婦人科の看護師の仕事内容と転職注意点について

婦人科の看護師の仕事内容と転職注意点

婦人科で働く看護師は、女性の職場の中で、女性患者の精神的なものに配慮したコミュニケーションが必要になってきます。

その一方で、特に婦人科病棟の場合、時間に追われる忙しさもあります。

向き不向きのある科かもしれないですが、他の科では感じないようなやりがいのある心療科でもあります。

このページでは婦人科クリニック、婦人科外来、婦人科病棟に転職を考える看護師の方に向けて役割や仕事内容、看護すきる、転職するメリットデメリットを説明していきます。

今回の記事を参考に転職活動の参考にしていただけたら幸いです。

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1.婦人科で働く看護師の役割とは

婦人科で働く看護師の役割とは

婦人科で働く看護師の役割を一般的な役割と、外来・病棟看護師に分けて説明していきます。

また、婦人科クリニックへの転職を希望している看護師は、外来・病棟の役割が分かれば、医師の介助に役立ちます。

 

(1)コミュニケーションによる精神的支え

他科よりも大きな役割となるのが、患者の精神的な支えとなることです。

コミュニケーションによって患者に寄り添い、不安や心配、苦痛を軽減できるように話しをすることや、指導することが、看護の大きな役割となります。

女性生殖器を患ったという罪悪感、女性生殖器を摘出しなければならないことへの女性としての喪失感、苦痛は、出産経験の無い若い人は勿論のこと、60歳、70歳になってももつものです。

 

婦人科外来での看護師の役割

婦人科外来では、内診を受けること自体に不安を感じることや、疼痛を感じる患者も多くいます。

子宮や卵巣といった、女性生殖器に疾患が見つかると、他の部位とは異なり、「恥ずかしい」といった感情が生まれたり、「夫には余り不安な気持ちを言えない」といった独特の感情を抱いたり、言いしれぬ不安に陥る患者もいます。

婦人科外来で働く看護師は、その不安を少しでも解消する役割があります。

 

婦人科病棟での看護師の役割

病棟に入院してくる患者は、手術療法を受ける患者と内科的に癌の化学療法を受ける患者、子宮癌、卵巣癌の疼痛コントロール、癌を煩い自宅療法を行っている患者が状態悪化のために入院してくる場合などがあります。

生殖器というデリケートな部分に関わる科であり、折々の場面において、看護師のコミュニケーションが患者の不安や苦痛を軽減させることがあります。

 

(2)診療の補助

婦人科の診察の際に、男性医師が診察にあたる場合、女性スタッフが立ち会わなければならないという決まりがあります。

男性医師に診察される不安などを軽減させるようなコミュニケーションも役割です。

 

婦人科病棟の看護師は診察の介助する役割もある

婦人科病棟では、手術前の子宮頚管拡張の処置、術後の内診、退院前の内診、術後ドレーン抜去、包帯交換などの医師の診察の介助に入ることも多いです。

患者にあらかじめ医師に質問したいことを聞いておき、診察時、医師に聞けるように計らうなどの配慮も看護師の役割でした。

私の勤務していた病院では、医師は婦人科と産科を兼務していました。そのため医師は大変忙しく、診察に病棟に来ても、本当に時間が無いため、処置の準備、手早い介助、必要なことを報告確認しなければなりませんでした。

 

2.婦人科クリニック・外来で働く看護師の仕事内容

婦人科クリニック・外来で働く看護師の仕事内容

婦人科クリニック、婦人科外来で働く看護師の仕事内容をお伝えしていきます。

 

(1)婦人科クリニックで働く看護師の仕事内容

婦人科クリニックによって、どこまでを扱っているか、何を専門にしているか異なります。

基本的に婦人科クリニックで働く看護師の仕事内容は、不妊治療や、生理不順、ホルモンに関わること、性感染症なども扱っており、診療の補助や、診療にあたっての患者へのコミュニケーション、ケアを行います。

病棟から始めてクリニックへ転職を希望する看護師の方は「看護師が病棟からクリニックへ転職した時に感じるメリット・デメリット!」も合わせて確認しておきましょう。

 

(2)婦人科外来で働く看護師の仕事内容

婦人科外来で働く看護師の仕事内容は、医師の診療の補助が主な仕事になります。

産科と一緒のことが多く、待合室では、お腹の大きい妊婦がいる横で、子宮癌を患っている患者がいるという状況があります。

そのため、精神的な配慮が必要になります。

外来での化学療法を行なっている患者への化学療法の実施。化学療法を行いながらの自宅療養の相談、支援を行います。

さらに詳しくは「産婦人科外来の看護師の役割や仕事内容・やりがい・負担とは?」を確認してください。

 

