著作者

あおいロワイヤル

執筆:現役看護師

あおいロワイヤル

( 看護師 ACLSプロバイダー)

ICU勤務の看護師が教える!向いていない人と「その理由」

公開:、更新:2017年12月22日
ICU勤務の看護師が教える!向いていない人

ICU(集中治療室)の看護師は一般病棟での看護と異なる特殊な部署ですが、超急性期の看護や全身管理のスキルを身に付けたい、と異動や転職を希望する看護師は多いです。

これからICU(集中治療室)へ転職したいものの、ICU(集中治療室)に自分は向いていないかもしれないという不安を持っている看護師の方もいるのではないでしょうか。

このページでは、そんな看護師のために、ICU(集中治療室)勤務が向いていない看護師の特徴をご紹介します。

1.患者が急変したときに固まってしまう看護師

患者が急変したときに固まってしまう看護師

生命の危機への緊張や苦しんでいる患者を前にして、頭の中が真っ白になってしまう看護師はICUに向いていないでしょう。

経験や練習などを重ね自信を身に付けられれば十分対応ができるようになりますが、どうしても緊張が拭えず固まってしまうという看護師は適性に欠けるかもしれません。

 

理由:患者の急変に瞬時に対応することが求められるため

ICUでは循環動態や呼吸状態が不安定な患者が多いため、一般病棟に比べると急変する場面に遭遇することも多いです。

そのときに瞬時に身体が動き、対応することがICUの看護師に求められます。

 

2.自分が受け持っている間に急変しないでと思う看護師

自分が受け持っている間に急変しないでと思う看護師

たとえ経験や技術があったとしても、「自分が受け持っている間に急変しないで」と思いながらビクビクしてしまう看護師は、ICUの看護師は向いていないといえます。

また、そのような場合はICUでの勤務を続けることにストレスを感じやすくなるでしょう。

 

理由:常に向上心を持って取り組む姿勢が必要なため

急変対応が苦手な看護師や、実際に急変時の対応技術が不十分な看護師はいますが、いざという時は1人ではなく看護スタッフ間の連携の中で対応します。

そのため必要なことは、

  • 常に向上心を持って経験を積む姿勢
  • 急変が起きても自分にできる精一杯のことをしようという気持ち

などで臨むことが必要です。

そのため、「自分が受け持っている間に急変しないで」と思う逃げ腰の看護師は向いていないといえます。

 

3.勉強が苦手な看護師

勉強が苦手な看護師

勉強するのが苦手で集中して学べない、新しいことを取り入れるのが苦手という看護師にはICUは辛い環境となり、向いていないと言えるでしょう。

 

理由:入職から経験後も常に勉強が求められるため

ICUは対象領域が広いので、当然転職・入職した時から経験を積んだ後も常に勉強が求められます

誰かに課題を与えられなくても、自分から興味を持って自主的に勉強することや、当たり前にやり過ごすのではなく

  • 「この治療はなぜ行われているのだろう?」
  • 「この手順でしなければならない理由は何だろう?」

など、深く考えて追究することも大切です。

 

4.自分の時間管理ができない看護師

自分の時間管理ができない看護師

効率的でかつ確実・安全に看護行うために、ICUの看護師は朝タイムスケジュールを記入します。時計を見ながらテキパキとこなさないと看護師の仕事としての時間へのストレスは大きくなります

そのため、自分の時間管理ができない看護師はICUには向いていないといえます。

 

理由:患者1人に行う看護の内容が濃いため時間に追われるため

ICUは看護体制が2対1なので、1人の看護師が受け持つ患者数は少ないのですが、1人に行う看護の内容は濃いので時間に追われます

患者のために、とベッドサイドで看護師としてゆっくり関わることも大事ですが、いつまでも患者の部屋から出てこないと周りのスタッフが業務フォローしなければならなくなります。

 

5.報告・連絡・相談をせず自己判断で動いてしまう看護師

報告・連絡・相談をせず自己判断で動いてしまう看護師

看護師として経験が増えて自信がついてきたときに陥りがちですが、このくらい大丈夫だと自己判断で行動してしまう看護師がいます。

そのような、

  • 報告・連絡・相談が出来ない看護師
  • 看護スタッフ間コミュニケーションが苦手な看護師
  • 自分だけで黙々と仕事をする看護師

はICUには向いていないといえます。

 

理由:ICUでは小さなことが大きな事態になるため

ICUでは全身状態が不安定な患者が多く、小さなことでも大きな影響をもたらし、取返しが付かない事態に発展することがあるため、報告・連絡・相談は必須です。

また、看護スタッフに確認されなくても、自分から情報を発信していくことが大切になります。

 

6.患者や家族と笑顔で会話したい看護師

患者や家族と笑顔で会話したい看護師

看護師として、

  • いつも明るく笑顔でいたい
  • 患者の退院する姿や嬉しい気持ちを共感したい

と思う方はICUの看護師に向いていないと言えるでしょう。

 

理由:無防備に笑顔で話すことができない緊迫した時間もあるため

ICUでも状態が安定していることや、病棟への転棟間近な患者もいますが、重篤な患者や生命の危機に晒されている患者も少なくありません

その場合は患者や家族に対して無防備に笑顔で話すことができない緊迫した時間もあります。

 

補足説明!

