極的に立案する

などのことを行い、周囲の看護師にモデルを示す役割があります。

 

現場の指導者としての役割

リンクナースには、現場の指導者としての役割があります。

リンクナースは、委員会や専門部会などで最新の技術や知識を学びます。

そして、その知識や技術を病棟に持ち帰り、伝達講習や技術テストなどを実施、技術指導やスタッフの相談などにも乗ります。

 

自部署の問題点を気付かせる役割

リンクナースは、カンファレンスなどを通じて自部署独自の問題点をスタッフに気付かせる役割も担います。

自部署だけにいるとその問題点は見えにくいものですが、リンクナースは各病棟のリンクナースが出席する会議に参加するため、それまで見えにくかった自部署の問題点に気付けるようになります。

 

補足説明!

ポイント

必要に応じて、患者の主治医や看護師長と相談し、専門チームの介入を依頼することもリンクナースが行います。

 

3.リンクナースの仕事内容について

リンクナースと医師

病院によって違いはありますが、多くの病院では、

  • 退院支援
  • 褥瘡
  • 感染
  • 緩和ケア

以上の4つの分野でリンクナースが活動し、病棟の看護の質を高めるべき活動しています。

ここでは、その4つの分野におけるリンクナースの仕事内容をそれぞれご紹介します。

 

退院支援のリンクナースの仕事内容について

退院支援におけるリンクナースの仕事内容としては、

  • 退院支援リンクナース会議への出席
  • 院内での退院支援多職種カンファレンスの調整と参加
  • 退院調整が必要な患者の把握とスクリーニング・看護計画立案の確認
  • 退院調整の進行状況の把握
  • 退院調整が難渋している患者に対する調整や事例検討

などを中心的に行っていきます。

 

書類作成などが多く業務に追われやすい

退院支援は診療報酬に結びつく活動であるため、加算をとるための書類作成やカンファレンスなども多く、退院支援のリンクナースは業務に追われる面があります。

しかし地域看護に視点が広がることや、多職種と調整を行い患者の希望を叶えてあげられた体験は、リンクナースの自信になります。

 

褥瘡のリンクナースの仕事内容について

褥瘡におけるリンクナースの仕事内容は、

  • 褥瘡委員会や看護部会などの会議への参加
  • 栄養サポートチームなどの病棟ラウンドなどへの参加
  • 褥瘡発生のリスク評価
  • 褥瘡発生者の把握と報告、ケア評価
  • スキントラブルのある患者への実践
  • 除圧マット等の適正使用のチェックと評価
  • 対処が難しいスキントラブル患者に対する専門家チームにつなぐ
  • 病棟内での勉強会の実施
  • 褥瘡やスキンケアに関する院内・院外研修会や学会への参加

などが挙げられます。

 

報告書や評価表の作成・依頼を行う

褥瘡発生患者がいる場合には、その評価をリンクナースが率先して行います。そのため、報告書や評価表などの作成や、依頼などを行います。

書類作成や入力は慣れるまで大変ですが、褥瘡のリンクナースを経験すると、皮膚トラブルに対処する自信が付いたと話す看護師が多いです。

 

感染のリンクナースの仕事内容について

感染におけるリンクナースの仕事内容は、

  • 感染管理委員会や看護部会などの会議への出席
  • 感染対策ケチームの院内ラウンドへの参加
  • 自部署ラウンドを行い、感染対策が守られているかをチェックする
  • 自部署の実践者となり、感染対策に対するアドバイスや指導を行う
  • 委員会などから依頼された感染に関するテストの実施と集計
  • 病棟内での勉強会の実施
  • 褥瘡やスキンケアに関する院内・院外研修会や学会への参加

などがあげられます。

感染のリンクナースは、感染対策委員会の院内ラウンドについても参加し、自部署に問題がある場合には直接指導を受け、実践者として改善のために活動することも仕事になります。

また、定期的にチェックリストを用いて、部署内のスタッフが感染対策を実践できているかをテストすることも仕事の一つです。

 

本来の業務の合間を縫ってラウンドを行う

感染のリンクナースは、定期的な自施設ラウンドと、スタッフの感染対策の意識の向上と維持が主な仕事になります。

そのため、本来の業務の合間を縫って、リンクナースとしてのラウンドが必要です。しかし、感染予防や感染対策の知識を持つことは、看護師としてはとても役立に立ちます。

 

