著作者

すなふきん

専門看護師

すなふきん

( 看護師 保健師 )

管理職看護師に出世した場合に覚悟するストレス6つと対処法

公開:、更新:2018年05月15日
管理職看護師に出世した場合に覚悟するストレス

看護師には様々な形のキャリアアップの方法がありますが、管理職看護師になるというのは最も代表的な方法で、憧れている人もいるでしょう。

しかし、部署の顔として目立つ立場にはいるものの、その仕事内容は裏方作業が大半を占め、様々なストレスがかかります。

私は過去に大きな総合病院で5年近く管理職(主任)看護師を務めていました。

そこで今回は、若手の管理職者だった経験をふまえ、管理職看護師に起こるストレスとその対処方法について説明していきます。

1.理解してもらえる人がいない孤独感

理解してもらえる人がいない孤独感

個人的には、管理職者という立場に慣れるまで最も辛かったストレスの一つです。

主任看護師や副師長、看護師長といった管理職者は、基本的にその部署で一人であり、「立場がまったく同じ」という人はいません

そして管理職者の発言一つ、行動一つがスタッフに与える影響は大きいもので、無意識に自分が発言した事が「主任があの時ああ言ったから」とトラブルに発展してしまったり、信頼を損ねたりする事もあります。

ある部下に手を焼いたとしても、その愚痴を他の部下にこぼすのは厳禁です。(意図があって他の部下に話すという事はあります。)また、一個人としてある部下の意見に同意できたとしても、組織全体の事を考えた時にそぐわない場合は、管理者としてその意見を受け入れるわけにはいかない事もあります。

そういった場合に、多くの部下が不満を抱くとわかっていても、陰で自分に対する愚痴をこぼしているとわかっていても、部下に良い顔ばかり見せるわけにはいかないのです。

このように、嫌われてなんぼ、とまでは言いませんが、八方美人ではいられないのが管理職者としての孤独感であり、ストレスの一つです。

 

対処方法について

孤独感に対する対処方法としては、同じ管理職者仲間と分かち合う事が一番良いでしょう。

管理職者には管理職者にしか分かり合えない体験がありますし、「部署や組織が違っても自分と同じ思いをしている人がいる」と感じるのは安心できるものです。

 

対処方法の注意点

注意点としては、同じ組織内の管理職者に愚痴をこぼす時は、きちんと相手を選ぶ事です。

自分が主任職だったとして、同じ組織の看護師長に愚痴をこぼした場合に、ほんの愚痴のつもりが他の看護師長にまで伝わってしまったり、主旨がゆがんで自分の直属の上司の耳に入ってしまったりしては、違うトラブルに発展してしまう事もあります。

 

2.自分より年上のスタッフを管理する苦痛

自分より年上のスタッフを管理する苦痛

管理職者になりたての頃に感じるストレスの代表的なものです。

急性期病院などでは、30歳頃から主任や副看護師長といった管理職看護師になる人が出てきます。

特に新人時代から勤務し、そのままその部署で管理職者になった場合、新人の頃から自分を教育してくれたベテランの先輩が突然部下になってしまうのです。

先輩の方が距離感を気遣ってくれるという場合もありますが、「どうしてあなたから指示されなきゃいけないの」といった態度をあからさまに出してくる先輩も、もちろんいます。

ある日を境に良好だった先輩・後輩関係が変化するわけですし、いつまでもその先輩の言う事を聞く後輩のままでいては管理業務ができないため、大きなストレスとなります。

 

対処方法について

得意分野などから少しずつ信頼を得る

時間はかかりますが、「管理者としてこの人は適している」と年上スタッフに思われるような実績を一つずつ積んでいく事が重要です。

それは自分の得意な分野でのケアで患者さんに良い結果をもたらしたり、自分の看護上の信念を貫く姿勢を見せ続けたりするといった事です。

こういった小さな積み重ねが、

  • 「この人が管理者をするといい結果が出そうだ」
  • 「この人の目標実現に協力してもいいかな」

といった思いを年上スタッフに芽生えさせる事につながります。

 

あくまでも上司であるという線引きをする

管理職になりたての頃は、年上のスタッフが何かと反発をしてきたり、今までと変わらない口調で話しかけられたりする事が起こりやすいです。

そういった時に、自分が嫌われたくないからといって年上のスタッフの指図を受け入れたり、今までと変わらない口調を許してしまったりする事は、年上スタッフになめられるばかりか、他のスタッフからの信頼を損ねてしまいます。