ポイント

辛さや悲しさ、絶望感などを傾聴することや共感することは、受け持つ看護師も精神的に疲れるため、ICUの看護師は、ある程度の覚悟が必要だといえます。

 

7.患者からの「ありがとう」にやりがいと感じる看護師

患者からの「ありがとう」にやりがいと感じる看護師

看護師として今までのやりがいは患者からの「ありがとう」を聞くことだとしたら、ICUの看護師として同じやりがいを求めるのは難しいかもしれません。

 

理由:ICUで過ごした日々を患者は覚えていないため

ほとんどの患者は「ICUで過ごした日々を覚えていない」と実際に言われます。

入室しているときも苦しみや痛みの中をさまよっていることや、意識清明でないこともありますし、気管内挿管されていれば会話もできません。

時々、ICU退室後に手紙をくれることや退院時に挨拶にいらっしゃる患者も存在しますが、ほんの一握りです。

患者から言葉を貰えなくても、ICUにやりがいを見い出すことができない看護師はモチベーションを保つのが難しくなります

 

8.非言語コミュニケーションが下手な看護師

非言語コミュニケーションが下手な看護師

非言語コミュニケーションが下手な看護師は、うまく伝わらないからやりたくないという気持ちになりICUの看護師としては向いていないといえます。

ICUで意識がない患者ばかりを相手にしていると、患者をモノのように扱うことや、人間としての尊厳を忘れた対応をする看護師も実際にいますが、長くは続かないでしょう。

 

理由:非言語コミュニケーションを努力することを求められる

ICUにいる重症患者では意思疎通が難しいことや、気管内挿管によって会話ができないことも多く、非言語コミュニケーションが下手で面倒という看護師でもICUに勤務していれば努力することを求められます

ICUでは、ほんの少しでも反応がある患者であれば、看護師として非言語コミュニケーションを取る努力は必要です。

 

補足説明!

ポイント

鎮静されていないときは気管内挿管下でも十分コミュニケーションが取れますし、それによって医療者の意思を伝え患者の要望や気持ちを汲み取ることが重要になります。

 

9.患者の気持ちを考えられない看護師

患者の気持ちを考えられない看護師

患者の気持ちを考えて動けない看護師や、考えることを行わない看護師はICUの看護師に向いていないといえます。

突然の大病、生きるか死ぬかという危機に晒された患者や家族の気持ちに寄り添うことはICUで最も重要な看護の一つです。

 

理由:看護技術があっても看護師として信頼を得られないため

ICUに入院している患者は、見慣れない機器や管だらけの姿に不安や恐怖を感じない人はいません。

「あんなの全然重症じゃないのに、大げさ」などと言い、患者一人一人の苦しみや痛みに寄り添わず、向き合わなかったり、事務的な対応だけしかできない看護師は、たとえ技術があっても信頼を得ることはできません。

 

10.患者の死が苦手な看護師

患者の死が苦手な看護師

最後に患者の死が苦手で毎回落ち込んでしまう、という看護師は致命的かもしれません。

いつも患者の死のたびにしばらく泣いてしまい感情のコントロールがしづらい看護師にとっては、ICUは厳しい環境でしょう。

 

理由:亡くなる患者に落ち込む暇がないため

ICUでは死亡退院する患者がいれば、そこへ次に入室する重症患者が待っているので、亡くなる患者に看護師は落ち込んでいられないのが現状です。

しかし、患者や家族への感情移入はもちろん、

  • その患者の望む死の形だったのだろうか
  • 人生の後悔はなかっただろうか

など考えてしまうと自分の看護師としての無力さにも落ち込むこともあります。

 

そのため、ICUの看護師として求められる資質は、患者の死に対して、毎回自分の中で振り返ることはあっても、冷静に切り替えられる感情のコントロールです。

 

まとめ

ICUに向いていない看護師の特徴に当てはまるからといって、すぐにICU勤務を諦める必要はありませんが、そこで勤務するのが苦しい・辛いと感じてしまうこともあるかもしれません。

自分に向いている職場への転職を成功させるために、自分の傾向や特徴を分析するときの参考にしていただければと思います。


(編集・構成・管理者:亀岡さくみ

看護専門学校卒業後、大学病院の集中治療室(ICU・CCU)で8年間勤務。出産・育児休暇を経て復職しましたが、夫の転勤のため退職。 その後、興味のあった在宅看護に携わりたいと考え転職し、現在は看護師が立ち上げた小規模訪問看護ステーションに在籍する現役訪問看護師2年目です。 転職に迷っている方、病院選びや就きたい仕事選びでリアルな現場の実状を知りたい方への情報を分かりやすくお伝えし、お役に立てればと思います。

保有資格 ・正看護師 ・ACLSプロバイダー
出身/年齢 ・神奈川県/40歳
職務経験 ・大学病院・小規模訪問看護ステーション
診療科経験 ・ICU(集中治療室) ・CCU(冠状動脈疾患集中治療室) ・訪問看護

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