Ai学会で石井由美子看護師がCTによる死因究明の重要性を訴える


2017年8月26日に三重県津市で行われた「第15回オートプシー・イメージング(Ai)学会学術総会」で、河北総合病院(東京都杉並区)に勤務する石井由美子看護師が、CTによる死因究明の重要性を訴えました。
石井看護師がグリーフケアに携わっている河北総合病院では、患者が突然亡くなった場合、CTによる死因究明を積極的に行い、遺族へのケアに役立てる取組を行っています。
また今回の学会を通し、石井看護師は「突然大切な家族を失った遺族は、患者の死因が分かることで現状を受け止めることができ、心を穏やかにすることができる。遺族が前を向いて生きていくためにも、短時間で行うことのできる「CTによる死因究明」は、非常に重要である。」ことを伝えました。
「CTによる死因究明」は、解剖と比較すると遺族が感じる抵抗も少なく短時間で行うことができます。今後、より多くの遺族を救うためにも、積極的に導入する病院が増えていくことを願うばかりです。
日本における「死亡究明」の現状
欧米諸国と比較すると、日本は死亡究明率が圧倒的に低い現状があります。
例えばスウェーデンの場合、死亡後の病理解剖率は90%にも昇りますが、日本だと「2~4%」程度にとどまっています。
こういった日本の現状は「死因不明社会」などとも呼ばれ問題視されていましたが、2012年には「死因究明等の推進に関する法律」も制定されました。
しかし今に至るまで、なかなか現状は改善の兆しを見せません。
日本の死亡究明率が低い理由とは
ムムム・・・なんだか今回のニュースは結構ヘビーな感じだなぁ。
確かにね。でも、突然大切な家族を失った悲しみを癒すために大切なことだから、しっかり理解して帰ってね。
そうだよね。じゃぁ詳しく聞いてくけど、何で日本は突然死んじゃった人の死亡究明があまり行われてないの?
いっ、いきなり核心ついてくるわね。
えっ、これ核心ついてたの?とりあえず早く教えてよ~
分かったわ!これにはね、色んな原因があるから1つ1つ説明していくわね。
うん、一気に説明されるとパニックになっちゃうから、1つ1つ丁寧に教えて。
(何で上から目線?!)はいはい。まずね、死亡究明の方法には大きく分けて「病理解剖」と「画像診断」の2つがあるの。ここまではOK?
ギ、ギリギリOKだよ。
(これからが本題なのに、もうギリギリ?!)そう。じゃぁまず「病理解剖」の方から説明していくとね、こっちの方はそもそも「解剖医っていう病理解剖をする先生」が、日本はものすごーく少ないの。解剖医が1人しかいない県もあるくらいなのよ。
そりゃぁ深刻だぁぁぁぁ
そうでしょ。だから、ものすごく時間がかかってしまう可能性もあって、病院側としてもよっぽどの事情がない限り、遺族に積極的に解剖を進めるようなことはできないのよ。
じゃぁ、画像診断の方は何であんまり行われてないの?こっちは、解剖ほど時間がかかんないでしょ?
(パンダ君でもそれくらい分かるんだ)そうよ。ただ、こっちの方は遺族が結構お金を払わなくちゃいかなくて、それが画像診断を妨げる要因になっているようなの。
そうなの?!ちなみにいくらかかるの?
大体5~6万円くらいかかるみたいなのよ。
そりゃ大金だ!僕の全財産だよ!!!!それ、どうにかなんないの?
(全財産、少なすぎでしょ)そうね~、結局、国が負担するしか解決策がないんだけど・・・。まだ国の方も十分に必要性を理解してくれているわけじゃないから、なかなか難しいみたいで。
うーん。なんかそれって納得がいかないなぁ。
分かる!残された家族のことを全然配慮してくれてない気がしちゃうわよね。
そうだよ!これから頑張っていかなきゃいけないのは、残された家族の方んだから。
うん。でも、国の方針がそう簡単に変わることは望めないでしょ?だからこそ、石井看護師のように、現場の看護師が声を大にして訴えるべきなんだと思う。
だね!上を変えるには、まず現場の声を届けていかないと!!
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