著作者

つみき

執筆:看護師

つみき

( 看護師 )

看護師歴20年の私が思う転職したら「楽な科」と「大変な科」

公開:、更新:2018年05月11日
看護師歴20年の私が思う転職したら「楽な科」と「大変な科」

看護師という職業は、人の命に携わる素晴らしい職業ですが、精神的にも体力的にもハードです。

その中でも、24時間・交代制で働く病棟看護師の仕事は、医療処置やケアも多く、不規則勤務であるためとても大変です。

病棟看護師の仕事内容は、主な仕事内容は共通しているものの、病棟・診療科の特徴によって、患者さんへのケアや業務内容、必要とされる知識や技術には違いがあり、看護師の業務量や忙しさも異なります。

それは、外科と内科という大きな違いだけではなく、各診療科においてもさまざまな特色や違いがあります。

いくつもの種類がある診療科の中には、一人一人の看護師それぞれに向き不向きの病棟や診療科があるはずです。自分の看護観・性格・経験などから、自分に適した診療科を見つけることで、今よりも「楽」に働くことができるかもしれません。

今回の記事では、各診療科の特色や違いの中から、精神的・体力的な負担が比較的少なく、イレギュラーな仕事や業務量が比較的少ないと思われる「楽な診療科」や、精神的・体力的な負担、予定外の残業や業務量が多く「大変な診療科」について紹介します。

1.看護師が「楽」に働くための診療科6つの条件

看護師が「楽」に働くための診療科6つの条件

医療現場で働く看護師は、患者さんに安心・安全で質の高い医療・看護が提供できるようにするため常に緊張感を持って業務にのぞむ必要があり、また日々の仕事に追われるなど、多くのストレスにさらされています。

看護師が少しでも楽に働くためにはどのような病棟や診療科がいいのでしょうか。

その条件を私の20年の経験から6つご紹介していきます。

以下の6つの条件を多く満たした診療科・病棟では、精神的・体力的な負担が少なく、イレギュラーな仕事が少ないことから残業せずに定時で退勤できると考えられます。

 

(1)重症患者が少ないこと

重症患者が少ないこと

重症患者がいると、精神的なプレッシャーがかかるため、仕事中の緊張感が増します。また、重症患者は、状態が不安定であるため急変の可能性があり、十分な全身状態のチェックが必要となります。

そのため、ベットサイドに行く回数も多くなります。また、必要な医療処置・ケアも多くあるため、ひとりの患者さんに要する時間も多くなります。

つまり、重症患者が少ないということは、看護師の精神的負担・体力的負担・業務量が少ない診療科と言えます。

 

(2)命にかかわる疾患の患者さんが少ないこと

命にかかわる疾患の患者さんが少ないこと

命にかかわる疾患の患者さんが多い病棟では、看護師はいつも緊張感をもって働かなくてはならないため、精神的なストレスが多くなります。

また、患者さんの看取りをすることも多いため、精神的な負担も多くなります。

さらに、急変も多くあります。そのため、命にかかわる疾患が少ない方が精神的負担の少ない診療科と言えます。

 

(3)患者の急変が少ないこと

急変が少ないこと

患者さんの急変時には、速やかな対応や的確な判断などのさまざまな能力が求められます。

急変があると、看護師にとっては予定外の業務が増えるため、とても忙しくなり、残業も多くなります。また、急変の際には、普段よりもさらに緊張感が高まり、精神的なプレッシャーやストレスが多くなります。

つまり、急変が少ないということは、看護師の精神的負担・業務量が少ない診療科と言えます。

 

(4)手術がないこと

手術がないこと

手術が多い外科系の病棟では、毎日オペ出し・オペ迎えがあります。術前は処置やV―S測定、患者さんの準備・必要物品の準備など多くの業務があります。

また、病院では1日に何件もの手術があること、多くのスタッフが関わっていることから、オペ出し時間は厳守しなくてはなりません。

術後は、患者さんの全身状態のチェック・管理が必要となるため、業務量が多くなります。また、急変の可能性もあるため、緊張感も高まります。

外科看護の仕事内容は、多岐に渡り、覚えることも多いため大変な仕事です。つまり、手術がないということは、看護師の精神的負担・業務量が少ない診療科と言えます。

 

(5)患者の入退院が少ないこと

入退院が少ないこと

在院日数が短い病棟では、患者さんの入れ替わりが多くあります。

患者さんが入院してくるたびにアナムネ聴取・入院説明・看護計画の立案などの一連の業務を行う必要があります。また、退院する時には、その都度サマリーを書かなければいけません。