もちろん、命令口調で接しましょうという意味ではありません。

「あなたのこういう所を頼りにしています」という尊敬の念や感謝の気持ちは意図的にしっかりと表現して誠実に対応しながらも、必要な場面では「あくまでも上司は私です」という毅然とした態度を貫く事が大切です。

 

3.直接患者をケアする機会が減る

直接患者をケアする機会が減る

管理職の業務内容は組織によって様々ですが、患者のベッドサイドにいる時間が減るのは間違いないでしょう。

現場スタッフに最も近い立場の主任職でも、基本的にはナースステーションにいて指示受けなどを行っている事が多いのではないでしょうか。

看護師長ともなると、会議と事務作業がほとんどでしょう。患者さんに清潔ケアを行ってさっぱりしてもらった、喜んでもらったというような、直接的なやりとりから得られる喜びは半減してしまいます。

 

対処方法について

対処方法としては、気持ちの持ちようではありますが、患者さんを取り巻く物や人といった環境を大幅に改善できるのは管理職者ならではの仕事だと考える事です。

実際、「こうだったらいいのにな」と思っていても、スタッフ時代にそれを叶えたり他部署に働きかけたりする事は簡単ではありません。

そしてスタッフの立場では、ある一人の患者さんに成果をもたらす事が精一杯だったりしますが、管理職者になると、その部署全体や組織全体の患者さんによい成果をもたらす事も可能になり、間接的ではあっても患者さんのためになったという喜びに変わるでしょう。

どうしても直接ケアをしたい、という時は、主任や副看護師長であれば、新人看護師の指導で一緒にケアする事も気分転換になるかもしれません。

 

4.部下の精神的フォローが難しい

部下の精神的フォローが難しい

患者さんの看護についてなら、これまでの経験や学んだ知識からスタッフを指導する事はあまり難しくないかもしれません。

これが部下の、特に若手のスタッフ看護師の精神的フォローとなると、自分の経験が役に立たない事も多々あります。

もしも自分が、上司から目標を与えられてそれを達成し成長する事に喜びを見出すタイプだったとしても、スタッフの中には目標を与えられる事を毛嫌いして逃げ出す人もいます。新人看護師の中には、どれだけ丁寧にゆっくりと教えたつもりでも、どうしても同じ失敗をしてしまう人もいます。プライベートでの自己管理ができず、心身の不調を仕事に持ち込む人もいて、遅刻や欠勤を繰り返す人もいます。

こういった、「自分と明らかに違うタイプ」の若手看護師の指導、特に精神面でのフォローは大変難しく、ストレスとなります。

また、何かというとすぐに「私辞めます」と言うスタッフもいます。

もちろん最初は引き止める方法を考えますが、あまりそのスタッフに固執しない方がいいでしょう。

「辞める」と騒ぐスタッフは、日頃辛くても頑張ってくれている他のスタッフに悪い影響を与えますし、意外と辞めなかったりします。

むしろ、不満をあまりオープンにせず真面目に働いてくれて頼りになる若手看護師がある時突然辞めてしまう事もあるので、一人一人に目配りが必要です。

 

対処方法について

根本的な対処法ではありませんが、一つはひたすら経験を積んで色々な「若手看護師のタイプとその対応方法」についての引き出しを増やす事と、自分の精神的な負担については他の管理職者に相談したり愚痴をこぼしたりして息抜きをする事です。

年数が経つほど新人看護師とは年齢が離れてきて世代間ギャップが生じますし、学校で受けてきた教育の違いも出てきます。

一方で、年数が経つほど「こういう若手看護師にこういう対応をしてみたらうまくいった」という自分の引き出しも増えてきます。

また、自分がどれほど努力をしても、その組織や看護師という仕事に合わない若手看護師という人は少なからず存在します。部下の一人一人に誠意をもって対応する事は大切ですが、あまり「うまくいかないのは自分のせい」と思い過ぎないようにしましょう。

 

5.人間関係の調整ばかり

人間関係の調整ばかり

管理職看護師に就任した途端、ありとあらゆる相談事が持ち込まれてきます。

あくまで感覚的なものですが、その大半に人間関係の問題が絡んでいると言っても過言ではないでしょう。

単に「この物品を購入して環境調整したら終わり」という問題は少なく、むしろその程度の問題であればスタッフ間で解決できる事が多いでしょう。管理職の自分のところまで持ち込まれる問題はスタッフでは解決できなかった問題なので、複雑な要因が絡んでいる事が多いのです。