3.婦人科病棟で働く看護師の仕事内容

婦人科病棟で働く看護師の仕事内容

婦人科病棟での看護師の仕事内容は、外科的療法、内科的療法ともにあります

手術前後の患者の看護と、卵巣がん、子宮がんなどの化学療法を行う患者を1日に数名ずつ受け持つと、大変忙しくなります。

 

(1)術前、術後看護

術前、術後看護

外科的療法で、子宮がん、卵巣がん、子宮筋腫、卵巣囊腫、子宮内膜症の手術が一般的に行われます。

私のいた病院では、稽留流産の手術は産科病棟では行わないことになっていたため、日帰りですが、婦人科病棟に入院し、術前、術後管理を行っていました。

卵巣囊腫、子宮筋腫などでは、非常に若い患者も入院してきます。

身体や女性器に対して余り知識の無い患者も多くいるため、不安を取り除く支援も必要となり、術前術後のメンタルケアは他科の手術より一層気を遣います。

入院し、手術オリエンテーション実施時から、患者の不安や、手術を受容できているかといったことに寄り添いながら、コミュニケーションをとっていきます。

 

術前での看護師の仕事内容

術前準備では、一般的な術前準備に加え、不安が強い患者には麻酔前投薬投与を実施します。手術数時間前に子宮頚管拡張のための処置を医師が行うため、診察の準備、介助を行います

手術の緊張も重なり、処置を行ない、気分不快をおこす患者もいるため、看護師は対応を行います。

子宮を全摘出する患者の中には、出産経験のない患者もおり、生殖能力が無くなるという苦痛、投げやりになる患者もいます。

私たち看護師が何かできる訳ではありませんが、

  • 寄り添うこと
  • なにかほんの少しでも不安や苦痛をとり除くこと

などに力を注ぎます。

 

術直後の看護師の仕事内容

術直後は、出血量の多い場合もあり、疼痛が強いため、全身管理に加えて、出血量の観察と、疼痛コントロール、麻酔による気分不快への嘔気コントロールを行います。

術式によっては、術後数時間で初回離床するため、離床介助を行います

手術の翌朝に医師による内診や、包帯交換がおこなわれるため、介助に入ります。

自宅退院後順調な経過をたどれるよう、術後指導や退院指導をおこなうことも婦人科看護師の仕事内容です。

 

【体験談】稽留流産の患者

稽留流産の患者は、若い患者や、不妊治療の末の妊娠、流産である場合もあり、「もう子供は授かれないのではないか。」といったことや、「自分が母親として至らないから」などと考え、精神的に落ち込んでいる患者も多く、日帰り手術とは言っても、入院から退院まで、対応にとても気を遣います

しかし、私たち看護師のコミュニケーション、対応によって、「流産をしたとわかってから初めて、娘が泣けたと思う」と家族から言われることや、「今日で気持ちの整理ができました。もしまた子供を授かれたら、ここの病院で産みたいと思えました。」という言葉を頂いた時には本当にホッとするものです。

 

(2)化学療法

化学療法

卵巣がん、子宮癌の入院による化学療法の試行、導入から、副作用管理を看護師が行います。

 

患者の疼痛コントロールや患者の看護

卵巣がん、子宮がんで自宅療法をしており、外来通院をしていた患者の疼痛コントロールや、全身状態管理のために入院してきた患者の看護を行います。

自宅の状況や家族の協力状況から自宅退院支援を行います。

 

看取り

卵巣がんや、子宮がんで全身状態管理のために入院してきた患者、最期まで病院での闘病を望んでいた患者の最期を看取ることも婦人科病棟の看護師の仕事です。

 

4.婦人科へ転職前に確認したい看護スキル

婦人科へ転職前に確認したい看護スキル

婦人科の看護師へ転職する場合、特殊な看護技術は必要ありませんが、看護師としてのスキル(心構え)が必要だと感じます。

 

(1)精神的にタフであること

他科より一層患者への配慮あるコミュニケーションが必要とされるため、看護師自身の精神的タフさは求められます。

女性生殖器というデリケートな部分に関わり、疾病への罪悪感や、喪失感、精神的落ち込みなどを回りの人に相談したり、話しをしたりできない状況で病院にくる患者も多くいます。

「女性生殖器を失い、もう子供を産むことができない」という喪失感は、計り知れません。

また、既に子供を産み育ててきて、年齢を経ても、女性器を失うということが、女性でなくなってしまうと感じる患者も少なくありません。

そのため、婦人科の看護師は精神的なタフさが他の診療科より求められます。

 

補足説明!

