中規模病院への看護師転職のメリット・デメリット

中規模病院への看護師転職のメリット・デメリット

看護師が中規模病院へ看護師転職しようと考えたときに、どのようなメリット・デメリットが存在するのでしょうか。

中規模病院の特徴や求人選びの注意点などにも触れながら、私自身が中規模病院へ転職し働いた経験を元に解説していきます。

中規模病院の定義とは、厚生労働省の「中小規模病院の看護管理能力向上を支援するガイド」では中小規模病院を300床未満の病院と定義されています。また病院の定義は(医療法第1条の5第1項:病院の定義より)20床以上と決められています。

このページでの中規模病院は300床~100床程度の病院をイメージしながら確認していきましょう。

1.看護師がおさえておきたい中規模病院の特徴

看護師がおさえておきたい中規模病院の特徴

専門性の高い治療は大病院の役割であり、中規模病院の役割は、地域の総合病院であることが多いため、高度な医療は行われない傾向にあります。

看護師がおさえておきたい中規模の特徴をご紹介していきます。

 

(1)中規模病院での治療の特徴について

一般的な疾患の治療を行い、高度な治療はおこなわれません。

初期検査処置を行い、高度な治療が必要な患者は、大病院に転院になることも多いです。在籍している医師の数も大病院に比べ圧倒的に少なく、研修医がいない病院も多いです。

そのため、在籍している医師の専門性の高い疾患、治療患者が多くなる傾向もあります。

私が中規模病院で働いた時の体験談

例えば、私の体験では院長が整形外科医である場合、整形外科の手術件数が多くなり、整形外科患者が多くなっていました。院長が消化器外科医の場合、院長のつてで、消化器外科患者が多く紹介されてきていました。

また、内科医の数が不足すると必然的に内科が縮小し、長年在籍しており、地域の中で「婦人科ならあの病院のあの先生」といった評判がつくと、婦人科患者が多くなるなどの特徴もあります。

 

(2)中規模病院での看護師の特徴について

300床以下の規模の病院の場合だと、病院内のスタッフ同士の顔と名前が一致する人、名前まではわからなくても顔はわかるという人が多い中で働けます。

他病棟間でもコミュニケーションが取れることや、看護部長や院長との距離が近く、意見、コミュニケーションがとれます。

 

補足説明!

ポイント

一方、大規模病院は新卒採用が多いことや、仕事がハードであることから若い看護師が多い傾向にあるのに対して、中規模病院の看護師は中途採用者が多く、年齢層も高く、在職年数が長いという特徴があります。

 

(3)中規模病院での患者の特徴について

中規模病院に来院する患者は地域に住む患者が多い特徴があります。

また、大病院で行わなくても中規模病院で行うことのできる手術患者が、担当医の出身大学からなどから紹介で来ることも多いです。

 

(4)中規模病院の看護師は忙しいのか?

中規模病院の看護師は忙しいのか?

大規模病院は人員配置基準が7対1看護方式をとっているところが多いといえます。

一方、中規模病院は7対1をとる余裕がない場合が多く、10対1、15対1看護などの人員配置になります。そのため、病棟が満床レベルになると、働く看護師は忙しくなります。

しかし、大規模病院のような「連日帰宅時間が何時になるかわからない」といった残業は無いところが多いと思います。

 

看護助手や介護スタッフを多く採用している中規模病院も多い

看護助手や、介護スタッフを入れていることも多く、助手がいる場合には、細かな仕事をやってくれる病院もあります。

そのため、中規模病院は病院の体制によって忙しさは異なると言えるでしょう。

 

2.中規模病院へ転職する看護師に必要な資質

中規模病院へ転職する看護師に必要な資質

今まで比較的小規模な病院に勤務していた看護師の方や、大規模な病院に勤務していた方は、中規模病院へ転職する場合に、どのような資質が必要になるのでしょうか。

私が働いていた経験からお伝えいたします。

 

(1)専門的より幅広い看護経験、知識がある方が良い

中規模病院では、大病院とは異なり、看護師が行う業務、他職種が行う業務と細分化されておらず、看護師が行わなければならない処置や業務が多岐に渡ります。

様々な科や、看護の経験がある方が、転職後、様々な処置をすぐに行うことや、色々な場面に遭遇した時に対処できるため、早く新しい職場での仕事に慣れると思います。

しかし、経験が無ければ採用されないという訳でもなく、仕事ができないという訳でもありません。

中規模病院とは言っても、小規模病院とは異なりますので、今はそれなりの教育体制が整っている病院も多く「できないこと」「知らないこと」は学んでいけばできるようになります。

