未払いが数億単位!?労働基準監督署が沖縄県立病院の医師・看護師らへ対する未払い残業代を指摘

未払いが数億単位!看護師の残業代未払い

2016年11月、労働基準監督署は沖縄の県立病院である、北部病院と南部医療センター・子ども医療センターに対し、医師・看護師などの全医療従事者に対する残業代未払いを指摘しました。

これにより、沖縄県病院事務局は、同病院に対し過去2年間の残業代未払いの実態を把握するよう指示しています。すでに退職したスタッフも対象となるため、2016年12月28日時点で全容把握までにはいたっていませんが、残業代未払いは総額で億単位になる見込みです。

2012年頃、同病院で勤務していた看護師からは「毎日4~5時間のサービス残業を行い、休憩時間は15分しかなかった。残業代申請は同僚に阻まれた。」との声も聞かれており、かなり以前から経営がずさんな状態になっていたことが伺えます。

また、今回の事態を受け、病院事務局長の伊江朝次氏は「(今後の)病院経営への影響は計り知れず、県立病院の救急医療体制を縮小する議論に繋がりかねない」と話しています。

看護師のサービス残業の実態について

日本看護協会が独自に行った調査によれば、交替制勤務者の4.3%(約23人に1人)が、月60時間を超える時間外勤務を行っていることが分かっており、またそこに含まれる多くの看護師はその分に見合った残業手当はもらっていませんでした。

2008年10月に2名の看護師が過労死労災認定をされて以降、看護師の労働環境を見直そうという動きは強くなっています。しかし、病院側の経営的な事情もあり、劇的に状況を変えていくことは難しい現実があります。

 

看護師のサービス残業には様々な背景がある

看護師のサービス残業には、病院側の「未払い」という一方的な理由以外にも、以下のような様々な背景があります。

  • 前残業が多い
  • 若いスタッフは残業を申請しづらい雰囲気がある
  • 正確な残業時間を伝えると師長から怒られる

情報収集のために前残業を行うのは「当たり前」の看護師ですが、この前残業に関しては残業代が支払われないのが暗黙のルールとなっています。

また、先ほども紹介した沖縄県立病院の看護師のように、師長を含む同僚の看護師が、正確な残業時間の申請を阻止することもあり、サービス残業に関しては一長一短で片付く問題ではありません。

 

まとめ

2006年11月、沖縄にある2ヶ所の県立病院が、医師・看護師らへの残業代未払いについて、労働基準監督署から指摘を受けました。これにより、沖縄県病院事務局は過去2年間のスタッフの残業代未払いの実態を調べるよう病院へ命じました。同局の報告によれば、2016年12月末日の時点でその総額は数億単位に及ぶことが分かっています。

患者さんのために誠心誠意を尽くしたいとは思っても、正当な残業代が支払われない過酷な労働環境の中では、医療従事者としての役割を完璧に果たすことは難しいのではないでしょうか。本当に患者さんのための医療を考えるのであれば、病院側は常に「正当な労働の対価」を支払うべきなのだと考えられます。

亀岡 さくみ

【資格:看護師、保健師、養護教諭第二種】

都内の日本赤十字医療センターで3年、その後保育園看護師として1年勤務し、パート看護師・派遣看護師として様々なジャンルを体験。現在は、今までの経験を活かして「はたらきナース」を運営中です。現役看護師や潜在看護師の皆さんの転職、仕事、生活をサポートできるような情報を発信していきたいと思います。

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