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そらの

看護師ライター

そらの

( 看護師 )

がんサバイバーへの看護ポイントと看護師の役割

そらの
看護師ライターそらの
がんサバイバーへの看護ポイント

サバイバーとは、生存者という意味があります。医療現場で「がんサバイバー」と言うと、がんと診断され生きている人のことを指します。

看護師は、現代医学でも完治することが難しいとされるがんサバイバーに対して、質の高い生活を送ることができるようにサポートすることが求められています。

この記事では、がんサバイバーに対する看護師の看護ポイントをまとめて説明します。

1.がんサバイバーの悩みと対処法について

看護師 がんサバイバー 悩み

医学が進歩しているとはいえ、患者はがんの診断を受けると「死ぬのではないか」と考えてしまうのは当然です。では、がんサバイバーは具体的にどのような悩みを持ち、看護師はどのように対処すれば良いのか説明していきます。

 

(1):余命はどれくらいなのか

がんサバイバーによっては、自分の余命を知ることで辛い副作用でも完治へ向けて耐えることができるようになります。余命を知らない状態は、がんサバイバーの不安を大きくする原因にもなるのです。

実際に看護師はがんサバイバーから余命について聞かれる場面は多いです。

 

対処法:余命告知や告知後の治療について説明する

がんサバイバーへの告知をするか、しないかは患者の家族と相談する必要があります。以前は余命告知なしで治療を進めることもありましたが、今は告知をすることがほとんどです。告知が済んでいるのであれば、

  • これまでの「治療をしないとき」のがんサバイバーの状態
  • これまでの「治療をしたとき」のがんサバイバーの状態

の両方の成績を伝えます。その情報を提供することで、患者が今後の方針(治療するのか、しないのか)を決定するための材料となるのです。

 

ポイント!

ポイント

がんサバイバーへの告知が済んでいないのであれば、なぜ余命を知りたいのか問い、傾聴します。

 

(2):死んだらどうなるのか

がんサバイバーは、完治しても死の恐怖は常に付きまとっています。がんと診断され治療を開始し、一旦完治したとしても今後100%再発しないわけではないのです。特に、子どものがんサバイバーは、死後について看護師に質問をすることが多いです。

 

対処法:死後の伝え方は患者の家族と相談すること

死後の状態についてがんサバイバーのから相談を受けた時は、患者の家族に考えを伺い、家族と看護師が同じ伝え方をすることが良いです。特に子どもや情緒が不安定ながんサバイバーによっては、家族の意見と看護師の意見が違うことに大きなストレスを感じます。

 

ポイント!

ポイント

子どものがんサバイバーの家族の場合、「お星さまになってお父さんとお母さんを見ているのよ」、「天国と地獄があって、〇ちゃんはいい子だったから天国に行くよ」など伝えていることもあります。

 

2.看護師へのがんサバイバーの看護ポイント

看護師 がんサバイバー 看護

看護師が、がんサバイバーに接する際のポイントは以下のように2つのケースに分けて考えます。

  • 余命告知が済んでいるがんサバイバーへの看護
  • 余命告知が済んでいないがんサバイバーへの看護

それぞれのがんサバイバーへの看護ポイントについて説明していきます。

 

余命告知が済んでいるがんサバイバーへの看護ポイント

余命告知が済んでいないがんサバイバーへは、告知が済んでいるのかをチェックして対応するようにしましょう。がんサバイバーのの中には告知していないにもかかわらず、「私のがんについて詳しく知りたい」と相談してくるケースもあります。

 

がんサバイバーの不安を大きくさせないことも大事

余命告知を受けたがんサバイバーの質問に対する返事については、言動の一致が大切です。例えば、

  • 医療者同士の言動
  • 家族と医療者
  • 受け持ち学生

などにも発言内容を一致させる注意しましょう。言動の一致が、がんサバイバーが抱える不安を小さくします。

 

余命告知が済んでいないがんサバイバーへの看護ポイント

看護師は余命告知が済んでいないがんサバイバーの言動・行動には細心の注意をはらいましょう。余命告知後の患者には、自暴自棄になって自殺しようと考える方もいます。可能な限り、患者の家族にそばにいてもらえるように付き添ってもらうようにしましょう。

 

がんサバイバーの家族が付き添える環境をつくることも大事

がんサバイバーの家族が患者に付き添えるように、家族用に添い用ベッドなどを準備し環境を整えます。付き添いが難しい場合や家族が就寝した後は、30分~1時間に1回は定期的に観察するようにします。

 

ポイント!

ポイント

がんサバイバー本人が、がんではないかと疑って気持ちが不安定になってしまったときには、家族に告知することのメリット・デメリットを話し、今後を相談していきます。

 

3.がんサバイバーの家族に対する看護師の役割

看護師 がんサバイバー 家族 役割

がんという病気になった、がんサバイバー本人も辛いですが、がんサバイバーの家族も同じように辛く、複雑な思いを抱えていることがあります。ここでは、看護師ががんサバイバーの家族に対してどのような役割を担っているのか説明します。

 

思いきり泣ける環境を提供する役割

家族は、がんサバイバー本人の前では泣きたくても泣くことができないのです。気丈に振る舞っている家族に対して、看護師にできることは、思いきり泣ける環境を作ることです。「いつでも話をしたいときには声をかけてください」などの声かけをこまめにしましょう。

 

ポイント!