 

(2)仕事は何でも学びながら行う覚悟がある方が良い

仕事は何でも学びながら行う覚悟がある方が良い

これまで大病院でのみ働いていた場合、医師、研修医が行っていたような処置も看護師に任され、行う必要性があります。

病院によっては「そんなことまで看護師がやるのか?」という疑問がでるかもしれませんが、先輩から学び、行っていく必要があります。

中規模病院で看護師が行った体験談

例えば、私は都立系の大規模病院にいたのですが、看護部長の看護師を守る概念が強く、「手術用、化学療法用ルートは医師(研修医)がとる」といったことや、「男性の膀胱留置カテーテル挿入、胃管も可能な限り医師が挿入」という決まりがありましたが、中規模病院ではそれはほぼ看護師の業務でした。

 

3.看護師が中規模病院で働くメリット

看護師が中規模病院で働くメリット

看護師が中規模病院で働くメリットを私が大規模病院で働いてから転職した経験を元に説明していきます。

 

(1)アットホームな雰囲気の職場で働ける

300床未満の病院では、病院の人たちが顔見知りという状態になります。

さらに、200床以下になると、顔と名前が一致し、病棟、職種を超えて、病院を皆で運営している一体感が生まれます。

規模が小さくなればなるほど、院長や看護部長などの、管理者との距離も近く意見を言うことや、日常的に話しをするという関係になります。

そのため、規模が大きい病院よりアットホームな雰囲気の職場で働けることがメリットといえます。

 

(2)医療処置の経験が増え、アセスメント能力が身につく

中規模病院では医師の数が限られているため、大規模病院で医師が行っていたような処置を看護師がやらなければ業務がまわりません。

そのため、大規模病院にいるよりも、医療処置経験が増えるため、緊急時医師が到着するまでに対応できる能力も拡大します。

 

補足説明!

ポイント

医師の数が限られ、常に報告相談できる医師がいないという状況もあるため、アセスメント能力が養われ、看護師が状況を判断し医師に報告する能力が身に付きます。

 

(3)ジェネラリスト看護師の道に進みやすい

「ジェネラリストとして、師長、看護部長となって出世していきたい」という場合には、中規模病院では、進みやすいといえます。

中規模病院では、看護部長などの管理者との距離が近く、意見を言える環境にあります。

そのため役職の無いうちから、やる気があれば、意見を言え、看護部の改革や、病棟改革などにおいても役割を担うことができます。

 

補足説明!

ポイント

超急性期を脱して、大規模病院から転院してくる患者もおり、大規模病院ではできないような、自宅退院に向けたじっくりとした看護が行えることも多いです。また、規模が大きくないため、管理者の考えや看護観が反映されやすいという特徴もあります。

 

(4)看護師が高待遇の病院も多い

病院の経営状況や経営方針にもよりますが、中規模病院はより良い病院にしていくために、看護師獲得に必死な病院も多く、給料条件が良い病院や、福利厚生が充実している病院も多いです。

また、認定看護師取得制度や、子育てのための柔軟性のある病院、留学制度が充実しているなど、学ぶ環境の整っている病院もあります。

 

補足説明!

ポイント

小規模病院で迷っている方は看護師としてのキャリアプランを一度考えると良いと思います。

 

(5)働き方も相談次第で柔軟性がある

子育て、家の介護などの看護師のライフスタイルに合わせて、様々な働き方ができる中規模病院も多いです。

相談次第で、臨機応変に対応できるのが、大規模病院とは異なる、中規模病院の利点でもあります。

 

(6)ブランクがあっても、受け入れてもらえる

中規模病院では、人材不足である病院も多く、病棟経験や看護師経験にブランクがあっても支援、教育体制を整えて受け入れてくれる病院も少なくありません。

実際に私が転職した中規模病院では、中途採用者にもプリセプターのような先輩看護師をつけてくれ、レベルを確認しながら業務に馴染めるよう支援をしてくれました。

私が4年のブランクがあり転職した際の体験談

実際、私自身も病棟経験に4年ブランクがあっての転職活動を行いましたが、ブランクがある人への支援を行うと面接で言ってくれた病院はいくつもありました。

また、実際私が転職する際にも、看護師転職サイトの担当者に、「4年のブランクがあってもキャリア形成していきたいと思ったら、中規模病院で2年も働けば、大規模病院に戻ることも可能だ」という話をしてもらいました。ブランクを経て、実際に働きだしたら、働く前に不安に思っていたよりも、あっという間に色々な事を思い出し、仕事に馴染んでいけました。

 