つまり、入退院が少ない病棟では、その分の業務量が少ないということが言えます。

 

(6)看護師の力仕事が少ないこと

看護師の力仕事が少ないこと

看護師の仕事は常に立ち仕事です。それだけでなく、日々の業務の中には、体位交換や全身清拭、車イスへの移乗介助などの力仕事が多くあるため、体力的な負担が多くなります。

ADLが自立した患者さんが多い診療科や病棟では、看護師が日常生活援助を行う機会が少ないため、力仕事が少なく、体力的な負担が少なくて済みます

 

2.私が思う看護師が転職して「楽な科」とは

私が思う看護師が転職して「楽な科」とは

先ほど説明した「看護師が「楽」に働くための診療科6つの条件」を見てもわかるように、外科病棟よりも内科病棟の方が比較的ゆったりと余裕を持って働くことができます。

また、内科病棟には慢性期の患者さんが多く、経過を観察しながらじっくりと看護を行う部分が多いため、外科と比べると1人の患者さんと関わる時間が多い傾向にあります。

一般業務・ルーティン業務が多く、外科に比べると難しい処置は多くありません。

では、具体的にどのような診療科の病棟が、精神的・身体的な負担が少なく、イレギュラーな仕事や残業が比較的少ないのでしょうか。

 

(1)心療内科

心療内科

心療内科病棟には、命にかかわる疾患の患者さんは少なめです。もちろん、全くないわけではありませんが、他の診療科と比較すると少ないです。

またADLが自立している患者さんが多いため、日常生活援助を行う機会はそれほど多くなく、楽な科だと言えます。

心療内科において、看護師が行う医療行為は限定的で、残業は少なめです。

【詳細】心療内科に看護師転職を考える前の5つの確認事項!

 

(2)糖尿病内科

糖尿病内科

糖尿病内科病棟には命にかかわる疾患は少なめです。もちろん、全くないわけではありませんが、他の診療科と比較すると少ないです。

また、ADLが自立している患者さんが多いため、日常生活援助を行う機会はそれほど多くありません。

意識レベルが高く、意思疎通が取れる患者さんも多くいます。正しい療養法や栄養指導、運動指導を受ける教育入院目的の患者さんが多いため、楽な科の1つです。

【詳細】糖尿病内科に転職を考える看護師のメリット・デメリット

 

(3)皮膚科

皮膚科

皮膚科も患者さんの多くは意識レベルが高く、意思疎通を取ることができます。

手術患者さんもいますが、術後管理は他の外科と比べるとかなり楽です。

【詳細】皮膚科看護師転職での必要なスキルとメリット・デメリット

 

3.私が思う看護師が転職して「大変な科」とは

私が思う看護師が転職して「大変な科」とは

逆に「楽」に働くための条件にあてはまる項目の少ない診療科が、大変な診療科と考えられます。

これらを見てもわかるように、内科病棟よりも外科病棟の方が、これらの条件に多く当てはまります

外科で働く看護師の主な仕事は週手術期にある患者さんの急性期看護です。

 

 

(1)循環器内科・心臓外科

循環器内科・心臓外科

循環器科は、忙しく責任も重い、体力的にも精神的にもとてもハードな診療科です。

患者さんの急変や緊急搬送も多いため、残業も多めです。心電図の以上波形の読み取りができる知識が必要となります。

また、処置や検査だけでなく、ADLの制限がある患者への介助も多くあり、間違いなく大変な科だと言えるでしょう。

 

(2)脳神経外科

脳神経外科

重症患者や命に関わるような疾患の患者さん、意識レベルの低い患者さん、ADLの自立が難しい患者さんから、日常生活を送るのに困る症状の患者さんなど、色々な患者さんのいる診療科です。

急変も多く、また手術もあり、処置や力仕事も多いなど、業務内容が多岐にわたるため大変な科の1つです。

【詳細】脳神経外科に看護師転職|求人を探す前に注意する事

 

(3)消化器外科

消化器外科

消化器は範囲が広いため、消化器外科では多くの疾患を扱っています。

そのため、患者さんの年齢層が幅広く、病気の程度も様々です。また、悪性疾患の患者さんが多い診療科でもあります。

消化器外科には手術が必要な患者さんだけでなく、化学療法や緩和ケアを行う患者さんも多く入院しています。急性期から、慢性期、終末期の患者さんまで入院しているため、看護師の業務は多岐にわたり、忙しく大変な科です。

