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看護師ライター

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( 英国生看護師免許)

海外の病院での医師・看護師・患者の呼び名は?日本とはルールが違うんです

公開:、更新:2018年04月23日
海外の病院のスタッフの呼び方

看護師の皆さん、お仕事お疲れ様です。

「ところで皆さんは職場ではどのように呼ばれていますか?」

患者さんからは「看護師さん」もしくは病棟看護師さんなどで担当患者さんであれば、苗字にさん付けで呼ばれることがほとんどだと思います。同僚同士であれば基本的には苗字で呼び合いますね。

看護師の役職者になるとその役職名で呼ばれることが多いでしょうか。

例えば師長さんでしたら、「師長」主任さんであれば「主任」と、苗字よりもポジション名呼ばれることが多いのではないでしょうか。

それに対して医師はランクによらずに、誰でも「先生」と呼ばれますね。

まだ医学生であっても「先生」と呼ばれることもあります。患者さんや看護師はもちろん、医師同士もお互いを先生と呼びますし、先生と言う言葉は、会話での医師への呼称として定着しているかと思います。

このように日本ではわりとシンプルにお互いの呼び方が定着しています。

ところが海外では、このお互いの呼び方がもう少し複雑になってきます。それでは一体どのように呼ばれ、なぜ複雑なのか、職種名も簡単に合わせて紹介させてくださいね。

1. 海外の管理職看護師の呼び名

海外 管理職看護師 呼び名

まずは看護師の役職名について簡単にご紹介します。

日本の正看護師はRN(Registered Nurse)と呼ばれます。新卒看護師 (newly qualified nurse)はStaff Nurseと呼ばれるポジションからスタートします。

最近はスタッフナースは日本でも使われることが多いですよね。

ここから役職者になり、キャリアアップしていく看護師がいるいっぽう、定年までStaff Nurseのままでいる看護師さんも結構います。

 

海外の看護師長は何と呼ばれてる?

日本の総合病院の看護師のトップは看護部長さんになりますが、このポジションは国によっても違いますが、大抵はChief Nurse(チーフナース)と呼ばれます。

日本の病棟師長はイギリス、アイルランド、オーストラリアなどではward manager, アメリカではHead Nurseと使われるようです。

もっともアメリカでは州ごとにルールや慣習も違うので、統一化されているのではなく「このような使われ方が多い」ということです。イギリスではStaff Nurseから管理職に進むと、Sister, Matronの名称が使われます。

Sisterのなかから病棟師長(ward manager)が選出されます。

ここに書ききれないほど看護師の職業も細分化されて呼び方もいろいろあるので、機会があれば紹介をしてみたいなと思います。

 

2.看護師同士はランクに関わらずにファーストネームで呼び合う

海外 看護師同士 呼び名

看護師の職業ランクはいろいろあって、それによって役職名も多数あると説明しましたが、看護師はほとんどの国で年齢、ポジションに関わらずにファーストネームで呼び合います。

例え今年看護師になったばかりの若い看護師であっても、定年間近のChief Nurse(看護部長)のことをファーストネームで呼びます。

これは他の職業でも欧米社会では同じですね。

 

担当患者からのファーストネームで呼ばれるように

患者さんからは「nurse」と呼ばれることもありますが、これはお互いをあまり知らない関係であって、大体の場合には自分の担当患者やその家族には自己紹介をした後は、ファーストネームで呼ばれるようになります。

ただイギリスは欧米の中でも保守的で、いまだに上記で紹介したSister, Matronなどの役職名で呼ぶこともあります。

ほとんどのSisterはそれを嫌がりますが、たまに年齢層が上の人だと、役職名で呼ばれることを好む場合もあります。かなり珍しいケースですが。

 

公式な書類ではラストネームを使用

公式な書類では看護師もどの階級でも苗字を使います。

病院内の記録には自分のランク名+苗字を使うことをルールとする病院も多いです。例えば、スタッフナースの場合には省略文字でS/N苗字となります。

 

3.海外の医者の呼び名

海外 医者 呼び名

日本では上記したように医師のランクに関わらずに「先生」と呼ばれますが、海外ではその事情は異なってきます。

医師の役職名はその国の教育システムによって独自のものを使うことが多いです。

その教育システムも国がガイドラインを頻繁に変える国もあるので、ここでは研修医(Junior doctor)と研修過程を終えた医師(Senior Doctor)を現場ではどのように呼ぶかについて見ていきましょう。

患者が医者を呼ぶ場合

基本的に患者さんは医師に対してDoctor+苗字を使って呼ぶことがほとんどです。

研修医の立場であっても、多くはこの方法で呼ばれますが、なかには研修1年目の医師だとファーストネームで呼ぶことを好む医師もいます。

 

関係性が薄い場合は「doctor」

もちろん名前もよくわからないあったばかりの医師では、単に「doctor」と呼びます。

これは看護師や他の医療職者たちからも同じで、特に着任間もない医師、または常勤でない医師などでは、最初はこのように呼ばれます。

 

スタッフがシニアドクターを呼ぶ場合

これはほとんどの国で患者さんからはDoctor+苗字と呼ばれます。

正式なドクターのタイトルを使って呼ぶことが、看護師や研修医には基本的に求められます。イギリス、オーストラリア、ニュージーランドなどの医師でトップの階級にいる医師はconsultant、次がRegister と呼ばれますが、これらのシニアドクターは内科がDr、外科がMr ,Mrs, Missなど、それから外科の中でもProfessorを使う場合があり、この3つのタイトルいずれか+苗字を付けて呼びます。