例を挙げると、ベテランのスタッフの独壇場で夜勤が仕切られていて他のスタッフが不満を抱いている、管理職がいないところで他のスタッフに横柄な態度をとる人がいる、医師同士で連携がうまくいっておらず患者ケアに支障が出ているなどです。

もちろん、チーム運営を円滑にするためにはそういった人間関係も一つの環境であるため、その環境を調整するのは管理職の仕事ですが、毎日のようにその調整が続くのはストレスとなります。

 

対処方法について

自分自身の対処法となりますが、これはもう「これが私の仕事」と割り切る事が必要です。

人間関係の調整において自分はあくまで中立の立場になり、関係する様々な人の話を聞き、時にははっきりと注意する事も大切です。

毎日のように続くこの仕事に疲れたら、管理職者同士で吐き出して、心の疲れを軽くしましょう。

 

6.仕事とプライベートの両立が難しい

仕事とプライベートの両立が難しい

看護師という職種自体が基本的に忙しいものですが、管理職看護師となると両立が難しくなる要因が増えます。

両立が難しくなる理由としては、

  • 病院では様々な職種がメンバーとなっている会議の開始時間が遅い事が多い
  • 時間外の勉強会や委員会がある
  • スタッフのインシデントなど予期せぬ事態で予定が変更になる

といったように、自分の都合だけでは仕事がコントロールしにくい環境にある事の影響が大きいです。

 

対処方法について

これをすれば大丈夫、という対処法はありません。

一日が24時間である以上、どうバランスを取るか、メリハリをつけるかという事が重要になります。

例えば、家事であれば家電製品の導入や、家事代行サービスへの委託で家事にかかる時間を減らすといった事や、一週間のうち、この日だけは早く帰ると予め決めて周囲の人にも宣言しておく事です。

管理職看護師が毎日遅くまで仕事をし続けると、スタッフにもダラダラと残業をする風土が根付きかねません。

仕事とプライベートを両立する事は簡単ではありませんが、自分の管轄する部署のスタッフにもメリハリをつけて仕事に取り組んでもらうことも対処法の一つです。

しかし、どう工夫しても頑張っても管理職者としての業務量が多すぎるという場合はあります。そういった時は転職を検討するのも対処法の一つです。

 

まとめ

管理職になると経験する代表的なストレスと対処法についてご紹介しました。

スタッフ時代とはまた違ったストレスにさらされ、それを分かち合える仲間が少ないというのが管理職者の辛いところですが、スタッフ時代には経験できなかった形で患者さんに貢献できる事はまた違った喜びでもあります。

これから管理職者になりたいという人は、心づもりのために参考にしていただき、自分なりの対処方法を見つけていってください。

看護師歴10数年、総合病院の外科系病棟や外来処置室、化学療法室などでずっとがん患者さんの看護に携わってきました。大学院への進学や管理職も経験しましたが、現在は第3子の出産にむけて久しぶりに主婦業・母親業にひたっています。

看護師という仕事は大変な面もありますが、人との関わりの中で成長ができ、自分のライフスタイルに合わせてある程度働く場所を選択できる素敵な職業だと思います。ライターとしてはかけだしですが、これまでの看護経験や知識、ワークライフバランスに対する考えなどを皆さんと共有し、少しでもお役に立てられたらと思っています。よろしくお願いします。

看護師としての経歴

保有資格 ・正看護師・保健師・専門看護師
出身/年齢 ・神奈川県/38歳
職務経験 ・総合病院
診療科経験 ・消化器外科・整形外科・乳腺外科・訪問入浴


看護師転職サイトの口コミ評価

1位  ‣看護のお仕事
 【全国対応】【求人12万件以上】
 →看護のお仕事口コミへ
2位   ‣ナースではたらこ
 【全国対応】【担当質高・求人数高】
 →ナースではたらこの口コミへ
3位   ‣マイナビ看護師
 【全国対応】【担当者質高】
 →マイナビ看護師の口コミへ
4位   ‣ナース人材バンク
 【全国対応】【求人数高】
 →ナース人材バンク口コミへ
5位   ‣ナースフル
 【全国対応】【コンサル高】
 →ナースフル口コミへ

現役看護師の口コミを元に、看護師求人サイトをランキングしています。口コミには個人差がありますので、登録しながら比較することが、転職成功への近道となります。

口コミランキング

【Pick up!注目の記事】


関連記事

応援メッセージまたは記事へのコメント

メールアドレスが公開されることはありません。