【詳細】消化器外科への看護師転職メリット・デメリット

 

(4)血液内科

血液内科

悪性腫瘍や難病などの患者さんが多く、高い専門性と高度な治療が求められる診療科です。

化学療法や骨髄移植を行う患者さんが多いため、全身管理だけでなく、感染対策も非常に重要となります。また、精神的・身体的な苦痛と負担が大きい患者さんも多くいるため、精神的なケアも重要となります。

さらに、患者さんの体調が急変することも珍しくないため、緊張感・精神的負担・イレギュラーな仕事が多い大変な科です。

【詳細】血液内科に転職を考える看護師のメリット・デメリット

 

4.「楽な科」へ転職したいと考える看護師の方へ

「楽な科」へ転職したいと考える看護師の方へ

負担の少ない診療科への転職は、業務における精神的負担や体力的負担が軽くなるといったプラスの面だけでなく、マイナスの面もあります

 

(1)どこの科でも大変な事はあること

もし職場の人間関係が複雑であれば、業務内容的には「楽な診療科」であっても、精神的に楽に働くことは難しいでしょう。

「楽な診療科」が必ずしも良い職場だとは言えないのです。

 

(2)「楽な診療科」と「自分に合った診療科」は違う

「楽な診療科」と「自分に合った診療科」は違う

精神的・体力的に負担が少なく、業務が限られている「楽な診療科」であっても、必ずしも自分に適した診療科とは限りません

診療科によって、看護師に必要なスキルが異なるため、自分の看護観・性格・経験を考慮したうえで、自分に合った診療科かどうか見極める必要があります。

また、「楽な診療科」というだけで、転職先を決めてしまうと、

  • 「自分の目指していた看護師像とは違う」
  • 「自分のイメージしていた仕事とは違う」

などのギャップが生じる可能性があります。自分が目指す看護師像や、自分がどのような病気と関わっていきたいのかなども、しっかりと考えることが大切です。

診療科に悩んでいる看護師は「私は看護師として何科に向いてるの?<適科診断付き>」も合わせて確認してみてください。

 

(3)急変のプレッシャーは少なくなるけど、やりがいも少なくなる

どのような診療科であっても、患者さんの容態が急変する可能性はゼロではないため、看護師としての責任・緊張感は常に持って働く必要があります。

また、『「楽」な診療科』の条件を多く満たしている診療科ほど、プレッシャーは少なくなりますが、その分看護師としてのやりがいも少なくなることが考えられます。

 

(4)業務は簡単になるけど、看護スキルが上がらない

業務は簡単になるけど、看護スキルが上がらない

精神的・身体的な負担が少なく、イレギュラーな仕事も少ない診療科では、ゆったりと余裕を持って働くことができます。

その反面、一般業務・ルーティン業務が多く、難しい処置が少ないため、看護師としてのスキルアップには繋がらないことが考えられます。

 

5.まとめ

看護師の仕事は、精神的にも体力的にもとてもハードな仕事ですが、その分やりがいや学ぶことも多くある素晴らしい仕事です。

ひとりひとりの看護師の看護観・経験・性格によって、いくつもの種類がある診療科の中にはそれぞれ向き不向きの病棟や診療科があるはずです。

また、結婚や出産・育児など、環境の変化によっても、働きやすい病棟や診療科は違います。

今後、

  • 自分が看護師としてどのように成長していきたいのか
  • どんな働き方をしたいのかを

さまざまな視点から考えたうえで、自分にとって働きやすい診療科を見つけられると良いですね。

『「楽」に働くための』の全ての条件を満たすことは難しいと思いますが、あなたに必要な条件を満たした診療科がみつかりますように。


(編集・構成・管理者:亀岡さくみ

看護師となってから約20年になります。都内の大学病院で約10年勤務し、管理職も経験しました。その他にCRA、クリニックでの勤務経験があります。4年間のブランクを経て、現在はパート看護師として クリニックに勤務しています。
結婚・出産・子育てをしながら働いた経験と、ブランクから復帰した経験を活かし、皆さんのお役に立てるような情報を発信していきたいと思います。

看護師としての経歴

保有資格 ・正看護師
年齢 ・東京都/40歳
職務経験 ・大学病院 ・CRA(臨床開発モニター) ・クリニック
診療科経験 ・整形外科 ・一般外科 ・ペインクリニック ・内科
・耳鼻咽喉科 ・眼科 ・皮膚科 ・泌尿器科 ・小児科 ・訪問入浴

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