産科病棟で働く看護師の仕事内容(妊娠中・分娩中・分娩後)

産科病棟で働く看護師の仕事内容(妊娠中・分娩中・分娩後)

看護師が初めて産科病棟に配属・転職などを行うと、入院患者のほとんどが妊娠中・分娩後のお母さんと産まれた赤ちゃんであるため戸惑いを感じます。

産科病棟では、基本的に看護師も助産師も仕事を行う上で立場は違いません。(助産師の場合、看護師の仕事にプラスして、分娩介助があるのが助産師と考えると分かりやすいでしょう。)

看護師として産科病棟で関わる機会が多いのは、「分娩前の妊婦」と「分娩後の褥婦」です。

【執筆者情報】

  • 保有資格:看護師、助産師(助産師経験15年以上)
  • 年齢/エリア:30代/大阪府
  • 職務経験:産科、婦人科、内科

産科病棟で働く看護師は、具体的にどんな仕事をするのか妊娠中・分娩中・分娩後に分けてそれぞれ確認していきましょう。

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1.「妊娠中」患者に対する仕事内容

「妊娠中」患者に対する仕事内容

患者が妊娠中の時の看護師の仕事内容は患者の状態によって異なるため、分娩中や分娩後に比べると手をかけなければなりません

妊娠中の患者が、

  • 切迫流産・切迫早産
  • 妊娠高血圧症候群
  • 妊娠糖尿病(GDM)

など、状況に合わせた場合の仕事内容について説明していきます。

 

切迫流産・切迫早産の場合

病状にもかなり左右されますが、基本的には分娩に至っても問題ない妊娠週数になるまで、安静目的で入院します。

その中で切迫流産(妊娠22週未満)や切迫早産患者(妊娠22週〜37週未満)に対しては、

  • 子宮収縮を抑制するための点滴
  • 点滴の管理
  • ドップラーで胎児の心拍を確認
  • 患者が安静を保てるよう清拭

以上のような処置を行います。

長い患者だと3ヶ月以上の入院生活を余儀なくされるため、長期入院のストレス緩和のために患者の話を傾聴することも、看護師の大切な仕事内容です。

 

妊娠高血圧症候群の場合

外来通院中に血圧が高くなり点滴治療が必要となった妊婦は、病状が落ち着くまで安静目的で入院します。

看護師は、定期的な血圧測定や尿量測定などにより、患者の異常の早期発見に努めます。

また、妊婦自身にどのような症状が見られると良くないのか、などの病識を深める教育も大切な仕事内容です。

 

患者が妊娠糖尿病(GDM)の場合

妊娠糖尿病患者に対しては、内科の糖尿病での教育入院患者と同じように考えなければいけません。

急に自己血糖測定やインスリン注射が必要と言われ戸惑うため、看護師は患者に入院中の自己血糖測定やインスリン注射ができるように教育的指導が必要です。

 

2.「分娩中」患者に対する仕事内容

「分娩中」患者に対する仕事内容

産科病棟での分娩は、助産師(または医師)がメインに関わるため、看護師は以下の仕事を行います。

  • バイタルサイン測定
  • 点滴管理
  • 産婦への声かけ
  • モニター装置・管理
  • 産まれた新生児の観察や計測

このように、看護師は分娩のサポート役にまわります。

看護師は「同じ時間、同じ環境で、同じ人の分娩の介助についたのにやっぱメインは助産師(医師)か」と立場の違いを感じることもありますが、気を落とさないことが大切です。

また、患者が帝王切開の場合の看護師の仕事は、手術前後のバイタルサイン測定・点滴管理・悪露交換・尿量測定や疼痛コントロールなどの一般的な術後観察を行います。

 

3.「分娩後」患者に対する仕事内容

「分娩後」患者に対する仕事内容

患者の分娩後、看護師は新生児室や褥婦を担当する機会が多いです。

新生児室・授乳・授乳介助・沐浴やオムツ交換など
・育児指導がメイン
褥婦・バイタルサイン測定
・産後の回復の観察
・母乳分泌状態の観察

病院によっては、退院後の生活を指導する退院指導も看護師が担当しています。

お母さんからの質問に色々答えることが増えますが、分からなくてもその都度確認すれば問題なくできるようになるでしょう。

 

4.産科病棟に転職を希望する場合

産科病棟に転職を希望する場合

最後に産科病棟の看護師として転職を希望する場合、産科病棟と名乗っていても内科との混合病棟であることや、産科以外の診療科患者が多くいたりする場合も、病院によってあります。(産科混合病棟の割合は8割に及んでいると言われています。)

そのため、規模の大きな病院の産科病棟へ転職する際には注意が必要です。

 

希望する産科に配属にならない場合も多い

規模が大きい病院(総合病院)の場合、看護師として産科を希望しても、希望通りの配属にならないことはよくある話です。

しかし、助産師を目指しているというケースの場合、しばらく看護師として産科(または産婦人科)で勤務してもらい、仕事に慣れてきた時点で奨学金などを利用して、助産師学校への進学を応援する制度などを設けている病院もあります。

そのため、助産師を目指していることを伝えることで、産科に配属するケースは高くなるといえます。

私が、勤務していた規模が大きい病院(総合病院)でも、助産師学校支援制度がありました。その病院に3年以上勤めた看護師の進学希望者の中から、選考して毎年1人送り出していました。

 

他の病棟と比較して感じるメリット・デメリット

産科病棟と他の診療科病棟を比較した場合、看護師の仕事内容で以下のようなメリット・デメリットを感じる場合が多いといえます。

感じるメリット・体力的負担が少ない
(患者のADLが自立しているため)
・命の誕生に関わることでやりがいを感じる
・新生児に触れ、幸せな気持ちになる
・複数の診療科の医師と関わらなくて良い
感じるデメリット・看護技術が低下する
(周産期のケアがメインになるため)
・時間通りに業務を終えるのが難しい
(分娩は急変や予測不能な面があるため)
・日々の業務量に差がでやすい
(入院や出産は重なることが多い)
・患者との問題が起きやすい
(死産や児の状態不良が、母体が出血多量など)

産科病棟と他の病棟の違いは「おめでとうございます」「ありがとうございます」という言葉が日常的に聞こえるところです。

仕事上のメリット・デメリットを確認した上で転職を検討してください。

産科病棟には、分娩を含め周産期の医療にノーリスクは存在しないというシビアな面もあります。しかし、お母さんと赤ちゃんや幸せそうな家族を見ていると看護師まで元気になれます。

 

まとめ

産科で働く看護師は、未知の世界というイメージを抱きがちですが、それほどイメージとかけ離れた世界ではありません。

出産や育児経験がある看護師はある程度のイメージはつきますし、経験がない看護師も友達や兄弟などで育児に関わったことがあれば少しのイメージはできるはずです。

産科病棟の対象となる患者は、他の診療科に比べれば限られているため、看護師として頑張る意欲があれば、どこに転職しても困らない技術を身につけられるでしょう。

監修者

亀岡さくみ看護師
監修 亀岡さくみ看護師
  • 2011年3月:日本赤十字看護学校卒業
  • 2011年3月:看護師免許取得
  • 2011年4月:日本赤十字医療センター入社(3年間勤務)
  • 2015年3月:株式会社peko勤務
  • 2015年4月:はたらきナース監修

現在は、今までの経験を活かし「はたらきナース」を執筆・監修を行っています。

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