これはもちろん一般人が使うMr,Mrsとは違って、決められた教育とトレーニングを受けてこの医師としてこの称号を使うことが許可された医師が使う、職業上のタイトルです。

少しややこしいので補足させていただくと、例えばBrown先生という男性医師がいたとしましょう。内科であればDr Brown, 外科であればMr Brown, 指定されている場合はProfessor Brownとなります。

 

オンとオフで呼び名を使い分けることも

部下にも休憩室などの仕事外ではファーストネームで呼ばれることを好む医師もいます。

つまり厳格なルールはないけれど、職場ごとの慣習によるものが大きいのでしょうね。このあたりはお国柄というか、イギリスに比べてオーストラリアなどはカジュアルなようです。

もっともイギリスでもここ最近は、シニアドクターのこのフォーマルな呼び方についてもいろいろ議論が上がっています。

 

スタッフが研修医を呼ぶ場合

研修医は基本的にファーストネームで呼ばれることがほとんどです。これはシニアドクターからはもちろん、看護師や他の医療職者、或は自分よりもヒエラルキーの下のポジションになる研修医や医学生や看護学生からさえもファーストネームで呼ばれます。

日本では看護師はもちろん、看護学生が研修医をファーストネームで呼ぶなんて、ちょっと考えられませんね。でも研修医の方も、フォーマルな呼ばれ方は立場上、敬遠するようです。

 

間違えて研修医をDotorと呼んでしまった私の経験談

私が看護学生1年目の初めての実習で、何も医師の呼び方の事情などを知らずに前期研修医の医師に「Doctor (苗字), 」と話かけたところ、かなり真剣な表情で「その呼び方は辞めてください、ファーストネームで呼んでください!」とヒソヒソと、でもキツく言われたことがあります。

その研修医は焦った表情でシニアドクター達の方を振り返り、私との会話を聞かれていなかったかをチェックしていたようでした。

このように研修医の呼び方は病院や地域によってはかなり敏感なこともあります。

多分シニアドクターと異なり、まだ職業上のタイトルが付いていないので当然なのかもしれません。お互いをファーストネームで呼び合うせいか、研修医と看護師や他の職員の仲はとてもカジュアルで時には「友達のような同僚」と言った雰囲気が醸し出されます。

 

失笑を買ってしまう外国人研修医もいました・・・

しかし、外国人医師の中には、その「不文律」を理解していない医師もごく少数ですがいるようです。

欧米諸国では外国出身の医師も多く勤務しています。

英語も堪能で医師としては素晴らしい技能を持っているのですが、病院内での医師とのして立場が出身国によっては必ずしも同じではないようです。

このような医師の中には、研修医であっても看護師や自分よりも階級の下の研修医に自分を Mr やMrsと呼ばせることがあります。医師の階級は単に「誰が偉い」という事だけではなく、どの階級の医師がどのような診察や検査ができるのか、ガイドラインもきまっています。

実際に「Mr」と呼ばせている医師なので患者さんのMRIチェックをお願いしたら「私のランクではまだそれはできない」と言われたことがあって、その場で初めて「あら、このドクターは研修医だったの?」と驚いたことがあります。

ある病院の部署で「医師のランク別の呼び方」などを作成して、「この役職者はこう呼びましょう」などのルールを作っている病棟もありました。

みんな苦笑いしていましたが、確かにMrと呼ばせて「研修医なのでできません」では急ぎの時などはシャレではすまないこともあります。空気を読む能力も海外では必要なのかもしれませんね!もちろん、多数の外国人医師はうまく周囲に合わせてやっていますが。

 

4.海外の病院の患者の呼び名

海外 患者 呼び名

最後に患者さんの呼び方です。まず無難な方法は、自分が受け持った時に書類に患者さんの名前が書かれているかをチェックします。

欧米の場合には入院書類などちょっと公式文書ともなると、必ず名前の前に付けるタイトルを質問する項があります。Mr, Mrsなどですね。ややこしいですが、外科のConsultantのタイトルではなく一般に名前に付けるタイトルですね。

これを見て、患者さんが選んだタイトルに苗字を付けて呼びます。

 

患者さんが呼んでほしい名前を確認

そして次に「どのようにあなたをお呼びしたらいいでしょうか?」と聞くようにします。

大半の患者さんはファーストネームで呼ばれることを好みますし、中にはミドルネームで呼ばれることを好む人、ファーストネームを略式で呼ばれることを好む人などもいます。

例としてイギリスの王妃、キャサリン妃はKatherineが本名ですが、Kateと呼ばれていますね。

同じこの名前でも本人の好みで、 Katie、 Katyなど呼び方が変わってきます。病院では” Preferred name”(呼ばれ方の希望)などを記入する欄も入院書類に盛り込まれていることもあります。

患者さんの希望を聞いて、それを実行する方法は特に欧米では強調されます。海外からの患者さんの看護をする機会があれば、ぜひ”What should I call you?”と質問してみてくださいね。

 

まとめ

今回は海外では医師、看護師、患者はどのように呼ばれるのかをざっと紹介してきました。

そににしても大企業の社長やイギリスのロイヤルファミリーなどでも、カジュアルにファーストネームで呼ばれることが多い欧米社会ですが、医師の中には保守的なスタイルが残っているものですね。

それに比べて日本の医師は誰でも「先生」と呼べばいいのですから、覚えやすいものです。

もし海外の医療関係者と合う機会があったり、外国人の患者さんを職場で受け入れた場合など、参考にしてもらえると幸いです。

欧州の国にて大学で正看護師(Registered Nurse)の免許を取得して、現在も欧州在住のまま病棟勤務をしています。医療通訳の仕事もたまにしています。二児の母です。


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