緩和ケアのリンクナースの仕事内容について

緩和ケアにおけるリンクナースの仕事内容としては、

  • 緩和ケア委員会や看護部会などの会議への出席
  • 緩和ケアチームの病棟ラウンドへの参加
  • 緩和ケア対象者のスクリーニング
  • 麻薬管理状況についての報告
  • 麻薬関連のインシデント事例などの検証
  • 緩和ケア対象者に対するケアの実践
  • より専門的な緩和ケアが必要な場合には、緩和ケアチームなどの専門家につなぐ
  • 病棟内での勉強会の実施
  • 緩和ケアに関する院内・院外研修会や学会への参加

などが挙げられます。

緩和ケアリンクナースは、麻薬管理が必要な患者に対して、確実に麻薬の投与管理ができるようにスタッフに指導することも仕事になります。

 

4.リンクナースのやりがいとは

リンクナースと医師と看護師

ここでは、看護師がリンクナースとして働く上でのやりがいについてご紹介します。

 

最新の知識や技術を学ぶことができる

リンクナースは、委員会や看護部会、専門チームから最新の知識や技術を直接学べることがやりがいのひとつです。

 

専門看護師・認定看護師の近くで仕事ができる

褥瘡や感染、緩和ケアの看護師のトップは、専門看護師・認定看護師が担当していることがほとんどです。

そのため、専門看護師・認定看護師がどのような考え方をし、看護ケアの向上のためにどのような活動をしているのかを近くで見ることもできます。

 

自分の頑張りが自部署の質を上げる

各部署で活動するリンクナースは1~2名程度ですが、自分が活動することによって感染対策が守られたり、スタッフから相談の自分の知識や技術を通して解決できたりといった体験があります。

そのため、自分の頑張りが自部署の質を上げていると体感できることは、リンクナースとして働くやりがいです。

ポイント!

ポイント

リンクナースが頑張っている部署と、役割を果たしていない部署では、明らかに看護の質に違いが生じるようになります。

 

他部署・他職種との交流が広がる

リンクナースは会議やチームラウンドに参加する機会が増えるため、他部署や多職種の人と顔見知りになれることはやりがいのひとつです。

顔見知りになることで、自部署で起こった問題についても相談や質問などがしやすくなります

 

リンクナース同士でサポートし合える

求められた役割に戸惑いを感じた時にも、サポートしてくれるのがリンクナース同士です。

目的を持ったつながりではありますが、様々な立場や考え方を知ることができることは、看護師成長につながります。

 

5.リンクナースが感じるつらいこと

疲れているリンクナース

一方で、リンクナースが働くなかで感じるつらいこととは何があるのでしょうか。以下で詳しくご紹介します。

 

周囲から賛同を得られなくてつらい

リンクナースが委員会や看護部会などから依頼された事柄は、すぐには周囲に賛同を得ることが難しい場合もあり、リンクナースにとってつらいと感じることです。

また、活動を始めたころは、相手に説明できるほどの知識や技術が身についておらず、逆に周囲から反論されることもあります。

そんなときは、まずは看護管理者や主任、前任のリンクナースを巻き込み、自分だけが矢面に立たないで済む方策を考えて乗り越えることができます。

 

集計などの業務がつらい

リンクナースによっては、集計などの業務を求められることもあります。特に、診療報酬などに関わる場合には求められることも増えます。

リンクナースは、その業務を最初に依頼されるため、周囲のスタッフに頼むことができずに一人で抱えこみがちになってしまい、つらいと感じることもあるでしょう。

 

自分だけで対応しようとしない

集計などは委員会や看護部会などからの依頼であるため、自分だけで対応しようとせずに看護管理者などと相談しながら進めていくことで、負担軽減につながります。

あくまでも、リンクナースは与えられた業務の一つです。自分がやるべきことと、自分だけではなく各部署全体で担うべきことを見極めることが大切です。

 

他に担っている役割との同時進行がつらい

リンクナースは、他の業務が重なることでリンクナースの役割が負担になることも、つらいと感じる点です。

リンクナースになる看護師は、やはり「適任者」として病棟から選ばれたため、リーダー業務や教育係などの他の業務もこなす看護師が選ばれがちなのです。

 

他の業務が重なる期間を短くできる方法を探す

リンクナースを経験する期間は数年です。

選ばれたことを自分の誇りにしながら、管理者や主任と相談しつつ、業務が重なりあう期間を短くできる方法を探して乗り越えましょう。

 