ポイント

患者に寄り添える看護師の精神的強さと、看護チームとして患者の精神的看護にあたる必要があります。

 

(2)女性スタッフのなかでコミュニケーションが取れること

婦人科病棟には基本的に男性スタッフはいません。

そのため、医師以外は女性社会となります。看護はチーム医療であるため、女性の中でもコミュニケーションをとってやっていけることは必要です。

 

(3)(病棟)忙しい中で業務を行えること

婦人科病棟の場合は手術療法も多く、腹腔鏡手術などは入院期間も短く回転も早く、手術件数もおおくなります。

また、入院で化学療法を行う患者も受け持つため、オペオリ、術前術後看護、医師の診察介助、処置、準備などを行いながら化学療法を行うこともあり、忙しいです。

患者に寄り添い、精神的なコミュニケーションをとりながら、忙しい業務をおこなわなければならないため、忙しい業務が苦手な場合、慣れるまでが大変です。

 

5.婦人科看護師のやりがいと向き・不向き

私は、新卒で婦人科から働き始めたので、自分のことで一杯いっぱいで、看護師からの視点でしか婦人科疾患の病気を看れておらず、あとで友人が卵巣嚢腫になった時にいろんな検査をするたびに一喜一憂する姿をみて、患者の視点になって看護できていなかったことに気づきました。

がんの手術や化学療法、放射線治療のために入院する患者も少なくありません。

特に、他の科と比べると、若い患者さんのことも多く、しっかりしている方が多いため、感情移入もしやすく、私の経験の中では一番、患者と特に治療方針や思いを沢山聞いて、一緒に悩んだ診療科でした。

若いがん患者は予後も悪く、化学療法や放射線療法で入退院を繰り返していたため、関係性もお互いにでき、治療のこと、家族のこと、余生をどう生きるか。たくさんの話をしました。

患者に拒否される時期もあったし、感情移入し過ぎて一緒に悩んで、苦しい時期もありましたが、とてもやりがいのある診療科であったと思います。

女性看護師tokuhouseさん(元婦人科病棟勤務看護師)

それでは、婦人科病棟に向いている看護師と向いていない看護師について私の経験からお伝えします。

 

婦人科勤務に向いている看護師

婦人科に向いている看護師は以下の通りです。

  • メンタルが強く、気持ちの切り替えができる看護師
  • 女性だらけの中で円滑にコミュニケーションがとれる看護師
  • 急性期が好きな看護師
  • 男性患者と接することが苦手な看護師もおすすめ

治療内容が重ければ重いほど、同じ女性で若い方も多いため、精神的負担は大きくなります。きめ細やかな気配りや病気で悩む患者に心身で寄り添うことのできる方が向いています

短期間で入退院する手術が多いため、クリニカルパスを使い、術前・術後ケアに対応していくことが多く、患者の入れ替わりは早いです。

元気になって退院していく患者も多く、感謝されることも多く循環器や腎臓内科などと比べると、急変は少ないですが、緊急事態にも対応できることが必要です。

 

婦人科勤務に向いていない看護師とは

  • 辛いことや、悲しいことを引きずる看護師
  • 女性ばかりのコミュケーションが苦手な看護師
  • ゆったりとした職場で働きたい看護師

若いがん患者も多く、患者はすべて女性ということで、感情移入しやすいと思います。そのため、辛いことや悲しいことは当たり前ですが日々あります。

婦人科の患者の特色として若くてしっかりした患者が多く、病室内で看護師の噂をされたり、拒否されたり、看護師のことも観察されているので、とても気を遣います。女性ばかりのコミュニケーションが苦手な看護師には向かないでしょう。

 

6.看護師が婦人科に転職するメリット・デメリット

看護師が婦人科に転職するメリット・デメリット

婦人科に転職する場合に感じる看護師のメリット・デメリットについて説明していきます。

 

メリット:婦人科領域の専門的知識が身につく

女性生殖器や、女性としての人生に関わることは、他の科にいては経験することの無い、独自の専門性のある科です。

 

メリット:看護の力を発揮できる、やりがいが大きい

若い10代の患者から、年配の患者まで、女性器に関わる患者がいるため、幅広い年齢層の患者と関わります。

デリケートな部分に関わることであり、ホルモンバランスの崩れなどから精神的に患者の不安や苦痛が大きいことも多いです。

何から何まで看護師が寄り添えるわけではありませんが、

  • ほんの少しそばにいて話しを聞いた
  • 手を握っていた
  • 適切な治療説明に安心した
  • チームで取り組んだ退院後の支援によって、前を向けた

といった声をいただくこともあり、大変な一方で知識と経験に基づく看護の力を発揮しがいがあり、やりがいも大きいと言えます。

 

