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( 看護師 )

初めての方へ!「退院支援看護師」が役割と流れを解説します。

公開:、更新:2018年03月16日
初めての方へ!「退院支援看護師」が役割と流れを解説します。

最近多くの病院が積極的に行なうようになってきた退院支援ですが、まだ周知されていない部分もたくさんあります。

退院支援は今後も需要が高まり、患者と家族が安心して、安全に望む場所で療養していくため支援に興味を持っている看護師もたくさんいるのではないでしょうか。

退院支援の必要性が高まっている理由は「超高齢化社会(65歳以上の人口の割合が全人口の21%以上)」に突入しているためです。

日本は超高齢化社会となり、本当に治療が必要な急性期の患者が適切な治療を受けられるよう、療養の場を在宅にしていこうという国の方針(厚生労働省/在宅医療の推進より)があるからです。

今回は、「退院支援がどのようなものなのか」そして看護師が「どうしたらもっとよい退院支援を行えるのか」、現在退院調整看護師として2年目の私が体験談を元に、その方法をご紹介します。

1.退院支援看護師とは?

退院支援看護師とは?

退院支援とは、患者とその家族が望む生活の場に、安心、安全に退院できるよう支援することです。

現在、以前は病院でしかおこなえなかった医療が患者の在宅でも継続できるようになってきましたが、医療や介護の知識がない患者や家族は在宅で生活することが不安で仕方ありません。

そのため、患者に必要な医療処置を指導することや、介護方法を家族に指導することで、患者が在宅でも治療を継続できるよう支援することが求められているのです。

しかし、支援といっても簡単にはいきません。

患者と家族がどこに退院したいのか、その選択に関わり、そこで生活するために患者、家族が抱える問題点を抽出し、その問題点を一つ一つ解決していかなければいけません。

患者と家族のための退院支援をおこなうためには、看護師やその他コメディカルなどの多職種の密な連携が求められます。

 

(1)退院支援看護師になるには?

退院支援看護師になるには?

退院支援看護師になるには、退院支援に力を入れている退院調整部門を持つ病院で働くことが必要です。

つまり、

  • 退院調整部門に力を入れている病院
  • 回復期病院など時間をかけて支援できる病院

を選ぶと良いでしょう。

退院支援はほとんどの病院でおこなっていますが、力を入れている病院とそうでない病院の差は大きく、濃厚な退院支援がおこないたい場合は入院期間が短い急性期病院では時間が少ないため難しい場合が多いです。

 

補足説明!

ポイント

また、上記のような病院で働いたとしても退院支援看護師になれるとは限りません。そのため、自身での積極的な活動や退院支援を行っていきたいという希望を伝える必要があります。

 

(2)退院支援看護師に必要な意識とは

退院支援看護師に必要な意識とは

退院支援看護師として最も大切なのは「誰よりも患者と家族の意思に寄り添うこと」です。

患者や家族の状況、家庭環境、家屋状況によっては、在宅退院がどうしても困難な場合もあります。

また、医師が医療的な視点から退院困難だと決め付けてしまうことがあります。そのどちらの場合であっても、退院支援看護師は最後まで患者と家族の意思に少しでも近づけるよう努力をしなければなりません。

 

常に機転を利かせられる心構え

退院支援はいつもこちらの思い通りには進みません。

そのため、看護師は常に状況に合わせて臨機応変に対応しなければなりません。どのような状況になっても機転を利かせられるよう心構えをしておくようにしましょう。

 

(3)退院支援看護師におすすめの資格

退院支援看護師におすすめの資格

お伝えしているように退院支援は、患者や家族の気持ちに寄り添って進めていく必要があります。

そのため、

  • 臨床心理カウンセラー
  • 家族支援専門看護師

などの資格取得をおすすめします。

また、病院の環境ではなく実際に在宅でどのような生活が可能なのかという視点で考えることも必要です。

そのため、

  • 訪問看護認定看護師
  • 介護支援専門員(ケアマネジャー)