6.リンクナースとしての目標の立て方

二人の女性看護師

ここでは、リンクナースとして目標を立てる際の方法についてご紹介します。

 

委員会目標から自部署の問題点を探す

リンクナースは、まずは委員会や看護部会、専門チームなどであがった目標を、部署の問題に置き換えて目標を立案することが大切です。

そのため、前年度を振り返り、自部署として不足した項目を「数値」として改善する目標を立てると、リンクナースとしての活動が見える化しやすくなります。

 

実現可能な数値を目標にする

リンクナースとして問題点や改善すべき部分が見えてきたら、次に実践可能な内容で、計画を立案します。

例えば、終末期患者が多いにも関わらず緩和ケアチーム依頼件数が少なかった場合には、「依頼件数を〇%増やす(〇件以上/月」などの数値を目標に入れます。

 

具体的かつ前年度にできなかったことを目標にする

他にも、リンクナースの目標の立て方として、

  • 勉強会を年〇回実施する
  • 〇度の褥瘡発生率を〇%以下にする

などの具体的で、前年度にはできなかったことを目標にすることが、継続性が見える目標の立て方になります。

 

7.リンクナースになる方法

リンクナースになる方法

看護師として働く人には、だれにでもリンクナースとして働ける可能性はあります。

しかし、環境や本人の意向次第では、リンクナースになれない場合もあります。ここでは、リンクナースになるための方法をご紹介していきます。

 

リンクナースシステムのある病院を探す

リンクナースのシステムは、イギリスで生まれたものです。誕生した当初は、感染症防止のための管理分野だけがリンクナースの役割でしたが、現在は多岐にわたる専門分野のプロフェッショナルとして、リンクナースは活動しています。

このリンクナースシステムは、どの病院にもあるわけではありません。小規模の診療所では、一人ひとりの意識づけにより対策されていますし、大規模な病院でも、主任や看護師長などの管理職がリンクナースの役割を担う場合もあります。

リンクナースになりたければ、まずはリンクナースシステムを導入している病院を探すこと。それからすべてが始まります。

 

院内研修などに積極的に参加しているか

リンクナースになるには、それなりの経験や意欲が必要になります。リンクナースとして働いている間も、もちろん研修などには参加することになるのですが、リンクナースになる以前から、専門知識の蓄えがあるかどうかも重要になってくるのです。

病院が研修を開く、または、他の専門機関で研修が開かれる際には積極的に参加し、リンクナースとしてすぐにでも活躍できるよう、日頃から勉強を重ねていかなければいけません。

 

リンクナースになるには日々の努力が必要

看護師の仕事はとても忙しいですが、そんな慌ただしい中でも、研修参加や勉強などの日々の努力は必要不可欠です。

うまく時間をやりくりするため、日頃の業務もテキパキと行う要領の良さも必要になるかもしれません。リンクナースシステムのある病院であっても、専門知識を得るための努力がなければ、リンクナースにはなれません。

 

最終的には選出されることでリンクナースになれる

リンクナースになるには、最終的には看護師長などに選出してもらえなければリンクナースとして働くことはできません。どんなに水面下で努力していても、リンクナースになりたい!という意欲が管理職に伝わらなければ、意味がないのです。

 

リンクナースへの意欲を周知させることが必要

普段から研修に参加し、リンクナースを目指していることを公言してもいいと思います。ある分野の専門知識を身につけて、その分野においては右に出るものはいない!と言わせるくらい、周囲に認知してもらうことも必要でしょう。

リンクナースになる前から、身につけた専門知識を看護の現場で広めたり、活用したりすることも効果的です。

まずは、部署内部の人に頼られるような存在になることが必要です。

 

実力をつけることが必要不可欠

リンクナースになるには、実が伴わなければ意味がありません。いくら面談などで「リンクナースになりたい」とアピールしても、専門知識があると認められなければ、意味がないのです。

もし、日常の業務に追われて研修などに参加できない場合は、上司などに相談してみることも良いと思います。

リンクナースは病院にとってもプラスになる役割を担いますので、思い切って打診してみましょう。

 

まとめ

リンクナースは、委員会や専門チームと病棟の看護スタッフをつなぐ役割を担います。

そして、通常業務以外の仕事が増える面もあります。

しかしリンクナースが必要な領域は、どの領域でも役立つ知識や技術であり、看護師として成長する機会になります。

ぜひ、自己成長できるリンクナースを目指してください。

監修者

亀岡さくみ看護師

この記事は「」さんが執筆しました。

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