デメリット:看護師も精神的に疲労をしてしまうことがある

患者への精神的に支えとなるようなコミュニケーションが日々必要となるなか、病棟業務は忙しいことが多いです。

同じ女性であることや、自分の子供、自分の人生に重ねあわせて感情移入しすぎてしまうと苦しくなり、無力感を感じることや、バーンアウトにならなることもあり、看護師自己の精神的管理も必要です。

 

デメリット:忙しく、時間で対応することが求められる

医師が産科と兼務しており、本当に忙しく分刻みの中で、内診、処置を行うため、医師の業務がスムーズにいくよう、看護師の準備、処置、報告相談能力も必要になります。

 

7.婦人科の看護師転職注意点

婦人科の看護師転職注意点

婦人科への看護師転職で最低限注意すべきことをお伝えしていきます。

クリニック、外来、病棟、いずれの転職を行う上でも確認してみてください。

 

(1)婦人科クリニックへ転職する場合の注意点

最近は婦人科を持つ大規模な病院は減少傾向にあり、むしろ婦人科だけに特化したクリニックに人気が集まっています。

看護師が職場を変えて婦人科のクリニックで働きたいと考えているなら、転職を決める前に覚えておくと良いポイントは、

  • 「勤務体系」
  • 「仕事内容」
  • 「医師の専門分野」

の3つです。

婦人科クリニックの勤務形態や仕事内容は院長によって大きく変わってきます。初めてクリニックへ看護師転職される方は「クリニック看護師求人|転職前の9つの注意点!」も合わせて確認しておきましょう。

 

医師の専門分野の確認

婦人科クリニックで何を得意な分野にしている医師か確認しておきましょう。診療科に興味があり、転職を考えている看護師の方であればチェックが必要です。

 

クリニックの評判も確認しておきましょう

患者からの評判の良い悪いは、働くスタッフの人間関係の良い悪いに大きく関係しています。評判が良いクリニックはスタッフ間の人間関係も良好だといえます。

そのため、なるべく評判の良い婦人科クリニックを選ぶようにしましょう。

 

(2)病院の婦人科に看護師転職する場合の注意点

病院の婦人科に看護師転職を行う場合、まずは希望の婦人科に入職できるかどうかがカギとなります。

看護師は募集しているものの、基本的に「婦人科の看護師を募集」している求人は、かなり少ないためです。

 

希望の診療科に転職する場合は面接時に交渉しよう

総合病院や大きな病院に転職した場合には、希望の診療科に配属が決まる条件を面接時当に伝える必要があります。

また、転職時は希望の診療科でも、すぐに移動を伝えられる場合もあるので、入職後の配属に関しても重要といえます。

婦人科の看護師として長く働くためには、転職する瞬間がポイントだといえます。

 

(3)希望条件が整ったら、看護師転職サイトを利用しよう

婦人科クリニックでも婦人科病棟・外来でも、希望条件が整ったら看護師転職サイトを利用しましょう。

なぜなら、クリニックの看護師求人は人気があるため希望求人を探しにくく、婦人科病棟・外来の場合は、単体で募集している看護師求人がないため交渉が必要になるためです。

看護師が評価した「看護師転職求人サイト口コミ評価ランキング」を確認しながら良い転職会社を探しましょう。

 

まとめ

婦人科病棟は、女性特有の病気でデリケートな分、細やかな配慮や心配りができるなど、急性期病棟以上にコミュニケーションスキルが問われる診療科です。

婦人科の看護師にとって患者と共に悩み、考えた分、やりがいはありますがストレスはそれなりに大きい診療科です。

特にがん患者とは、入退院を繰り返すため、信頼関係が生まれます。

余命をどのように過ごそうか悩んだ末、ホスピスに行くことになり、疼痛コントロールがうまくいき、余生を笑顔で過ごせた患者、残り数カ月の余命を本人に伝えることを拒否した家族共に、話し合い、本人が元気なうちにと娘さんの結婚式を早め、出席してもらえた患者など様々です。

同じ女性という目線で一生懸命向き合える看護師が婦人科に向いているのではないでしょうか。

また、産婦人科に関しては「 産婦人科の看護師求人|転職前にチェックしたい4つの事」も確認してみてください。

監修者

亀岡さくみ看護師
監修 亀岡さくみ看護師
  • 2011年3月:日本赤十字看護学校卒業
  • 2011年3月:看護師免許取得
  • 2011年4月:日本赤十字医療センター入社(3年間勤務)
  • 2015年3月:株式会社peko勤務
  • 2015年4月:はたらきナース監修

現在は、今までの経験を活かし「はたらきナース」を執筆・監修を行っています。

この記事は「」さんが執筆しました。

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