などの資格取得をおすすめします。

 

(4)退院調整看護師としてよりスキルアップするために

退院調整看護師としてよりスキルアップするために

退院支援看護師として、よりスキルアップするためには、より多くのケースに関わることです。

最初は誰でも介護保険や障害者制度について詳しくはありません。多くの患者と関わることで、同じような状態で在宅退院を目指す患者が抱く不安や問題点に気づくことができるようになります。

また、医療だけでなく介護、福祉に関する知識を深めるために、研修や情報交換会などに参加することでも、知識の幅を広げることができるでしょう。

 

退院調整看護師セミナー

退院支援が強化されるようになったことで、各地の看護協会が退院支援強化研修などをおこなっています。

例えば、東京都であれば「東京看護協会」を参考にしてください。

また、家族支援専門看護師や訪問看護認定看護師等による研修やセミナーなども開催されています。

 

2.看護師が行う退院支援の流れと役割

看護師が行う退院支援の流れと役割

退院支援をおこなう病院によって、それぞれ実施しなければならない期日が定められています。

退院支援看護師の役割と共に流れを確認していきましょう。

入院後から、以下のような流れで退院支援看護師が働きかけ、患者と家族が在宅に退院する日を迎えることができます。

 

(1)入院時からゴールを見据えた関わりをする

入院時からゴールを見据えた関わりをする

退院支援は入院したまさにそのときから始まっています

入院したばかりの患者と家族は、これからどうなるのかという漠然とした不安があります。

だからこそ、看護師は患者の状態を瞬時にアセスメントし、何がどうなったら退院できるのかを明確にして、患者と家族と同じ目標を目指せるようにします。

そうすることによって、退院のために問題になることの抽出がスムーズになります。

 

看護師の役割:どうしたら希望を叶えられるのかを一緒に考える

病院は医療者がいて安心できる場所ですが、やはり住み慣れた自宅で療養し最期まで過ごしたいと希望する患者が多いのです。

患者と家族の自宅に帰りたいという希望を汲み取り、どうしたらその希望を叶えられるのかを一緒に考えていくことも退院支援を行う看護師の大切な役割なのです。

 

(2)スクリーニング:退院のため問題になることを抽出する

スクリーニング:退院のため問題になることを抽出する

入院早期に患者が退院するために問題になることを抽出します。これをスクリーニングと言います。

例えば、

  • 排泄が自分でできない
  • 内服が自分でできない
  • 歩行ができない

など、患者の在宅退院が困難になる要因をピックアップして、どのような支援が必要なのかを考えていきます。

 

看護師の役割:患者の意思決定の支援をする

これからのことに関して意思が定まっていない患者、家族の意思決定を支援します。

自宅に帰りたいと入院時から決めている患者、家族であれば比較的スムーズに行くのですが、どこに退院したらいいのかわからない、これから先どう生活したらいいのかわからないというように入院後しばらく悩んでいる場合もあります。

すると、退院時期を逃してしまうことや、結果的に退院できなくなってしまう患者もいます。

そのため、日々のコミュニケーションを通して、必要な情報を伝授し話を傾聴しながら患者と家族が自ら今後のことについて決められるよう支援していきます。

 

(3)共同カンファレンスを開催

共同カンファレンスを開催

スクリーニングで出た問題点を看護師、医師、理学療法士、作業療法士、栄養士など多職種との多職種間で共有し、さらに患者や家族の希望を合わせて退院時の目標を立てます。

 

(4)患者、家族との面談

患者、家族との面談

ここでは、患者と家族の意思を確認すると共に、立てた目標の意図や計画などを説明し、患者と家族も同じ目標に向けて入院生活を送れるよう目標を共有します。

さらに、退院後の生活を見据えて必要になる支援などの話し合いをします。

その後も、患者や家族の不安や困りごとがあれば、その都度話し合いをして解決していきます。

 