ポイント

がんサバイバーの家族の話を聞くときには、泣き声がもれない場所で話しを聞きます。個室がないときには、閉まった後の外来などを使っても良いでしょう。

 

家族へ心療内科やカウンセリングを紹介を紹介することも良い

泣くことをがまんしているとストレスが溜まります。人は涙を流すと副交感神経が優位になり、ストレスが軽減します。ですが、

  • 家に帰ると涙が止まらない
  • 仕事が手につかない

というように、患者家族が日常生活に支障をきたしているようであれば、心療内科やカウンセリングを紹介することもあります。

 

家族のさまざまな思いに共感し理解する役割

がんサバイバーの家族は家族でいろいろな葛藤を抱えていることがあります。看護師が家族が抱える感情に共感し、理解することで、家族の葛藤を和らげ、問題解決ができるようになります。例をあげると、

  • がんサバイバー本人と家族の仲が悪い
  • がんサバイバーの家族への接し方に問題がある

というような問題を抱えていると面会に来ないケースもあるのです。がんと診断された人の家族がみんな、患者と共に過ごして行くわけではないのです。

 

面会に来ない患者家族には時間をかけて信頼関係をつくる

がんサバイバーが死を意識した時、以前の行いを反省し、家族へ感謝の気持ちを抱くことがあります。看護師は「今の患者の状態の説明を聞きに来ませんか」とだけ伝え、傾聴しながら時間をかけて家族との信頼関係を築いていくことが大切です。

 

ポイント!

ポイント

看護師はがんサバイバーの意見を尊重しすぎて、家族に「面会に来てあげてください」と言ってしまうことがありますが、信頼関係のない看護師の言葉は無責任に感じるだけです。

 

4.看護師が「がんサバイバー」と信頼関係を築く方法

がんサバイバー 信頼関係

看護師は、がんサバイバーの気持ちの理解することはできません。しかし、知ろうとすることは大切です。ここでは、がんサバイバーと信頼関係を築くための方法について説明します。

 

がんサバイバーを特別扱いしないこと

がんサバイバーは、自分ががんであることを周囲に伝えると「かわいそう」などと声をかけられることが辛いと感じます。がんサバイバーにとって特別扱いされることは嫌味だと思われます。特別扱いはせず、がんサバイバーの希望に応えられることを探しましょう。

 

生きている今を支えていくことが大切

がんサバイバーはがんという病気と向き合い、自分が今できることを大切にし、希望を持って治療をしているのです。がんサバイバーが生きている今を、看護師がサポートすることで信頼関係は強くなるのです。

 

ポイント!

ポイント

看護師はがんサバイバーのできないことに目を向けるのではなく、できていること・できることに注目しサポートしていきましょう。

 

気分の移り変わりに寄り添うことが大事

人はがんと診断されると死を意識します。その死を受容していく過程として参考になるものがキューブラ・ロスの「死の受容過程」です。キューブラ・ロスの「死の受容過程」では、

  • 否認
  • 怒り
  • 取引
  • 抑うつ
  • 受容

という5つの段階を行ったり来たりしながら、人は死を受け入れていくという理論です。キューブラ・ロスの「死の受容過程」を知り、移り変わる患者の思いに寄り添うことが大切です。

 

がんサバイバーの怒りに対する対応が重要

がんサバイバーにはがんと診断された怒りによって、医師を責めたり、周囲に怒りをぶつけてしまうこともあります。怒りの段階にあるときには、傾聴することも大切ですが、突然湧き上がる激しい怒りで話ができないときには「落ち着いたらまた来ますね」と声をかけ、ひとりにしてあげることも必要です。

 

ポイント!

ポイント

全ての人がキューブラ・ロスの「死の受容過程」を経るわけではないのですが、がんサバイバーの患者の心理を知るためにはとても参考になるため一読することをおすすめします。

 

まとめ

がんサバイバーへの接し方を考える前に、まずがんサバイバーが抱える悩みを理解することから始めましょう。告知され死を目の前に感じることで、患者もその家族もさまざまな思いを経験します。

がんだからといって特別扱いするのではなく、「死の受容過程」などの理論を参考にしながら気持ちに寄り添ってみましょう。泣ける場所を提供したり、ひとりの時間を作ったりするなど環境を整えることも大切です。

さらに、告知されない方に対しては、特に言動が一致するように注意しましょう。場合によっては、心療内科などに相談する方法があるということも覚えておきましょう。


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この記事を書いた人

DIYと野球観戦、うさぎの飼育で気晴らししながら妊活している看護師です。中でも、うさぎと暮らしていると病んだ心が癒されます。これから動物を飼おうかなという方には、おすすめです。
現在、離職中ですが、主に大手の総合病院で5年、小児科の看護師として働いていました。
これまでの経験と知識を活かして、少しでも皆さんのお役に立つことができればと思っております。


カテゴリー:患者への看護知識

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この記事を書いた人:そらの
(公開日:)(編集日::2017年04月26日)

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