九州全体では37.8%の児童養護施設が看護師を配置 全国平均は22.6%

九州全体では37.8%の児童養護施設が看護師を配置

西日本新聞の調べによると、九州全体で看護師を配置している児童養護施設は全体のうち37.8%にのぼることが発表されました。一方、全国的見ると児童養護施設における看護師配置はさほど進んでおらず、平均は22.6%(全児童養護施設協議会調べ)にとどまっています。

国は、2008年に児童養護施設における看護師配置を促すための助成制度を策定しています。しかし、そもそも看護師の絶対数が不足していることや、助成を受けられる基準となる「医療的ケアが必要な子供が15人以上いる」を満たす施設が少ないことから、なかなか看護師配置が進まない現状があります。

また九州全体で見ても、大分県では約66%の施設が看護師を配置している一方で、宮崎県は10%の施設でしか配置されておらず、年々地域格差が広がっていることが問題視されています。

児童養護施設は心身共に医療ケアが必要な子供も多く医療知識のない職員だけでは対応しきれないケースもあることから、全児童養護施設協議会の武藤会長は「准看護師も対象に含めるなど、(看護師配置を増やす)対策を進めていってほしい」と話しています。

児童養護施設で働く看護師について

児童養護施設では、虐待や貧困などの理由によって実の保護者の元では育てられない子供を預かります。中には心身に障害を抱えているなど医療ケアが必要な子供もおり、看護師はそうした子供らへの対応の他、以下のような役割を担います。

  • 乳児の保育補助(乳児を預かる施設では看護師の配置が必須)
  • 施設内の感染予防など環境衛生活動
  • ケガ・発熱などの応急処置etc.

このように、児童養護施設で働く看護師は幅広い役割を担っていることが分かります。

 

看護師の責任は重い

児童養護施設では保育士や家庭支援相談員など様々な職種のスタッフが勤務していますが、医療に関する知識があるのは看護師のみであることから、どうしても担う責任は重くなってしまいます。

また、施設の規模によっては看護師が1人しか配置されていないところもありますから、児童養護施設で働くにはある程度の臨床経験が求められます。そのため、1人で判断し行動することに不安が強い看護師には向いていない職場だと言えます。

 

まとめ

2008年、国は児童養護施設における看護師配置を進めていくために助成制度を策定しましたが、2017年1月現在、全国における看護師配置の割合は22.6%にとどまっています。

また西日本新聞の調べによれば、九州全体の看護師配置率は約38%であり、全国平均を上回っています。しかし、九州の中でも全施設に看護師を配置している県もあれば1ヶ所の施設にしか配置されていないところもあり、地域格差が問題となっています。

いくら九州の看護師配置率が全国でもトップレベルだとしても、上記のように地域格差が目立つようでは、全国レベルで見ると児童養護施設における看護師配置は「一向に進んでいない」と言わざるをえないでしょう。そもそも看護師数が足りていないため一長一短に解決できる問題ではありませんが、児童養護施設で育つ子供らを守るためには、助成制度の基準を緩和にするなどの早急な対策が必要であると考えられます。

 

 

 

亀岡 さくみ

【資格:看護師、保健師、養護教諭第二種】

都内の日本赤十字医療センターで3年、その後保育園看護師として1年勤務し、パート看護師・派遣看護師として様々なジャンルを体験。現在は、今までの経験を活かして「はたらきナース」を運営中です。現役看護師や潜在看護師の皆さんの転職、仕事、生活をサポートできるような情報を発信していきたいと思います。

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