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( 看護師 保健師 )

NICU(新生児特定集中治療室)での看護師の仕事内容と給与事情

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NICU(新生児特定集中治療室)での看護師の仕事内容

NICUとは新生児専用の集中治療室の事であり、看護師・助産師が24時間体制で新生児のケアを行っています。またNICUは大学病院や規模の大きい総合病院であれば大抵は設置されています。

このページでは、そんなNICUで働く看護師の仕事内容や求人探しの注意点などを紹介しています。NICUへの転職を考えている方は、「NICU(新生児特定集中治療室)で働く看護師のメリット・デメリット」の記事と併せてチェックしてみてください。

1.NICUで働く看護師の仕事

NICU

NICUで働く看護師の主な仕事内容は以下の通りです。

全身状態のチェック ・人工呼吸器やフルモニターの数値チェック
・1日6回のバイタルチェック
医療ケア

・人工呼吸器の設定チェックと管理
・経管栄養
・投薬
・栄養チューブ交換

検査介助  ・採血介助
・超音場検査の介助
・眼底検査の介助
日常ケア ・清拭
・授乳
・ポジショニング
・母乳ケア
家族ケア

・タッチングを促す
・抱っこの介助
・保育日記の作成

それぞれ、以下に詳しく説明していきます。

 

全身状態のチェック

正常に出生した健康な赤ちゃんは泣き声で欲求を周囲に伝えることができますが、保育器にいる赤ちゃんは泣くことさえできない場合があります。

そのため、看護師は人工呼吸器やフルモニターの数値だけでなく皮膚の色や表情など、さまざまな情報から全身状態をチェックし、アセスメントを行います。

 

バイタルサインの測定は1日6回

バイタルサイン測定は各勤務2回のことが多く(1日6回)、モニターの数値(心拍、呼吸数、spo2など)、人工呼吸器の設定、点滴の様子は1時間毎にチェックします。

バイタルに異常があればすぐに医師に報告し設定変更や処置を行います。アセスメントの不足により状態が急変したり、重症化するおそれもあり、全身状態のチェックは看護師の重要な役割です。

 

高度な医療ケア

NICUは機械に囲まれ高度な医療を提供する空間です。たくさんの医療ケアがありますが、その中でも行うことが多いケアをいくつか具体的に紹介します。

 

人工呼吸器の設定チェックと管理

NICUに入院している児の挿管率は高く、人工呼吸器の管理は必須です。

児の状態に合わせて医師の設定した呼吸器条件が正確に作動しているか毎時間確認します。

吸引のために人工呼吸器をはずしただけでspo2が低下することもあるため慎重な看護技術が必要です。

経管栄養

状態は安定すると栄養が開始されます。経口哺乳が確立されるのはだいたい35週であるため、NICUに入院している児のほとんどは経管栄養です。

また、超早産児の場合は2~3ヵ月と長期的に経管栄養が必要となります。

嘔吐しやすいため、シリンジポンプを使用して30分~1時間かけてゆっくり注入します。

 

ポイント!

ポイント

消化器機能も未熟であるため、すぐにガスが貯留して腹部膨満になったり、排便が滞ってしまうこともあります。

必要に応じてマッサージや浣腸を行う等、腹部ケアを行う必要があります。

 

投薬

NICUに入院している児の体重は小さく、投薬の量もごく少量です。

単位をまちがえると状態が急変したり、生死に関わることもあり、緊張感を持って行う必要があります。

そのため、投薬の量は必ず看護師2人でダブルチェックを行います。また、点滴は刺入部の確認、固定、薬液量などを1時間毎に確認します。

 

栄養チューブ交換

小さな赤ちゃんに使用する栄養チューブは細く、挿入する際は食道や胃壁を傷つけないように注意します。

500g未満の児のチューブ交換は高度な看護技術が必要です。

 

病棟内での検査介助

NICUは清潔区域になるため、検査のほとんどは病棟内で行います。例えばレントゲンは検査技師が保育器サイドまできて撮影します。

その際に体位の保持や体温の調整などを看護師が行います。採血、超音波検査は医師が行いますが、検査後は看護師がホールディング(児の身体を丸く包み込む)をして落ち着くよう促します。

刺激や痛みに対するストレスが大きいため、細やかなケアが大切

早産児は刺激や痛みに対するストレスが大きく、呼吸状態や消化状態にまで影響を及ぼすこともあるため、看護師の細やかなケアが大切です。

 

専門的な看護技術が必要な日常ケア

保育器の中にいる状態の乳児にケアを行うことは専門的な看護技術が必要です。

いくつかの処置のポイントを具体的に説明します。

 

清拭

急性期をすぎて状態が落ち着いた児には清潔ケアを行います。その際には、あらかじめ保育器の温度を上げておいたり、滅菌されたガーゼを使用するなど、さまざまな注意が必要です。

また、体重が大きくなり、状態が安定している児には保育器から一時的に出してベットサイドで沐浴を行うこともあります。

 