4.看護師が中規模病院で働くデメリット

看護師が中規模病院で働くデメリット

私が中規模病院で働いた際に感じたデメリットをお伝えしていきます。

転職を考えている看護師の方は「こんな一例もある」と、確認しておきましょう。

 

(1)専門性の高い医療に携わる機会は少なくなる

先ほど説明したように、中規模病院は、地域の病院であることが多く、一般的な疾患の治療を行う場であることがほとんどで、専門性の高い高度な治療を必要とする場合、大規模病院へ転院することが多いです。

また、在籍医の専門出ない限り、最新の医療機器が導入されていることは少なく、触れる機会も少ないです。

 

(2)看護師1人が担う仕事の種類が多い

大規模病院では、医師や研修医、看護助手が行っていたことも看護師が行う場合も多いです。

また、助手や介護士が多い中規模病院の場合、入浴介助などの日常生活援助を看護師がやるのではなく、看護師が看護助手に指導してやってもらうことも多くあります。

 

(3)福利厚生は病院によってバラつきがある

大規模病院では当たり前のようにあった福利厚生も、中規模病院では病院ごとの運営方針によって、整っている場合とそうでない場合があります。

大規模病院よりも充実した福利厚生内容の病院もあれば、正職員の場合でも「この内容なのか・・・」という病院もあります

そのため、中規模病院へ転職する際には、よく確認しておく必要性があります。

 

(4)人間関係に関する話が耳に入ってきやすい

中規模病院では、仲が良い場合には、病院を皆で運営しているような一体感が生まれます。

しかし一方で、「どこどこ病棟の〇〇さんは・・・」というような、あまり良くない噂話のような話を耳にすることも多くなります。

一度人間関係のトラブルが生じると、その噂が広まる傾向にもあります。

 

5.看護師求人を選ぶ時に注意したいこと

看護師求人を選ぶ時に注意したいこと

中規模病院へ転職前に、

  • 自分のキャリアアップの方向性
  • 現時点では看護人生をどのように進んでいきたいか

など今一度見直す必要性があります。

大規模病院とは異なり、中規模病院では看護師ができることが限られます。

もし、何かの分野のスペシャリストを目指していきたいとなった場合には、中規模病院では、なれるスペシャリストの種類が限られます。しかし、分野においては病院でのバックアップ体制が整っている分野もあるため、一概には言えません。

師長や管理職などのジェネラリストを目指すのであれば、中規模病院は適しているといえます。

それでは、実際に私が中規模病院へ転職した場合に求人を選ぶ時に注意したいことを経験からお伝えします。

 

(1)病院の特徴をよく見る

福利厚生と一言で言っても、内容までよく確認する必要があります。

また、給与も、予測年収、月収だけを聞くのではなく、給与内訳もよく見る必要があります。

全体の総収入は高いのに、基本給がとても低く、各種手当が様々ついているような病院もありました。基本給が低いということは、退職金等に反映するということになります。また、時間外手当なども確認の必要性があるでしょう。

 

(2)どんな診療科、どんな疾患の患者が多いのか確認する

中規模病院は、総合病院とは言っても、大規模病院に比べ医師数も圧倒的に少なく、外部から臨時医師を入れていることも多いです。

そのため、外科、内科と言っても、外科の中でも消化器外科の胃切除の患者が多いなど、在籍している医師の専門に偏っている病院も多いです。

あらかじめ、どんな診療科のどんな疾患が多いのか確認し、自分のキャリア形成や希望とすり合わせて、転職活動の際に質問することが入職後のミスマッチを防ぐことになるでしょう。

 

(3)面接の際に、自分の希望や、入職するにあたっての不安を伝える

「採用されるための面接とは言っても、入職して希望と異なった。」

など、こんなはずではなかったとすぐに辞めてしまうようでは、意味がありません。面接の際には、働き方の希望や、不安に思っていることを質問してください。

大規模病院とは異なり、中途採用者も多く採用してきている中規模病院では、様々な事情の中で働いている看護師も多くいます。

そのため、長く働けるように個々人に配慮をする病院も多いです。思い切って希望や不安を言えるのも中規模病院であればこそ。

 

6.まとめ

中規模病院とは言っても、大規模病院よりも、様々な体制の病院があります。

ここに書いてあることを参考にして、自身に合う病院を探して頂けたら幸いです。

メリットとデメリットを比較した上で、希望の求人を探しましょう。「規模が小さい病院への看護師転職のメリット・デメリット」も合わせてチェックしてみてください。

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監修者

亀岡さくみ看護師

この記事は「」さんが執筆しました。

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