看護師の役割:医療処置など本人と家族への指導をする

患者と家族の意思が固まったら、今度はそこに向けて必要な指導を看護師が行ないます。

例えば、自己導尿をおこなわなければならない患者やインスリン接種をしなければならない患者には、1からその方法を指導し、時には患者がやりやすい方法を一緒に探しながら患者が一人でできるようになるまで指導をおこないます。

また、患者ができない部分は、家族が代わりにできるように指導していきます。

このとき、私たち医療者が環境と設備の整った中でおこなう方法ではなく、患者と家族が生活する環境でもできるよう、方法を考えて指導していきます。

 

(5)患者、家族への指導と在宅サービスの調整

患者、家族への指導と在宅サービスの調整

目標に向かって必要な患者、家族指導をおこないます。

それと同時進行で、退院後に患者と家族が利用する在宅サービスを依頼、決定し、情報共有をおこないます。

 

看護師の役割:在宅医療、サービス、福祉などにつなぐ

退院後は病院を離れて、地域の医療やサービスなどを使って生活していくため、各担当者との情報共有、利用開始の準備を看護師がおこないます。

そのためには、患者と家族にどのよう支援が必要なのかを入院時からよくアセスメントしておき、何気ない会話の中での気づきを各担当者に伝達することが看護師の大切な役割です。

 

(6)退院前のカンファレンス開催

退院前のカンファレンス開催

決定した在宅サービス担当者と患者、家族、入院中に関わった医療者等で最終的なカンファレンスを行い、実際に退院するまでに解決しなければならない問題点などを話し合います。

 

看護師の役割:退院前までに関係各所とのカンファレンスを開催する

患者の入院中の病状や退院時の状態、家族の様子や思いなどを在宅医療やサービスの担当者と実際にあって情報共有する退院前カンファレンスを開催します。

基本的には患者と家族に必要な各種サービスが整ってからおこないます

しかし、既に各種サービスを利用している患者の場合は、実際に在宅でどのように生活していたのかを聞き、そこに向けて入院時から退院支援ができるように、入院早期に入院時カンファレンスを開催することもあります。

 

(7)退院日の決定、各在宅サービス担当者に連絡

退院日の決定、各在宅サービス担当者に連絡

見えてきた問題点を解決し、退院日を決定します。それにあわせて在宅サービスがすぐに患者と家族に介入できるよう連絡をします。

 

看護師の役割:地域の医療や介護と連携を図ること

まだ症状が残る患者は目の前の不安が非常に大きいです。中には病院を追い出されてしまうと感じる患者もいます。

看護師はそのような不安を傾聴し、寄り添い、安心を取り戻せるように関わるのが退院支援です。

そして、実際に安全に退院できるように在宅の環境を整えるために地域の医療や介護と連携を図ることも重要な役割です。

 

3.まとめ

参考:厚生労働省/在宅医療の推進について

退院支援は、今までどおりの看護をしながらおこなう必要があり、最初のうちはゆとりがなく大変さを感じることもあると思います。

しかし、退院に不安を感じていた患者や家族が笑顔で退院していく姿をみていると、やりがいを感じます。

医療者にとってではなく、患者、家族にとってよい形で希望する場所に退院できるよう支援していきましょう。

高校卒業後、大学に進学したものの将来の方向性に悩み中途退学。その後、学生時代から勤めていたアルバイト先で看護師という仕事に魅力を感じ、社会人経験を経て看護師になりました。

看護師としての経験はまだ浅いですが、他の職種での経験を活かした視点で、どんなときも患者さんを思った優しさのあるケアができる看護師になることを目指しています。

看護師としての経歴

保有資格 ・正看護師
出身/年齢 ・東京都/30代前半
職務経験 ・総合病院 ・療養型病院 ・歯科医院(クリニック) ・デイサービス
診療科経験 ・小児科 ・脳神経外科 ・眼科 ・救急外来


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