授乳

NICUにいる児のほとんどは経管栄養ですが、週数や状態によっては保育器内で授乳を開始する場合があります。

早産児の多くは哺乳時に呼吸がうまくできずspo2低下がみられます。そのため、看護師は適切なタイミングで息継ぎを促します。

また、胃の形状が細長く嘔吐しやすいため、途中排気(げっぷ)を多めに行ったり哺乳後の体位に注意したりと細やかな工夫が求められます。

 

ポジショニング

未熟児は筋力も弱く、手足も細いため適切な体位が保持しにくい状況です。そのため看護師はポジショニングを行います。

肩枕を使用したり、児の周囲をタオルで囲み子宮内で丸くなっている姿勢に近づけるようにケアを行います。

 

ポイント!

ポイント

早産児の看護で大切なことは保育器を子宮の環境に近づけることです。適切な温度や湿度、薄暗く静かな環境を目指します。

また、児は腹臥位で過ごします。これは呼吸の安定だけでなく、消化を促したり安心感を与えたりという役目も担っています。

 

母乳ケア

新生児にとって母乳は水分、栄養そして免疫のためにも重要です。保育器に入っている児のほとんどは直接母乳を吸うことはできないため、経管栄養に母乳を使用します。

母親は自宅で搾乳し冷凍した母乳を持参します。

母子分離を余儀なくされ、我が子を抱くこともできない母親にとって、何もしてあげられないと自責の念をいだくことも多く、母乳を届けるという役割は愛着形成のためにも大切なことです。

 

愛着形成を促すための家族ケア

家族は集中治療室に入った大切な我が子の様子を毎日緊張しながら見守っています。ワンフロアの閉鎖的な空間の中、常に医療者の目があり安心する反面、家族だけの時間をもつことができません。

そこで愛着形成を促すためにも、状態の安定している児にはできるかぎり保育器の窓から手をいれてタッチング(直接児に触れてもらう)を行います。

保育器の外でカンガルーケアを行う

一時的に保育器の外でカンガルーケア(直接抱っこしてもらう)を行うこともあります。人工呼吸器やチューブが装着されている児を抱っこすることは危険も伴うため必ず看護師が介助を行います。

 

児の保育日記を作成し、家族が成長を感じられるよう配慮

早産児の場合、入院が長期間に及ぶことも多く母子分離を余儀なくされます。私のいたNICUではプライマリー制を導入し、担当の児の保育日記を作成していました。

写真を入れたり、毎日の体重や家族が面会時間以外の児の様子を記載することで家族が児の成長を感じられます。

 

2.看護師の1日のスケジュール

ポーズをしている看護師

NICUで働く看護師の1日のスケジュールを日勤と夜勤に分けてお伝えしていきます。

 

日勤帯のスケジュール

8:00 情報収集・申し送り
8:30  ・検査介助
(レントゲン、採血、エコーなど)
・清潔ケア
9:00  ミルク(経管栄養)・投薬
10:00 ・ バイタルサイン測定
・記録
・保育日誌記入
11:00  点滴ライン交換、処置など
12:00  ミルク(経管栄養)・投薬
12:45  休憩
14:00  バイタルサイン測定
15:00  ミルク(経管栄養)投薬
16:00  面会対応(カンガルーケアなど)
16:30  申し送り

 

夜勤帯のスケジュール

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17:00 面会対応
18:00  バイタルサイン測定・ミルク(経管栄養)投薬
19:00  記録
20:00  休憩
21:00  ミルク(経管栄養)・投薬
22:00 ・バイタルサイン測定
・物品補充など環境整備
23:00  記録
0:00  ミルク(経管栄養)・投薬
2:00  バイタルサイン測定
3:00  ミルク(経管栄養)・投薬
6:00  バイタルサイン測定・ミルク(経管栄養)・投薬
7:00  報告・申し送り

※この間に、緊急入処置や緊急入院が入ります。出産は24時間どのタイミングで行われるかわからず、緊急の帝王切開などに備えてNICU看護師は常に準備をしながら通常の業務も行っていきます。

※各種モニターの設定や数値は毎時間チェックします。

 

2.NICUで働く看護師におすすめの資格

NICUの看護師に必要な資格
NICUで働く看護師におすすめの資格は、助産師資格と新生児集中ケア認定看護師です。NICUは看護師資格のみでも働くことができますが、働ける職場の幅を増やしたいのであれば、助産師資格は必須です。また、これからこの分野でキャリアアップしていきたいと考える場合は新生児集中ケア認定看護師の資格取得をおすすめします。

助産師資格

NICUで働く看護師の場合、病院によっては看護師資格だけではなく助産師資格が必要になるケースもあります。また、看護師資格のみでOKだとしても、助産師資格保有者の方が優遇されることも多いです。もちろん、就職・転職においては有利になりますし、手当にも差が出てくることがあります。

 

新生児集中ケア認定看護師

NICU経験者の方は持っている方は少なくありませんが、新生児集中ケア認定看護師という資格もあります。

これは新生児ケアのプロフェッショナルとして認められる資格であり、看護師経験5年以上かつ、3年以上はNICUの現場で働いた看護師のみが取得できる資格です。詳しくは「新生児集中ケア認定看護師の資格条件とおさえるポイント5つ」もチェックしてみてください。

3.NICUで働く看護師の給与事情

給料夜勤は1か月72時間以内というルールが適用されませんので、一般病棟よりも夜勤回数が多めになります。そのため、夜勤手当が多くなりますので、一般病棟の看護師よりも給料は高くなる傾向にあるのです。具体的には年収500万円以上が目安となります。

NICUで給料をアップさせるには?

NICUで給料をアップさせるには、資格を取得してキャリアアップするという方法があります。なお、NICUで役立つ資格は、先にも述べた通り新生児集中ケア認定看護師や助産師です。

ポイント!

ポイント

できるだけ規模の大きい病院を選ぶことをおすすめします。なぜなら、規模の大きい病院であればあるほど、そこで働く看護師の基本給も高い傾向にあるからです。

 

4.NICUへの看護師転職注意点

NICUに転職を考える看護師の注意点
NICUは、一般病棟とも小児科とも違う特殊な環境の職場です。では、転職を考えている看護師はどのような点に注意すれば良いのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

一般病棟から転職した看護師は一から勉強しなおさなければならない

NICUでは、一般病棟では学べない特殊な知識・技術が求められますので、一般病棟から転職した看護師は一から勉強しなおさなければなりません。そのため、NICUへの転職は出来るだけ若いうちに実行することをおすすめします。

NICUは夜勤72時間の適用外であるため夜勤が多い

先ほどの給与事情の項目でも少し触れましたが、NICUは患者3人に対して1人以上の看護師を置く必要があります。そのため、夜勤の72時間ルールの適用外となっており、看護師は一般病棟に比べて夜勤が多めという特徴があります。

ポイント!

ポイント

ただし、人数が十分に確保されている病院においては一般病棟と変わらない夜勤回数となる可能性もあります。

 

精神的に非常にハードな職場であることを覚悟しておく

NICUへ転職する看護師は、精神的に非常にハードな職場であることを覚悟しておきましょう。なぜならNICUでは、看護師が両親から理不尽なクレームや怒りをぶつけられることもありますし、また新生児が亡くなるような場面に直面することもあるからです。

5.NICUの看護師求人の探し方

NICUの看護師求人の探し方
最後にNICUの看護師求人の探し方について紹介します。NICUは基本的に総合病院に設置されているため、NICU単体での求人は見つけづらいという特徴があります。そのため、看護師専門の転職サイトを利用しながら効率的に求人を見つけることをおすすめします。

転職サイトだからこそ掲載されている求人なのでより選択肢の幅を広げることができますし、条件も良い物がそろっています。

 

転職コンサルタントに相談する

一人で転職を行う看護師のために、様々な相談に乗ってくれることも看護師転職サイトの魅力といえます。中には直接会って相談に乗ってくれる転職サイトもありより本格的なカウンセリングを受けることができます。

相談の内容としては、転職全般に関わることから面接に関することまで様々なので、自分に足りていない要素を補うこともできるのです。場合によっては、面接の日程調整まで依頼できる可能性もあります。

 

求人選びは看護師の人員状況や給与体系に着目しよう

実際に求人を絞る際には、看護師の人員状況や給与体系に着目してみても良いでしょう。なぜならNICUでは忙しすぎて休暇がとれなかったり、残業が多かったりして過酷な環境も少なくありません。そんな求人を選んでしまうと、気持ちや心に余裕が持てず、何も学べずにただ時間に追われるという危険性もあります。

 

まとめ

NICUでは新生児に対する特殊な知識・技術を身に付けることができる反面、一般病棟で使えるような看護スキルは落ちてしまいます。また、これまで一般病棟しか経験のない看護師にとっては、一から勉強しなおさなければならない現場でもあります(どんなに経験がったとしても)。こういったNICUの実態をきちんと理解した上で、転職に踏みだすようにしましょう。


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都内の大手総合病院で3年、その後保育園看護師として1年勤務し、パート看護師・派遣看護師として様々なジャンルを体験。現在は、今までの経験を活かして看護師ライターとして活動中です。現役看護師や潜在看護師の皆さんの転職成功をサポートできるような情報を発信していきたいと思います。

看護師としての経歴

保有資格 ・正看護師 ・保健師 ・養護教諭第二種
出身/年齢 ・東京都/28歳
職務経験 ・総合病院 ・大学保健室 ・保育園 ・デイサービス ・イベントナース ・ツアーナース
診療科経験 ・整形外科 ・小児科

記事の内容に関しては、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用をお願いいたします。
カテゴリー:看護師仕事内容の転職

(公開日:)(編集日::2018年05月29日)

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